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第一章 リトア王国

何故だか悲しくなってきました

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うじうじ悩み始めて一人メソメソしていた私は窓から離れ鏡の前に立った。

特別かわいいわけでも見られないほどブサイクだったわけでもない平凡が似合う姿だったゆきと違って今は涙ぐんだ姿すら愛らしく、抱きしめたくなる美幼女っぷりだ。

でも中身はほぼゆきだしな~
などと考えていたら慌ただしい足音が近づいてきてドアがノックされた。
今アイリーンは出発の準備で忙しく部屋には私しかいない。

「はい?」

答えた直後にアロイスが部屋に飛び込んできた。

「どうした?マリー」

グングン近づいてきて私の両肩に手が置かれ心配そうに顔を覗きこまれる。

遅れて到着したディルも扉のそばでゼーハー言っている。

ずるいなぁのんちゃんは、どうしてこうやって肝心な時に駆けつけてくれるんだろう。
まるですごく大切な人を心配しているみたいに見つめてくれるんだろう。

「あの…私…」

視線に耐えられずうつむいてしまった。
こういう所も嫌なんだよね、真っ直ぐ目を見て話したいのに。そうすべきって分かってるのに。

「私って、のんちゃんにふさわしいのかな?」

変なことを口走ってしまった。きっと変な顔されてる。怖くて顔をあげられない。

「どういうこと?なんでそう思ったの?」

どこかいつもと違う強張った声に私はますます身を縮めた。

「のんちゃんはゲームも、スポーツも勉強もなんでもこなせて皆から人気あったし。顔もかっこいいし。アロイスは天使みたいに綺麗でかっこいいし。魔法もすごいし、大人に混じっても普通に意見も言えるし。なんていうか…すごい人じゃない。
私、アロイスが話してくれたようなすごい魔力がある自覚なんてまるでないし、見た目はゆきに比べて断然美幼女になったけど中身はほぼゆきのままなんだもん。
のんちゃんが私のどこを好きになってくれたのかよく分からない。
やっぱりあの子が言ってたみたいにずっと一緒にいたから。側にいるのが慣れっこだから?」

「はぁ?あの子ってだれ?」

メソメソしたままゆきが言われたことを話すとのんちゃんは私の肩から手を離し両手を握りしめた。

「あんの女、そんなことゆきに言ってたのか、マジで性悪だわ。」

その言葉にびっくりして私は顔を上げた。

「いい?世の中には色んな奴がいて、色んな趣向の人間がいる。あの女は相手がいる奴ばっかり好きになるので有名だったんだから。俺がつるんでたグループの彼女持ちの奴が好きになったらしくてさんざんちょっかい出しても気に留められなかったから仲良い俺に近づいてきただけだから。告られたけど俺に興味なさそうなのバレバレだったから。」

そうして悲しそうな目で私を見てくる。
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