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  聖女様聖女様と、ルルアを褒めそやし崇め大騒ぎの学園から、うんざりしながら寮に戻った一行は、談話室でお茶を飲んでいた

  「リーザロッテ様は大丈夫と言っていましたけど、おそらく大丈夫ではありませんわよね」

  「今までの様子を見ても、風当たりは更に強くなるでしょうね」

  「でもさ、あの男爵令嬢が夢で見たってだけだろう?教会で認められなきゃ、聖女にはなれないんじゃないのか?」

  ルイに四人の目が集まる
  学園からの帰りから厳しい顔をしていたエルバルトは

  「教会が認定しないと聖女とは公表出来ない。が、おそらく認められるだろうな」

  「何故言いきれる?」

  「学園を見ればわかるだろう?アレの影響がほぼ学園中に広がっている。影響を受けていないのは、俺達とリーザロッテ嬢だけだ」

  「確かにそうだな」

  「教会に行けば、教会の者達も確実に影響を受けるはずだ。それに、リーザロッテが言っていただろう。この国では、聖女は伝説だと記述されていると」

  「言っていましたね。建国の時に現れたと言われる聖女だけだと」

  「そう。その伝説でしかない聖女が現れたとなれば?アレの影響下で」

  「……確実に盛り上がって公表するでしょうね」

  「この間もそうだっただろう。事実かそうでないかは問題ではないんだよ。あの男爵令嬢が言った事が事実になるんだ」

  ずっと黙っていたセレスティアが、立ち上がって窓際に行くと、窓の外を見ながら

  「今の学園の中の状態が、王都中に広がるという事になるのかしら」

  「そういう事になるだろうな」

  「私達は、この国を救いに来たわけではありません。端的にいえば研究と観察の為です。おそらく今までの国のアレを聞く限りでは学園からだろうという事で私達が代表して来ました。ただ一つ、想定外だったのが、リーザロッテ嬢の事ですね」

  リドウィンがそう言うと五人の視線がエルバルトに向いた
  エルバルトは唇を噛み締めて

  「俺は別に……」

  「別に?ではこのまま黙って観察を続けて、リーザロッテ嬢を見捨てますか?」

  「それはっ……」

  言葉を詰まらせるエルバルトの肩に腕を回したルイがニヤリと笑った

  「無理するなよ、リーザロッテ嬢を見捨てるなんて出来ないんだろ。陛下も王太子殿下も納得してもらえるような方法を、リドウィンが考えてくれるって。なぁ?」

  エルバルトを元気づけるように大きな声で言ってカラカラと笑うルイに

  「私に丸投げじゃないですか。まぁ、明日からの様子を見ながら何か考えましょう」

  リドウィンも溜め息を吐きながら苦笑する
  少しだけ部屋の空気が軽くなった
  話を聞いていたセレスティアとアイリスも顔を見合わせて微笑みあった
  
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