ダンジョンや魔物が溢れる世界になったけど、『ガチャ』に全財産突っ込んで最強になったので問題ない

きのこすーぷ

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第三話 色々と試したい

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 翌朝。
 メールを受信する通知音で目が覚めた。
 アラームが鳴っていないと言うことは、まだもう少しだけゆっくりすることが出来る。
 さぁ、布団から出たくない病の発症だ。皆経験し事あるよね、きっと。

 もぞもぞと身体を動かしてスマホを拾う。現在時刻を見るついでにメールボックスへ目を通せば、それは会社から来ていた。

「地震の影響により交通機関が動いていないため、本日の出勤は各自にお任せします……か。んじゃ、今日は休むか」

 ついでに試したいこともある。少し早起きをしたのも丁度良かった。
 魔法、そして身体強化の影響を感じようと、時間のあるときに人気の少ない場所で色々としようと思っていたのだ。

 身体を起こして外に出る支度をする。
 目的地は、山頂にある人の滅多に来ない公園だ。遊具や木の影で万が一の時でも姿を隠せるしな。

 車に乗り込んで山道を進んでいく。やっぱり人は少ない。山の下も車の通りはいつもよりかなり少なかった。昨日の地震のせいだろう。
 都合が良いことには良いが……。

 と、そんなことを考えている間に公園にたどり着く。空気が澄んでいて気持ちが良いが、少しだけ肌寒い。上着を羽織って人目の付きそうにないところに移動する。
 しばらくして、木の生い茂った人の手の入ってなさそうな場所を見つけた。身も隠せるし、ここで試すことにする。

「よし、まずは魔法からだな」

 枯れた落ち葉を拾って、炎を念じる。すると、直ぐに火が付いて燃え尽きた。
 水の魔法を使って氷魔法を使えば、瞬く間に凍結し粉々に。風魔法は一瞬にして葉を切り刻み、光と闇は明るさが変わる程度。

「すごいな、サバイバルのし放題だ」

 そして、次に身体強化の効力。
 かなりの数が当たっていたと言うこともあって【身体強化Lv,7】まで上がっていた。後半のレベルアップのしにくさは以上だったぞ、本当に。

 スキル自体に経験値的な物があって、それが一定数貯まるとレベルが上がるみたいだ。被ったスキルは自動的合成されて経験値に変換されている。
 手間が掛からなくて良い。

「大丈夫そうだ。よし、次」

 念のため、周囲に炎が燻っていないかを確認して、俺は遊具の設置された場所へと移動する。
 まずは鉄棒、そしてうんてい。
 試しに動いてみるが、やっぱり異常なくらい身体が軽い。調子に乗って近場の遊具達に飛び乗ったりしてみるが、まだバランス感覚的にも余裕があった。
 運動神経が良いってレベルじゃないくらい。十メートル先に空き缶を立てて小石を投げても見事に命中。

 今の投げた感じだと、まだまだ速度を上げられる。
 俺は小石を拾うと、適当に生えていた木に向かって全力で投げつけた。
 ヒュオンっ風の切る音が周囲に響いたかと思えば、次の瞬間にはゴンっと鈍い音。

「すげぇな……めり込んでる」

 蜘蛛の巣状に割れた木目の中心に、投げた小石が埋まっている。
 これだけの威力を出していながら、身体に負担は感じない。やっぱり、スキルのおかげで異常なくらい身体が強くなっているんだ。

 その後も、俺はリフレッシュも兼ねて身体を動かした。
 仕事ばかりで禄に運動が出来ていなかったから気持ちが良い。

 結局、帰ったのは夕方。
 外で食事を済ませていたので、後は寝るだけ。俺はお金とスマホを持ってガチャアプリを開く。

 堂守広戸《どうもりひろと》
  Lv,1 HP:20→175 MP:15→140

【棒術Lv,2】【剣術Lv,2】【弓術Lv,2】
【柔術Lv,1】【盾術Lv,2】【敏捷Lv,3】
【飢餓耐性Lv,1】【防御Lv,2】【豪腕Lv,1】
【毒耐性Lv,2】【恐怖耐性Lv,2】
【冷耐性Lv,2】【物理耐性Lv,2】
【魔法耐性Lv,2】【熱耐性Lv,2】

【闇魔法Lv,1】【光魔法Lv,1】
【風魔法Lv,1】【土魔法Lv,1】
【氷魔法Lv,1】【炎魔法Lv,2】

【鑑定Lv,1】【直感Lv,1】【早熟】

 これを見てると、ゲームみたいで楽しくなってくる。スキルレベルも軒並み上がってるな。
 だけど、もう終る。

 ――ガチャ終了まで、あと一日。

 その表記を見て少し焦ってしまう。もうガチャが引けなくなるかもしれないのだ。自身のスキル一覧しながら、そんな事を思う。

 と、ページを触っていて違和感に気が付いた。
 今まで、十連、一連の表記しかなくスクロールは出来なかったのだが、何故か上下に動く。

「はは、ラストボーナスってか? 商売上手め」

 その先にあったのは、
 
 【二十四時間限定! UR確定ガチャ。一回百万円】

 とんでもなく惹かれてしまう、UR確定の表記だった。
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