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  エルバルトが、リーザロッテと辺境伯令嬢エミリアを連れて王都を回りたいのだと王太子に相談すると、三日後に予定を調整してくれた
  
  リーザロッテに話すと大変な喜びようでエルバルトも嬉しくなる
  さて今回はルイをエミリアのパートナーとして護衛として連れて行く事にするが、エルバルトとしては世話焼きばばあのような事をするつもりはない
  純粋に彼女たち二人にライディン王国を楽しんでもらいたい
  当日は、大仰にならないようになるべく簡素なワンピースと王家の馬車ではない目立たない馬車を用意した
  普段よりも可愛らしい雰囲気になった二人のワンピース姿にエルバルトもルイも思わず見蕩れてしまうが、気を取り直して馬車に乗り込んだ

  白い建物を基調にカラフルな屋根の可愛らしい建物のお店やオシャレな外観の店舗が建ち並ぶ王都の中心地区に走らせる馬車の中でもリーザロッテとエミリアは街の清潔さに感心したり、街並みに感動したりしていた
  中心地区の中央の広場の端で馬車を停めると、エルバルトとルイがエスコートして馬車から降りた
  可愛らしいアクセサリーなども取り揃えている宝石店や雑貨屋などを見てまわり、最近王都で人気のあるカフェに入る
  活気がありながらも穏やかな人々の様子を見ていれば皆満ち足りた生活を送っているのが手に取るように分かる
  カフェのショーケースには色とりどりのスイーツが並び、それぞれ好きなスイーツを選んで席についた
  
  ケーキとともに、ティーポットにフルーツが詰まった紅茶が運ばれてくると、リーザロッテとエミリアは目を輝かせる

  「フルーツティーと言って、近頃流行っているものだよ」

  「ライディン王国はフルーツが豊富でとても美味しいですものね」

  「土魔法を使える者達が研究して品種改良したりしているからね」
 
  「まあ、そんな事まで出来るのですのね」

  「それぞれが属性を活かして色んな事をしているんだよ」

  エルバルトとリーザロッテが話していると、エミリアとルイも運ばれてきたスイーツを食べながら会話を弾ませていた

  辺境伯令嬢として幼い頃から剣技を嗜んできたエミリアと騎士団に籍を置くルイは気が合うのだろう
  魅了のせいだとはいえ婚約破棄を受けたエミリアが笑っている姿を見てリーザロッテは嬉しかった
  エルバルトも、王都の気易い雰囲気の影響か、気負わずに話しを弾ませるルイと、少なくともルイに対して悪感情は抱いていないだろうエミリアの様子に安心した
  
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