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第9話 本当の名前
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洗い物を終えた後、リビングに移動した。聖矢をソファに座らせた後、大矢は、
「隣に座ってもいいか?」
声を掛けると、聖矢は頷いた。昨日の公園のベンチほど、離れられないが、なるべく隅の方に寄って座った。聖矢はうつむいて、床をじっと見ていた。これから何の話をするかわかっているから、気持ちが沈んでしまったのだろう。が、このままというわけにはいかない、と、大矢は決心して口を開いた。
「聖矢。オレは、ずっとおまえとここにいても一向に構わないと思う。だけど、そういうわけにはいかない。わかるよな?」
聖矢は、何も言わずに、ただ頷いた。
「本当の名前を教えてくれるか?」
「津島真です」
「そうか。先生がおまえを引き取ったんだな」
聖矢が、驚いた表情で大矢を見た。大矢は息を吐き出すと、
「津島真澄先生の子なんだろう。真澄先生の名前から一文字取られたんだな、おまえの名前」
「はい。兄も妹も、親の名前の文字をもらっていないのに、僕だけ何故かそういう名前なんです」
昨日会った時よりも、声が出るようになってきている、と大矢は感じた。きっと今まで、声を出すのも制限されるような環境にいたのだろう、と察せられた。浮気相手の子供だから、仕方ないのだろうか。大矢は、納得出来なかった。
「おまえは、無断外泊をした。嫌だろうけど、親に連絡しないといけない。わかるよな」
聖矢は頷き、電話番号を教えてくれた。
「隣に座ってもいいか?」
声を掛けると、聖矢は頷いた。昨日の公園のベンチほど、離れられないが、なるべく隅の方に寄って座った。聖矢はうつむいて、床をじっと見ていた。これから何の話をするかわかっているから、気持ちが沈んでしまったのだろう。が、このままというわけにはいかない、と、大矢は決心して口を開いた。
「聖矢。オレは、ずっとおまえとここにいても一向に構わないと思う。だけど、そういうわけにはいかない。わかるよな?」
聖矢は、何も言わずに、ただ頷いた。
「本当の名前を教えてくれるか?」
「津島真です」
「そうか。先生がおまえを引き取ったんだな」
聖矢が、驚いた表情で大矢を見た。大矢は息を吐き出すと、
「津島真澄先生の子なんだろう。真澄先生の名前から一文字取られたんだな、おまえの名前」
「はい。兄も妹も、親の名前の文字をもらっていないのに、僕だけ何故かそういう名前なんです」
昨日会った時よりも、声が出るようになってきている、と大矢は感じた。きっと今まで、声を出すのも制限されるような環境にいたのだろう、と察せられた。浮気相手の子供だから、仕方ないのだろうか。大矢は、納得出来なかった。
「おまえは、無断外泊をした。嫌だろうけど、親に連絡しないといけない。わかるよな」
聖矢は頷き、電話番号を教えてくれた。
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