勘違いって恐ろしい

りりん

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  「貴女とキンバリー様が、学園で大勢の方々の前でわたくしを貶めた次の日に、わたくしとキンバリー様の婚約は解消されました。その後に、事情を話した上で、レイモンド様との婚約が成立しましたの。貴族の婚約は国王陛下の元に結ばれた契約です。キンバリー様はその契約の違反を犯した、だから婚約を解消したのです。その原因はアンナ、貴女です」

  いつ、何があったか、何が原因で、それによって招いた結果を、幼子でも理解出来るようにわかり易く告げる事にする
  
  「私……が、原因?」

  アンナは不満そうである

  「貴女が、ありもしない勘違いをした事が、全ての原因です。それを軽々しく口にして弱々しい振りをしながら令息がたに擦り寄って誑かしたのですわ」

  「誑かしただなんて、そんな言い方っ……」

「誑かした以外に言い方があるのかしら?未婚の、それも婚約者のいる異性に擦り寄って、虐められているだの不当に扱われているだの、ありもしない事で泣きついて同情を買う。それをなんと申せばいいのかしら?」

  貴族達も平民達ですら眉を顰めてヒソヒソと囁きあっている。アンナのしていた事は、娼婦として扱われても仕方のない行動であった
  学園の多くの生徒達に目撃され、それを生徒達が家人に話す、そうやって社交界でも噂になっていたのだ
  
  「それに乗せられて踊らされるキンバリー様方はとんだ道化師でございましたわね」

  「……俺は、騙されたんだ」

  アイザックが顔を歪めて呻くように呟く

「騙された?それは通用しませんわね。散々忠告もしましたわ。涙を流すアンナが可哀想だの健気だの可憐だのと、聞き入れなかったのは貴方でございます。学園や社交の場で、もっと真摯に周囲の言葉に耳を傾けるべきでしたわね」

  呆れたように言い切るとパチンと扇を閉じて、厳しい目をアイザックとアンナ、その他関係していた令息に向けると

  「もう全て遅いのですけれども、ね。貴方方は、多くの人の人生を狂わせてしまいましたわ」

  「どうして?お義姉さ……」

  「お義姉様ではありません」

  言いかけたアンナの言葉を遮る

  「……っ、……ユリアーナ様は別な婚約者が出来たのだから、それで終わりじゃないですか。新しい婚約者が不満なのですか?」

  アンナは何も解っていない
  そしてまた、勝手な勘違いをして失礼な言葉を吐く
  ユリアーナは思わず感情的になりそうになるのを大きく息を吐いて落ち着かせた

  「誰が、不満などと申しました?レイモンド様と婚約出来た事は嬉しく思っていますわ
  わたくしの事だけではないのです。貴女が誑かした、多くの令息方にも婚約者がいらっしゃったのですよ」

  ユリアーナは敢えて過去形で話した
  それによってアンナの後ろで身動ぎもせず固まっていた令息達が息を飲んだ
  ユリアーナが過去形で話した意味が解ってしまったからだった

  「言ったでしょう?貴族にとっての婚約と婚姻は契約だと。政略にも意味があるのです。それでも、蔑ろにされた方は黙って受け入れられる筈はないでしょう?」

  
  
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