~【まおうすくい】~

八咫烏

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第31話『継承戦争』

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フェリスから、事の発端と経過を聞いたユーカとヴェルは、眉間にシワをつくり、難しい顔で考え込んでいた。

「ねぇヴェル、私はともかく、なんであなたまで難しそうな顔をしているの?」

「ん…?あぁ、聞いてくれるのかや?」

「えぇまぁ…確かに難しい話ではあったけれど…。」

「我は今、夕飯について真剣に考えておったのじゃ!」

フェリスとユーカは、ヴェルがガラにもなく、真剣に考えてくれているのだとばかり思っていたので、ヴェルのその発言でフェリスの執務室が静まり返り、妙な空気が部屋中を満たした。

「ごめんなさい…ヴェルには難しかったわね。」

「なななっ、何を言うか!もちろんフェリスの事も考えておったぞ。」

行き場のないヴェルの目線が、執務室の中を泳ぎまわり、ユーカはひとつ、大きなため息を吐き出した。

「はぁあっ…。私はフェリスと話す事があるから、ヴェルは城でも探検してきなさい。」

「良いのかや!?」

「そんなに目を輝かせないでよ…。フェリス、構わないかしら?」

「うん、別に良いのだけれど…。」

「では行ってくる!」

ひと言その場に残すと、この部屋のシャンデリアよりもキラキラと光りを放つ目を、より一層輝かして、ヴェルは執務室を飛び出していった。

「これで騒がしいのは居なくなったわ。」

「ははは…。ユーカとヴェルは、本当に仲が良いみたいだね。」

「そうでもないわよ。まだ、出会って少ししか経ってないもの。」

「そ、そうなの!?」

「まぁそんな事はどうでも良いわ。それより…今後の事よ。」

「そう…だね。」

「それで、あなたはどうしたいと思ってるの?」

「もちろん、継承戦争に負けるわけにはいかない。でも…民が傷つくのも許容できない。」

「意外とワガママなのね。」

「すまない…。」

「別に謝る事じゃないわ。王なのでしょ?」

「でも…。」

「いい?これは貸しよ。後でキッチリと返してもらうんだからね!」

「わ、分かった。礼は必ず、だから…力を貸してくれ。」

「元よりそのつもりよ。それじゃ、勝つ為の話をしましょ。」

「何か、策があるの?」

「今の所はないわね。情報がぜんぜん足りないわ。」

「情報…。敵軍の資料なら用意できるけど?」

「それじゃあ頼むわ。それを見せてくれないかしら?」

「えぇ、少し待ってて。取ってくるわ。」

「私も一緒に行くわ。」

「そう?じゃあ一緒に行きましょう。」

ふたりは執務室を後にし、ユーカはフェリスの後を追って、資料の保管されている部屋へと向かった。
その途中で、城の衛兵たちが忙しく走り回っていたので、何かあったのか尋ねると、何者かが場内で暴れまわって手を焼いているとの事だった。

「衛兵さん、その…暴れまわってるモノの特徴は分かるかしら?」

「こちらが把握している限りでは、魔女のようなとんがり帽子をかぶった、赤い髪のナニカです。」

特徴を教えてくれた衛兵は、(失礼します)と一礼をくれてから、足早にユーカの前を去っていった。

「これは…おそらくヴェルね。ごめんなさい。」

「い、いや…良いよ。今日は2回目たがらね、ははは…。」

「悪かったわね。」

「この頃は侵入者も居なかったからね。兵たちも、良い訓練になったと思うよ。」

「後で謝りに行くわ、ヴェルが。」

「えっ?あ、あぁ…着いたよ。」

「案内してくれてありがとう。しばらくこもるから、ヴェルの相手を頼むわ。」

「えぇっ…!?君の手伝いをしなくても良いの?」

「必要だったら呼ぶわ。あなたも、何かあったら読んで頂戴。」

「わ、分かった。じゃあ、夕食の用意ができたら呼びに来るよ。」

「それじゃあ、それまでヴェルを頼むわ。」

「うん、任せておいて!」

ユーカとフェリスは資料室の扉の前で別れ、ユーカは静かに、扉の中に消えていった。
一方のフェリスは、頬を緩めながらヴェルを探しに向かう。
その姿はまるで、初めてできた友だちとの約束に嬉しそうに取り組もうとしているような姿であったとかなかったとか。

ユーカは資料室の中へ入ると、目の前に広がる圧倒的な光景に、少し後悔してしまった。
それもそのはず、資料室の中は棚が、迷路のように大量に乱立しており、混沌としていたからだ。
さらに、棚のひとつひとつがとても大きく、ハシゴを使わなければ、上の段にまでは到底手が届かないほどのサイズであった。

(これは…必要な資料を探すのに骨が折れそうね…。フェリスに手伝って貰えば良かったわ。)

しかし、ヴェルの事を頼んだ手前、今更こちらを手伝って欲しいなどとは言い難く、結局ユーカはひとりで、目の前に資料の迷宮に向かっていった。

(整理整頓という言葉を知らないのかしら…?大図書館は読んだら本が来てくれてラクだったのに。)

そうはいっても仕方ないとばかりに、思った事は口に出す寸前で全て飲み込み、継承戦争に関係ありそうな資料を探すために棚をひとつずつ見て回った。
棚には大きめの箱がいくつも載せてあり、恐らくだが、箱ごとに適当な資料をまとめて保管してあるのだろう。
その証拠に、箱にはそれぞれ、適当にタイトルが付けられていた。

どれくらい時が経ったのか、集中して探し物をしていたユーカには、正確に時間の経過を捉えることができていなかったが、ようやくユーカは、継承戦争についての資料が入った箱を見つけることができた。

(はぁ…やっと見つかったわ…。)

その箱を、棚から引っ張り出して、ドサりと床に置くと、ユーカのお腹もくるるぅっとかわいく鳴いてしまった。
すると、偶然なのかその音を聞きつけたのかは分からないが、資料室の扉が開き、ヒョコりとヴェルが中を覗いてきた。

「あら…どうしたのヴェル?」

ヴェルは声のする方向に目を向けて、ユーカの姿を発見し、トコトコとユーカの方へ歩いてくる。

「うむ、フェリスと一緒にユーカを呼びに来たのじゃ。」

「そう、ありがとう。すぐに行くわ。」

そう言うと、ユーカは、せっかく引っ張り出してきた、継承戦争についての資料が入っている箱を棚に戻し、ヴェルと一緒に資料室を後にした。
資料室の外には、フェリスがグッタリとした表情で立っていた。
反対に、ヴェルを見ると、ヴェルの肌ツヤがより一層キレイになっているので、フェリスが相当、苦労したことが理解できた。

ユーカとヴェルは、フェリスの後に続いて、城の食堂へと向かった。
向かっている途中に、とても良い香りが漂ってきたので、ユーカは必死に、お腹が鳴るのを我慢していた。
しかしヴェルは、そんな事は気にしないとばかりに、手の甲でヨダレを拭っている。
そんな様子を、フェリスは苦笑いしながら、ふたりを食堂にまで案内してくれた。

「さぁ着いたよ。この扉の向こうが、我が城が誇る食堂さ。」

すると、扉が大きく開かれ、食堂の両脇に控えた軍楽隊が、楽器を奏でる。
その迫力に圧倒されながら、ヴェルの食欲はピークに達していた。
今にも走り出そうとしているヴェルを、必死に落ち着かせて、フェリスのに続いて、ゆっくりと食堂の中に入る。
フェリスの執務室でも十分なほどに豪華な装飾であったが、食堂の方は、フェリスの部屋とはまた違った趣の豪華さであった。
絨毯の色は、少し暗めのえんじ色であり、部屋の中央に位置する大きな白いテーブルは、どうやら美しい大理石でできているようで、その光沢が、天井に吊るされたシャンデリアの輝きを程よく反射し、幻想的に光を放っている。
正面の壁には巨大な絵画が飾られており、数万の軍勢に僅かなヒトが退治している様子が描かれており、今にも動き出しそうなほどに迫力がある。
全体的に、赤と白と金で統一感がもたらされている部屋の中に、その絵画が、日時は注目を浴びるようなコンセプトになっているように思えた。
ユーカとヴェルは、食欲も忘れ、ついつい絵画に魅入ってしまい、恍惚とした表情で立ち尽くしてしまっていたが、フェリスに声をかけられて、ハッと意識を取り戻した。

「立ったままもアレだから、椅子に座らないかな?」

既に軍楽隊の演奏する曲調は、食事をする用に移り変わっており、先ほどの猛々しく力強い演奏とは打って変わって、落ち着きのあるしっとりとした演奏になっている。 

「そ、そうね…。」

「うむ、夕飯も楽しみじゃの!」

「あぁとも。期待していてくれ!我が城自慢の料理人に、腕によりをかけ作ってもらった。」

ユーカとヴェルは、フェリスに勧められて椅子につく。
どうやらこの椅子は、まるまるひとつを木から掘り出している様であり、ミューズホワイトの美しい木目調が、白い大理石の机のマーブル模様と、絶妙なマッチングで調和している。
どうやら、人工物にはとことん装飾を施すが、自然のものに対しては、素材を生かした作りを徹底している様であり、この空間には、自然と人工という、相反するふたつの抽象的な存在が、ハッキリと具現化している風に感じ取ることができた。

「それにしても…凄いわね。」

「ん?あぁ、この部屋のことかな?」

「えぇ、そうよ。あなたの部屋も凄かったけど、食堂はそれ以上ね。」

「驚くのはまだ早いかな。」

フェリスが得意げな顔をしてそう言うと、再び扉が開かれて、美味しそうな香りとともに、豪華な食事が姿をあらわした。
その食事の見た目の美しさと香りの良さに、言葉をなくしているユーカとヴェルに対して、フェリスはニッコリとした顔でなおも得意げに言う。

「ほらね?言ったでしょ。」

「これほどまでとは…それに、見た事のない食材ばかりだわ。」

「うむ、はやく喰らいたいの!」

「あなたは野菜しか食べちゃダメよ。」

「そ、そんなぁっ…。なぁなぁ、嘘であろう?なぁーっ!?」

「冗談よ、フェリスに感謝してから楽しみなさい。」

流石のユーカも、これだけの料理を前に、ヴェルへの罰を実行できるほど、心が鬼ではなかったので、しぶしぶではあったが、ヴェルへの罰を取り下げた。

「それじゃ、頂くわね。」

「あぁ、心行くまで堪能してくれ。」

フェリスからも許可が出たので、ユーカとヴェルは、軍楽隊が演奏してくれている音楽に心を酔わせながら、次々と出される絶品の料理に、下を唸らせていた。
フェリスは、その様子を見て、少し声をかけるか迷ったが、食事を楽しんでいる最中に声をかけるのは野暮だと思い、自分も食事をする事にした。

ふたりの食事がひと段落ついた頃合いを見計らって、ようやくフェリスは声をかけた。

「それで…資料は見つかったかな?」

「えぇ、なんとか見つかったわ。それより、ヴェルを見ていてくれてありがとう。」

「全然構わないよ。少し…疲れたけどね。」

「むむ?我が手のかかる子じゃとでも?」

「そそそ、そんな事は…。」

「手がかかるに決まってるじゃないの。いつから手がかからないと思っていたの?」

「ぬわっ!?なんじゃと…。」

「驚かないでよ、あなたの事なのだから。」

「ははは…私は別に、そんな事は思って…ないよ?」

「なんじゃ今の間はっ!」

「フェリスは優しいから、ハッキリと言えないだけよ。」

「そんな、事は…。」

「私が代わりに、ハッキリと言ってあげるわ。ヴェル、もう少しおとなしくしてなさい。」

「うむぅ…ユーカが探検してこいと言ったのではないか。」

「それに関しては、私が悪かったわ。明日からあなたはいつも通り私の助手よ。」

「ぐぬぬ…。またアレかや?大図書館でしたように資料のあーたらこーたらかや?」

「そうね…それも有るけど、あなたの知恵も貸して欲しいのよ。」

「ほぅ…ユーカもようやく、我の聡明さを理解したのじゃな。」

「そうじゃないわよ。まぁ、人生の大先輩の意見を聞きたいと思ってね。」

「なんじゃその言い方、まるで我が老ぼれの様な言い草じゃな。」

むきゃーっとヴェルは料理にフォークをグサりとさして、大きく口を開けて頬張る。

「あなたには難しい表現だったわね…。大年増って言いたかったのよ。」

「なんじゃどぉーっ!」

「ちょっと、口に入ったまま喋らないで頂戴!」

「うむぅ…。」

すると、隣で笑い声が聞こえたので、そちらの方を見てみると、フェリスが必死に口元を押さえながら、目に涙を浮かべ、笑いをこらえていた。

「っ…ふふ。ご、ごめんなさい。」

「別に良いのよ。あなたも食事の時くらい、少しは力を抜いたらどうかしら?」

そう言うと、フェリスの涙が溜まった目が、途端に大きく見開かれ、まんまるになる。
行き場を失った涙は、重力に従って、フェリスの頬を伝いながら下へと落ち始める。
しかし、笑いで浮かべた涙とは他のものが、次から次へと溢れてきてしまい、フェリスは、食事用のナプキンで顔を覆いながら、嗚咽をあげ始めた。

「ほら、大年増さん。出番よ。」

「なっ!覚えておれ!」

「あら?何か覚えておかないとダメな事でもあったかしら?」

「うにゃーっ!もう良い!今日は我、ふて寝するから!夜に話しかけても答えぬからなっ!」

「はいはい、それより…フェリスを頼むわね。」

いつの間にか、泣いているヒトをあやすのはヴェルの仕事になっていた様で、ヴェルは手慣れた動きでフェリスにそっと近づき、温かみで涙を包み込む。
普段のおバカな行動がなければ、その様子はまるで、聖母の様なものであった。

しばらくして落ち着きを取り戻したフェリスは、手に持っていたナプキンと同様に、くしゃくしゃの顔になっていたが、特に気にする様子もなく、ユーカとヴェルに礼を告げて、今日は休むと言い残してから、食堂を去っていった。

フェリスが突然、食堂を去った後、ユーカとヴェルも、支配人や軍楽隊の人たちにお礼を述べた後、城のメイドさんの案内で、部屋に向かった。
この部屋は、フェリスの配慮で手配してもらったもので、城にいる間は、自由にこの部屋を使って良いとの事だった。
本当はふた部屋用意してもらっていたが、ヴェルが同じ部屋が良いというので、無理を言って大きめの部屋に替えてもらっていた。

「それで…あなたがワガママを言うって事は…何かあるのかしら?」

「ん?いや…別に、特にないぞ。」

「えっ…?じゃあどうして、同じ部屋にしてもらったのよ?」

「うむぅ…まぁ、強いて言えば、少しお主と話したいことがあってじゃの…。」

「継承戦争の話かしら?」

「それは、ふたつある内のどうでも良い方じゃ。」

「それじゃあ、どうでも良くない方は?」

「その…あの、な?」

「何よ、ハッキリと言いなさいよ。」

「うむぅ…。こ、今回ばかりは、我はさすがに死ぬと思ったのじゃ。」

「そうね…私も心配したわ。」

「我は…初めて死にたくないと思ったのじゃ。」

ユーカは黙って、ヴェルのささやき声の様なとても小さくか細い音に耳を傾ける。

「だから…我はもう、二度とお主に心配はかけぬ。じゃから…お主も、絶対に我の前から消えないでくりゃれ。」

ユーカはゆっくりと目を閉じて、息を整えてから見開く。
その目はまっすぐにヴェルを捉え、その眼差しの真剣さを悠々として語っていた。

「大丈夫よ。私は死なない。だから、あなたも…。」

「うむ!」

その日は、それ以上は言葉が無かった。
しかし、ユーカトヴェルの間に、またひとつ大きな絆ができた事は、明らかなことであった。








次回:第32話『魔王』
お楽しみにお待ち下さい。

10月14日 21時を更新予定にしております。
感想や誤字脱字の指摘などなど
よろしければ、お願いし申し上げます。




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