彼女と僕と

マイリトルジョー

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出会い

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 「おぉ、凄いね」
 ホームルーム後、僕の隣の席は神園さんを囲うようにして大賑わいであった。
 ただでさえ転校生は注目を浴びやすいのに、高校生なのだ。なおのこと注目されるのだろう。

 「嫌になっちゃうよな」
 「えぇ、ミーハーですよね」
 「はぁ」
 僕たちはそれを、達観しているように眺めていた。

 「でも、めっちゃかわいいよな」
 「えぇ、神とつく名前ですが、天使のような方ですな」
 「そもそも天使は神の使いだからな」
 上手いこと言ったつもりか、と冷静に突っ込む。結局、その中に入りたくても入れないだけの哀れな3人組なのである。

 僕は最初に、よろしくお願いします、と挨拶されたくらいであまりやり取りはしなかった。というよりは出来なかった。

 しかし、える、という名前にはずっと引っかかっていた。どこかで聞き覚えがある。
 そんなにきいたことある名前では無いから、忘れることは無いはずだけど…。

 と、記憶の曖昧なまま、何かが発展することもないまま数日がすぎた、ある日―。

 放課後、屋上でこっそりのんびりしていた。友人二人には部活と嘘をついた。2人のことがいや、とかではなく、たまには1人になりたい時もあった。

 屋上には他には誰もいない。本来なら入ってはいけないからだ。なぜ僕がいるのかと言うと、前に、たまたま鍵の空いてる状況に出くわしたことがあったからだ。
 そこでは音楽の大橋先生がタバコを吸っていた。
 タバコを吸う場所は限られていて、面倒でこっそり時々屋上で吸っているのだという。
 この事を黙っている代わりに、毎日は無理だけど、時々屋上を使わせてもらっている。

 と言ってもやることがある訳では無い。
 たまに写真を撮ったりするけれど、それを見せたら屋上に出ていることがバレそうだし、個人的にこっそり、撮るだけ取っておく。

 僕はそのままイヤホンを耳にさしてポケットから取り出したウォークマンで曲を選んでいく。

 『スキマスイッチだ』
 そんな声が聞こえたのは、曲選んで画面が切り替わった時だった。
 その声の主は、神園さんだった。
 「あ、ごめんなさい」
 目が合うと、慌てて戻ろうとするから、
 「ちょっとまって」
 と呼び止める。
 「怒ってないですか?」
 「全然、ただビックリはしましたけど」
 それから、少し沈黙が流れてから、
 「スキマスイッチお好きなんですか?」
 声をかけられたことから、会話のきっかけを探した。
 「あ、はい」
 改めて向かい合うと目線が合わず、そわそわし始める神園さん。
 どうしようと悩んでいると、帰りを促す放送が流れてきて、慌てて校舎の中に入った。
 
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