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第三章 魔法学園
凡人って誰がですか?
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約束の時間よりだいぶ早く着いた私たちは豪華な控え室でくつろがせてもらう。
私とアイリーン、イライザ以外の皆んなはリークたちに案内されて王宮の庭や図書館を見に出かけていった。
私とイライザは昔からよく遊びに来てたから部屋でのんびりさせてもらう。部屋に残ろうとしていたリークにディルが何か耳打ちして出て行ったので私がイライザと二人で話したがっていたのを察してくれたらしい。
さすがヒロイン。細やかな気遣いに感動ものだ。
「イライザ?」
窓の外に目を向けながらお茶を飲んでいるイライザに話しかけるとビクッとしてからゆっくりこちらを向いた。
「マリー…」
私たちは少しの間黙って見つめ合っていた。
「あのね、イライザ。リノアのこと…黙っててごめんね。」
私の言葉にイライザはすぐに首をふり、カチャンとカップをソーサーに下ろした。
「いいえ。私こそ、マリーにおかしな態度をとったせいで騒ぎになってしまってごめんなさい。」
お互いにぺこぺこ謝りやっているのがおかしくて私がふふふと笑を漏らすとイライザも釣られたように笑顔を見せたけど急に顔を引き締める。
「私がマリーを避けてしまったのはどうしてもあなたといるとリノアのことを思い出してしまうからですわ。」
「のんちゃんを?」
イライザはコクリとうなずくとティーカップをテーブルに置き、真っ直ぐに私と向い合うように座り直した。
「マリー、私変ですの。リークと、その…ちょっとした出来事があって…
以来過剰な反応をしてしまうというか…自分でも訳が分からなくて。
ドキドキしたりポーッとなったり。リークにはリノアという婚約者がいるのだから私がそんな気持ちを抱くこと自体リノアを…友人を…裏切っているような気がして気まずくて。
それでマリーのことも避けるような真似を…本当にごめんなさい。
でも、今度はリノアがアロイス様と同一人物だと聞いて、私ますます混乱していますの。
リークはリークで、急に私の事が、その…す、す、す、好き?…
だとか言い出しますし。」
わぁ、リノア顔が真っ赤だ。でも嬉しそうな表情も隠せてないし…これはやっぱり。
「私はそのちょっとした出来事っていうのがよくわからないけど、今のイライザの様子を見ている限り決して嫌そうには見えないよ。」
イライザは私の言葉に目を泳がせる。
「い、い、嫌ではないですわ。もちろん。」
「ならいいじゃない。のんちゃんもイライザがリークの婚約者になってくれたら喜ぶと思うよ。」
というかのんちゃん今までも自分の代わりを何度もイライザに頼んでるし。ハッ!昔、リークの友人候補に呼んでみるようにアリアドネ妃に進言したのものんちゃんだった…
「むしろ、こうなるように仕向けたのがのんちゃんなのでは…」
つい口から本音が!マズイと思ってイライザに目を向けると俯いてワナワナと震えている。
「あ、あの~イライザ?」
呼びかけるとイライザは俯いたまま器用にカップをとりグイッと中身をあおる。
ハラハラ見つめ続けるとイライザはハッとしてカップをそっとテーブルのソーサーの上に戻して何やら落ち込んだ様子でうなだれる。
「もう、分かってますわ。
私は凡人。どんなにあがいてもリノアの手のひらで転がされていただけなんですわ。
彼女…いえ、彼に張り合おうとした私が愚かだったんです。」
「そんな!イライザが凡人だったら私どうすればいいの?」
「何を言ってるの、貴女は聖女なんでしょ?」
「いやいや、聖女は誤解だから!
私やだよ~偽聖女を語ったとか言われて捕まるの!!」
私の勢いにイライザはのけぞり気味だけど、本当に本当に勘弁して!って気持ちでいっぱいだから仕方ない。
「とにかく。イライザみたいに優秀で魔法も勉学もできて国賓をお迎えする時に王子のパートナーを堂々と勤め上げることができる人を凡人なんて言わないからね!分かった?」
勢いに押されたままイライザはコクコクとうなずいた。
私とアイリーン、イライザ以外の皆んなはリークたちに案内されて王宮の庭や図書館を見に出かけていった。
私とイライザは昔からよく遊びに来てたから部屋でのんびりさせてもらう。部屋に残ろうとしていたリークにディルが何か耳打ちして出て行ったので私がイライザと二人で話したがっていたのを察してくれたらしい。
さすがヒロイン。細やかな気遣いに感動ものだ。
「イライザ?」
窓の外に目を向けながらお茶を飲んでいるイライザに話しかけるとビクッとしてからゆっくりこちらを向いた。
「マリー…」
私たちは少しの間黙って見つめ合っていた。
「あのね、イライザ。リノアのこと…黙っててごめんね。」
私の言葉にイライザはすぐに首をふり、カチャンとカップをソーサーに下ろした。
「いいえ。私こそ、マリーにおかしな態度をとったせいで騒ぎになってしまってごめんなさい。」
お互いにぺこぺこ謝りやっているのがおかしくて私がふふふと笑を漏らすとイライザも釣られたように笑顔を見せたけど急に顔を引き締める。
「私がマリーを避けてしまったのはどうしてもあなたといるとリノアのことを思い出してしまうからですわ。」
「のんちゃんを?」
イライザはコクリとうなずくとティーカップをテーブルに置き、真っ直ぐに私と向い合うように座り直した。
「マリー、私変ですの。リークと、その…ちょっとした出来事があって…
以来過剰な反応をしてしまうというか…自分でも訳が分からなくて。
ドキドキしたりポーッとなったり。リークにはリノアという婚約者がいるのだから私がそんな気持ちを抱くこと自体リノアを…友人を…裏切っているような気がして気まずくて。
それでマリーのことも避けるような真似を…本当にごめんなさい。
でも、今度はリノアがアロイス様と同一人物だと聞いて、私ますます混乱していますの。
リークはリークで、急に私の事が、その…す、す、す、好き?…
だとか言い出しますし。」
わぁ、リノア顔が真っ赤だ。でも嬉しそうな表情も隠せてないし…これはやっぱり。
「私はそのちょっとした出来事っていうのがよくわからないけど、今のイライザの様子を見ている限り決して嫌そうには見えないよ。」
イライザは私の言葉に目を泳がせる。
「い、い、嫌ではないですわ。もちろん。」
「ならいいじゃない。のんちゃんもイライザがリークの婚約者になってくれたら喜ぶと思うよ。」
というかのんちゃん今までも自分の代わりを何度もイライザに頼んでるし。ハッ!昔、リークの友人候補に呼んでみるようにアリアドネ妃に進言したのものんちゃんだった…
「むしろ、こうなるように仕向けたのがのんちゃんなのでは…」
つい口から本音が!マズイと思ってイライザに目を向けると俯いてワナワナと震えている。
「あ、あの~イライザ?」
呼びかけるとイライザは俯いたまま器用にカップをとりグイッと中身をあおる。
ハラハラ見つめ続けるとイライザはハッとしてカップをそっとテーブルのソーサーの上に戻して何やら落ち込んだ様子でうなだれる。
「もう、分かってますわ。
私は凡人。どんなにあがいてもリノアの手のひらで転がされていただけなんですわ。
彼女…いえ、彼に張り合おうとした私が愚かだったんです。」
「そんな!イライザが凡人だったら私どうすればいいの?」
「何を言ってるの、貴女は聖女なんでしょ?」
「いやいや、聖女は誤解だから!
私やだよ~偽聖女を語ったとか言われて捕まるの!!」
私の勢いにイライザはのけぞり気味だけど、本当に本当に勘弁して!って気持ちでいっぱいだから仕方ない。
「とにかく。イライザみたいに優秀で魔法も勉学もできて国賓をお迎えする時に王子のパートナーを堂々と勤め上げることができる人を凡人なんて言わないからね!分かった?」
勢いに押されたままイライザはコクコクとうなずいた。
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