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第一章 リトア王国
クルートさん?が到着です
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あの時、アロイスはニコニコしながら言い出したのだ。
「僕、クリアフォルト様がどこにいらっしゃるか知ってますよ。
スリジェ辺境伯騎士団副団長 クルート様。アラン・スリジェ辺境伯の右腕として活躍していらっしゃいます。」
あの時の衝撃は今でも忘れられない。
「え?クルートさんが?あのいつもテキパキ働いてるメガネの人?」
「え?テキパキ?メガネ?何それ見たい。
今すぐスクショしたい。っていうか、クルートって名乗ってるの?ヤダ~私が呼んでた愛称じゃない。」
ざわめく私たちが落ちついたころにアロイスは再び話始めた。
「二リーナ様の偽物はリトア王国の貴族やリトア国王、イシェラ王国の貴族にも手を出して戦を起こそうとしています。
二リーナ様がそのことに激怒して双方の国に制裁を与えると言い出したことにしてもらえば…リトア、イシェラ両国の一大事です。
それをクリアフォルト王弟殿下が治めたとしたら…
大変な功績になりますよね?
陛下が望みを叶えてアリアドネ妃を王弟殿下の妃にしても不思議はないほど。
リーク王子にはお二人の出会いからきちんと説明してください。救国の騎士が自分の父親だと知って嫌がるタイプじゃないと思うんですよね。彼。」
「確かに、そういうの好きそうよねあの子。私に似ちゃったんだわ。」
アリアドネ様は頬に手を当てて困ったように首をかしげアロイスとワイワイ盛り上がっていたけど…
私の中のリーク王子の印象がどんどんおかしな方向へ向かっているのはどうしてくれるんだろう…
さて、お父様が出かけた後の勉強時間。私たち三人は図書室で各々の課題の本を読みながら午前中は何事もなく静かに過ぎていくと思っていた。
少しの間は確かに静かだった。でもその時間は長く続かず、急に図書室の窓がガタガタいい始め私たちは驚いて顔を上げる。
サッと窓に近づいたアロイスはすぐにこちらへ戻ってきた。
「なんだ、クルートさん。いや、クリアフォルト王弟殿下が到着しただけだ。」
いや、だけって。なんか窓の外に白い羽根みたいなのが舞ってる気がしますけど?
私とディルは窓辺に駆け寄りアロイスも頭の後ろで手を組みながら私たちの後ろをついて来た。
窓の外には驚きの光景が広がっていた。
白に近いベージュ色、たてがみやしっぽは薄茶色の立派な馬が真っ白な翼をはばたかせながらゆっくりと地上に降り立とうとしている。その背には金色の長い髪を三つ編みにした空色の瞳の……
「えぇ?あの人がクルートさん?いやクリアフォルト王弟殿下?
だってクルートさんは髪は黒に近い青だったし目は空色じゃなかったし。あんなキラキラした雰囲気背負ってなかったような…
しかもあれ、ペガサス?ペガサスってこの世界に存在するの?」
「ペガサスとは何ですか?」
一緒に驚いて覗いていたディルにきかれる。
「クルートさんの姿の時は魔法で見た目を変えて周りに自分の存在を溶け込ませる術を使っていたからね。
まぁ、だからこそ俺は怪しんで正体を探り出したんだけど。
あ、ペガサスっていうのは絵本に出てくる空想の生き物で翼を持つ馬のことだよディル。
でもあれはペガサスじゃないね。翼はクルート様が魔法で付けてる。
それにしてもあの飛び慣れてる感じ。きっとまだ小馬だった頃からやってたんだろうね。」
アロイスの言葉に二人でうなずいていたらクリアフォルト様がこちらを見上げていた。
私たちはペコっと頭を下げて急いで図書室を飛び出し玄関へ向かった。
「僕、クリアフォルト様がどこにいらっしゃるか知ってますよ。
スリジェ辺境伯騎士団副団長 クルート様。アラン・スリジェ辺境伯の右腕として活躍していらっしゃいます。」
あの時の衝撃は今でも忘れられない。
「え?クルートさんが?あのいつもテキパキ働いてるメガネの人?」
「え?テキパキ?メガネ?何それ見たい。
今すぐスクショしたい。っていうか、クルートって名乗ってるの?ヤダ~私が呼んでた愛称じゃない。」
ざわめく私たちが落ちついたころにアロイスは再び話始めた。
「二リーナ様の偽物はリトア王国の貴族やリトア国王、イシェラ王国の貴族にも手を出して戦を起こそうとしています。
二リーナ様がそのことに激怒して双方の国に制裁を与えると言い出したことにしてもらえば…リトア、イシェラ両国の一大事です。
それをクリアフォルト王弟殿下が治めたとしたら…
大変な功績になりますよね?
陛下が望みを叶えてアリアドネ妃を王弟殿下の妃にしても不思議はないほど。
リーク王子にはお二人の出会いからきちんと説明してください。救国の騎士が自分の父親だと知って嫌がるタイプじゃないと思うんですよね。彼。」
「確かに、そういうの好きそうよねあの子。私に似ちゃったんだわ。」
アリアドネ様は頬に手を当てて困ったように首をかしげアロイスとワイワイ盛り上がっていたけど…
私の中のリーク王子の印象がどんどんおかしな方向へ向かっているのはどうしてくれるんだろう…
さて、お父様が出かけた後の勉強時間。私たち三人は図書室で各々の課題の本を読みながら午前中は何事もなく静かに過ぎていくと思っていた。
少しの間は確かに静かだった。でもその時間は長く続かず、急に図書室の窓がガタガタいい始め私たちは驚いて顔を上げる。
サッと窓に近づいたアロイスはすぐにこちらへ戻ってきた。
「なんだ、クルートさん。いや、クリアフォルト王弟殿下が到着しただけだ。」
いや、だけって。なんか窓の外に白い羽根みたいなのが舞ってる気がしますけど?
私とディルは窓辺に駆け寄りアロイスも頭の後ろで手を組みながら私たちの後ろをついて来た。
窓の外には驚きの光景が広がっていた。
白に近いベージュ色、たてがみやしっぽは薄茶色の立派な馬が真っ白な翼をはばたかせながらゆっくりと地上に降り立とうとしている。その背には金色の長い髪を三つ編みにした空色の瞳の……
「えぇ?あの人がクルートさん?いやクリアフォルト王弟殿下?
だってクルートさんは髪は黒に近い青だったし目は空色じゃなかったし。あんなキラキラした雰囲気背負ってなかったような…
しかもあれ、ペガサス?ペガサスってこの世界に存在するの?」
「ペガサスとは何ですか?」
一緒に驚いて覗いていたディルにきかれる。
「クルートさんの姿の時は魔法で見た目を変えて周りに自分の存在を溶け込ませる術を使っていたからね。
まぁ、だからこそ俺は怪しんで正体を探り出したんだけど。
あ、ペガサスっていうのは絵本に出てくる空想の生き物で翼を持つ馬のことだよディル。
でもあれはペガサスじゃないね。翼はクルート様が魔法で付けてる。
それにしてもあの飛び慣れてる感じ。きっとまだ小馬だった頃からやってたんだろうね。」
アロイスの言葉に二人でうなずいていたらクリアフォルト様がこちらを見上げていた。
私たちはペコっと頭を下げて急いで図書室を飛び出し玄関へ向かった。
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