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1章 -変わらない日常-
約束
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「で、ご相談って?」
駐輪場までの道中でどのくらい話せるかは微妙だったけれど、とりあえず気になったから聞いてみる
「あ、そうそう。夏休みになったら、みんなで遊びに行かない?」
「遊びに?」
俺は驚いて、条件反射的にそう返してしまった。今まで奈菜美からそんな誘いがあったことはなかったのだ。いや、まぁ、部活をしていたから仕方ないんだけど。
「うん。いやだ?」
「いやとかじゃなくて・・・ななは部活あるじゃん?」
バスケ部は夏まで試合があったと思った。去年も3人で応援に言った覚えがある。
「試合も練習もあるけど、別にずっとじゃないし、時間は作れるよ」
「でも、お金は?」
明香里が心配そうに聞く。俺たち3人はバイトをしているから、多少はなくはないけど、部活をやっていてバイトをする時間のない奈菜美は大丈夫なのだろうか。
「大丈夫かな。少しは貯金はしてあると思うし」
貯金とはいっても、バイトのしていない高校生ではなかなか厳しいだろう。バイトをしている俺でもたかが知れているのに。本人はなんだか自信ありげだが、こちらとしてはだいぶ不安だ。
「どこに行きたいの?」
明香里また尋ねる。
そこも大事なところだ。場所によってはかなりお金がかかるだろうし、こちらも今のうちからもっと貯めておかないとかもしれない。バイトも多めに入れないとかな・・・。
「それは、実際に行く日が決まったら、教えてあげるよ」
そういって奈菜美が不敵に笑っている。不安しかなかったけれど、なんだか有無を言わさない雰囲気に誰もそれ以上突っ込むことはできなかった。
「でも、夏休みって随分先の話だね」
弘樹がそういって笑う。今はまだ4月の半ばで、夏休みまではまだ3ヶ月ある。確かに、ある程度は前もって決めておかないとそれぞれ予定があるかもだから、仕方ないのかもしれないけど・・・。
「そんなことないかもよ?3ヶ月なんてあっという間かもよ?」
「なんだよその言い方」
なんだか奈菜美は既にウキウキみたいだ。
確かにこの3年間は、改めて考えるとあっという間だったな、とふと思った。大して楽しくもなかったし、ろくな思い出もないけれど、4人で過ごした時間は特別だった。この時間があったから、学校にも真面目に来れていたんだと思う。
だから、むしろ3ヶ月なんてもっとあっという間、まるで一瞬のことの様なのかもしれない。
「わかった。その時まで、楽しみにしてる」
俺が言うと、奈菜美は嬉しそうに微笑みながら頷いていた。
高校最後の夏休みに4人で旅行が出来るかも、なんて。
これが青春、ってやつかな。楽しみが増えたな、なんて、夕陽に照らされながら、俺は横に奈菜美のことを感じながら、それぞれ家路についた。
駐輪場までの道中でどのくらい話せるかは微妙だったけれど、とりあえず気になったから聞いてみる
「あ、そうそう。夏休みになったら、みんなで遊びに行かない?」
「遊びに?」
俺は驚いて、条件反射的にそう返してしまった。今まで奈菜美からそんな誘いがあったことはなかったのだ。いや、まぁ、部活をしていたから仕方ないんだけど。
「うん。いやだ?」
「いやとかじゃなくて・・・ななは部活あるじゃん?」
バスケ部は夏まで試合があったと思った。去年も3人で応援に言った覚えがある。
「試合も練習もあるけど、別にずっとじゃないし、時間は作れるよ」
「でも、お金は?」
明香里が心配そうに聞く。俺たち3人はバイトをしているから、多少はなくはないけど、部活をやっていてバイトをする時間のない奈菜美は大丈夫なのだろうか。
「大丈夫かな。少しは貯金はしてあると思うし」
貯金とはいっても、バイトのしていない高校生ではなかなか厳しいだろう。バイトをしている俺でもたかが知れているのに。本人はなんだか自信ありげだが、こちらとしてはだいぶ不安だ。
「どこに行きたいの?」
明香里また尋ねる。
そこも大事なところだ。場所によってはかなりお金がかかるだろうし、こちらも今のうちからもっと貯めておかないとかもしれない。バイトも多めに入れないとかな・・・。
「それは、実際に行く日が決まったら、教えてあげるよ」
そういって奈菜美が不敵に笑っている。不安しかなかったけれど、なんだか有無を言わさない雰囲気に誰もそれ以上突っ込むことはできなかった。
「でも、夏休みって随分先の話だね」
弘樹がそういって笑う。今はまだ4月の半ばで、夏休みまではまだ3ヶ月ある。確かに、ある程度は前もって決めておかないとそれぞれ予定があるかもだから、仕方ないのかもしれないけど・・・。
「そんなことないかもよ?3ヶ月なんてあっという間かもよ?」
「なんだよその言い方」
なんだか奈菜美は既にウキウキみたいだ。
確かにこの3年間は、改めて考えるとあっという間だったな、とふと思った。大して楽しくもなかったし、ろくな思い出もないけれど、4人で過ごした時間は特別だった。この時間があったから、学校にも真面目に来れていたんだと思う。
だから、むしろ3ヶ月なんてもっとあっという間、まるで一瞬のことの様なのかもしれない。
「わかった。その時まで、楽しみにしてる」
俺が言うと、奈菜美は嬉しそうに微笑みながら頷いていた。
高校最後の夏休みに4人で旅行が出来るかも、なんて。
これが青春、ってやつかな。楽しみが増えたな、なんて、夕陽に照らされながら、俺は横に奈菜美のことを感じながら、それぞれ家路についた。
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