1 / 4
第1話
しおりを挟む
「ねえ、君の妹のリリアが好きなんだ。だから、リリアと会うために、身代わりの結婚をしてほしい」
ラルク、なんでそんなこと言うの?昔からずっと見ているのは、私なのに!
そう叫びたい気持ちでいっぱいだったが、私はぐっと唇を噛み締めて堪えた。
ラルクは妹のリリアに夢中で、ずっとずっと、昔から好きだったのに、私は全く相手にされていない。
リリアは、キラキラと輝いた大きな目に、高い鼻、口紅を塗っていないのに赤く膨らみのある唇。美人で明るい性格から、いつでもちやほやとされ、人気者だった。
それに比べて、私は太めの体型に、そばかすだらけの顔、性格も暗かった。
ラルクが昔から、リリアに憧れているのは仕方ないと思って見ていた。
だから、リリアが3年前にフォン伯爵と結婚をしたとき、流石にラルクは諦めたのだと思っていた。
最近は、お茶やお出かけに私を誘ってくれるから、てっきり私の想いが通じたのだと、天にも昇るように嬉しかった。
でも、それはぬか喜びだった。
ラルクは、リリアが結婚をしても、ずっと想っていたのだ。
一人で有頂天になっていた私って、バカだ。
「ラルク、リリアは、結婚してるのよ?」
ラルクを説得するように、口を開いた。
「わかっている。でも、その結婚は政略結婚で、愛はないんだ。実は僕とリリアは、ハイスクールの頃から付き合っているんだ。そのときには、リリアにはフォン伯爵との婚約が決まっていたから公にできなかったんだけど、、」
ラルクは端正な顔を、苦しげに歪めて言った。
「そんなに前からリリアと?」
衝撃の事実だった。ラルクの片想いではなく、2人は昔から想いあっていたなんて。全くわからなかった。
美形で、誰にでもわけへだてなく優しく、常に学年1番の頭脳を持つラルク、、誰とも付き合わなかったのは、秘密にしていたからだったのか。
「ああ、今でもこっそりと密会をしている。でも、フォン伯爵は嫉妬深く、リリアの行動を常に監視していて、なかなか会えないんだ。だから、君と一緒に会うことにすれば、疑いなくいつでも会える。それには、君と結婚したほうが信用を得れて、都合が良いんだ、、、頼むよ」
「私の気持ちは、どうなるの、、?」
「もちろん、君の行動は一切干渉しない。自由にして良い。君も30になるだろう、結婚していたほうが、都合良い」
「だって、私も、もしかしたら、これから結婚するかもしれないわ」
「君が?、、、そんな人いるの?」
ラルクは、上から物を見るように、小馬鹿にした口調で私に聞いてくる。
いない、いないわよ!しかも、私はあなたがずっと好きで、今でも好きなのよ。きっとラルクだって、誘いには、即オッケーをする私の気持ちに気づいているはず。
今日だって、ウエスト街のお洒落なレストランに誘われて、もしかしたら告白されるのかもしれないと、嬉々としてやって来たのだ。
こんな仕打ち、ひどすぎる。
「いないけど、、もしかしたら、できるかもしれないじゃない!」
「そしたら、その時は離婚すればいい。君を拘束はしない。頼むよ、僕とリリアの純愛を、応援してくれないか?」
「、、、、」
「頼むよ、お願い、ミリア」
都合の良いときだけ、頭を下げて、私の名前を呼ぶ。打算的で調子の良い人。断らないといけないと、わかっている。
「わかったわ、協力する」
それなのに、いつの間にか、了承する言葉を口にしていた。
「ミリア、ありがとう!!」
飛び上がらんばかりに、ラルクは嬉しそうに手を打って喜んだ。
これが、私へのプロポーズだったらどんなに良かっただろう。
苦いコーヒーを飲み込むように、私は頷くしかった。
結婚しても会い続ける2人はバカだが、私は、もっと大バカ者だ。
ラルクが好きな私は、断ることができなかった。
ラルク、なんでそんなこと言うの?昔からずっと見ているのは、私なのに!
そう叫びたい気持ちでいっぱいだったが、私はぐっと唇を噛み締めて堪えた。
ラルクは妹のリリアに夢中で、ずっとずっと、昔から好きだったのに、私は全く相手にされていない。
リリアは、キラキラと輝いた大きな目に、高い鼻、口紅を塗っていないのに赤く膨らみのある唇。美人で明るい性格から、いつでもちやほやとされ、人気者だった。
それに比べて、私は太めの体型に、そばかすだらけの顔、性格も暗かった。
ラルクが昔から、リリアに憧れているのは仕方ないと思って見ていた。
だから、リリアが3年前にフォン伯爵と結婚をしたとき、流石にラルクは諦めたのだと思っていた。
最近は、お茶やお出かけに私を誘ってくれるから、てっきり私の想いが通じたのだと、天にも昇るように嬉しかった。
でも、それはぬか喜びだった。
ラルクは、リリアが結婚をしても、ずっと想っていたのだ。
一人で有頂天になっていた私って、バカだ。
「ラルク、リリアは、結婚してるのよ?」
ラルクを説得するように、口を開いた。
「わかっている。でも、その結婚は政略結婚で、愛はないんだ。実は僕とリリアは、ハイスクールの頃から付き合っているんだ。そのときには、リリアにはフォン伯爵との婚約が決まっていたから公にできなかったんだけど、、」
ラルクは端正な顔を、苦しげに歪めて言った。
「そんなに前からリリアと?」
衝撃の事実だった。ラルクの片想いではなく、2人は昔から想いあっていたなんて。全くわからなかった。
美形で、誰にでもわけへだてなく優しく、常に学年1番の頭脳を持つラルク、、誰とも付き合わなかったのは、秘密にしていたからだったのか。
「ああ、今でもこっそりと密会をしている。でも、フォン伯爵は嫉妬深く、リリアの行動を常に監視していて、なかなか会えないんだ。だから、君と一緒に会うことにすれば、疑いなくいつでも会える。それには、君と結婚したほうが信用を得れて、都合が良いんだ、、、頼むよ」
「私の気持ちは、どうなるの、、?」
「もちろん、君の行動は一切干渉しない。自由にして良い。君も30になるだろう、結婚していたほうが、都合良い」
「だって、私も、もしかしたら、これから結婚するかもしれないわ」
「君が?、、、そんな人いるの?」
ラルクは、上から物を見るように、小馬鹿にした口調で私に聞いてくる。
いない、いないわよ!しかも、私はあなたがずっと好きで、今でも好きなのよ。きっとラルクだって、誘いには、即オッケーをする私の気持ちに気づいているはず。
今日だって、ウエスト街のお洒落なレストランに誘われて、もしかしたら告白されるのかもしれないと、嬉々としてやって来たのだ。
こんな仕打ち、ひどすぎる。
「いないけど、、もしかしたら、できるかもしれないじゃない!」
「そしたら、その時は離婚すればいい。君を拘束はしない。頼むよ、僕とリリアの純愛を、応援してくれないか?」
「、、、、」
「頼むよ、お願い、ミリア」
都合の良いときだけ、頭を下げて、私の名前を呼ぶ。打算的で調子の良い人。断らないといけないと、わかっている。
「わかったわ、協力する」
それなのに、いつの間にか、了承する言葉を口にしていた。
「ミリア、ありがとう!!」
飛び上がらんばかりに、ラルクは嬉しそうに手を打って喜んだ。
これが、私へのプロポーズだったらどんなに良かっただろう。
苦いコーヒーを飲み込むように、私は頷くしかった。
結婚しても会い続ける2人はバカだが、私は、もっと大バカ者だ。
ラルクが好きな私は、断ることができなかった。
1
あなたにおすすめの小説
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない
二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。
ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。
当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。
だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。
――君の××××、触らせてもらえないだろうか?
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる