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藍
運命
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学校―。
「自分が将来愛していく人って、運命的に決まってるんだって」
「えー、嘘だぁー」
近くの女子の話し声が聞こえてくる。よく分からないけど、占いでもしてもらったのだろうか。
今日は夏休み中に数日ある、全校登校日。えるちゃんももちろんいた。
結局その後は、お互いの都合がなかなか合わず、メッセージをやり取りする程度だった。
幼なじみということはある程度みんな知っていても、わざわざみんながいる場所で仲良くはしない。アピールみたいで、ちょっと嫌だ。
えるちゃんがどう思ってるかは分からないけど。
「運命なんて信じる?」
帰り道、一緒に帰っている友人達の1人が唐突に聞いてくる。同じ会話を聞いていたのだろう。
「いや、ないだろ」
1人ははっきりと言いきった。占いとかそういう類のことは信用してないと前から言っていたから、何となく察しはついていた。
「その運命の人って言うのが最初から決まってるんならさ、好きとか好きじゃないとか考える必要ないじゃん」
確かに、と思う自分と、よく理解が出来ていない自分がいる。
それに、だからってそう簡単に割り切れるものでもないだろう。
「ゆうは?」
「僕は、うーん、どうだろう」
僕は明確な答えが見つけられなかった。
運命とか、そういうのはよく分からないけど、えるちゃんとこうして再会できた、ということはもしかしたら、あるいは、運命と言ってもいいのかな、とも思う。
ただそれが本当に運命と言えるのか。
小学校からの同級生ならほかにもいる。偶然と言われれば、偶然でしかないのかもしれない。
「えるちゃんは、もしかしたら運命でいいんじゃない?」
「うーん、どうだろうか」
友人たちと別れてから、1人で大通りを歩く。
同じように学校帰りらしい制服姿の人達と何度も通り過ぎる。
僕は無意識に大袈裟に避けていたことに気づく。相手は何も気にしていないだろう。
そこまで避ける必要が無いこともわかっている。
ふと、えるちゃんと並んで歩く自分が頭に浮かぶ。今の僕は、胸を張って横を歩けるだろうか、自信がなかった。それは、ピアノを続けている、と嘘をついたことにも繋がるのかもしれない、とも思った。
僕はえるちゃんへのメッセージ欄を開く。
凄く苦しくて、何度もやめようかとも思ったけど、それだけじゃないと思うけど、ちゃんと言わないといけないと思った。
『今度、話したいことがあるんだ』
「自分が将来愛していく人って、運命的に決まってるんだって」
「えー、嘘だぁー」
近くの女子の話し声が聞こえてくる。よく分からないけど、占いでもしてもらったのだろうか。
今日は夏休み中に数日ある、全校登校日。えるちゃんももちろんいた。
結局その後は、お互いの都合がなかなか合わず、メッセージをやり取りする程度だった。
幼なじみということはある程度みんな知っていても、わざわざみんながいる場所で仲良くはしない。アピールみたいで、ちょっと嫌だ。
えるちゃんがどう思ってるかは分からないけど。
「運命なんて信じる?」
帰り道、一緒に帰っている友人達の1人が唐突に聞いてくる。同じ会話を聞いていたのだろう。
「いや、ないだろ」
1人ははっきりと言いきった。占いとかそういう類のことは信用してないと前から言っていたから、何となく察しはついていた。
「その運命の人って言うのが最初から決まってるんならさ、好きとか好きじゃないとか考える必要ないじゃん」
確かに、と思う自分と、よく理解が出来ていない自分がいる。
それに、だからってそう簡単に割り切れるものでもないだろう。
「ゆうは?」
「僕は、うーん、どうだろう」
僕は明確な答えが見つけられなかった。
運命とか、そういうのはよく分からないけど、えるちゃんとこうして再会できた、ということはもしかしたら、あるいは、運命と言ってもいいのかな、とも思う。
ただそれが本当に運命と言えるのか。
小学校からの同級生ならほかにもいる。偶然と言われれば、偶然でしかないのかもしれない。
「えるちゃんは、もしかしたら運命でいいんじゃない?」
「うーん、どうだろうか」
友人たちと別れてから、1人で大通りを歩く。
同じように学校帰りらしい制服姿の人達と何度も通り過ぎる。
僕は無意識に大袈裟に避けていたことに気づく。相手は何も気にしていないだろう。
そこまで避ける必要が無いこともわかっている。
ふと、えるちゃんと並んで歩く自分が頭に浮かぶ。今の僕は、胸を張って横を歩けるだろうか、自信がなかった。それは、ピアノを続けている、と嘘をついたことにも繋がるのかもしれない、とも思った。
僕はえるちゃんへのメッセージ欄を開く。
凄く苦しくて、何度もやめようかとも思ったけど、それだけじゃないと思うけど、ちゃんと言わないといけないと思った。
『今度、話したいことがあるんだ』
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