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18.真実の愛
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18.真実の愛
私はアーニャの後ろに回り込んで、彼女の腕を抑えた。
「シャーロット、あんた、マーシャに会ったね。」
アーニャは、アルフレッドのように無駄に足掻きはしなかった。
「無駄話はしない。」
彼女が何かを仕掛けてくる前に、アルバート王に白い粉を振りかけた。
「?ごほ。ごほ、ごほごほごほごほごほごほごほごほ。」
アルバート王はしばらく咳込みながらも、粉を吸い込んでいくのがわかる。
「あれ?僕はどうしてここに・・?」
「アルバート王!戻られたのですね。」
「シャーロットではないか。歌劇団の踊り子も・・・。ああそうだ、僕はずっと四角い籠の中に閉じ込められていて、必死に助けを呼んでいた。四角い箱の中から、民が飢えて死んでいくのが見えた。今、民は、そんなに悪い状態なのか・・・?」
アルバート王は、操作されながらも、王の心の箱の中までは支配できなかったようだ。
王は、王であったのだ。
「そうです!民は飢え、伝染病で病がひろがっています。すぐに、備蓄庫から食料と薬を開放してください。」
私は高らかに声をあげた。
「うむ、それは大変だ。すぐに、備蓄庫の開放をするのだ。」
アルバート王は頷き、周囲に声をあげるが、アルフレッドが倒れているだけで、他にはアーニャしかいなかった。
今はもう、アーニャは項垂れて力がない。
私はアーニャを縛りつけ、アルフレッドをそのまま放置し、アルバート王の手を取り、戦火の中に飛び込んで行った。何が大切なのかは、今、よくわかっている。
「ダニエル!!アルバート王が正気に戻られた!!!」
私はダニエルのもとには知り、声を張り上げた。
「シャーロット、では?」
「僕はアルバート王だ。この事態は・・・?」
アルバート王は、王宮の中に死人が横たわり、あちこちに火が付き、煙が舞っているのを呆然と見ていた。
「備蓄庫の開放の王命で、これが終わります!」
ダニエルは詳しくは話さず、アルバート王に単刀直入に切り込んだ。
「おお、それはシャーロットから聞いている。この事態が・・・?」
「では、備蓄庫開放でいいのですね?」
「もちろんである!」
アルバート王の即答に、周囲の誰もが歓喜の声をあげた。
「反乱軍の勝ちだ!!!」
なかなか腑に落ちない王であるが、元来ゆったりとした穏やかな性格であり、自分なりに消化しているようだった。わからないながらも、的確な判断、そして柔軟な対応。意外と王の素質があるのかもしれない。アルフレッドが制していたものに解放されたのだ。
「ダニエル!愛している!!!!」
まだ全ての者が今の状態を理解できていないが、私は彼に伝えずにはいられなかった。
母様、父様、アルフレッド、騎兵団、、、、私を圧していた全てのものから、彼が解放してくれた。今までわからなかったが、体中を熱く流れ始めたこの気持ちこそ、真実の愛なのだ。
ダニエルは私の告白に、目を点にするが、急に顔を赤らめた。それがリンゴのようなので、おかしかった。
「なぜ笑う?」
ダニエルは真っ赤な顔を真顔にして聞いてくる。
「可愛いからさ。」
私は笑って彼の唇を奪った。
ダニエルは私の口づけに、熱く応じてくる。
血の味が染み込んできたが、温かく、優しい味がした。
~完~
私はアーニャの後ろに回り込んで、彼女の腕を抑えた。
「シャーロット、あんた、マーシャに会ったね。」
アーニャは、アルフレッドのように無駄に足掻きはしなかった。
「無駄話はしない。」
彼女が何かを仕掛けてくる前に、アルバート王に白い粉を振りかけた。
「?ごほ。ごほ、ごほごほごほごほごほごほごほごほ。」
アルバート王はしばらく咳込みながらも、粉を吸い込んでいくのがわかる。
「あれ?僕はどうしてここに・・?」
「アルバート王!戻られたのですね。」
「シャーロットではないか。歌劇団の踊り子も・・・。ああそうだ、僕はずっと四角い籠の中に閉じ込められていて、必死に助けを呼んでいた。四角い箱の中から、民が飢えて死んでいくのが見えた。今、民は、そんなに悪い状態なのか・・・?」
アルバート王は、操作されながらも、王の心の箱の中までは支配できなかったようだ。
王は、王であったのだ。
「そうです!民は飢え、伝染病で病がひろがっています。すぐに、備蓄庫から食料と薬を開放してください。」
私は高らかに声をあげた。
「うむ、それは大変だ。すぐに、備蓄庫の開放をするのだ。」
アルバート王は頷き、周囲に声をあげるが、アルフレッドが倒れているだけで、他にはアーニャしかいなかった。
今はもう、アーニャは項垂れて力がない。
私はアーニャを縛りつけ、アルフレッドをそのまま放置し、アルバート王の手を取り、戦火の中に飛び込んで行った。何が大切なのかは、今、よくわかっている。
「ダニエル!!アルバート王が正気に戻られた!!!」
私はダニエルのもとには知り、声を張り上げた。
「シャーロット、では?」
「僕はアルバート王だ。この事態は・・・?」
アルバート王は、王宮の中に死人が横たわり、あちこちに火が付き、煙が舞っているのを呆然と見ていた。
「備蓄庫の開放の王命で、これが終わります!」
ダニエルは詳しくは話さず、アルバート王に単刀直入に切り込んだ。
「おお、それはシャーロットから聞いている。この事態が・・・?」
「では、備蓄庫開放でいいのですね?」
「もちろんである!」
アルバート王の即答に、周囲の誰もが歓喜の声をあげた。
「反乱軍の勝ちだ!!!」
なかなか腑に落ちない王であるが、元来ゆったりとした穏やかな性格であり、自分なりに消化しているようだった。わからないながらも、的確な判断、そして柔軟な対応。意外と王の素質があるのかもしれない。アルフレッドが制していたものに解放されたのだ。
「ダニエル!愛している!!!!」
まだ全ての者が今の状態を理解できていないが、私は彼に伝えずにはいられなかった。
母様、父様、アルフレッド、騎兵団、、、、私を圧していた全てのものから、彼が解放してくれた。今までわからなかったが、体中を熱く流れ始めたこの気持ちこそ、真実の愛なのだ。
ダニエルは私の告白に、目を点にするが、急に顔を赤らめた。それがリンゴのようなので、おかしかった。
「なぜ笑う?」
ダニエルは真っ赤な顔を真顔にして聞いてくる。
「可愛いからさ。」
私は笑って彼の唇を奪った。
ダニエルは私の口づけに、熱く応じてくる。
血の味が染み込んできたが、温かく、優しい味がした。
~完~
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