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第1話 転生!?これはモブってやつですか?
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「リーナ・・リーナ聞いてるの?」
(えっと・・・)
ぼんやりする意識を必至に手繰り寄せると、目の前に広がる光景は全く見覚えのないものだった。
「誰・・?」
リーナと呼びかけてくる声に視線を向けると、愛嬌のある少女が声を潜めて言ってくる。
「何言ってるのよ。しっかりしなさい。ビクトリア様がご覧になってる」
(ビクトリア?)
少女の目配せした方をチラッと見ると、美少女が向ける不思議そうな眼差しと交差した。
(・・・・・あれ?この顔どこかで・・)
視線を合わせたまま固まり、うっすらと見覚えある顔を凝視する。
(・・・んー?見たような・・)
見つめ合う美少女の視線は、ここで不可解な色を滲ませる。
(・・んんん?・・・!!!ビクトリア!!すっごくビクトリア!!黒髪ストレートにあの紫の瞳!それに気の強そうなあのビジュアル!・・・うそだぁ!この建物!学園!?えっ?まさか私、転生してる!!??)
周囲の人たちが着ている制服を見て、そう結論に至った。
しかし自分の怪しすぎる反応に向けられる訝しげな視線を痛いほど感じ、直感が“逃げろ”と命令する。すると、考えるより先に言葉がスルスルと出てきた。
「ビクトリア様、申し訳ございません。気分が優れず、お見苦しいところをお見せしてしまいそうなので、失礼させていただきます」
ハンカチを口元に当て、暗に吐きそうだと言うと、汚物を見るような視線を受けた。
(うう・・漫画では“貴族怖~”なんて興奮してたけど、実際に受ける視線キッツいなぁ)
軽く会釈をしてから、フラフラした足取りで病人を演じ、ビクトリアを囲む輪から抜ける。それから、とりあえずトイレへと駆け込んだ。
誰もいないことを確認すると、鏡に映る自分の姿を見つめる。
「・・誰よ、これ・・・」
一度深呼吸をし、もう一度鏡の中の自分を確認するが、やっぱ誰か分からない。
(“リーナ”って、私のこと呼んでたよね、あの子)
とりあえず自分が“リーナ”だと認知した少女は、頭の中を整理することにする。
リーナは自分が前世で読んでいた漫画の世界に転生していることに気付いた。その漫画
『ベタ恋 王太子を巡る公爵令嬢の闘い~ヒロイン令嬢vs悪役令嬢~』
の悪役令嬢がさっきのビクトリアだ。
ゆっくりと漫画を思い出すが、“リーナ”なんて子が出てきた記憶がない。そして、鏡を見つめながらペタペタと頬を触っていたリーナの手が止まった。
(あれっ?このヘアスタイル。ビクトリアからヒロインを階段から突き落とすよう命令された子に、似てない?・・そうよ!絶対にそうっ!このお団子ヘア!)
リーナは、自分が漫画の中の“悪役令嬢からヒロインを突き落とすよう命令される”ワンシーンにのみ登場した少女だと確信する。漫画ではビクトリアから“貴女”と呼ばれ、役名さえなかった完全なモブキャラ。しかもヒロインに害をなすポジションにも関わらず、突き落とす場面では身体を押す腕だけの出演。
(これは噂のモブ!?モブ最高じゃない!!ヒーローを巡る争いもないし、断罪も処刑も追放もない!しかもオルガを間近で見られる!)
ここでリーナは、重要なことに気付く。自分が“リーナ”という名前以外何者なのか、全く知らないことに・・戻る教室も分からなければ、帰る屋敷の場所も知らない。そもそも両親の爵位も不明で、家族構成すら知らない。
暫く思案したリーナは、とりあえず病人らしく保健室で放課後まで寝てようと決めた。
自分を“リーナ”と呼んだ少女と仲が良ければ、休み時間なり放課後なり様子を見に来るだろう。そうなれば、彼女から情報を引き出せばいいと
(あの子、全く見覚えないんだよね。もしかしたら、モブですらないのかもしれないな・・でもいい子そうだった)
リーナはそう決めると、トイレを後にした。
(えっと・・・)
ぼんやりする意識を必至に手繰り寄せると、目の前に広がる光景は全く見覚えのないものだった。
「誰・・?」
リーナと呼びかけてくる声に視線を向けると、愛嬌のある少女が声を潜めて言ってくる。
「何言ってるのよ。しっかりしなさい。ビクトリア様がご覧になってる」
(ビクトリア?)
少女の目配せした方をチラッと見ると、美少女が向ける不思議そうな眼差しと交差した。
(・・・・・あれ?この顔どこかで・・)
視線を合わせたまま固まり、うっすらと見覚えある顔を凝視する。
(・・・んー?見たような・・)
見つめ合う美少女の視線は、ここで不可解な色を滲ませる。
(・・んんん?・・・!!!ビクトリア!!すっごくビクトリア!!黒髪ストレートにあの紫の瞳!それに気の強そうなあのビジュアル!・・・うそだぁ!この建物!学園!?えっ?まさか私、転生してる!!??)
周囲の人たちが着ている制服を見て、そう結論に至った。
しかし自分の怪しすぎる反応に向けられる訝しげな視線を痛いほど感じ、直感が“逃げろ”と命令する。すると、考えるより先に言葉がスルスルと出てきた。
「ビクトリア様、申し訳ございません。気分が優れず、お見苦しいところをお見せしてしまいそうなので、失礼させていただきます」
ハンカチを口元に当て、暗に吐きそうだと言うと、汚物を見るような視線を受けた。
(うう・・漫画では“貴族怖~”なんて興奮してたけど、実際に受ける視線キッツいなぁ)
軽く会釈をしてから、フラフラした足取りで病人を演じ、ビクトリアを囲む輪から抜ける。それから、とりあえずトイレへと駆け込んだ。
誰もいないことを確認すると、鏡に映る自分の姿を見つめる。
「・・誰よ、これ・・・」
一度深呼吸をし、もう一度鏡の中の自分を確認するが、やっぱ誰か分からない。
(“リーナ”って、私のこと呼んでたよね、あの子)
とりあえず自分が“リーナ”だと認知した少女は、頭の中を整理することにする。
リーナは自分が前世で読んでいた漫画の世界に転生していることに気付いた。その漫画
『ベタ恋 王太子を巡る公爵令嬢の闘い~ヒロイン令嬢vs悪役令嬢~』
の悪役令嬢がさっきのビクトリアだ。
ゆっくりと漫画を思い出すが、“リーナ”なんて子が出てきた記憶がない。そして、鏡を見つめながらペタペタと頬を触っていたリーナの手が止まった。
(あれっ?このヘアスタイル。ビクトリアからヒロインを階段から突き落とすよう命令された子に、似てない?・・そうよ!絶対にそうっ!このお団子ヘア!)
リーナは、自分が漫画の中の“悪役令嬢からヒロインを突き落とすよう命令される”ワンシーンにのみ登場した少女だと確信する。漫画ではビクトリアから“貴女”と呼ばれ、役名さえなかった完全なモブキャラ。しかもヒロインに害をなすポジションにも関わらず、突き落とす場面では身体を押す腕だけの出演。
(これは噂のモブ!?モブ最高じゃない!!ヒーローを巡る争いもないし、断罪も処刑も追放もない!しかもオルガを間近で見られる!)
ここでリーナは、重要なことに気付く。自分が“リーナ”という名前以外何者なのか、全く知らないことに・・戻る教室も分からなければ、帰る屋敷の場所も知らない。そもそも両親の爵位も不明で、家族構成すら知らない。
暫く思案したリーナは、とりあえず病人らしく保健室で放課後まで寝てようと決めた。
自分を“リーナ”と呼んだ少女と仲が良ければ、休み時間なり放課後なり様子を見に来るだろう。そうなれば、彼女から情報を引き出せばいいと
(あの子、全く見覚えないんだよね。もしかしたら、モブですらないのかもしれないな・・でもいい子そうだった)
リーナはそう決めると、トイレを後にした。
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