80 / 113
80. 過去を受け入れて-7
しおりを挟む
幸せに浸かりすぎて、惚けたように立ち尽くしていた俺は、奈央に背中を押され連れて来られたリビングで、ソファーに座るなり見馴れたはずの部屋を見渡している。
辺りに目を遣りながら、言葉は出ずとも、思考能力は徐々に取り戻しつつあった。
……そうか。俺、誕生日だったんだ。
十月二十五日である今日は、俺の二十四回目のバースデーだ。
自分の誕生日をすっかり忘れていた俺は、記憶の中からしっかり見つけ出していた。奈央が言った“約束”の答えを。
それは、八月の奈央の誕生日。花火を見ながら祝い、二人で過ごしたあの夏の日に、俺の誕生日は自分が祝うと言ってくれた奈央の、それこそが“約束”だったんだと。
「あんまり見ないでよ」
まだ周りを見渡している俺に、キッチンから戻って来た奈央が照れくさそうに言う。
それを誤魔化すためか、俺の目も見ずに、キンキンに冷やされていたシャンパンボトルを、『開けて』と言わんばかりにつき出してくる。
素直に従い栓を抜けば、ポン、と小気味良い音が響く。俺の手にキノコ形のコルクだけを残しシャンパンを奪った奈央は、それを二つのグラスに注いだ。
「これ……奈央一人でやったのか?」
「敬介、いいの? 言いたいのはそこなの? 私、普通に自分のグラスにも淹れてるけど?」
注意されるのを覚悟で、自らのにもシャンパンを注いだらしい。寧ろ、俺の意識を別に向ける為に、敢えてそうしたのかもしれないが、
「んー、あんま飲み過ぎんなよー」
棒読み返しの俺は、正直それどころじゃない。興味は別のところへと向かってしまう。
これを奈央が一人でやったのかと思うと、その一つ一つに目が奪われ離せずにいた。
飽きもせずに眺める俺を見ながら、大きく息を吸い込み吐き出した奈央は、自分のグラスを手に取ると、俺の隣に座って徐に口を開いた。
「神戸に帰ってたの」
チョロチョロと落ち着きのなかった俺の視線は、自然に奈央へと定まる。
これだけは、しっかりと訊かないとならない。この二週間を話そうとしているだろう、奈央の言葉を。
「あぁ。お袋さん、元気だったか?」
当たり障りない訊き返しに、
「……母親を、泣かせて来た」
ゴールドの液体を見つめながら、奈央は言った。
「……そっか」
何となく、分かった気がする。何故、奈央の母親が泣いたのか。何故、奈央が泣かせたと言ったのか。
きっとそれは、優等生の皮を脱ぎ捨て、我慢してきた思いの丈を、母親にもぶつけて来たのだろう。父親にそうだったように。俺にもそうだったように。
「その母親がね、私に渡すの。大量のアルバムを……」
「うん」
「一体どこにしまってあったんだか、見たこともない写真が一杯あった」
「そうか」
「何度も何度もそれを見て、こんなこともあったなぁ、なんて思い出したりもして」
「うん」
「……だから、ね? これは、私の過去の記憶なの。私の大切な、思い出」
そう言って奈央は、さっきまでの俺のように、リビング全体を見渡した。
俺が目を奪われ、今、奈央が見つめる視線の先々は、華やかに彩られている。
昨夜まで寒々しく感じていたものは、影さえも残っちゃいない。
リビングの天井には、中央から四方にわたって、色とりどりの紙テープが緩やかなカーブを作って飾られ、その間には、沢山のカラフルな風船が宙に舞っている。
カウンターや窓辺には、高さがあるものから低いものまで、可愛らしくアレンジされた花々が並び、テーブルの上には、沢山の料理と共に、キャンドルに灯されたオルゴールが『Happy Birthday to You』を奏でていた。
これが、奈央の記憶であり、大切な思い出だと言うのなら……。
「子供の頃の奈央は、こんな風に誕生日を祝ってもらってたんだな」
莉央ちゃんと似た幼い頃の奈央が、無邪気に笑う姿が頭に浮かんだ。
「敬介?」
「うん?」
「私…………どうやら、ちゃんと愛されてたみたい」
はにかんだ笑顔のその瞳には、薄っすらと涙の膜が張る。
「だからね? 敬介にも見せたかったの。私が、幸せだと感じていた頃と同じ形で、敬介を祝いたかったの。敬介だったら……敬介なら、絶対に喜んでくれると思って」
奈央の想いに、身体中が震え立つ。
奈央の手からグラスを奪いテーブルに置くと、
「ちょっとだけ我慢しろよ」
言うと同時に、奈央を強く抱きしめた。
震えを抑え込むように細い腰を引き寄せ、手触りの良い柔らかなブラウンの髪を撫で付け、頭ごと抱える。
「すげぇ、嬉しい」
それでも止まらない震えは、俺の声にも表れていた。
「こんな嬉しいプレゼント……貰ったことねぇ」
何度も何度も、この喜びが伝わるように、震える声に想いを乗せる。
「……泣かす気かよ」
堪らなかった。堪らなく愛しかった。過去の幸せを消し去るほど、深い悲しみを味わってきた奈央が、漸く負の感情を昇華させた証が、今この部屋にはある。
奈央が思い出した幸せを、俺にも分けてくれたこの最大のプレゼントを……、
「敬介……心配かけて、ごめん」
悲しみを脱ぎ捨て、前に向かって歩き出した今日というこの日を、胸にも脳裏にもしっかり刻みつける。
震える声さえ、もう出やしないけど。込み上げてくるものに堪えながら、俺は思った。一生忘れやしない、と。
何も言わず大人しく腕の中に収まってる奈央は、きっと知っている。この幸せを得るまでの俺の心情を。だからこそ黙っているのだと思う。
自分の誕生日すら思い出す余裕のなかった俺を、労わるように、癒すように、温もりを伝えようと、その身を俺に預けてくれているのだと思う。
玄関先で、おめでとうの前に“ごめん”と言ったのも、心が消耗していたのを見てとったからだろう。
影すら潜めて落ちていた奈央は、もう何処にもいない。その証拠に、込み上げてくるものが落ち着けば、
「いつまでこうしてる気? エロ教師」
タイミングを計ったように毒を吐く、以前と変わらぬ奈央がいるのだから。それが、余計に俺を喜ばす。
「責任持って、いっぱい食べてよね」
二人でグラスをぶつけ、目の前に広がる料理に手を伸ばす。
から揚げにポテトフライ。グラタンやナポリタン、ポテトサラダにフルーツポンチまである。そして、フルーツがぎっしり乗っかったバースデーケーキ。
子供の誕生日に相応しいと思える料理の数々は、そのどれもが奈央の手作りだ。
勿論…………大量に、だ。
決して、二人分じゃない。いや、奈央からすれば、二人分を作ったつもりかもしれないが、男五人で食べても、苦しいほどの満腹感を得られるだろうそれらを、一つ一つ口に運ぶ。
「旨いな」
「ほら、こっちも食べて」
「おぅ」
皿が空けば、甲斐甲斐しく奈央がお替りをよそってくれて、喉を通過させるのに困難を極めながら、時間を掛けひたすら食べた。
喉の通りが悪かったのは、あまりの量に胃がムカついたせいじゃない。嬉しさに胸が痞えたせいだ。
久々にまともに食べた料理は、どれもこれも本当に美味しくて。天辺の見えない幸せに、俺は胃も心も満たされていた。
二人で食器を洗って、並んでテレビを観て。俺達にとって当たり前だった時間が、再びこうして流れる。
途中、連絡していないことに気付いた俺が、慌てて林田に電話を掛ければ、耳からスマホを遠ざけなければならないほど、悲鳴にも近い歓喜の声が漏れ聞こえ、二人顔を見合わせて笑った。
奈央に代われとも、奈央も代わってとも言わなかったが、だだ漏れの声に苦笑いを止められなかった奈央は、林田にも、そして裕樹にも、元気な姿を明日学校で見せるはずだ。
一人でいる時は、あれほどまでに長いと感じた夜は、いつの間にか日付が変わるまでになっていた。
それぞれにシャワーを浴び、当然のように二人でベッドに入る。
左腕に奈央の頭を乗せ、その重みが心地良くて、直ぐにでも夢の中へ引き摺られそうだった。
「ねぇ、敬介?」
「ん?」
閉じ掛かりそうな瞼を辛うじて開き、奈央を見る。
「明日の放課後、話があるの。進路のことで」
……そっか。あん時の奈央は、興奮のままに進路を変えたからな。
「あぁ、分かった。じゃあ明日、出来なかった二者面談をやり直そうな?」
「うん……。それとね? 明日からも私が食事を作るから」
こんなに、やつれさせる訳にはいかないでしょ? そう言って、俺の頬を手で撫でる奈央に、返事を返せたのかどうかも分からない満たされた俺は、これまでの二週間が嘘のように、あっという間に深い眠りの海へと沈んで行った。
だから、忘れていたんだ。あまりにも幸せに浮かれ過ぎて。この時の俺は、忘れていた。
────奈央が、立ち止まったままでいる女ではないってことを。
辺りに目を遣りながら、言葉は出ずとも、思考能力は徐々に取り戻しつつあった。
……そうか。俺、誕生日だったんだ。
十月二十五日である今日は、俺の二十四回目のバースデーだ。
自分の誕生日をすっかり忘れていた俺は、記憶の中からしっかり見つけ出していた。奈央が言った“約束”の答えを。
それは、八月の奈央の誕生日。花火を見ながら祝い、二人で過ごしたあの夏の日に、俺の誕生日は自分が祝うと言ってくれた奈央の、それこそが“約束”だったんだと。
「あんまり見ないでよ」
まだ周りを見渡している俺に、キッチンから戻って来た奈央が照れくさそうに言う。
それを誤魔化すためか、俺の目も見ずに、キンキンに冷やされていたシャンパンボトルを、『開けて』と言わんばかりにつき出してくる。
素直に従い栓を抜けば、ポン、と小気味良い音が響く。俺の手にキノコ形のコルクだけを残しシャンパンを奪った奈央は、それを二つのグラスに注いだ。
「これ……奈央一人でやったのか?」
「敬介、いいの? 言いたいのはそこなの? 私、普通に自分のグラスにも淹れてるけど?」
注意されるのを覚悟で、自らのにもシャンパンを注いだらしい。寧ろ、俺の意識を別に向ける為に、敢えてそうしたのかもしれないが、
「んー、あんま飲み過ぎんなよー」
棒読み返しの俺は、正直それどころじゃない。興味は別のところへと向かってしまう。
これを奈央が一人でやったのかと思うと、その一つ一つに目が奪われ離せずにいた。
飽きもせずに眺める俺を見ながら、大きく息を吸い込み吐き出した奈央は、自分のグラスを手に取ると、俺の隣に座って徐に口を開いた。
「神戸に帰ってたの」
チョロチョロと落ち着きのなかった俺の視線は、自然に奈央へと定まる。
これだけは、しっかりと訊かないとならない。この二週間を話そうとしているだろう、奈央の言葉を。
「あぁ。お袋さん、元気だったか?」
当たり障りない訊き返しに、
「……母親を、泣かせて来た」
ゴールドの液体を見つめながら、奈央は言った。
「……そっか」
何となく、分かった気がする。何故、奈央の母親が泣いたのか。何故、奈央が泣かせたと言ったのか。
きっとそれは、優等生の皮を脱ぎ捨て、我慢してきた思いの丈を、母親にもぶつけて来たのだろう。父親にそうだったように。俺にもそうだったように。
「その母親がね、私に渡すの。大量のアルバムを……」
「うん」
「一体どこにしまってあったんだか、見たこともない写真が一杯あった」
「そうか」
「何度も何度もそれを見て、こんなこともあったなぁ、なんて思い出したりもして」
「うん」
「……だから、ね? これは、私の過去の記憶なの。私の大切な、思い出」
そう言って奈央は、さっきまでの俺のように、リビング全体を見渡した。
俺が目を奪われ、今、奈央が見つめる視線の先々は、華やかに彩られている。
昨夜まで寒々しく感じていたものは、影さえも残っちゃいない。
リビングの天井には、中央から四方にわたって、色とりどりの紙テープが緩やかなカーブを作って飾られ、その間には、沢山のカラフルな風船が宙に舞っている。
カウンターや窓辺には、高さがあるものから低いものまで、可愛らしくアレンジされた花々が並び、テーブルの上には、沢山の料理と共に、キャンドルに灯されたオルゴールが『Happy Birthday to You』を奏でていた。
これが、奈央の記憶であり、大切な思い出だと言うのなら……。
「子供の頃の奈央は、こんな風に誕生日を祝ってもらってたんだな」
莉央ちゃんと似た幼い頃の奈央が、無邪気に笑う姿が頭に浮かんだ。
「敬介?」
「うん?」
「私…………どうやら、ちゃんと愛されてたみたい」
はにかんだ笑顔のその瞳には、薄っすらと涙の膜が張る。
「だからね? 敬介にも見せたかったの。私が、幸せだと感じていた頃と同じ形で、敬介を祝いたかったの。敬介だったら……敬介なら、絶対に喜んでくれると思って」
奈央の想いに、身体中が震え立つ。
奈央の手からグラスを奪いテーブルに置くと、
「ちょっとだけ我慢しろよ」
言うと同時に、奈央を強く抱きしめた。
震えを抑え込むように細い腰を引き寄せ、手触りの良い柔らかなブラウンの髪を撫で付け、頭ごと抱える。
「すげぇ、嬉しい」
それでも止まらない震えは、俺の声にも表れていた。
「こんな嬉しいプレゼント……貰ったことねぇ」
何度も何度も、この喜びが伝わるように、震える声に想いを乗せる。
「……泣かす気かよ」
堪らなかった。堪らなく愛しかった。過去の幸せを消し去るほど、深い悲しみを味わってきた奈央が、漸く負の感情を昇華させた証が、今この部屋にはある。
奈央が思い出した幸せを、俺にも分けてくれたこの最大のプレゼントを……、
「敬介……心配かけて、ごめん」
悲しみを脱ぎ捨て、前に向かって歩き出した今日というこの日を、胸にも脳裏にもしっかり刻みつける。
震える声さえ、もう出やしないけど。込み上げてくるものに堪えながら、俺は思った。一生忘れやしない、と。
何も言わず大人しく腕の中に収まってる奈央は、きっと知っている。この幸せを得るまでの俺の心情を。だからこそ黙っているのだと思う。
自分の誕生日すら思い出す余裕のなかった俺を、労わるように、癒すように、温もりを伝えようと、その身を俺に預けてくれているのだと思う。
玄関先で、おめでとうの前に“ごめん”と言ったのも、心が消耗していたのを見てとったからだろう。
影すら潜めて落ちていた奈央は、もう何処にもいない。その証拠に、込み上げてくるものが落ち着けば、
「いつまでこうしてる気? エロ教師」
タイミングを計ったように毒を吐く、以前と変わらぬ奈央がいるのだから。それが、余計に俺を喜ばす。
「責任持って、いっぱい食べてよね」
二人でグラスをぶつけ、目の前に広がる料理に手を伸ばす。
から揚げにポテトフライ。グラタンやナポリタン、ポテトサラダにフルーツポンチまである。そして、フルーツがぎっしり乗っかったバースデーケーキ。
子供の誕生日に相応しいと思える料理の数々は、そのどれもが奈央の手作りだ。
勿論…………大量に、だ。
決して、二人分じゃない。いや、奈央からすれば、二人分を作ったつもりかもしれないが、男五人で食べても、苦しいほどの満腹感を得られるだろうそれらを、一つ一つ口に運ぶ。
「旨いな」
「ほら、こっちも食べて」
「おぅ」
皿が空けば、甲斐甲斐しく奈央がお替りをよそってくれて、喉を通過させるのに困難を極めながら、時間を掛けひたすら食べた。
喉の通りが悪かったのは、あまりの量に胃がムカついたせいじゃない。嬉しさに胸が痞えたせいだ。
久々にまともに食べた料理は、どれもこれも本当に美味しくて。天辺の見えない幸せに、俺は胃も心も満たされていた。
二人で食器を洗って、並んでテレビを観て。俺達にとって当たり前だった時間が、再びこうして流れる。
途中、連絡していないことに気付いた俺が、慌てて林田に電話を掛ければ、耳からスマホを遠ざけなければならないほど、悲鳴にも近い歓喜の声が漏れ聞こえ、二人顔を見合わせて笑った。
奈央に代われとも、奈央も代わってとも言わなかったが、だだ漏れの声に苦笑いを止められなかった奈央は、林田にも、そして裕樹にも、元気な姿を明日学校で見せるはずだ。
一人でいる時は、あれほどまでに長いと感じた夜は、いつの間にか日付が変わるまでになっていた。
それぞれにシャワーを浴び、当然のように二人でベッドに入る。
左腕に奈央の頭を乗せ、その重みが心地良くて、直ぐにでも夢の中へ引き摺られそうだった。
「ねぇ、敬介?」
「ん?」
閉じ掛かりそうな瞼を辛うじて開き、奈央を見る。
「明日の放課後、話があるの。進路のことで」
……そっか。あん時の奈央は、興奮のままに進路を変えたからな。
「あぁ、分かった。じゃあ明日、出来なかった二者面談をやり直そうな?」
「うん……。それとね? 明日からも私が食事を作るから」
こんなに、やつれさせる訳にはいかないでしょ? そう言って、俺の頬を手で撫でる奈央に、返事を返せたのかどうかも分からない満たされた俺は、これまでの二週間が嘘のように、あっという間に深い眠りの海へと沈んで行った。
だから、忘れていたんだ。あまりにも幸せに浮かれ過ぎて。この時の俺は、忘れていた。
────奈央が、立ち止まったままでいる女ではないってことを。
0
あなたにおすすめの小説
Emerald
藍沢咲良
恋愛
教師という仕事に嫌気が差した結城美咲(ゆうき みさき)は、叔母の住む自然豊かな郊外で時々アルバイトをして生活していた。
叔母の勧めで再び教員業に戻ってみようと人材バンクに登録すると、すぐに話が来る。
自分にとっては完全に新しい場所。
しかし仕事は一度投げ出した教員業。嫌だと言っても他に出来る仕事は無い。
仕方無しに仕事復帰をする美咲。仕事帰りにカフェに寄るとそこには…。
〜main cast〜
結城美咲(Yuki Misaki)
黒瀬 悠(Kurose Haruka)
※作中の地名、団体名は架空のものです。
※この作品はエブリスタ、小説家になろうでも連載されています。
※素敵な表紙をポリン先生に描いて頂きました。
ポリン先生の作品はこちら↓
https://manga.line.me/indies/product/detail?id=8911
https://www.comico.jp/challenge/comic/33031
12年目の恋物語
真矢すみれ
恋愛
生まれつき心臓の悪い少女陽菜(はるな)と、12年間同じクラス、隣の家に住む幼なじみの男の子叶太(かなた)は学校公認カップルと呼ばれるほどに仲が良く、同じ時間を過ごしていた。
だけど、陽菜はある日、叶太が自分の身体に責任を感じて、ずっと一緒にいてくれるのだと知り、叶太から離れることを決意をする。
すれ違う想い。陽菜を好きな先輩の出現。二人を見守り、何とか想いが通じるようにと奔走する友人たち。
2人が結ばれるまでの物語。
第一部「12年目の恋物語」完結
第二部「13年目のやさしい願い」完結
第三部「14年目の永遠の誓い」←順次公開中
※ベリーズカフェと小説家になろうにも公開しています。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?
藍沢咲良
恋愛
一色唯(Ishiki Yui )、最近ちょっと苛々しがちの27歳。
結婚適齢期だなんて言葉、誰が作った?彼氏がいなきゃ寂しい女確定なの?
もう、みんな、うるさい!
私は私。好きに生きさせてよね。
この世のしがらみというものは、20代後半女子であっても放っておいてはくれないものだ。
彼氏なんていなくても。結婚なんてしてなくても。楽しければいいじゃない。仕事が楽しくて趣味も充実してればそれで私の人生は満足だった。
私の人生に彩りをくれる、その人。
その人に、私はどうやら巡り合わないといけないらしい。
⭐︎素敵な表紙は仲良しの漫画家さんに描いて頂きました。著作権保護の為、無断転載はご遠慮ください。
⭐︎この作品はエブリスタでも投稿しています。
一億円の花嫁
藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。
父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。
もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。
「きっと、素晴らしい旅になる」
ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが……
幸か不幸か!?
思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。
※エブリスタさまにも掲載
苺の誘惑 ~御曹司副社長の甘い計略~
泉南佳那
恋愛
来栖エリカ26歳✖️芹澤宗太27歳
売れないタレントのエリカのもとに
破格のギャラの依頼が……
ちょっと怪しげな黒の高級国産車に乗せられて
ついた先は、巷で話題のニュースポット
サニーヒルズビレッジ!
そこでエリカを待ちうけていたのは
極上イケメン御曹司の副社長。
彼からの依頼はなんと『偽装恋人』!
そして、これから2カ月あまり
サニーヒルズレジデンスの彼の家で
ルームシェアをしてほしいというものだった!
一緒に暮らすうちに、エリカは本気で彼に恋をしてしまい
とうとう苦しい胸の内を告げることに……
***
ラグジュアリーな再開発都市を舞台に繰り広げられる
御曹司と売れないタレントの恋
はたして、その結末は⁉︎
あの日、幼稚園児を助けたけど、歳の差があり過ぎてその子が俺の運命の人になるなんて気付くはずがない。
NOV
恋愛
俺の名前は鎌田亮二、18歳の普通の高校3年生だ。
中学1年の夏休みに俺は小さい頃から片思いをしている幼馴染や友人達と遊園地に遊びに来ていた。
しかし俺の目の前で大きなぬいぐるみを持った女の子が泣いていたので俺は迷子だと思いその子に声をかける。そして流れで俺は女の子の手を引きながら案内所まで連れて行く事になった。
助けた女の子の名前は『カナちゃん』といって、とても可愛らしい女の子だ。
無事に両親にカナちゃんを引き合わす事ができた俺は安心して友人達の所へ戻ろうとしたが、別れ間際にカナちゃんが俺の太ももに抱き着いてきた。そしてカナちゃんは大切なぬいぐるみを俺にくれたんだ。
だから俺もお返しに小学生の頃からリュックにつけている小さなペンギンのぬいぐるみを外してカナちゃんに手渡した。
この時、お互いの名前を忘れないようにぬいぐるみの呼び名を『カナちゃん』『りょうくん』と呼ぶ約束をして別れるのだった。
この時の俺はカナちゃんとはたまたま出会い、そしてたまたま助けただけで、もう二度とカナちゃんと会う事は無いだろうと思っていたんだ。だから当然、カナちゃんの事を運命の人だなんて思うはずもない。それにカナちゃんの初恋の相手が俺でずっと想ってくれていたなんて考えたことも無かった……
7歳差の恋、共に大人へと成長していく二人に奇跡は起こるのか?
NOVがおおくりする『タイムリープ&純愛作品第三弾(三部作完結編)』今ここに感動のラブストーリーが始まる。
※この作品だけを読まれても普通に面白いです。
関連小説【初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺】
【幼馴染の彼に好きって伝える為、幼稚園児からやり直す私】
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる