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第三章 魔法学園
相変わらずラブラブです
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半ば強引に王弟殿下から泊まっていくように言われ泊まった翌日。
アリアドネ王弟妃に面会することになった。
車椅子に座ったアリアドネ様は侍女たちの制止も聞かずにクルクルと部屋中を移動して生まれて半年足らずの王子、ロシェル様をあやしたりオススメの本を本棚から取り出したり忙しい。
やっと向かい合って静かにお茶を飲み始めたと思ったらおしゃべりが止まらない。
「ちょっと聞いてよ。
ロシェルを産んだ後ちょ~っと体調回復に手間取ったからってもう~過保護が止まらないのよ私の旦那様!
2か月間はず~っとベッドの上でさすがに周りから動かないとさらに悪化するって言われたら今度はこれ、車椅子で移動しなきゃダメだって言われてるの。
まぁ皆んなの目を盗んでこっそり歩き回ってるけどね~」
困っちゃう。と言いつつアリアドネ様はとても幸せそうだ。
「さすがに続けて四人でしょう?体力的にもキツいわ~
周りがほとんどのことをやってくれるからなんとかなってるけど。」
紅茶を一口飲まれた隙に口をはさむ。
「本当に五人のお子様を立派に出産なさって、貴族のほとんどが乳母が育てる所をご自分で育てていらっしゃるんですからご立派です。」
アリアドネ様は勢いよく首を振った。
「そんなご立派なものじゃないのよ~
リークの時は最初引き離されて胸が張りすぎて大変な目にあったから無理矢理取り戻して自分の母乳で育てただけ。
その後魔力のことが判明してまたしばらく引き離されて…どう考えてもいい環境じゃなさそうだったから離宮にひっこんで。
あ~考えてみるとあの子には苦労かけてばっかりだわ。
シャルロットやラックス、イドリスにも寂しい思いをさせてるし。早く城中を闊歩できるまでに回復しなきゃね。」
側に控えている侍女たちの顔が陰ったのを私は見逃さなかった。
「あまり無理はなさらないでくださいね?」
私の言葉にアリアドネ様は元気にうなずく。
「心配しなくても大丈夫よ~さすがに今までみたいな量母乳も出ないから半分はミルクだし。
この子夜泣きもほとんどなくて本当に手のかからない子なの。何だか寂しいくらい。
それに、あんまり伏せってると新たな被害者が出るかもしれないから。」
「新たな被害者ですか?」
アリアドネ様はちょいちょいっと私に側に来るよう手招きすると口に手を当てて最近起きた騒動を話してくれた。
「この前クルートが大臣の一人を処刑するって怒り狂ってたから理由を聞いたのよ。
渋ってなかなか話さなかったけどそこはね、長い付き合いですもの。なだめすかして聞き出したら…
私が伏せっている間お寂しいでしょうから誰か側に侍らせてはいかがでしょう?
って勧められたらしくて。
どこにでもいるのよね~自分基準で物事を見て余計な気を回しちゃうやつ。
大臣にまで上り詰めたんだからそこそこ優秀なんでしょうに。
っていうかこんな話題じゃなきゃ気遣いできる人間グッジョブって思うのに。
まぁでも先の展開を想像できてないからダメか。
とにかく家門もそこそこ良いその大臣を一度の失言で処刑までするのは…って何とかさとして大臣職の解雇に留めたのよ~
どうにかして退任にしようと頑張ったんだけどね~そこまで譲歩できないってキッパリ言われちゃった。
突然解雇でしょう?話はどうしても広まっちゃって。って言うかクルートが積極的に広めさせてるみたいで、皆んな余計なこと言わないようにビクビクしてるのよ~
雰囲気悪いったらないわ。」
奥で侍女たちも小さくうなずいているように見える。
「だから、早く回復して私がニコニコ側にいなきゃなのよ。
まったく手がかかるわ~子供たちの中で彼が一番手がかかるわ。まぁそんなところも憎めないんだけどね。」
何年経っても推しへの愛、いや、夫婦の愛は互いに変わらず溢れているようで何よりだ。
アリアドネ王弟妃に面会することになった。
車椅子に座ったアリアドネ様は侍女たちの制止も聞かずにクルクルと部屋中を移動して生まれて半年足らずの王子、ロシェル様をあやしたりオススメの本を本棚から取り出したり忙しい。
やっと向かい合って静かにお茶を飲み始めたと思ったらおしゃべりが止まらない。
「ちょっと聞いてよ。
ロシェルを産んだ後ちょ~っと体調回復に手間取ったからってもう~過保護が止まらないのよ私の旦那様!
2か月間はず~っとベッドの上でさすがに周りから動かないとさらに悪化するって言われたら今度はこれ、車椅子で移動しなきゃダメだって言われてるの。
まぁ皆んなの目を盗んでこっそり歩き回ってるけどね~」
困っちゃう。と言いつつアリアドネ様はとても幸せそうだ。
「さすがに続けて四人でしょう?体力的にもキツいわ~
周りがほとんどのことをやってくれるからなんとかなってるけど。」
紅茶を一口飲まれた隙に口をはさむ。
「本当に五人のお子様を立派に出産なさって、貴族のほとんどが乳母が育てる所をご自分で育てていらっしゃるんですからご立派です。」
アリアドネ様は勢いよく首を振った。
「そんなご立派なものじゃないのよ~
リークの時は最初引き離されて胸が張りすぎて大変な目にあったから無理矢理取り戻して自分の母乳で育てただけ。
その後魔力のことが判明してまたしばらく引き離されて…どう考えてもいい環境じゃなさそうだったから離宮にひっこんで。
あ~考えてみるとあの子には苦労かけてばっかりだわ。
シャルロットやラックス、イドリスにも寂しい思いをさせてるし。早く城中を闊歩できるまでに回復しなきゃね。」
側に控えている侍女たちの顔が陰ったのを私は見逃さなかった。
「あまり無理はなさらないでくださいね?」
私の言葉にアリアドネ様は元気にうなずく。
「心配しなくても大丈夫よ~さすがに今までみたいな量母乳も出ないから半分はミルクだし。
この子夜泣きもほとんどなくて本当に手のかからない子なの。何だか寂しいくらい。
それに、あんまり伏せってると新たな被害者が出るかもしれないから。」
「新たな被害者ですか?」
アリアドネ様はちょいちょいっと私に側に来るよう手招きすると口に手を当てて最近起きた騒動を話してくれた。
「この前クルートが大臣の一人を処刑するって怒り狂ってたから理由を聞いたのよ。
渋ってなかなか話さなかったけどそこはね、長い付き合いですもの。なだめすかして聞き出したら…
私が伏せっている間お寂しいでしょうから誰か側に侍らせてはいかがでしょう?
って勧められたらしくて。
どこにでもいるのよね~自分基準で物事を見て余計な気を回しちゃうやつ。
大臣にまで上り詰めたんだからそこそこ優秀なんでしょうに。
っていうかこんな話題じゃなきゃ気遣いできる人間グッジョブって思うのに。
まぁでも先の展開を想像できてないからダメか。
とにかく家門もそこそこ良いその大臣を一度の失言で処刑までするのは…って何とかさとして大臣職の解雇に留めたのよ~
どうにかして退任にしようと頑張ったんだけどね~そこまで譲歩できないってキッパリ言われちゃった。
突然解雇でしょう?話はどうしても広まっちゃって。って言うかクルートが積極的に広めさせてるみたいで、皆んな余計なこと言わないようにビクビクしてるのよ~
雰囲気悪いったらないわ。」
奥で侍女たちも小さくうなずいているように見える。
「だから、早く回復して私がニコニコ側にいなきゃなのよ。
まったく手がかかるわ~子供たちの中で彼が一番手がかかるわ。まぁそんなところも憎めないんだけどね。」
何年経っても推しへの愛、いや、夫婦の愛は互いに変わらず溢れているようで何よりだ。
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