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第三章 揺れる心
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雨上がり。
初夏の香りが漂い始める頃。
いつもの?二人が並んで自転車を走らせる。
「今日は、電車平気なの?」
「ナハハ。土曜日でこの時間でしょ。中途半端なんだよねぇ」
「じゃ、うちの方まで来る?」
「へっ?」
意外なその発言にちょいとびっくり。
でも、しょっちゅうなんだよね。
へっ?と思うようなこと言うの。
そうかと思えば、深刻な話をしてみたり。
何を考えているのか、全然つかめない。
まるで雲と話をしているみたい。
ま、鈍感だって言われれば、それまでなんだけど。
俺のことどう想ってるんだろ?
ちらっと、隣をみる。
いつもと変わらぬ横顔。
「んっ、どうしたの?」
視線に気づいたのか、真由ちゃんが言った。
「えっ?あ……。あっ、夏休み一緒にどこか行かない?」
「二人で?」
ちょっと笑顔で、首を傾げながら尋ねる。
「そうじゃなくって。実は、友達に頼まれてるんだよね。女の子誘ってって」
俺としては、彼女と二人の方がいいんだけど。
そんなことは、もちろん言えるわけもなく……。
「聞いてみるよ」
「ありがと」
「ねぇ、この建物何だかしってる?」
ふいに、一角を指さす彼女。
「何なの?」
「山田かまち記念館」
「この建物が?」
名前くらいは聞いたことがある。
山田かまちとは、十七歳という若さでこの世を去った、群馬を代表する芸術家の一人である。
最近もテレビで特集を組んで放映していた。
俺は、あまり好きにはなれないが。
まぁ、すべての作品を見たわけではないから、なんとも言えないけれど。
もしかしたら、全部見てみると、この気持ちも変わるかもしれない。
「そ。一度見てみるといいよ」
そうだよね。
その価値はあるかもしれない。
一応数少ない地元の有名人だし。
でも。
「真由ちゃんは、入ったことあるの?」
「ない」
あ・れ?
初夏の香りが漂い始める頃。
いつもの?二人が並んで自転車を走らせる。
「今日は、電車平気なの?」
「ナハハ。土曜日でこの時間でしょ。中途半端なんだよねぇ」
「じゃ、うちの方まで来る?」
「へっ?」
意外なその発言にちょいとびっくり。
でも、しょっちゅうなんだよね。
へっ?と思うようなこと言うの。
そうかと思えば、深刻な話をしてみたり。
何を考えているのか、全然つかめない。
まるで雲と話をしているみたい。
ま、鈍感だって言われれば、それまでなんだけど。
俺のことどう想ってるんだろ?
ちらっと、隣をみる。
いつもと変わらぬ横顔。
「んっ、どうしたの?」
視線に気づいたのか、真由ちゃんが言った。
「えっ?あ……。あっ、夏休み一緒にどこか行かない?」
「二人で?」
ちょっと笑顔で、首を傾げながら尋ねる。
「そうじゃなくって。実は、友達に頼まれてるんだよね。女の子誘ってって」
俺としては、彼女と二人の方がいいんだけど。
そんなことは、もちろん言えるわけもなく……。
「聞いてみるよ」
「ありがと」
「ねぇ、この建物何だかしってる?」
ふいに、一角を指さす彼女。
「何なの?」
「山田かまち記念館」
「この建物が?」
名前くらいは聞いたことがある。
山田かまちとは、十七歳という若さでこの世を去った、群馬を代表する芸術家の一人である。
最近もテレビで特集を組んで放映していた。
俺は、あまり好きにはなれないが。
まぁ、すべての作品を見たわけではないから、なんとも言えないけれど。
もしかしたら、全部見てみると、この気持ちも変わるかもしれない。
「そ。一度見てみるといいよ」
そうだよね。
その価値はあるかもしれない。
一応数少ない地元の有名人だし。
でも。
「真由ちゃんは、入ったことあるの?」
「ない」
あ・れ?
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