勘違いの工房主~英雄パーティの元雑用係が、実は戦闘以外がSSSランクだったというよくある話~

時野洋輔

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【アニメ化記念】前日譚

一年前の工房主

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アニメ化記念
以前、途中まで書いていた【勘違いの工房主0】を修正して最後まで書きあげました。
本編開始の一年前のお話です
どうしてクルトが炎の竜牙に入ったのか?

ユーリシアもちょっとだけ出てきます。

――――――――――――――――――――
「そっちにいったぞ、バンダナっ!」

 ゴルノヴァさんの声が森の奥から聞こえてきた。
 と同時に、巨大なワニが森の奥から現れた。木々が生い茂っていてこちらに来ることはできないと思われたが、その巨大ワニはあろうことか体を回転させると、樹齢数十年にはなろうかという楓の木を噛みついてへし折った。

「うひゃぁ、凄いな。まるで大木が野菜スティックのようやな。あ、クル、今夜野菜スティック作ってーな」
「なにを悠長なことを言っておられるのですか、バンダナ! 急いでワニを止めなさい!」

 バンダナさんが僕に夕食の希望を言うと、パーティに入ったばかりの修道女のマーレフィスさんが窘めた。
 バンダナさんはふざけたことは言うけれど、決して油断はしていない。仮に彼女が油断しているように見えるのなら、その時、彼女の仕事は既に終わっている。
 大木が折れたことでできた空間を巨大ワニが駆けてきた――その時だった。
 気付けばその巨大ワニは木々の間に張り巡らされた不可視に近いワイヤーに絡めとられていた。
 巨大ワニはもがき脱出を図るが、そのたびにワイヤーが鱗を破り、肉を断つ。

 凄い、流石はバンダナさんだ。
 これで巨大ワニ、個体名「ワーバンクロコダイル」の討伐依頼が完了だ。
 そう思ったときだった。
 巨大ワニがやってきた方向から、ゴルノヴァさんがやってきた。
 腕に浅い傷があり、その形相は怒りに溢れている。

「あちゃぁ、これはヤバイな。マーレフィス、クル、少し逃げるで」
「ど、どういうことですか?」
「わかりました。マーレフィスさん、いまは少し離れましょう!」

 マーレフィスさんは入ったばかりだから知らないんだ。
 こうなったとき、ゴルノヴァさんはもう手加減をしない。
 止めても無駄だ。

「この俺様に傷をつけたこと、死んで償いやがれっ!」

 ゴルノヴァさんの剣から放たれた炎が巨大ワニに命中し、火柱を立てたのはその直後だった。

×――力のない僕が英雄のパーティをリストラにあったことから始まり、どうしようかと途方にくれる、よくある物語である。
〇――力のない僕が英雄のパーティをリストラになる一年前の、とても大切な思い出の物語である。



「くそっ! なんでだ! なんで依頼未達成になるんだよっ!」

 今日もゴルノヴァさんのお酒は荒れていた。
 僕は出来たばかりの料理を運びながら言う。

「仕方ありませんよ。森の安全確保のためのワニ退治だったのに、その森を燃やしちゃったんですか――ぐっ」

 ゴルノヴァさんに腹を殴られて僕はうめき声をあげた。

「なにもしてねぇくせに俺様に説教垂れてるんじゃねぇよ……胸糞悪い」

 ゴルノヴァさんはそう言うと、僕が運んできた肉料理を手掴みで取って頬張り、何も言わずに出ていった。
 きっと、いつも通り歓楽街にお酒を飲みに行ったのだろう。
 僕はお腹を押さえて思う。

 痛い……けれど、これは仕方ない。
 僕はさっきの戦いでなにもできなかった。せいぜい、戦いが終わってみんなが帰ったあと、地面を掘って地下水を噴出させて鎮火作業をしたくらいだ。
 そのおかげで、なんとかギルド除名処分は免れたけれど、違約金として莫大な金額の請求書が回ってきた。
 はぁ、どうしたらいいんだろ。

「彼はいつもああなのですか?」

 修道女のマーレフィスさんが去っていくゴルノヴァさんを見て声を掛けてくれた。
 一緒に食事をとるのは初めてだから、驚かせちゃったみたいだ。

「いつもってわけじゃありません。今日は機嫌が悪いみたいで……今回の依頼が達成出来たらとうとうAランクパーティになれるっていうところだったのに、失敗しちゃいましたからね」
「そうですか。ところでクル、回復魔法は必要ですか? 勤務時間外なので代金はいただきますが」

 お金にシビアなマーレフィスさんは僕にそう提案してくれた。
 僕は苦笑して断った。

「大丈夫です、お金もないので」

 パーティの報酬は貰っていないし、魔法晶石を作ってお小遣い稼ぎをしても、ゴルノヴァさんたちが迷惑をかけたお店への弁済金で消えてしまうから、手元には使えるお金がない。

「そうですか――英雄のパーティに一番近いというから、楽して金銭と名誉が得られると思いパーティに入ったのですが、別のパーティへの移籍を見当しないといけませんね」
「えっ!? マーレフィスさん、パーティを抜けるんですかっ!? お願いです。残ってください」
「あなたに懐かれる覚えはありませんよ。離れてください」

 マーレフィスさんは僕の手を振り払ってそう言った。
 どうしよう。ただでさえゴルノヴァさんは僕のせいで怪我をするのに、法術師であるマーレフィスさんがいなくなったら困るよ。
 薬は僕が管理しているから近くにいなかったら治療できないし、かといってゴルノヴァさんに薬を渡そうとしても自分で持つのは嫌がる。バンダナさんに渡したら勝手に換金しちゃう。
 離れた場所からでも回復魔法が使えるマーレフィスさんの存在はゴルノヴァさんにとって非常に大きい。

「お願いします。マーレフィスさん」
「お断りよ」
「なんでも言うことを聞きますから!」
「鬱陶しい……そうですね。伝説と言われるユニコーンの角を手に入れてきたら言うことくらい聞いてあげますわよ」
「ユニコーンの角?」

 そんなもの、どこにあるんだろう?
 でも、マーレフィスさんに残ってもらえるのなら探してみよう。



「いやぁ、ユニコーンの角が欲しいやなんて、マーレフィスも強欲やなぁ」

 バンダナさんがあっけらかんとした口調で言った。
 僕とバンダナさん、マーレフィスさんの三人は昨日とは別の近くの森にユニコーンを求めてやってきた。

「リーダーが暴れていたとき、あの場から逃げていたあなたに言われたくありません。それより、ユニコーンがこの森にいるというのは本当なのでしょうね、バンダナ」
「あぁ、この森での目撃情報は昔からあんねん。知らんけど」
「『知らんけど』なんて無責任なことは言わないでください。あぁ、もう」
「信憑性は高いけど、見つからんかっても責任は持たへんよってことで。なぁ、クルも聞いたよな」
「はい。冒険者ギルドで調べたところ、この森にいるのは確かなようで、討伐対象としても登録されていますね」

 僕は冒険者ギルドで見た貼り紙を思い出し、頷くように言った。
 その話を聞き、マーレフィスさんは首を傾げた。

「ユニコーンなのに討伐対象ですか? ユニコーンは草食系で大人しい魔物だと聞いておりますよ?」
「ユニコーンは草食系の幻獣ですけれど、示威目的で他の大型の魔物や動物、人間等に襲い掛かるんです。むしろ、草食なので殺した相手を食べることはありませんから、他の肉食獣を呼び寄せることがあり、人里近くで発見された場合は討伐、もしくは捕獲対象になります。畑も荒らしますしね」

 僕は冒険者ギルドで聞いた話をそのままマーレフィスさんに語った。
 逆に、人里離れた森の奥にいるユニコーンには手を出してはいけないと言われている。

「ちなみに、ユニコーンは清らかな乙女の前でのみ大人しくなるんや。ユニコーンを発見したらクルは離れた場所で待機やな。男なんて見た日には凶暴化して、クルなんて尖った角で一瞬で串刺しやからな。ここはマーレフィスでなんとかせんとあかんな」
「何故私だけなんですか」
「うちが清らかな乙女のわけがないやん。その点、法術師としての腕前は未熟やけど、そっちは期待しているで」
「ぐっ……仕方ありませんわね。すべてはユニコーンの角のためです」

 マーレフィスさんは頷いた。
 ユニコーンの角は、法術師の杖としては最高峰の素材になるらしい。
 ハスト村の近くにユニコーンがいたという記録がないので、僕はその角を扱ったことがないから知らないけれど、やっぱりオリハルコンの杖とかドラゴンの牙杖よりも凄いものができるんだろうなぁ。


 森の中を暫く歩いてもユニコーンは見つからなかった。
 諦めかけたそのとき、バンダナさんが偵察に出かけた。
 そして、僅か十分程で戻ってきた。

「ユニコーンをおびき寄せることに成功したで」

 さすがはバンダナさんだ。
 僕とマーレフィスさんは、彼女の案内で近くの泉に辿り着いた。
 近くの泉――さっき通ったときはなにもいなかったのに、そこに、額に角を生やした白い馬――ユニコーンがいた。
 野菜スティックを美味しそうに食べている……え? 野菜スティック?

「あれって、昨日バンダナさんに渡した野菜スティックですよね? ニンジンの」
「そりゃ、馬といったらニンジンやからな。それに、クルのお手製野菜スティックや。馬が食いつかんわけないやろ」

 僕のお手製って、ただ切っただけなんだけどね。
 でも、結果オーライかな?

「それでは、マーレフィスさん、お願いします」
「……え、えぇ、わかりましたわ」

 マーレフィスさんが緊張してユニコーンへと向かった。
 大丈夫、マーレフィスさんは修道女――清らかな乙女にぴったりだ……よね?
 昨日はそうとう深酒だったらしく、ワインの匂いとか残っていたけど、大丈夫だよね?

 マーレフィスさんが向かうと、ユニコーンはゆっくり立ち上がり彼女の方に向かっていく。
 よかった、清らかな乙女と認識され――

 ――パクっ。

 そんな擬音が聞こえてくるかのように、マーレフィスさんは噛みつかれた。
 そして、ブンブン振り回され、僕たちがいた方に吹っ飛ばされた。

「マーレフィスさんっ! 薬、薬っ!」

 僕は慌ててマーレフィスさんに薬を振りかけた。
 彼女はがばっと起き上がり、

「なんですの! あの駄馬はっ! バンダナ、いますぐアレを細切れにして馬肉として売りさばきましょう! 角の採取はあとでいいです!」
「待ってぇな、マーレフィス。ユニコーンは殺してしまうと角の価値が一気に下がるんや。それはあかんやろ」
「構いません! 討伐対象なのですから殺すのが冒険者です」

 討伐対象だから殺す……か。
 マーレフィスさんでも清らかな乙女として認識されないのなら、きっと誰もあのユニコーンから角はもらえないだろうな。
 話し合いが通じるのなら、ユニコーンには森の奥に帰ってもらいたかったんだけど。
 ここにいるのなら、ユニコーンは退治するべきだ。
 僕たち人間は、結局は人間のために行動しないといけないから。

「ユニコーンを倒すんやったら、まずは奴の寝床を見つけて、それから後日、人数集めて奇襲するほうがええやろ。クル、うちらは帰るから、奴の尾行を頼むわ」
「え? 僕ひとりでですか?」
「雑用係なんや。そのくらい当然やろ」

 そう言われて、僕は森の中ひとり取り残された。
 うぅ、怖い。ゴブリンが出たらどうしよう。
 そう思いながら、ユニコーンを見ていた。
 野菜スティックを食べ終わったユニコーンは、どこか名残惜しそうに野菜スティックがあった土を舐めていた。
 お腹……空いてるのかな?
 夜になっても、まだ巣に戻る様子はない。
 少し眠くなってきた。 
 ダメだな、集中しないと……集中……

 ――ガサっ。

 背後から物音が聞こえて振り向くと、そこにいたのは三匹のゴブリンだった。
「うっ、うわぁぁぁぁっ!」

 僕は声を上げて一目散に駆けた。
 僕が逃げ出した途端、ゴブリンたちも追いかけてくる。
 一匹のゴブリンだけでも命が危ないっていうのに、三匹も現れるなんて――殺される。
 って、今度はユニコーンが僕に気付いてしまったらしく、僕に目掛けて走ってくる。

『男なんて見た日には凶暴化して、クルなんて一瞬で串刺しやからな』

 バンダナさんの言葉が蘇る。
 前にユニコーン、後ろにゴブリン。
 ダメだ、僕、死んだ。

 諦めてその場に座り込んだ――が、ユニコーンは僕の横を通り抜け、ゴブリンのうち一匹を串刺しにした。
 ユニコーンは、断末魔を上げて絶命するゴブリンの死体を首を振って放り投げると残り二匹のゴブリンを睨みつけるように見た。
 ゴブリンたちは持っていた太い木の棒を投げ捨てて逃げていく。
 そうか、ユニコーンにとって、僕もゴブリンも倒すべき敵……動けない僕より先にゴブリンを倒したのか。
 そして、今度は僕が串刺しになるんだ。

 恐怖で身がすくんで立ち上がることもできない。
 あぁ、このまま殺されちゃうんだ。
 ごめんなさい、ゴルノヴァさん。最後まで恩を返せなくて。バンダナさん、見張りの役目を果たせなくてすみません。マーレフィスさん、ユニコーンの角を手に入れるって約束したのに。

 そう思ったとき――ユニコーンは僕の前までやってくると、その角を僕に近付け――僕の膝の上に顔を置いてその目を閉じた。

「え?」

 僕は思わず声をあげた。
 どういうことだろう? 何で僕の膝の上でユニコーンが眠ってるの?
 まさか、僕のことを女の子だと勘違いしている?
 そ、そんなわけないよね、ははは……それはそれでショックなんだけど。
 ユニコーンの角は、さっきまではゴブリンの血で汚れていたけれど、いまは綺麗になっている。ユニコーンの角が持つ浄化の力のためだろう。

 そう思っていたら、ユニコーンは鼻をすんすんさせて顔を上げ、僕の鞄に顔を近づける。
 あ、もしかして――

「これを食べたいの?」

 僕は鞄を開けて、野菜スティックを取り出した。
 ユニコーンの口に持っていくと、警戒することなく野菜スティックを食べはじめた。
 男の人が近付くと串刺しにするって言っていたけれど、こうしてみるととても可愛くみえてきた。
 そう思ったとき、夜が明け、朝日で泉が輝きだした。とても幻想的な光景だ。

「綺麗だね」

 僕がそう言うと、ユニコーンの角が突然輝き始めた。
 その光は僕の前にゆっくりと動いてくる。
 そして、光がゆっくりと薄れていった。
 そこには、一本のユニコーンの角があった。
 ユニコーンの元あった角は少し小さくなっている。

「僕にくれるの?」

 ユニコーンは黙って頷き、そして背を向けた。
 どうやら巣に戻るらしい。
 本当はこの子を尾行して巣穴を見つけないといけないんだけど――

「あ……あの」

 僕は思わず声をあげてユニコーンを呼び止めた。
 ユニコーンは僕を見て、言葉を待つ。
 なんていえばいいんだろう。
 この泉にはもう来ないでほしい。人間の邪魔になるから。
 そんな自分勝手なこと言えるわけがない。
 僕のことを信用し、僕に角をくれたユニコーンに言えるわけがない。
 僕が辛い表情を浮かべていると、ユニコーンは僕の頬に自らの顔をこすりつけて森の奥に去っていった。
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