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石化の少女
ケリュネイアの雌鹿 2
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外に飛び出していくと思いきや、意外にも、カグヤは低学年クラスの教室に飛び込んでいく。
「シワ~、どこ~?」
「あ、カグヤちゃん、ここ~!」
教室の後ろの方の学級文庫の本箱の前から、椋鳩十と書かれた本を小脇に挟みながら、シワは、わしゃわしゃと手を振る。
「おっはよ~。
カグヤちゃん、ジュンちゃん。
どしたの~?」
「おはよう、シワ~」
カグヤは、小走りで駆け寄ると、祈るかのように胸の前で手を組みながら、シワに語り掛ける。
「ちょっと、お願いしたいことがあって・・・・」
「お願い~?」
「そう、お願い。昨日の、あの、大きい鶏なんだけど・・・・」
「コカちゃん?」
昨日、シワに引き取られたコカトリスは、『コカ』と命名されたようだ。
「え?
あ、そ、そう。コカちゃん?
そのコカちゃんに聞いてもらいたいことがあるんだけど・・・・」
「すぐに~?」
「うん。
なるべく早く。
いま、すぐにでも!」
「ん~、それは、ちょっと無理かなぁ~?」
「どうして?」
「コカちゃん、いま、いないんだ~」
「え?
もう、逃げ出したの?」
「違うよ~。
なんかね~、今まで住んでたところに大切なものが残してあるから、一旦、それを取りに帰るって。
今朝早くに出かけて行ったの~。
南の方に向かって~。
しばらくしたら、戻ってくるとは思うんだけど、ちょっと遠いところみたいだから、さすがに、今日、明日は、無理だと思う~」
「そ、そうなんだ」
「コカちゃんに会って、どうしたかったの~?」
「ちょっと、教えてもらいたいことがあって・・・・」
「教えてもらいたいこと~?」
「昨日、どこから来たのか、教えてもらおうと思って」
「昨日~?
この村にくる前に~?」
「そう、昨日、この村に来る直前、どこにいたのか、知りたいの」
「それなら、西の山だよ~」
「え?」
「西の山~。
そう言ってた~」
「ほ、本当?
あ、ありがとう!
助かった!」
「カグヤちゃん?」
「なに?」
「西の山に行くの~?」
「え?
あ、あ~、え~~っと・・・・」
「今は、やめといた方がいいよ~。
なんか、危ないらしいから~」
「危ないって、なにが?」
カグヤの後ろでシワの話を伺っていたジュンが、口を挟む。
「なんだ、ジュン。
いたの?」
「最初から、ずっといるわよ!
で、シワちゃん、西の山が危ないって?」
「うん~。
理由はわからないんだけど、都の鹿が、西の山にどんどん移動してきているみたいで~、西の山に元からいたカモシカと小競り合いしてるみたい~」
「あ、そういえば、家のじっちゃも、そんなこと言ってた」
「カグヤの家でも?」
「うん。
なんか、じっちゃも駆り出されて、西の山に、ときどき行ってるみたい。
たまに、帰ってこないこともあったし」
「ふ~ん。
でも、都から、鹿が移動してきてるって・・・・。
鹿って、たしか都の守り神だったよね?
都でなにが起こってるのかしら?」
「さあ?」
「それにしても、カモシカも、カモシカよね。
都から鹿が移動してきて、そりゃ、いくらか縄張りが荒らされたりしたかもしれないけれど、シカ同士、仲良くやればいいのにね~。」
「ちがうよ~、ジュンちゃん。
鹿さんは、鹿だけど、カモシカは、牛さんの仲間だよ~」
「だよ~。
ジュン。ちがうよ~?」
「カグヤ、うるさいっ!
あんただって、知らなかったでしょ?」
「あ~、でも、カモシカは牛の仲間か~。
なんか、なっとく~」
「ん?」
「まえに、ジュンのことを『カモシカみたい!』って言ってる人がいて、『んん?』って思ってたんだけど、そういうことなら、納得だよね~」
「なにが納得なのよ?」
「要するに、カモシカって、牛なんでしょ~。
ジュンて、まんま、牛だもんね~」
「カグヤっ!!!!」
「シワ~、どこ~?」
「あ、カグヤちゃん、ここ~!」
教室の後ろの方の学級文庫の本箱の前から、椋鳩十と書かれた本を小脇に挟みながら、シワは、わしゃわしゃと手を振る。
「おっはよ~。
カグヤちゃん、ジュンちゃん。
どしたの~?」
「おはよう、シワ~」
カグヤは、小走りで駆け寄ると、祈るかのように胸の前で手を組みながら、シワに語り掛ける。
「ちょっと、お願いしたいことがあって・・・・」
「お願い~?」
「そう、お願い。昨日の、あの、大きい鶏なんだけど・・・・」
「コカちゃん?」
昨日、シワに引き取られたコカトリスは、『コカ』と命名されたようだ。
「え?
あ、そ、そう。コカちゃん?
そのコカちゃんに聞いてもらいたいことがあるんだけど・・・・」
「すぐに~?」
「うん。
なるべく早く。
いま、すぐにでも!」
「ん~、それは、ちょっと無理かなぁ~?」
「どうして?」
「コカちゃん、いま、いないんだ~」
「え?
もう、逃げ出したの?」
「違うよ~。
なんかね~、今まで住んでたところに大切なものが残してあるから、一旦、それを取りに帰るって。
今朝早くに出かけて行ったの~。
南の方に向かって~。
しばらくしたら、戻ってくるとは思うんだけど、ちょっと遠いところみたいだから、さすがに、今日、明日は、無理だと思う~」
「そ、そうなんだ」
「コカちゃんに会って、どうしたかったの~?」
「ちょっと、教えてもらいたいことがあって・・・・」
「教えてもらいたいこと~?」
「昨日、どこから来たのか、教えてもらおうと思って」
「昨日~?
この村にくる前に~?」
「そう、昨日、この村に来る直前、どこにいたのか、知りたいの」
「それなら、西の山だよ~」
「え?」
「西の山~。
そう言ってた~」
「ほ、本当?
あ、ありがとう!
助かった!」
「カグヤちゃん?」
「なに?」
「西の山に行くの~?」
「え?
あ、あ~、え~~っと・・・・」
「今は、やめといた方がいいよ~。
なんか、危ないらしいから~」
「危ないって、なにが?」
カグヤの後ろでシワの話を伺っていたジュンが、口を挟む。
「なんだ、ジュン。
いたの?」
「最初から、ずっといるわよ!
で、シワちゃん、西の山が危ないって?」
「うん~。
理由はわからないんだけど、都の鹿が、西の山にどんどん移動してきているみたいで~、西の山に元からいたカモシカと小競り合いしてるみたい~」
「あ、そういえば、家のじっちゃも、そんなこと言ってた」
「カグヤの家でも?」
「うん。
なんか、じっちゃも駆り出されて、西の山に、ときどき行ってるみたい。
たまに、帰ってこないこともあったし」
「ふ~ん。
でも、都から、鹿が移動してきてるって・・・・。
鹿って、たしか都の守り神だったよね?
都でなにが起こってるのかしら?」
「さあ?」
「それにしても、カモシカも、カモシカよね。
都から鹿が移動してきて、そりゃ、いくらか縄張りが荒らされたりしたかもしれないけれど、シカ同士、仲良くやればいいのにね~。」
「ちがうよ~、ジュンちゃん。
鹿さんは、鹿だけど、カモシカは、牛さんの仲間だよ~」
「だよ~。
ジュン。ちがうよ~?」
「カグヤ、うるさいっ!
あんただって、知らなかったでしょ?」
「あ~、でも、カモシカは牛の仲間か~。
なんか、なっとく~」
「ん?」
「まえに、ジュンのことを『カモシカみたい!』って言ってる人がいて、『んん?』って思ってたんだけど、そういうことなら、納得だよね~」
「なにが納得なのよ?」
「要するに、カモシカって、牛なんでしょ~。
ジュンて、まんま、牛だもんね~」
「カグヤっ!!!!」
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