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第32話『魔王』
しおりを挟む夜が明けきる少し前のこと、ソレは突如として魔王の城に、襲いかかった。
ユーカとヴェルが目を覚ましたのは、ソレが城へと攻撃を仕掛けるほんの少しだけ前のことだった。
いつもの様に、ベッドの上で小さなドラゴンの姿になって寝ているヴェルが、いきなり目を大きく見開き、ユーカを起こすために、ユーカのお腹の上にドシリと飛び込んだ。
その、腹から伝わる衝撃で目を覚ましたユーカは、とりあえず自分の上に乗っかっているヴェルを、にこやかな笑顔でつまみ上げ、ポイっと放った。
そのまま放物線を描き、ドシャリと音を立てて、顔から地面に激突したヴェルは、鼻を押さえながら口を開く。
「ナッ、ナンテコトヲスルノジャ!」
ヴェルはユーカを非難するものの、ユーカは特にそれを気に留めず、悪びれるそぶりすら見せなかったが、一応は謝罪を口にしする。
「あら、ごめんなさい。それで…何事かしら?」
「ウム、テキガキテオル。」
ヴェルがその言葉を発したとほとんど同時に、城に衝撃が走った。
思わずヨロめくほどの衝撃と、耳をつんざく様な爆発音が城に襲いかかったのであった。
「ホラノ?」
「『ホラノ?』じゃないわよ!さっさとヒト型になって頂戴。」
「ウム、シバシマテ。」
ムムムムムーーーーっ!
ーーーーーポンっ!
「では、行くかや。」
「そうね、急ぎましょ。」
ユーカとヴェルが、その様なやり取りをしている最中でも、ソレの攻撃は絶え間なく続いていた。
ユーカとヴェルは、フェリスから貸し与えられていた客室を出ると、足早にフェリスの寝室へと向かう。
その途中で、フェリスとバッタリ出くわしたユーカとヴェルは、フェリスから状況を聞きながら、彼女の後をついて行く。
「何があったのかしら?」
「おそらくだけど、敵の刺客だろうね。」
「継承戦争の相手って訳ね。」
「それにしても…城にいきなり奇襲をかけてくるなんて…。」
「イキナリではないぞ。昨日の夜あたりから、何やらコソコソとやっておったからの。」
ヴェルのその発言で、ユーカとフェリスはお互いの顔を見合わせ、声を揃えて何の事かとヴェルに尋ねる。
『え?どういう事?』
「なんじゃ!?イキナリふたりでハモるなんて、気持ち悪いぞ。」
「うるさいわね、それで…どういう事なのよ?」
「うん?ユーカには言ってなかったかの?」
「聞いてないわよ?」
「む?ふむ…あ!言うの忘れてたのじゃ。」
一瞬だけ、その場の空気が凍るが、ヴェルが言い訳まがいの弁明を始めたため、完全に凍りつく事はなかった。
「だだだだって!とても言い出せる様な雰囲気ではなかったのじゃもん!」
「何よ、雰囲気って…あぁ、その…ごめんなさい。」
ユーカは、昨日の夜の雰囲気を思い出したのか、素直にヴェルに謝っていた。
「う、うむ。まぁそれは良いのじゃ。それで…あの時じゃが、我はお主にふたつ、話があるといったじゃろ?」
「えぇ、そう言えば、どうでもいい方を聞きそびれちゃってたわね。」
「それじゃ。そのどうでもいい方が、先ほどから城を攻撃している刺客の事だったのじゃ。」
それを聞いた途端、ユーカは今度こそ完全に固まってしまった。
しかし、フェリスはその事が何の事かサッパリ分からなかったので、はてなマークを浮かべながら、ヴェルに説明を求めた。
「それじゃあヴェルは、昨日の夜には何者かが城に近づいている事が分かっていたの?」
「その通りじゃの。すまぬフェリス、我としたことが…。」
ペコりと頭をさげるヴェルに、フェリスは戸惑いながらブンブンと手を振る。
「いやいやいや…別にいいんだよ。それに、こんな早朝なのに真っ先に駆けつけてくれたもの、感謝こそすれだよ。」
「私たちがあなたに協力すると言った以上は、しっかりとあなたをサポートするつもりよ。」
フリーズから解放されたユーカは、ヴェルに呆れ顔を向けた後、フェリスにキッパリとそう宣言する。
「それで…今はどこに向かっておるのじゃ?」
ユーカの呆れ顔とフェリスの落ち込んだ顔を見て、その場の雰囲気が、圧倒的に自分の不利だと感じ取ったヴェルは、なんとか流れを変えようと、強引に話題を変える。
「今?あぁ、今は地下の指揮所に向かっているんだけど…。」
どうやらヴェルの目論見は成功した様だったが、地下の指揮所と聞いて、ヴェルはユーカに向けて、アイコンタクトをする。
ユーカもヴェルに何かを伝えたかった様で、ふたり同時にほとんど同じ動作をしたため、ユーカとヴェルは直ぐに、お互いが伝えたかった事を理解し合った。
ふたりは互いに小さく頷くと、ユーカがふたりの意思をフェリスに伝える。
「それじゃフェリス、私たちはちょっとソコまで行ってくるわ。」
「へ?」
フェリスが首をかしげたと同時に、ガッシャーンと音がする。
「ちょっとヴェル!窓は壊さないでって言ったじゃない!」
「うむぅ…開かなかったから仕方無しになのじゃ…。」
「そう…それじゃしょうがないわね。さ、行きましょ。」
「うむ!ではフェリス、ちょっと行ってくるぞ!」
そう言って、ユーカとヴェルのふたりは、ヴェルが壊した窓から身を乗り出し、外へと向かった。
残されたフェリスは、少しの間、何が起こったか理解できずにいたが、情報の処理が終わった後、彼女はもう一度、先ほどと同じ言葉を述べた。
「へ?」
ユーカとヴェルは、窓から跳び出すと、直ぐに迫ってくる地面に、見事な着地を決めた後に、城を襲っている敵に向かって走り出す。
「アレは…何か分かる?」
しばらく走ると、直ぐに敵の姿を確認することができたが、皇帝領に住む人たちとは少し異なる部分を持つその姿を見て、ユーカはヴェルに知識を求めた。
「うむ、アレは魔王領に住むヒトじゃな。他の大陸では魔人と呼ばれているはずじゃ。」
ヴェルは大昔から存在しているだけあって、ユーカの問いに直ぐに応えるだけでなく、さらに補足を説明していく。
「魔王領に住むヒト種は、ほとんど全員がツノやハネなどを持っておるのじゃ。」
「ヴェルのクセに物知りね。でも、フェリスも持っていたし、納得ね。」
「因みに我は、魔族ではないので間違えぬ様にな。」
「そういえば、あなたもツノとかハネとかしっぽとかあるのだから、魔族としてこの大陸で暮らそうとは思わなかったの?」
「うむぅ…我はヒト種の中でも人間が好きじゃったからの。」
「それだけ?」
「強いて言えば、人間の作る肉料理が好きじゃ。」
「昨日の夕食も美味しかったわよ?」
「そうじゃな、もし皇帝領に居場所がなくなったら、次は魔王領にしようかの。」
「まぁ…その話はまた後にしましょ。」
ユーカとヴェルは、ほのぼのとしながらそんな会話をしているうちに敵の近くまでやって来ていたので、ユーカはヴェルに話はお預けだと言った後、敵に集中する様に伝える。
「それで、何人いるか判るかしら?」
「9人かの。」
「えっ、8人じゃないの?」
「ザンネン。ほら、あそこを見てみるのじゃ。」
ヴェルがそう言って、空の方向に指をさすので、ユーカもその指先の空をジッと見つめてみる。
すると、微かにだが、空間が揺らいでいるのを見つけた。
「なるほどね、なかなか上手に隠れているじゃない。」
「まぁ、我に掛かればこんなちゃちな欺瞞などは全く意味がないがの!」
「それじゃ4人ずつね。隠れているのは最後に残しましょ。」
「うむ心得た。無力化すれば良いのじゃな。」
「えぇ。さっさと捕まえて、フェリスの前にしょっぴくわよ。」
「ではユーカ、競争じゃの!」
「フンっ、次は負けないわ。」
ユーカはガルグイユを倒す時に、ヴェルより時間がかかってしまった事が、少なからずも悔しかったので、彼女は静かに、闘志をメラメラと燃やしていた。
ユーカとヴェルは、一斉に飛び出し、敵を一網打尽にしていく。
鮮やかな一撃で敵の意識を刈り取り、次々に無力化していく。
全くと言っていいほどに、ムダの無いその動きはまるで、事前に打ち合わせがあった殺陣の様に進んでいく。
わずか数十秒後、ユーカとヴェルの後ろには8人の無力化された敵が折り重なり、目の前には、逃げ出そうとしているひとりだけが残った。
「あなたが一番のお偉いさんかしら?」
「上手く隠れている様じゃがまだまだあまい!」
「3秒以内に投降しなさい。さも無いと吹き飛ばすわよ。」
「朝からずいぶん大きな目覚ましが鳴ったのでな、我らの虫の居所はとても悪いのじゃ。」
すると、ユーカとヴェルの目線の先の空間が大きく歪み、ひとりの男が両手を上げて出てくる。
その男は何かを言おうと口を開こうとしたが、それよりも速く、ヴェルが飛びついて意識を刈り取った。
「あなたの負けね。」
「ぐぬぅ…先に5人目を取られるとは、不覚なのじゃ。」
「それじゃ、負けたあなたがこの9人を運んでよね。」
「えぇー…。我ひとりで運ぶのかや?」
「そうよ?頼んだわね。」
そう言うと、ユーカはスタスタとその場を後にした。
ヴェルも、それを追いかける様に、手早く8人を纏めると、ずるずると引っ張ってユーカの後に続いた。
ユーカとヴェルが城に戻ると、地下の指揮所から走ってきたのか、フェリスが呼吸を整えながら、ふたりを出迎えてくれた。
「無事なのかい、ふたりとも?」
「えぇ、問題無いわ。コレ、手土産ね。」
そう言ってユーカは、ヴェルが引きずっている9人の敵を指差す。
フェリスはその様子に顔を引きつらせながら、乾いた笑みを浮かべ、ふたりに感謝を伝える。
「ははは…ありがとう。」
フェリスはそばに控えていた衛兵に、敵の捕虜を牢に入れておく様に言うと、ユーカとヴェルを伴って、執務室へと向かった。
「何よ、敵に同情する様な表情しちゃって、失礼ね。」
「そうじゃぞ!弱すぎるこやつらがダメなのじゃ!」
「いやいや…その中のひとりは多分、相当な手練れのはずだよ。」
「確かに、ひとりだけ格が違うのも混ざってたわね。」
「それでも、我らに比べたら大した事なかったの。」
「それにしても…この城はとても頑丈なのね。あれだけの音と衝撃でも、傷ひとつ付いてなかったわ。」
「そう言ってもらえると嬉しいね。この城は私たち魔王領に住まう者たちの誇りなのさ。」
「そんな大切な場所に攻め入るなんて、敵は本気って事ね?」
「あぁ、そうだろうね。こちらも早急に手を打たないと、マズイ事になる。」
「ならばさっさと攻め入ったらどうじゃ?」
「そう簡単には行かないだろうね…詳しくは中で話すよ。」
執務室の前まで来ると、ユーカとヴェル、フェリスの3人は室内へと入り、フェリスは防音の魔法を使って、室内の音が漏れるのを防いだ。
「この空間は、誰にも盗聴されないから、安心してほしい。」
そう言うと、フェリスは真面目な表情でユーカとヴェルに向き直り、ふたりに尋ねる。
「改めて聞くけど…君たちは何者なんだい?あの9人の中には、敵の幹部が入っていた。」
「そう簡単に倒せるはずの無い相手を、アッサリと倒したから不審に思った、と?」
「いや…そうじゃないんだ。君たちのことは信頼しているよ。」
「まぁ、これから長い付き合いになりそうだから、あなたには伝えておくわ。」
ユーカはヴェルの方を向いて、目で語りかける。
それにヴェルも頷き、ヴェルは自分の右の人差し指で一度自分を指した後、胸のあたりを右の手のひらで素早く2回、ポンポンと叩いた。
ヴェルが自信に満ちた表情で頷くので、ユーカもそれに同意する様に首肯し、それを確認したヴェルは、フェリスに向かって話しかける。
「我はこんなナリをしているが、一応はドラゴンでな、ユーカは何者か知らぬが、今の我よりも強い。」
すると、フェリスは目を見開いて、とっさにユーカの方を見る。
ユーカも否定せずに、ただただ黙って首を縦にふるので、フェリスはヴェルの言っている事が本当の事なのだろうと思い、納得がいった表情になった。
「なるほど。それでふたりはとても強いわけだね。」
「まぁ、大抵のヒトには負ける気はしないわね。」
「そんな訳じゃから、あの中に強力な敵が混じっていようと、さしたる問題ではないのじゃ。」
「私も…私も普段、姿を変えている理由を、話すよ。」
「別に、聞いてないわよ。」
「それは酷いぞユーカ…。」
「いや…ふたりには聞いて欲しいんだ。」
「そう…。」
ユーカとヴェルが聞く気になったのを確認すると、フェリスはおもむろに語り出した。
「私の本当の髪の色は、昨日ふたりに見せた様に、シルバーブロンドなんだ。」
「えぇ、そうね。」
「今は特殊な魔法で髪色を変えてるのだけど、コレには理由があるんだ。」
そこからは、ユーカとヴェルは聞き役に徹し、たまに相づちは打つものの、ほとんど黙って、フェリスの語るがままに、話を聞いていた。
「ふーん。まぁ別に、気にしなくて良いのじゃないかしら?」
「我もそう思うぞ。実際、お主には人望がある様じゃしの。」
「ただあなたが考え過ぎているだけね。もしあなたの憶測が事実だとしても、あなたを見限るヒトは多分いないわよ。」
「そうだと良いのだけれど…自信がなくて。」
「あなたの悩みは分かったわ。でも、もっと楽観的に捉えるべきよ。」
「楽観的?」
「そう。例えば…おかげでヒトより魔力が強くてラッキーみたいな感じにね。」
「そう…だね。少し、悲観的になりすぎていたかもしれない。ありがとう、ふたりとも。」
「うむ、お安い御用じゃ。」
「それじゃ、さっさとこの継承戦争を終わらせるわよ。」
「でも…そう簡単に行くかどうか。」
「そういえば、さっきもそれを言ってたわね。どうして簡単じゃないと思うの?」
「それは…敵の兵力と規模だよ。」
「あんなのでも患部になれるのじゃ、そんなに強いとは思わぬがの?」
「それでも、敵は7つの要塞と13の砦を持っているんだ。規模の小さいベースまで合わせると…。」
「でも、私たちもそんなには時間を掛けれないわ。」
「そういえば、思ったのだけれど…君たちはなぜ、そんなに急いでいるのだい?」
「聞きたい?」
フェリスの執務室は、今まで以上に真剣な空気が立ち込め、ビリビリと空気が震え始める。
しかし、それを真っ向から受け止めて、フェリスはその言葉に首肯する。
「本当に良いの?後戻りはできないわよ。」
「あぁ、もしふたりの力になれるのであれば、私…いや、我々魔王領一同、君たちへの協力は惜しまない。」
「分かったわ。長くなるから、少し休憩にしましょ。」
「分かった。」
フェリスは防音の魔法の効果を切ると、銀でできたシンプルだがどことなく気品に溢れるハンドベルを鳴らし、お茶を用意させ、3人でしばらく休憩を取った。
3人は一息ついたところで、もう一度防音の魔法をフェリスが張り、ユーカも同じ様な結界を張った。
さらに、ヴェルがハネとツノとしっぽを出して、可能な限り感覚を研ぎ澄ませ警戒に当たると、ようやくユーカが口を開いた。
ユーカは所々を要約しながらも、簡潔にフェリスに説明を行い、フェリスは改めて、ユーカとヴェルが継承戦争に協力してくれる理由を知り、しばらく驚いていたが、すぐに意識を切り替えて、ユーカが話し終わるまで集中力を絶やさずに、一言一句聞き逃さない様に、真剣に話を聞いていた。
さすがにヴェルは、長時間の集中に疲れたらしく、グッタリしていたが、それ以外は特に問題なく、ユーカはすべての事情をフェリスに話し終えていた。
「話してくれてありがとう。」
「えぇ、これであなたも後戻りはできなくなったから、覚悟する事ね。」
「命も狙われるじゃろうから、十分に注意するのじゃぞ!」
「あぁ分かった。」
「そんなわけだから、さっさと継承戦争を終わらせてくれると助かるわ。」
「うむ、継承戦争の最中に世界が滅んでしまっては、目も当てられぬからの。」
「その事なんだけど…ひとつだけ私にも心当たりがあるんだ。」
『本当(かや)!?』
ユーカとヴェルのふたりは、フェリスのその言葉に飛びついてしまい、フェリスも苦笑いを浮かべながらも、その心当たりについて、ふたりに教える。
「確か城の宝物庫に、『滅亡の砂時計』というものがあったはずなんだ。」
「何やら物騒な名前じゃの。」
「それがどう関係あるのかしら?」
「あぁ、しばらくは確認していなかったけれど…きっとふたりの力になるはずだ。」
「では早速取りに行こうではないか!」
その時、張り切って部屋を出ようとするヴェルのお腹が盛大に唸る。
「ヴェル…後でにしようか?」
「うむぅ…少し恥ずかしいのじゃ。」
「まぁ、朝食もまだだったから、仕方ないわよ。私もお腹すいたもの。」
「それじゃあ、少し遅いけどお昼にしようか。」
「うむ、そうと決まったら直ぐに行こうぞ!早く行こうぞ!」
「子どもね…。」
「なんじゃとーっ!お主の方が、この辺が寂しいくせに!」
ヴェルはユーカの胸を指さしてそう言うと、ユーカから漏れる殺気に震えながら、素早くフェリスの後ろに隠れる。
「あら…なかなか面白い事を言うわね。ココが寂しいあなたには言われたくないわよ!」
ユーカも負けじと頭を人さし指でコツコツと突きながら、ヴェルを威嚇する。
「ま、まぁ…。それも後でで良いんじゃないかな?ははは…。」
なんとかフェリスがふたりの間にはいり、城へのダメージは最小限に抑えられた。
それでも、所々で殺気にやられた天井に穴が開き、壁が崩れ、地面が割れたりとしていたが、それでもまだ、マシだったのだ。
現在、魔王の城では、ユーカに破壊された箇所の修繕が、急ピッチで行われていたのだから。
次回:第33話『宝物庫』
お楽しみにお待ちください。
11月3日 21時を更新予定にしております。
感想や誤字脱字の指摘などなど
よろしければ、お願いし申し上げます。
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