13 / 17
第三章 揺れる心
4
しおりを挟む
放課後。
中間テストで部活は中止。
で。
何故か、コンビニ。
真由ちゃんと待ち合わせ。
別に、学校内でも良かったんだけど。
妹の誕生日プレゼントの買い物と称して。
本当は理由なんて何でもいいんだ。
俺としては。
二人でお出かけ出来れば。
最近、何かいい感じだし……。
トントン
「よっ!待った?」
背中を叩かれて、振り返る先には。
満面に笑みを浮かべたいつもの顔。
「ん。大丈夫だよ」
「掃除が長引いちゃって……」
「いいって」
この後の事を考えれば、このくらいの時間何てねぇ。
「じゃ。とりあえず行こっか」
「うん」
そう言って学校近くのコンビニを出た。
とりあえずは街中へ。
ここからは自転車で十五~二十分くらい。
普通電車の駅一つ分の距離だ。
何だかんだ言って、いっつも俺に気を使ってくれる彼女が凄く可愛い。
―――というか、好きだ。
このままずっと一緒にいたい。
そうは思うけれど。
どうなるんだろ?
そうやって見る隣りにある横顔は……。
俺の心を不安定に揺さぶるばかり。
「ねぇ。SATYの地下でいい?いいのあったんだけど……」
「ん……。任せる」
「こら。最後に決めるのはタカだからね。私はアドバイスだけだぞ!」
悪戯っぽく言う真由ちゃん。
そんな表情もやっぱいい。
「あ~い」
やっぱ俺は彼女が好きなんだ。
改めてそう感じた。
日は西へ沈みかけている。
春の爽やかな風が、二人の間をかすめてゆく。
街中へ入ると、さすがに騒がしかった。
「そっかぁ。どこの高校も中間前で部活ないんだぁ」
思い出したように、真由ちゃんが、言う。
「みんな、テスト勉強とかしないのかなぁ?」
自分のことを棚にあげて応える俺。
でも、まぁ。
放課後、真っ直ぐ家に戻って、テスト勉強する高校生も、そういたものじゃないやね。
「タカもその一人でしょ!」
「そだね」
「さて、と。何処に自転車とめよっか?」
目的地へ着いたのはいいのだけれど……
どこも自転車でいっぱいだ。
「そこらへんでいいんじゃない?」
「そうしよっか」
デパート内もやっぱり高校生たちで賑わっていた。
こうして二人で歩いていると、恋人同士に見えるのかな?
さすがに、街中を二人で歩いているというのは、緊張するね。
真由ちゃんは何とも思わないのだろうか?」
「あ~。これこれ」
地下の雑貨売場。
店頭に並んでいるバスセットを手に取る彼女。
「どれどれ」
横から覗き込む。
熊のぬいぐるみの絵柄の入ったバスタオル。熊の石鹸。その他いろいろ……。
可愛らしく包んである。
「ねっ!可愛いでしょ」
誇らしげに主張する彼女。
俺は、そんな真由ちゃんの仕草の方が可愛いと思うんだけど……ね。
「うん。それでいいよ」
「自分の主張というのはないのか!」
「うん」
呆れた顔で俺を見る。
「そっかぁ。じゃ、これで決まり!」
そう言って、俺に手渡す。
何だか、あっという間に決まっちゃった。
お会計も済ませて。
もちろん、プレゼント用にラッピングしてもらって、ね。
もう、帰るのかな?
何か寂しい予感が心を掠めてゆく。
「せっかく来たんだから、もうちょっと見てこっか!」
「そだね」
それもつかの間だった。
嫌な予感は、一瞬にして、どこか遠くへ飛んでった。
「ねぇねぇ。この指輪、可愛くない?」
「うん。げっ!高いよ。これ」
ゼロが綺麗に並んでる。
確かに可愛らしいんだけどね。
「何も買って!何て言って無いじゃない。ただ可愛いなぁ~って」
それはそうなんだけど……ね。
そんな風に見られると……
「女の子って、いろいろ見て歩くの好きだよねぇ」
「まぁね。楽しいじゃん。こういうのって」
ん~。そうかなぁ。
俺はあまり……。
今日は、真由ちゃんと一緒だから楽しいけどね。
「次、あっち行って見よ」
「あ、うん」
そうやって店の中をクルクル。
これだけ見てると、恋人同士みたいなんだけれどね。
中間テストで部活は中止。
で。
何故か、コンビニ。
真由ちゃんと待ち合わせ。
別に、学校内でも良かったんだけど。
妹の誕生日プレゼントの買い物と称して。
本当は理由なんて何でもいいんだ。
俺としては。
二人でお出かけ出来れば。
最近、何かいい感じだし……。
トントン
「よっ!待った?」
背中を叩かれて、振り返る先には。
満面に笑みを浮かべたいつもの顔。
「ん。大丈夫だよ」
「掃除が長引いちゃって……」
「いいって」
この後の事を考えれば、このくらいの時間何てねぇ。
「じゃ。とりあえず行こっか」
「うん」
そう言って学校近くのコンビニを出た。
とりあえずは街中へ。
ここからは自転車で十五~二十分くらい。
普通電車の駅一つ分の距離だ。
何だかんだ言って、いっつも俺に気を使ってくれる彼女が凄く可愛い。
―――というか、好きだ。
このままずっと一緒にいたい。
そうは思うけれど。
どうなるんだろ?
そうやって見る隣りにある横顔は……。
俺の心を不安定に揺さぶるばかり。
「ねぇ。SATYの地下でいい?いいのあったんだけど……」
「ん……。任せる」
「こら。最後に決めるのはタカだからね。私はアドバイスだけだぞ!」
悪戯っぽく言う真由ちゃん。
そんな表情もやっぱいい。
「あ~い」
やっぱ俺は彼女が好きなんだ。
改めてそう感じた。
日は西へ沈みかけている。
春の爽やかな風が、二人の間をかすめてゆく。
街中へ入ると、さすがに騒がしかった。
「そっかぁ。どこの高校も中間前で部活ないんだぁ」
思い出したように、真由ちゃんが、言う。
「みんな、テスト勉強とかしないのかなぁ?」
自分のことを棚にあげて応える俺。
でも、まぁ。
放課後、真っ直ぐ家に戻って、テスト勉強する高校生も、そういたものじゃないやね。
「タカもその一人でしょ!」
「そだね」
「さて、と。何処に自転車とめよっか?」
目的地へ着いたのはいいのだけれど……
どこも自転車でいっぱいだ。
「そこらへんでいいんじゃない?」
「そうしよっか」
デパート内もやっぱり高校生たちで賑わっていた。
こうして二人で歩いていると、恋人同士に見えるのかな?
さすがに、街中を二人で歩いているというのは、緊張するね。
真由ちゃんは何とも思わないのだろうか?」
「あ~。これこれ」
地下の雑貨売場。
店頭に並んでいるバスセットを手に取る彼女。
「どれどれ」
横から覗き込む。
熊のぬいぐるみの絵柄の入ったバスタオル。熊の石鹸。その他いろいろ……。
可愛らしく包んである。
「ねっ!可愛いでしょ」
誇らしげに主張する彼女。
俺は、そんな真由ちゃんの仕草の方が可愛いと思うんだけど……ね。
「うん。それでいいよ」
「自分の主張というのはないのか!」
「うん」
呆れた顔で俺を見る。
「そっかぁ。じゃ、これで決まり!」
そう言って、俺に手渡す。
何だか、あっという間に決まっちゃった。
お会計も済ませて。
もちろん、プレゼント用にラッピングしてもらって、ね。
もう、帰るのかな?
何か寂しい予感が心を掠めてゆく。
「せっかく来たんだから、もうちょっと見てこっか!」
「そだね」
それもつかの間だった。
嫌な予感は、一瞬にして、どこか遠くへ飛んでった。
「ねぇねぇ。この指輪、可愛くない?」
「うん。げっ!高いよ。これ」
ゼロが綺麗に並んでる。
確かに可愛らしいんだけどね。
「何も買って!何て言って無いじゃない。ただ可愛いなぁ~って」
それはそうなんだけど……ね。
そんな風に見られると……
「女の子って、いろいろ見て歩くの好きだよねぇ」
「まぁね。楽しいじゃん。こういうのって」
ん~。そうかなぁ。
俺はあまり……。
今日は、真由ちゃんと一緒だから楽しいけどね。
「次、あっち行って見よ」
「あ、うん」
そうやって店の中をクルクル。
これだけ見てると、恋人同士みたいなんだけれどね。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
あんなにわかりやすく魅了にかかってる人初めて見た
しがついつか
恋愛
ミクシー・ラヴィ―が学園に入学してからたった一か月で、彼女の周囲には常に男子生徒が侍るようになっていた。
学年問わず、多くの男子生徒が彼女の虜となっていた。
彼女の周りを男子生徒が侍ることも、女子生徒達が冷ややかな目で遠巻きに見ていることも、最近では日常の風景となっていた。
そんな中、ナンシーの恋人であるレオナルドが、2か月の短期留学を終えて帰ってきた。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる