旦那さまは、既婚者の妹と会うために、私と結婚しました!さあ、復讐しましょう。

酒酔拳

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第1話

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「ねえ、君の妹のリリアが好きなんだ。だから、リリアと会うために、身代わりの結婚をしてほしい」

 ラルク、なんでそんなこと言うの?昔からずっと見ているのは、私なのに!

 そう叫びたい気持ちでいっぱいだったが、私はぐっと唇を噛み締めて堪えた。

 ラルクは妹のリリアに夢中で、ずっとずっと、昔から好きだったのに、私は全く相手にされていない。

 リリアは、キラキラと輝いた大きな目に、高い鼻、口紅を塗っていないのに赤く膨らみのある唇。美人で明るい性格から、いつでもちやほやとされ、人気者だった。

 それに比べて、私は太めの体型に、そばかすだらけの顔、性格も暗かった。

 ラルクが昔から、リリアに憧れているのは仕方ないと思って見ていた。

 だから、リリアが3年前にフォン伯爵と結婚をしたとき、流石にラルクは諦めたのだと思っていた。

 最近は、お茶やお出かけに私を誘ってくれるから、てっきり私の想いが通じたのだと、天にも昇るように嬉しかった。

 でも、それはぬか喜びだった。

 ラルクは、リリアが結婚をしても、ずっと想っていたのだ。

 一人で有頂天になっていた私って、バカだ。

「ラルク、リリアは、結婚してるのよ?」

 ラルクを説得するように、口を開いた。

「わかっている。でも、その結婚は政略結婚で、愛はないんだ。実は僕とリリアは、ハイスクールの頃から付き合っているんだ。そのときには、リリアにはフォン伯爵との婚約が決まっていたから公にできなかったんだけど、、」

 ラルクは端正な顔を、苦しげに歪めて言った。

「そんなに前からリリアと?」

 衝撃の事実だった。ラルクの片想いではなく、2人は昔から想いあっていたなんて。全くわからなかった。

 美形で、誰にでもわけへだてなく優しく、常に学年1番の頭脳を持つラルク、、誰とも付き合わなかったのは、秘密にしていたからだったのか。

「ああ、今でもこっそりと密会をしている。でも、フォン伯爵は嫉妬深く、リリアの行動を常に監視していて、なかなか会えないんだ。だから、君と一緒に会うことにすれば、疑いなくいつでも会える。それには、君と結婚したほうが信用を得れて、都合が良いんだ、、、頼むよ」

「私の気持ちは、どうなるの、、?」

「もちろん、君の行動は一切干渉しない。自由にして良い。君も30になるだろう、結婚していたほうが、都合良い」

「だって、私も、もしかしたら、これから結婚するかもしれないわ」

「君が?、、、そんな人いるの?」

 ラルクは、上から物を見るように、小馬鹿にした口調で私に聞いてくる。

 いない、いないわよ!しかも、私はあなたがずっと好きで、今でも好きなのよ。きっとラルクだって、誘いには、即オッケーをする私の気持ちに気づいているはず。

 今日だって、ウエスト街のお洒落なレストランに誘われて、もしかしたら告白されるのかもしれないと、嬉々としてやって来たのだ。

 こんな仕打ち、ひどすぎる。

「いないけど、、もしかしたら、できるかもしれないじゃない!」

「そしたら、その時は離婚すればいい。君を拘束はしない。頼むよ、僕とリリアの純愛を、応援してくれないか?」

「、、、、」

「頼むよ、お願い、ミリア」

 都合の良いときだけ、頭を下げて、私の名前を呼ぶ。打算的で調子の良い人。断らないといけないと、わかっている。

「わかったわ、協力する」

 それなのに、いつの間にか、了承する言葉を口にしていた。

「ミリア、ありがとう!!」

 飛び上がらんばかりに、ラルクは嬉しそうに手を打って喜んだ。

 これが、私へのプロポーズだったらどんなに良かっただろう。

 苦いコーヒーを飲み込むように、私は頷くしかった。

 結婚しても会い続ける2人はバカだが、私は、もっと大バカ者だ。

 ラルクが好きな私は、断ることができなかった。

 
 







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