~【まおうすくい】~

八咫烏

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第14話『帰還』

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帝都を発ったふたりは、すぐにレヴィンには向かわず、ひとつ手前のサンロスの街で1ヶ月ほど時間を潰した。
ここサンロスの街には、地上3階、地下5階(推定)の墳墓タイプのダンジョンがある。
冒険者でなくても、自由に出入りができる、ダンジョンなので、ちょうど良いと思い、日銭を稼ぎながら、時間を潰した。
ダンジョンには、モンスターから採れる素材を買い取ってくれる、特別な商人が沢山いるので、珍しい素材だと、高く取引され、買い叩かれることも無い。
ギルドの依頼を受けたりすると、あまりにも速い移動を、不審に思われてしまうので、仕方のないことだった。

このダンジョンは、地上3階部分にある入り口から、地下へと潜っていくタイプで、30年前に、この辺りを治める豪商が、私財をなげうち、製作を依頼したらしい。
もっとも、今では沢山の人々が集う人気スポットになり、とっくに元は取れていると思われた。

ダンジョンは、一度モンスターを棲まわせると、それらが勝手にダンジョンを拡張するので、月日が経つにつれて、大きなものに変わり果てる。
そのため、このダンジョンも、未だに全貌が分からないほど、探索が進んでいなかった。
探索自体は進んでいるのかもしれないが、設計図部分より、はるかに巨大なダンジョンになっていたので、設計から外れている場所は、危険度も高くなり、人もあまり寄りつかないそうだ。
もちろん例外もあり、塔タイプのダンジョンは、モンスターたちによる拡張はほとんど行われることはない。

そんな、全貌が全く見えてこないダンジョンを、無双するふたりが、突如として現れたわけだが…ユーカとヴェルは目立つのを避け、少しずつ素材を換金していった。
お金を貯めつつ、未踏のエリアを探索するのに夢中になり、短期間でかなりの金額を稼いだふたりは、自作の地図を無料で配り(というより、自作の地図を道端に撒きながら歩いた)ひと月が過ぎたので、ゆっくりとレヴィンに向かうことにした。
地図は全部で500枚ほど作り、すべて異なる未踏のエリアを書き記した。
後に、不思議な地図と呼ばれるようになるそれらは、このダンジョンがさらに地下深く続いていることを明白に示していた。
残念ながら、不思議な地図に示された場所には、強いモンスターたちが沢山いるので、ユーカとヴェルしか辿り着かなかったところも、まだまだ多いという。

「楽しかったわね、ダンジョン。」

「うむ、それに…とても儲かったの!」

「あと少しで借金を完済できるだけの金額が溜まるわね。」

「今度お金に困ることがあれば、あそこに行けば良いんじゃな。」

「もう当分は行かないわよ。ジメジメしてて辛気くさいじゃない。」

「我はあのような場所で眠っておったからの。特に気にはならなかったぞ。」

「私はイヤ。陽の光を浴びれる、ふかふかなベッドの宿が良いわ。」

それもそのはず、ふたりはここ1ヶ月ほど、ずーっと墳墓の中で暮らしていた。
素材商人は墳墓内に居る者に声をかけ、宿は墳墓内の所に泊まり、食事も墳墓内の飲食店でとっていたからだ。

「もう少しあの場所に居たら、私はナメクジにでも生まれ変わってしまうわ。」

「ふむ…そういうもんかの?」

「そーゆーものなのよ。」

サンロスの街から、レヴィンの街までは、馬車で大体3日ほどかかる。
その間ふたりは、世界を救う手立てについて、よりマシな策がないかと、頭をぐるぐると回し続けた。
もちろん、ダンジョンの中にいた時も、考えてはいたが、いかんせん、ダンジョン攻略に夢中になり過ぎていて、少し疎かになってしまっていた。

結局、特に良い案も出ないまま、3日間が過ぎてしまい、ついに、懐かしい光景が、見えて来た。
2ヶ月と少し前から、ちっとも変わらない街並。
すでに陽は沈んでいたが、街の活気は衰えるところを知らず、街の住民たちは、今日も楽しげに夜の街を照らしていた。

「懐かしいわね…。早速だけど、ギルドの建物まで行きましょうか。」

「うむ、我はサラミス殿の武勇伝が早く聞きたいの。」

「そうね、それはとても興味あるわ。だけど…『あの事件』についての方が、今は知りたいわ。」

「確かに、誰も『あの事件』については教えてくれなんだからの。」

「魔女狩り騒動と魔王領へ侵攻、一体…何が関係しているのかしら?」

「まぁ、難しい話は後にしようではないか。推測しようにも、情報が足りなさすぎる。」

「あら…あなたもマトモな事を言う様になったのね。後は、目線が串焼きの屋台に固定されてないと完璧だったわ。」

「うむぅ…買ってきて良いか?」

「良いわよ、私も少し小腹が空いたわ。」

「ユーカも要るかや?」

「早っ…いつの間に買ってきたのよ。」

「ふふっ、我はこれでも伝説のドラゴンなのでな。」

「そう…もっと他の所に活かしなさいよ。」

ふたりが串焼きを食べ終わる頃、ようやく見覚えのある建物が姿をあらわした。
その建物こそ、ユーカとヴェルの借金そのものであった。

「あら…すっかりキレイに直ったわね。」

「うむぅ…もう十分に謝ったでわないか。」

「そういえば、あなたが壊したのだったわね。」

「ぐぬぬ…我、何モ聴コエナイ。」

「ほら、ボサっとしてないで早く行くわよ。」

「えぇ…それ何て理不尽?」

ヴェルが壊した宿から少し行くと、立派な建物が見えてくる。
レヴィンの街のギルド支部である。
ふたりはウエスタンドアに手をかけ、それを押して中へと入る。
建物内にいた者たちの視線が一気に集まり、その場が静まりかえる。

「あのー…もしかして、入ったらマズかったかしら?」

恐る恐る尋ねると…

『英雄のご帰還だぞ!』

だの

『伝説の優勝者が帰ってきやがった!』

だの…

それはそれはうるさいほどの声が、建物の中へと響き渡る。
その叫び声にも似た歓声は、すでに何も聞き取れないほどの大きさに膨れ上がり、何事かと心配した様子で、血相を変えた支部長さんや本部の男が、飛んでやって来た。

「これはこれは…ユーカ君、おめでとうございます。」

「ごめんなさいね、みなさん。」

「なぜ謝るのですか、ユーカ神様?」

「本戦がなかったから…賭けが始まる前に支部戦が終わってしまったわ。」

ユーカはこの街を出る前に、自分に賭けたら損はしないと、声を高らかに宣言した。
しかし、フタを開けてみると、本戦が開催されず、賭けが開催される前に、支部戦が終わってしまったのだ。
賭けは、本戦出場者が決まってから開催される予定だったので、今回の支部戦では、賭け事屋は大損であった。

「まぁまぁ、そんなことはお気になさらず。それより、盛大にお祝いをしなくては!」

「それなんだけど…借金を返済したら、すぐにこの街を出て行くわ。」

「えっ…冗談、ですよね?ユーカ君はもっと上のランクを目指すのでは?」

「事情が変わったの、冒険者で大成するのは辞めたわ。」

「そうですか…では、依頼料と優勝ボーナスのお支払いや、借金の返済については、向こうで話しましょう。」

「話が早くて助かるわ。ありがとうサラミスさん。」

ユーカとヴェル、サラミスは奥の部屋へ行き、報酬や借金などの手続きを済ませに行った。

「まず、我々からの報酬ですが、依頼料とボーナスを足しまして、高銀貨1枚とさせて頂きます。」

「あら、本当にそんなにもらって良いのかしら?」

「もちろんです、なんといっても歴史的勝利ですから。」

「それは助かるわ。ありがたく頂戴するわね。」

「次に…。」

「あら?まだあるのかしら?」

「はい、帝都より、たくさんの郵便物が届いております。こちらになります。」

そう言って、サラミスは大きな箱を指し示した。

「多いわね…ヴェル、これ確認しておいて頂戴ね。」

「えぇ、我ひとりでするのかや?」

「良いじゃない、どうせ暇でしょ。」

「それと、帝都より、賞金の高銀貨2枚が振り込まれているはずです。よって、ユーカ君、君の借金は残りあと僅かって事になるね。」

「そう、じゃあコレで完済ね。この中に銀貨15枚入っているわ。賞金の高銀貨も引き出しておいて頂戴。」

「それだと多過ぎます、銀貨5枚はお返ししますよ。」

「結構よ、余った銀貨はレヴィン支部で持っておきなさいな。もし、この街に危険が迫ったら、そのお金で私たちを雇う事ね。急いで駆けつけるわ。」

「はははっ、それは頼もしい。では、残った銀貨はこの街の守り神ですな。」

「それよりサラミスさん、ハンゲさん、あなたたちに聞きたい事があるの。」

「なんでしょうか、ユーカ神様?」

「3ヶ月ほど前、帝都で起こった『あの事件』とは、一体何なの?」

「『あの事件』?何か知っているかねハンゲ君?」

「3ヶ月ほど前、帝都、と言いますと『あの事件』しか思い当たる節はありませんね。」

「ハンゲさん!それ、詳しく教えてくれないかしら?」

「うーん、知っていると言っても、本部からの報告にあっただけだから、詳しくは分からないんです。」

「詳しくなくて良いわ!お願い、教えて下さらない?」

「分かりました、他ならぬユーカ神様の願いですからね。」

「ありがとう、ハンゲさん。」

「『あの事件』とは、簡単に説明すると、3ヶ月ほど前、細かく言うと、2ヶ月と20日ほど前ですね、その日に、皇帝が殺されたのです。」

「なんじゃと!?皇帝はピンピンしておったぞ!」

「はい、ですから…殺されたのは、先代の皇帝、キャメルディ15世です。」

「なんじゃ、名前が違うではないか?」

「ちょっとヴェル、黙っててよ…。」

「皇帝の名は、代々受け継がれるのではなく、数あるうちから自分で選ぶのです。因みに先先代はパンナコルト7世でしたよ。」

「もうっ!そんな事はいいのよっ!それより、先代の皇帝は3年前に、すでに死んでるはずよね?」

「そうなんですよ!だからみんな気味悪がって、話そうとしないのではないでしょうか?」

「それで、魔女や魔王の仕業にしようとしたわけね。」

「どういう事じゃ?」

「サラミスさんに貰った本に書いてあったのよ。魔王はおかしな魔法を使うって。」

「なるほど、魔女も魔王もおかしな魔法を使う同士じゃからという事かや?」

「そういう事ね。魔女や魔王はどのような事をしても不思議じゃないから、きっとスケープゴートにされたんだわ。」

「それにしても、不思議な話じゃな。3年前に死んだはずの皇帝が、3ヶ月前に、もう一度殺されたのか。」

「3年前には死んでないって事かしら…?とりあえず後で考えましょう。」

「うむ、我は腹が減った。早く宿を取りに行こうぞ。」

「そんなわけだから、今日のところは失礼するわ。ハンゲさん、ありがとう。」

「いえいえ、それでは。」

「ユーカ君、ヴェル君、街を出て行く際には、声を掛けてくれるとありがたい。今生の別れになるかもしれないからね。」

「何を言ってるのよサラミスさん。いつか、あなたの口から、あなたの伝説を聞くために、戻ってくるわよ。」


翌日、『あの事件』の内容を話してくれたハンゲさんと、その内容を一緒に聞いていたサラミスさんが変死体で見つかった。

後から知る事になるのだが、ハンゲさんは本部の中でも指折りの秀才であり、すでに知っている様に、サラミスさんは英雄だった。
そんなふたりを、いとも簡単に、二度と動く事も話す事もない、ただのモノに変えてしまったのだから、犯人は相当な手練れだと、すぐに確信した。

「これはマズいのぉ…。」

「えぇ、最悪だわ。きっと、私たちが『あの事件』について、聞いてしまったせいね。」

「なぜ犯人は、我らを直接狙ってこぬのじゃ…。」

「私とヴェルを相手にできるほど己の力に自信がないのか、それとも…。」

「それとも、なんじゃ?」

「私たちにはどうにもできないと、バカにしているのかしらね?」

「それは面白い。では、その鼻を明かしてやろうぞ。」

「もちろん、黙ってみているわけには行かないわ!」

「しかし…ナニモノなのじゃ?昨日、あの部屋の周りに、怪しい気配など微塵も感じなかったぞ。」

「本当…イヤになるわね。先代皇帝の亡霊か何かかしら?」

「とりあえず、あの小娘には警告しておくべきではないかや?」

「小娘?あぁ、クレアね。その必要はないわ、だって…私の予想が正しければーーーー」

「ーーーー既に死んでいる、か?」

「えぇ、そうよ。」

「どうするのじゃ…?」

「まぁ、実際クレアは死んでないわ。」

「えっ…?」

「あなたの使ってた、ドラゴンの加護、あのプロセスをチョチョイと解いて、魔法にしてみたのよ。」

「お主…なんでもアリじゃな。」

「それを櫛にかけておいたから、櫛で髪をとぐ毎に、その櫛から加護が移るってわけよ。」

「加護を病原菌みたいな言い方しおって…。しかし、本当に凄いの。」

「問題は、彼女がプレゼントした櫛を使ってくれているかどうかだけど…。」

「問題ないであろう。アレはお主と同じタイプじゃからの。陰でこっそりと…。」

「ヴェルぅ、何か言ったかしらぁ?」

「ごめんなさい。何も言ってござらん!ごめんなさい。」

「まぁ、私の創った加護魔法より、相手が強かったら、それまでなんだけど…。」

「殺すのに手間取れば、その間に衛兵が駆けつけるであろう。宮廷魔術士なるものも居ると言うておったしの。」

「えぇ、無事を願うわ。」

「それで…これからどうするのじゃ?」

「プランを少し、修正する必要があるわね。それと、あなたが言った様に、情報が全然足りないわ。」

「ふむ、では聞き込みか?」

「それも良いけど、これ以上他の者を巻き込むわけには行かないわ。」

「うむぅ…では、どうするのじゃ?」

「オールドル大図書館、そこに行くわよ。」

「図書館?そんな場所に行ってどうするのじゃ?」

「サラミスさんのくれた本に書いてあったのよ。困ったことがあれば、図書館へ行けって。」

「で、そのオールドル大図書館とやらはどこにあるのじゃ?」

「それは…知らないわ!」

「えぇ…どうするのじゃよ。」

「皇帝領にあるのは間違いないわ。この大陸を探し回ったら、いつか見つかるわよ。」

「そんな時間ないのであろう?」

「もう…バカね。こんな時のための魔法でしょ?」

「なんと!そんな便利な魔法があるのかや?」

「無いわよ、だからヴェル…頼んだわね。」

「うむぅ…そんな秘法あったかの?」

「なんとかならないのかしら…?」

「そうじゃ!ばあさんに聞いてみたら良いんじゃ!」

「ばあさん?」

「そうじゃ、トライアドのばあさんじゃよ。我より長い間生きておるし、眠ってもおらぬであろう。何か知ってるやもしれぬ。」

「そのヒトはどちらに居らっしゃるのかしら?」

「ばあさんは宿り木を持たぬから…樹齢が1000年を超えてる木があれば、呼んだら来てくれるはずじゃ。」

「そんな立派な木、あるかしら?」

「あるじゃろう、あそこには。」

「あぁ、あそこにはありそうね。」

「それで…あそこってどこじゃ?」

「あなた…適当に言ってたの?」

「うむ、ユーカがなんとかしてくれると思ったからの。」

「呆れた…。あそこっていうのはね、アマエラ大山脈の事よ。」

「おぉー、さすがユーカじゃ。では、さっそく行くとしよう。」

「その前に、食料を買わなきゃダメよ。」

「おっと…盲点であった。カピカピを買わねばならぬな!」

「お金には余裕があるから、別に良いのだけど…そんなに多くはカバンに入らないわよ。」

「それは不便であるな。向こうに着いたら、竜の胃袋で出来たカバンを探すかの。」

「あなたソレ、なくしたって言ったじゃない。」

「アレはひとつではないのじゃ!たぶん4つくらいあった気がしたが…。ま、ひとつくらい見つかるじゃろて。」

「腐ってるんじゃない?そんな昔のカバンなんて。」

「竜から取れる素材は腐らぬぞ?まぁ、低級竜はその限りではないがの。」

「ふーん、凄いのね。」

「そうじゃろ、そうじゃろ?」

「えぇ、お金に困ったら、あなたを少しずつ売れば良いのね。」

「ななな、なんて事言うのじゃ!お主は鬼か!」

「お金に困ったらって言ったでしょ。当分は大丈夫よ。」

「それ、根本的な解決になっていないではないか!」

「ヴェル…あなた、賢くなったわね。」

「ばっ、バカにするでないわい!」

「まぁ落ち着きなさいな、とりあえずその、トライアドさんに会いに行きましょう?」

「そうじゃな、ついでにカバンも。」

「じゃ、まずは青果店よ。」

「次は肉屋じゃぞ!」

ふたりは赤い果実と干し肉をカバンに入るだけ買い込み、アマエラ大山脈へと向かった。
ユーカとヴェルが初めて出会った、思い出の地へと。








次回:第15話『捜索』
お楽しみにお待ちください。

8月30日13時を投稿予定にしております。
感想や誤字脱字の指摘などなど
よろしければお願いし申し上げます。





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