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47話 戦利品
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「フォード!」
「フォード様っ!」
「な、なんだ? 敵か……?」
リリとメアの騒々しい声で俺は目を覚ました。
「ユユってやつが起きたんだ!」
「ユユ様がお目覚めになられました!」
「なっ……!」
できる限りの治療を施したとはいえ、もう難しいかもしれないとは思っていたが、助かったのか。ただ、あれくらい徹底的に叩かないとこっちが危なかったからな。精神力を使い果たすことで【幽石移動】スキルの効果が切れたら、その時点で終わってしまうわけだし。
「――今の気分はどうだ……?」
「……」
教会の片隅で横たわった少女――ユユ――が、少し時間を置いてから虚ろな瞳をこっちに向けてくる。
「もちろん最悪じゃ……」
「まあそうだろうな。でもあの酷い状態から生還するなんて思わなかったよ。さすが、ならず者たちのボスなだけある」
「我は基本的に一匹狼じゃがな」
「……」
彼女が嘘をついてるとは思えなかった。一見するとただの少女なんだが、あんな能力を持ってたらそりゃみんな怖がるだろうし。
「我は、負けてしまった上、生き残ってしまったのか……。お前は何故、我を生かしたのじゃ……?」
「生かしたっていうか、俺は初めっからあんたを殺すつもりで戦ったよ。そうしなきゃ、こっちが死んでたから……。結果的に生き残ったのは、あんたが丈夫すぎるからだ」
「なるほど。では、とどめを刺さなかったのは、我を凌辱し、奴隷として生かすつもりだからなのか」
「おいおい、人聞きの悪いことを平然と言うんだな……」
「ふむ……?」
俺の返しに対して、ユユはとても不思議そうに目をまたたかせた。彼女にとって、敗者に人権なんてないっていうのは当たり前のことで、スラム街の掟の一つってやつなんだろう。
「遠慮せずとも、欲望のまま犯すがよい。抵抗するという心配もいらぬ。我が負けたという事実だけは【改造】できぬから、大人しくしているつもりじゃ……」
「……あいにく、俺はそういうことをしたいわけじゃない」
「何故じゃ? 男はみな若い女の姿が好きだと聞くぞ」
「……」
視線を感じるのでちらっと振り返ると、リリとメアが祭壇の後ろに素早く隠れた。気を遣ってるつもりだろうけど、そんなことされたらますますやり辛いだろ。いや、最初からやるつもりなんてないけど。
「さては、女という性別に興味がないのか」
「い、いや、男に興味があるような言い方はやめろって。今はどうしてあんたが感情を見せないのか、そっちのほうが興味深い。人間じゃなく、喋るモンスターと戦ってるみたいだったし……」
「ある意味、研究のようなものか」
「ああ、それに近い。話してくれるか?」
「そうじゃな。我に勝利した者が興味を抱いたというのなら、戦利品としてそれに応えるのが筋というもの。存分に味わうがよい」
「ああ、なるべく下品に咀嚼してやる」
俺はユユと笑い合った。なんだか、初めて意思の疎通ができたような気がするな。振り返ると、リリとメアが隠れるのも忘れてこちらをぼんやりと見ているのがわかった。きっと、わけがわからないんだろう。性別とか抜きにして、戦った者同士にしかわからない感情じゃないかな、これは。
「我は、このスラム街のどこかで、産まれた。物心がついたときには孤児院にいて、頬傷の子と呼ばれておったのじゃ……」
「……」
分析で彼女のスキルについては調べさせてもらったわけだが、頬傷を【改造】してなくすこともできただろうに、それをしなかったことに彼女のアイデンティティのようなものを感じる。たとえそれが親によって傷つけられたものであっても、形見のような大切なものなんだろう。
「飢えも虐待も怠惰も混ざり合っていた日々、我は特に辛くも楽しくもなく、何か願望があるわけでもなく普通に生きておったし、それで不満もなかったが、ある日ならず者たちによって孤児狩りが起きた」
「孤児狩り……?」
「うむ。スキルを受け取れる年齢の孤児を総動員し、教会でスキルを得るためだったそうじゃ。当たりなら生かしてやる。外れならその場で殺す。そう言われたが、どうせ当たりでも殺されると我は思っていた」
「ユユは子供の頃から妙に達観してるんだな」
「今思えば、我は当時から子供らしい子供ではなかったのかもしれぬ。一喜一憂しても仕方のないこと。死ぬまでに、心安らかにいようと思っていただけなのじゃ」
「なるほど……」
「やつらは案の定、孤児から神授石を受け取ると結果も見ずに即座に殺していった。ニヤニヤしながら外れだと口にしていたが、どう見ても嘘であった。次は我の番じゃ。死はどういうものか。そうぼんやりと考えながら、震える神父から洗礼を受けた……」
「……」
「ただ、順番が来て、初めて自分の足が震えていることに気付いた。我は、紛れもなく人間であったのじゃ。ほかの子たちと同様に、か弱い人間であった……」
ユユの目に光が宿る。もしかしたら、そのとき初めて彼女は自分のことを可哀想だと思ったのかもしれない。
「どうせ死ぬにしても、我は抵抗をしたくなった。洗礼によって貰ったスキルを渡さず、落ちていたものを拾ってならず者に渡したのじゃ。その直後、胸をナイフで刺され、我は気を失った……」
「壮絶な経験だな……」
聞いてるだけで体が熱くなってきて、目眩がしそうになった。闇の中のさらに暗部を見ているのかもしれないとさえ思う。
「それからどれくらい時間が経ったのか、我は目が覚めた。急所を外していたらしく、かろうじて生き残ったのじゃ。そういう者はほかにもいたが、すぐに息を引き取った。我もしばらく経てば出血多量で死ぬだろう。それでも、早くこの苦しみから解放されたい。そう願っていたとき、血が止まったのじゃ。一体何故……疑念の中、我は自分の胸の傷が塞がっていることに気付いた。そう、我がスキル【改造】を無意識的に使っていたのじゃ……」
「……」
なるほどなあと言おうとしたが、声が出なかった。それくらいユユの話に夢中になってて、声自体が遠慮したかのように。
「血まみれの中、我は立ち上がり、歩き出した。あのとき見た教会前の景色はよく覚えている。飽きるほど見たただのスラム街とは思えぬほど、本当に鮮やかで、未だかつて見たことがないくらい、神々しい景色じゃった……」
人は死を悟ったとき、景色が一層綺麗に見えるというから、おそらく彼女もそんな心境だったんだろう。スラム街が聖地だと言ったのもわかるような気がした。
「我の話はこれで終わりじゃ」
「……よくわかったよ、ユユ。あんたの過去のことは。普通じゃなさすぎて、聞くだけでちょっと疲れたけどな」
「ふむ、ちと重すぎであったか。ほかに聞きたいことがあれば、遠慮なく聞くのじゃ」
「ん-……そうだ、なんでそんな年寄りみたいな喋り方なんだ? 実際は100年以上の前の話だから、とか?」
【改造】スキルさえあれば、見た目も若くできるだろうしありえそうだ。
「いや、我は年齢でいうと20くらいじゃ。こういう喋り方なのは、スラム街で生きていく上で、舐められぬため。しわがれた声も同じ理由なのじゃ」
「なるほど……じゃあ子供の頃からそんな喋り方なんだな」
「うむ。理由としては、味気なさすぎたかもしれぬな」
「いや、むしろ塩気が強すぎて喉がカラカラだよ」
「ふむ……? ではお詫びに性交渉でもするか?」
「いや、なんでそうなる……っていうか、遠慮しておく。変なところを【改造】されそうだしな……」
「よくわかっておるな」
「おいおい……」
振り返ってみると、リリはニヤニヤ、メアは顔真っ赤だった。まあお年頃だしな。
「戦利品としてもう一つ、お願いがあるんだが」
「なんじゃ?」
「俺はフォード、あの祭壇にいるのがリリとメア」
「む……?」
「自己紹介したのは、俺たちを仲間として認識してもらいたいからなんだ。スラム街にプライドを持つのは結構だが、ここは良い方向に変わり始めている。だから、それに協力してもらいたい。スラム街を生きてきたものとして、この町が生まれ変わるために」
「別に構わんが、我に何をさせるつもりじゃ」
「自立させてほしいんだ、この街を。人間が人間らしく生きるために。その手始めとして、弱い人々を守るボディガード的な存在になってほしい。俺たちはいつか都へ帰らなきゃいけないから」
「……わかった。我でよければ、できる限りのことはしよう」
「……」
俺はユユと握手を交わしたわけだが、手首から先が足の先に変えられてしまっていた。表情はまったくないが凄く素直だし、意外とこういうひょうきんなところもあるんだな……。
「フォード様っ!」
「な、なんだ? 敵か……?」
リリとメアの騒々しい声で俺は目を覚ました。
「ユユってやつが起きたんだ!」
「ユユ様がお目覚めになられました!」
「なっ……!」
できる限りの治療を施したとはいえ、もう難しいかもしれないとは思っていたが、助かったのか。ただ、あれくらい徹底的に叩かないとこっちが危なかったからな。精神力を使い果たすことで【幽石移動】スキルの効果が切れたら、その時点で終わってしまうわけだし。
「――今の気分はどうだ……?」
「……」
教会の片隅で横たわった少女――ユユ――が、少し時間を置いてから虚ろな瞳をこっちに向けてくる。
「もちろん最悪じゃ……」
「まあそうだろうな。でもあの酷い状態から生還するなんて思わなかったよ。さすが、ならず者たちのボスなだけある」
「我は基本的に一匹狼じゃがな」
「……」
彼女が嘘をついてるとは思えなかった。一見するとただの少女なんだが、あんな能力を持ってたらそりゃみんな怖がるだろうし。
「我は、負けてしまった上、生き残ってしまったのか……。お前は何故、我を生かしたのじゃ……?」
「生かしたっていうか、俺は初めっからあんたを殺すつもりで戦ったよ。そうしなきゃ、こっちが死んでたから……。結果的に生き残ったのは、あんたが丈夫すぎるからだ」
「なるほど。では、とどめを刺さなかったのは、我を凌辱し、奴隷として生かすつもりだからなのか」
「おいおい、人聞きの悪いことを平然と言うんだな……」
「ふむ……?」
俺の返しに対して、ユユはとても不思議そうに目をまたたかせた。彼女にとって、敗者に人権なんてないっていうのは当たり前のことで、スラム街の掟の一つってやつなんだろう。
「遠慮せずとも、欲望のまま犯すがよい。抵抗するという心配もいらぬ。我が負けたという事実だけは【改造】できぬから、大人しくしているつもりじゃ……」
「……あいにく、俺はそういうことをしたいわけじゃない」
「何故じゃ? 男はみな若い女の姿が好きだと聞くぞ」
「……」
視線を感じるのでちらっと振り返ると、リリとメアが祭壇の後ろに素早く隠れた。気を遣ってるつもりだろうけど、そんなことされたらますますやり辛いだろ。いや、最初からやるつもりなんてないけど。
「さては、女という性別に興味がないのか」
「い、いや、男に興味があるような言い方はやめろって。今はどうしてあんたが感情を見せないのか、そっちのほうが興味深い。人間じゃなく、喋るモンスターと戦ってるみたいだったし……」
「ある意味、研究のようなものか」
「ああ、それに近い。話してくれるか?」
「そうじゃな。我に勝利した者が興味を抱いたというのなら、戦利品としてそれに応えるのが筋というもの。存分に味わうがよい」
「ああ、なるべく下品に咀嚼してやる」
俺はユユと笑い合った。なんだか、初めて意思の疎通ができたような気がするな。振り返ると、リリとメアが隠れるのも忘れてこちらをぼんやりと見ているのがわかった。きっと、わけがわからないんだろう。性別とか抜きにして、戦った者同士にしかわからない感情じゃないかな、これは。
「我は、このスラム街のどこかで、産まれた。物心がついたときには孤児院にいて、頬傷の子と呼ばれておったのじゃ……」
「……」
分析で彼女のスキルについては調べさせてもらったわけだが、頬傷を【改造】してなくすこともできただろうに、それをしなかったことに彼女のアイデンティティのようなものを感じる。たとえそれが親によって傷つけられたものであっても、形見のような大切なものなんだろう。
「飢えも虐待も怠惰も混ざり合っていた日々、我は特に辛くも楽しくもなく、何か願望があるわけでもなく普通に生きておったし、それで不満もなかったが、ある日ならず者たちによって孤児狩りが起きた」
「孤児狩り……?」
「うむ。スキルを受け取れる年齢の孤児を総動員し、教会でスキルを得るためだったそうじゃ。当たりなら生かしてやる。外れならその場で殺す。そう言われたが、どうせ当たりでも殺されると我は思っていた」
「ユユは子供の頃から妙に達観してるんだな」
「今思えば、我は当時から子供らしい子供ではなかったのかもしれぬ。一喜一憂しても仕方のないこと。死ぬまでに、心安らかにいようと思っていただけなのじゃ」
「なるほど……」
「やつらは案の定、孤児から神授石を受け取ると結果も見ずに即座に殺していった。ニヤニヤしながら外れだと口にしていたが、どう見ても嘘であった。次は我の番じゃ。死はどういうものか。そうぼんやりと考えながら、震える神父から洗礼を受けた……」
「……」
「ただ、順番が来て、初めて自分の足が震えていることに気付いた。我は、紛れもなく人間であったのじゃ。ほかの子たちと同様に、か弱い人間であった……」
ユユの目に光が宿る。もしかしたら、そのとき初めて彼女は自分のことを可哀想だと思ったのかもしれない。
「どうせ死ぬにしても、我は抵抗をしたくなった。洗礼によって貰ったスキルを渡さず、落ちていたものを拾ってならず者に渡したのじゃ。その直後、胸をナイフで刺され、我は気を失った……」
「壮絶な経験だな……」
聞いてるだけで体が熱くなってきて、目眩がしそうになった。闇の中のさらに暗部を見ているのかもしれないとさえ思う。
「それからどれくらい時間が経ったのか、我は目が覚めた。急所を外していたらしく、かろうじて生き残ったのじゃ。そういう者はほかにもいたが、すぐに息を引き取った。我もしばらく経てば出血多量で死ぬだろう。それでも、早くこの苦しみから解放されたい。そう願っていたとき、血が止まったのじゃ。一体何故……疑念の中、我は自分の胸の傷が塞がっていることに気付いた。そう、我がスキル【改造】を無意識的に使っていたのじゃ……」
「……」
なるほどなあと言おうとしたが、声が出なかった。それくらいユユの話に夢中になってて、声自体が遠慮したかのように。
「血まみれの中、我は立ち上がり、歩き出した。あのとき見た教会前の景色はよく覚えている。飽きるほど見たただのスラム街とは思えぬほど、本当に鮮やかで、未だかつて見たことがないくらい、神々しい景色じゃった……」
人は死を悟ったとき、景色が一層綺麗に見えるというから、おそらく彼女もそんな心境だったんだろう。スラム街が聖地だと言ったのもわかるような気がした。
「我の話はこれで終わりじゃ」
「……よくわかったよ、ユユ。あんたの過去のことは。普通じゃなさすぎて、聞くだけでちょっと疲れたけどな」
「ふむ、ちと重すぎであったか。ほかに聞きたいことがあれば、遠慮なく聞くのじゃ」
「ん-……そうだ、なんでそんな年寄りみたいな喋り方なんだ? 実際は100年以上の前の話だから、とか?」
【改造】スキルさえあれば、見た目も若くできるだろうしありえそうだ。
「いや、我は年齢でいうと20くらいじゃ。こういう喋り方なのは、スラム街で生きていく上で、舐められぬため。しわがれた声も同じ理由なのじゃ」
「なるほど……じゃあ子供の頃からそんな喋り方なんだな」
「うむ。理由としては、味気なさすぎたかもしれぬな」
「いや、むしろ塩気が強すぎて喉がカラカラだよ」
「ふむ……? ではお詫びに性交渉でもするか?」
「いや、なんでそうなる……っていうか、遠慮しておく。変なところを【改造】されそうだしな……」
「よくわかっておるな」
「おいおい……」
振り返ってみると、リリはニヤニヤ、メアは顔真っ赤だった。まあお年頃だしな。
「戦利品としてもう一つ、お願いがあるんだが」
「なんじゃ?」
「俺はフォード、あの祭壇にいるのがリリとメア」
「む……?」
「自己紹介したのは、俺たちを仲間として認識してもらいたいからなんだ。スラム街にプライドを持つのは結構だが、ここは良い方向に変わり始めている。だから、それに協力してもらいたい。スラム街を生きてきたものとして、この町が生まれ変わるために」
「別に構わんが、我に何をさせるつもりじゃ」
「自立させてほしいんだ、この街を。人間が人間らしく生きるために。その手始めとして、弱い人々を守るボディガード的な存在になってほしい。俺たちはいつか都へ帰らなきゃいけないから」
「……わかった。我でよければ、できる限りのことはしよう」
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