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19.麻薬を栽培しているの?
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アキヲが立ち止まった場所は、紗羅さんのいる教会だった。
二人とも、息が荒く、呼吸を整えるまで、だいぶ時間がかかった。
「ねえ、あの人工的な畑みたいの、なんだろう?それに、荷車を引いていた人、山の麓の寺にいた、僧侶さんだった」
私は、呼吸が整い、心拍数が落ち着いてくると、堰を切ったようにアキヲに向かって、口火を切った。
「ただの野菜を植えている感じではなかった。見たことのない花や、苗木、草木が植えられていた」
アキヲは、頭をフル回転するかのように、眉間に力を入れ、目を細める。
「まるで、秘密の花園ね。外からは、森の入り口があるようにしか、見えなかった」
「ああ、明らかに、秘密にしなければいけないものを作っているんだ。人には知らせてはいけないものをね」
「人には、知られてはいけないもの?」
「そう。たとえば、麻薬とかね」
「麻薬?」
アキヲの口からでた言葉に、心臓が飛び出てしまうと思うくらい、強い衝動を受けた。
「そうだよ。麻薬は、けしの花が原材料になる。そのほか、クワなど、草木が大麻の原料になるものもある。この奥深い山の上の村なら、見つかることはない。僧侶が荷車を引いていたから、山の麓の寺が、麻薬の密売を仲介している可能性がある」
アキヲは、ゆっくりと吟味するように話しを続ける。
「この癒しの村は、麻薬の密売組織ってことなの?」
私は、冷静な自分を呼び戻すように、深呼吸をしてから言葉を放った。
「その可能性はある。孤児や障害児を助けているように見えて、それを隠れ蓑にして、金を儲けているのかもしれない」
アキヲは青ざめた顔で頷く。
これ以上の言葉が出なかった。ミサトや田辺さんは、どこまで知っているのだろうか、紗羅さんの目的は何であるのか、私とアキヲは麻薬の密売を手伝わされているのか、頭の中でぐるぐると疑問が渦巻いてくる。
アキヲが、また何かを口にしようとしたとき、背後に影があらわれた。
(だれ?!見つかった?!)
「あら、リサさんに、アキヲさん、おはようございます」
と、声をかけてきたのは、真っ白な修道衣を来た紗羅さんだった。
「おはようございます」
私は安堵した瞬間、あわてて笑顔を作って挨拶を返す。
アキヲもほっとしたように、会釈をしてから挨拶をする。
「今日は、村人全員が集まる、ミサの日を知ってくれていたんですね」
紗羅さんは、嬉しそうに笑みをたたえ、神に祈るように左右の掌を合わせる。
「はい、昨日畑で仲間たちに聞いたから、今日は早く起きて来たんです。もう始まりますか?」
アキヲは、咄嗟の機転で話を合わせ始めた。アキヲの目が、私に合わせるようにと促しているのがわかる。
「そうなんです、初めてだから、緊張しています」
私もアキヲに合わせて、緊張をしている振りをして、心臓に手を合わせて、言った。
「もうそろそろみなさん、そろいます。まもなく、ミサは始まります」
紗羅さんは、慈悲深い表情を浮かべ、囁くように言った。
二人とも、息が荒く、呼吸を整えるまで、だいぶ時間がかかった。
「ねえ、あの人工的な畑みたいの、なんだろう?それに、荷車を引いていた人、山の麓の寺にいた、僧侶さんだった」
私は、呼吸が整い、心拍数が落ち着いてくると、堰を切ったようにアキヲに向かって、口火を切った。
「ただの野菜を植えている感じではなかった。見たことのない花や、苗木、草木が植えられていた」
アキヲは、頭をフル回転するかのように、眉間に力を入れ、目を細める。
「まるで、秘密の花園ね。外からは、森の入り口があるようにしか、見えなかった」
「ああ、明らかに、秘密にしなければいけないものを作っているんだ。人には知らせてはいけないものをね」
「人には、知られてはいけないもの?」
「そう。たとえば、麻薬とかね」
「麻薬?」
アキヲの口からでた言葉に、心臓が飛び出てしまうと思うくらい、強い衝動を受けた。
「そうだよ。麻薬は、けしの花が原材料になる。そのほか、クワなど、草木が大麻の原料になるものもある。この奥深い山の上の村なら、見つかることはない。僧侶が荷車を引いていたから、山の麓の寺が、麻薬の密売を仲介している可能性がある」
アキヲは、ゆっくりと吟味するように話しを続ける。
「この癒しの村は、麻薬の密売組織ってことなの?」
私は、冷静な自分を呼び戻すように、深呼吸をしてから言葉を放った。
「その可能性はある。孤児や障害児を助けているように見えて、それを隠れ蓑にして、金を儲けているのかもしれない」
アキヲは青ざめた顔で頷く。
これ以上の言葉が出なかった。ミサトや田辺さんは、どこまで知っているのだろうか、紗羅さんの目的は何であるのか、私とアキヲは麻薬の密売を手伝わされているのか、頭の中でぐるぐると疑問が渦巻いてくる。
アキヲが、また何かを口にしようとしたとき、背後に影があらわれた。
(だれ?!見つかった?!)
「あら、リサさんに、アキヲさん、おはようございます」
と、声をかけてきたのは、真っ白な修道衣を来た紗羅さんだった。
「おはようございます」
私は安堵した瞬間、あわてて笑顔を作って挨拶を返す。
アキヲもほっとしたように、会釈をしてから挨拶をする。
「今日は、村人全員が集まる、ミサの日を知ってくれていたんですね」
紗羅さんは、嬉しそうに笑みをたたえ、神に祈るように左右の掌を合わせる。
「はい、昨日畑で仲間たちに聞いたから、今日は早く起きて来たんです。もう始まりますか?」
アキヲは、咄嗟の機転で話を合わせ始めた。アキヲの目が、私に合わせるようにと促しているのがわかる。
「そうなんです、初めてだから、緊張しています」
私もアキヲに合わせて、緊張をしている振りをして、心臓に手を合わせて、言った。
「もうそろそろみなさん、そろいます。まもなく、ミサは始まります」
紗羅さんは、慈悲深い表情を浮かべ、囁くように言った。
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