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石化の少女
ケリュネイアの雌鹿 3
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――― ウラの山 カグヤの家の近くの河原 日没直後
「・・・・さて」
準備は万端。いざ、出発・・・・。
カグヤは、包みを背負いなおす。
「ゴホッ、ゴホッ・・・・。
お嬢・・・・、どこ行くんスか?」
おっと、一歩目を踏み出そうとしたところで、声をかけられた。
ガサゴソと、近くの茂みから、チヨが姿を現す。
「ゴホッ、ゴホッ・・・・」
「チヨ、あんた、寝てなくって、大丈夫なの?」
本人曰く、『不覚にも』風邪をひいてしまったらしい。
今日は学校も休んで、チヨは、朝から床に臥せっていた。
「ゴホッ、ゴホッ。
だ、大丈夫っス。
昼間、ずっと寝てたんで。
もう、絶好調~!っス・・・・。
ハッ・・・、ハッ・・・、ハィックシ!」
「そんな、大きなクシャミして・・・。
全然、大丈夫じゃないじゃない」
「そ、そんなことより、お嬢。
どこ行くつもりっスか?」
「え?」
「西の山に行くつもりっスね?」
「え、え~っと・・・・」
「私も、行くっスよ。
私も、ついていくっス。
お嬢のことっス、止めたって、絶対、行ってしまうんだろうから・・・・。
だから、ダメです。
一人では行かせません。
私もついて行くっス」
「そうよ、一人で行っちゃダメだからね。
絶対!」
「え?」
「ジュン?」
ガサゴソと、チヨが姿を現した茂みの中から、ジュンが姿を現す。
「様子を見ようとカグヤの家に向かってたら、チヨが出ていく姿が見えたので、後をつけてきたの。
ダメよ、絶対。
一人で行っちゃ」
「でも・・・・」
「私も行く」
「え?」
「私もついて行く。
姉さんは、私が救う。
それは、絶対譲らない」
「さすがにジュンまで巻き込むわけには・・・・」
「通報します」
「え?」
「連れて行ってくれないなら、通報します」
ジュンは左手に握った『警報ブザー』を突き出す。
『警報ブザー』は、昨日の襲撃を受けて、今日、学校で急遽配布されたグッズだ。
ブザーのスイッチを押すと大音量の警報が鳴り響くと同時に近隣にいる保護者にSOSの連絡が届くらしい。
どういう仕組みかは、分からないが・・・・。
いずれにしても、ここで通報されるのは、非常にまずい。
ここで連れ戻らされたりしたら、西の山に向かうチャンスは、当分得られないだろう。
「わ、分かったわ。
ジュン、チヨ。
ありがとう。
一緒に行こう」
「当然よ!」
「了解っス。
・・・・ゴホッ、ゴホッ」
「さて・・・・。
ところで、おチヨさん?」
ジュンは、警報ブザーをしまうと、ポケットに手を突っ込み、ゴソゴソさせながらチヨに近付いていく。
「ちゃんとお薬、飲んだのかなぁ?
私も、良く風邪をひいて、熱出したりするんだけど、カグヤのおばあさんの作ったお薬って良く効いてね~。
お薬のんで半日も横になっていれば、だいたい治っちゃうんだぁ。
だ・か・ら、おチヨさ~ん。
ちゃんとお薬、飲んだのかなぁ?」
「へ?
あ、あの、ちょ、ちょっと苦いのは苦手だったり、するっスから・・・・」
「飲んだふりだけして、実は、飲んでいなかったり?」
「・・・・ん」
恐る恐るうなずく、チヨ。
「あっ!!!!!!!」
突然、ジュンは、あらぬ方向を指さしながら、大声を上げる。
「へっ?」
チヨとカグヤは、それにつられて、大口を開けたまま、ジュンの指さす方を見上げる。
「隙ありっ!」
ジュンは、ポケットから取り出したものをチヨの口に押し込むと、背中をドンと強く押す。
”ごっくん”
背を押された弾みで、チヨは、口の中のものを反射的に飲み込んでしまう。
「うぇ~、にがい~」
「チヨ?」
「大丈夫。飲ませたのは、お薬よ。
カグヤのおばあさんの薬を丸めて固めた丸薬」
ジュンは、竹水筒をチヨに差し出す。
「はい、お水。
飲みなさい。
今更だけど、お薬、飲んだ方が、まだマシでしょう?
危険なところに行くんだから、なるべく状態は良くしないとね」
「・・・・さて」
準備は万端。いざ、出発・・・・。
カグヤは、包みを背負いなおす。
「ゴホッ、ゴホッ・・・・。
お嬢・・・・、どこ行くんスか?」
おっと、一歩目を踏み出そうとしたところで、声をかけられた。
ガサゴソと、近くの茂みから、チヨが姿を現す。
「ゴホッ、ゴホッ・・・・」
「チヨ、あんた、寝てなくって、大丈夫なの?」
本人曰く、『不覚にも』風邪をひいてしまったらしい。
今日は学校も休んで、チヨは、朝から床に臥せっていた。
「ゴホッ、ゴホッ。
だ、大丈夫っス。
昼間、ずっと寝てたんで。
もう、絶好調~!っス・・・・。
ハッ・・・、ハッ・・・、ハィックシ!」
「そんな、大きなクシャミして・・・。
全然、大丈夫じゃないじゃない」
「そ、そんなことより、お嬢。
どこ行くつもりっスか?」
「え?」
「西の山に行くつもりっスね?」
「え、え~っと・・・・」
「私も、行くっスよ。
私も、ついていくっス。
お嬢のことっス、止めたって、絶対、行ってしまうんだろうから・・・・。
だから、ダメです。
一人では行かせません。
私もついて行くっス」
「そうよ、一人で行っちゃダメだからね。
絶対!」
「え?」
「ジュン?」
ガサゴソと、チヨが姿を現した茂みの中から、ジュンが姿を現す。
「様子を見ようとカグヤの家に向かってたら、チヨが出ていく姿が見えたので、後をつけてきたの。
ダメよ、絶対。
一人で行っちゃ」
「でも・・・・」
「私も行く」
「え?」
「私もついて行く。
姉さんは、私が救う。
それは、絶対譲らない」
「さすがにジュンまで巻き込むわけには・・・・」
「通報します」
「え?」
「連れて行ってくれないなら、通報します」
ジュンは左手に握った『警報ブザー』を突き出す。
『警報ブザー』は、昨日の襲撃を受けて、今日、学校で急遽配布されたグッズだ。
ブザーのスイッチを押すと大音量の警報が鳴り響くと同時に近隣にいる保護者にSOSの連絡が届くらしい。
どういう仕組みかは、分からないが・・・・。
いずれにしても、ここで通報されるのは、非常にまずい。
ここで連れ戻らされたりしたら、西の山に向かうチャンスは、当分得られないだろう。
「わ、分かったわ。
ジュン、チヨ。
ありがとう。
一緒に行こう」
「当然よ!」
「了解っス。
・・・・ゴホッ、ゴホッ」
「さて・・・・。
ところで、おチヨさん?」
ジュンは、警報ブザーをしまうと、ポケットに手を突っ込み、ゴソゴソさせながらチヨに近付いていく。
「ちゃんとお薬、飲んだのかなぁ?
私も、良く風邪をひいて、熱出したりするんだけど、カグヤのおばあさんの作ったお薬って良く効いてね~。
お薬のんで半日も横になっていれば、だいたい治っちゃうんだぁ。
だ・か・ら、おチヨさ~ん。
ちゃんとお薬、飲んだのかなぁ?」
「へ?
あ、あの、ちょ、ちょっと苦いのは苦手だったり、するっスから・・・・」
「飲んだふりだけして、実は、飲んでいなかったり?」
「・・・・ん」
恐る恐るうなずく、チヨ。
「あっ!!!!!!!」
突然、ジュンは、あらぬ方向を指さしながら、大声を上げる。
「へっ?」
チヨとカグヤは、それにつられて、大口を開けたまま、ジュンの指さす方を見上げる。
「隙ありっ!」
ジュンは、ポケットから取り出したものをチヨの口に押し込むと、背中をドンと強く押す。
”ごっくん”
背を押された弾みで、チヨは、口の中のものを反射的に飲み込んでしまう。
「うぇ~、にがい~」
「チヨ?」
「大丈夫。飲ませたのは、お薬よ。
カグヤのおばあさんの薬を丸めて固めた丸薬」
ジュンは、竹水筒をチヨに差し出す。
「はい、お水。
飲みなさい。
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