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フランケンシュタイン?
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翌日。
「おもてなし~。おもてなし~。おっおっおっおっ、おもてなしぃ~♪」
クッキーの材料を買ってお家に帰る途中。
山の上公園といって、小さな山の上にあるのですが、そこから「きゃ――っ!!」と小さな女の子の悲鳴が聞こえました。
悲鳴といっても好きなアイドルに向かって黄色い声を上げるアレじゃなく、驚いたみたいな、怖いものに反応した叫びです。
何かあったとしか思えず、胸騒ぎがしました。
《下校中は危ないおじさんに注意する事》ホームルームで聞いた先生の言葉が蘇ります。
危ないおじさん……。
変なおじさんはTVで見たことがありますが、危ないおじさんは知りません。
どう危ないのでしょう、混ぜると危険な洗剤みたいとか? まさかドラクエのモンスター風に突然現れて襲ってきたりはしないはず。
その時、先生に質問したかったのですが、クラスの皆んなが深く頷いているので、あたしも分かったフリしてうんうん頷いていたのでした。
今がその危ない状態みたい。
助けを求めたくても、誰もいないし。仕方がない、あたしが助けなきゃ!
急いで階段を上り、公園に入ると誰もいません。静かで、冬の冷たい風が落ち葉を転がしているだけでした。
おかしい。聞き間違えかと思ったのですが、諦めず注意を凝らすと、立入禁止の雑木林の奥で、黒い塊がサッと動きました。
「ああっ!」
あたしは、その場に立ち止まり、息をするのも忘れ、黒い塊が見えなくなった大木を監視していたのですが、雑木林は沈黙しています。
一瞬だったのでよく分かりませんが、あの木の影に何かがいるのは確かです。
悪い予感。でも同じくらいワクワクもしていて、まだ見ぬ危ないおじさまがどう危ないのか? 猛毒のマムシみたいに危ないのか? 快心の一撃を食らわしてくるのか? 巨大な斧を振り回す、超危ないおじさまだったりして、などと妄想を膨らませながら、あたしは慎重にフェンスに近寄り、跨(また)いで雑木林に入りました。
静かです。昼なのに木の葉が多いから薄暗くジメジメしていて、この公園はお友だちとたまに遊ぶのですが、こんな良い場所があったとは知りませんでした。
ドキドキしながらそろそろ進むと、
「超キモっ!」
「「きゃっきゃっ!」」
数人の楽しそうな子供の声がするじゃないですか。
首をひねりながら大木の裏手に回ると、同じクラスの女子仲良し三人組がいました。他には誰もいません。もちろん危ないおじさまも。
斧がずば――ん! 首がすこ――ん! 流血ぶしゃ――っ! 惨劇を期待したわけではありませんが、テンションが落ちてしまったあたしは「みんな……どうしたの?」と、どう見ても安全な状況を、一応訊ねてみました。
「あっ。愛里ちゃん! 見てよこれー」
指差したのは、うねうねと動く虫でした。
「ムカデよ。気持ち悪いでしょ~」
ムカデ……。
叫んだ原因はムカデさん。
石をはぐったら居ただけの話し。ジメジメした場所だと見かけることがありますね。
「本当だ。気持ち悪いね~」
全然気持ち悪くありませんが、一応そう言っておきます。
「……でもね皆んな。これ、ムカデじゃないよ」
女の子たちはきょとんとして、眼をぱちぱちさせました。
あらあら、衝撃の事実だったみたいです。
「ヤスデだよ。似ているけど、ヤスデは噛んだりしないから安全よ」
「はぁ……? ど、どっちでもいいじゃない、もーっ! 結局気持ち悪いじゃない」
「よくないよ。ヤスデはひとつの体節に二つづつの足が生えてて、ムカデは一つづつだから、全然違うよ」
物知らずのお友だちは、本当にどうでもいいってお顔をして、「えーっ! きもーい♪」と喜んでいます。
ダメですねー。うやむやはいけません。しっかりと虫の知識を授けてあげようと思い、ポケットからお財布を取り出しました。
「「「きゃあああぁぁぁっ――――!!」」」
開けただけでお友だち大絶叫。
公園の下から聞いたのはコレの声だったわけですね。やれやれと、あたしは両手でお耳を塞ぎました。
「なな、なんでこんなの持ってるのっ!」
露骨に嫌な顔をされてますが、うそうそ、あたしにはお見通しです。楽しんでいるんでしょ。
女の子は嫌な物が好きという不思議な生き物。いやいやと言いながらそれほど嫌がってなく、むしろ喜んでいるのです。
「これ、ムカデのおもちゃだから、安心して。噛むことないよ。それでほら、良く見て。全然違うでしょ」
這うヤスデさんにムカデさんを近付け比較しましたが、お友だちはきゃーきゃー騒いで見てくれません。
しかしまあ、危険な生き物で興奮するのは分かります。もしムカデだと触れると危険だし、たくさんのお脚は魅力的ですもん。あたしも好きです。大好物です。
いやだな、いやだな、と思いつつ、怖さの極みを体感してみたい。おしっこ漏れちゃうくらい怖がってみたい。そんな事をいつも考えている、みんなと同じ普通の小学三年生なのです。
だけど、無邪気に喜んではちょっとどうかと。きゃーきゃー騒いで良いのはお化け屋敷くらいですよ、ほんと。
「これ、パパに買ってもらったんだもん。大切なんだから」
これは本物を忠実に再現した出来。ゴム製の複数の短脚がふるふる動くのが、より気持ち悪さをUPさせていて、製作者さまのムカデ愛が伝わってきます。欲しと言われても譲るわけにはゆきません。
「よくこんな気持ち悪いの持ち歩けるわね」
「ほんと、どうしちゃったの?」
学校にも持ってゆきたいですが、お勉強道具以外は持ち込み禁止なので、仕方なくお財布に入れて連れて歩くしかできません。
ふとある事に気付きました。
「ちょっと愛里ちゃん、どうしたの?」
地面の石をひっ繰り返すと、大きなミミズがもぞもぞ動き、隣の石だとダンゴ虫とゲジゲジがいました。
やっぱり……。
この場所、薄暗く、じめじめ。生物が活動するには好条件。
「ちょっと、ちょっと。愛里ちゃん」
お友だち言葉を無視して、次々に石を裏返したら、出るわ出るわ、名前も知らない小さな虫たちが。
「きゃっ! もうーっ……」
女の子たちの悲鳴は小さくなりました。慣れたのでしょう。
あ――――っ! そうでした!
日本にはルールがあるのでした。立派なレディならではのお約束。
『女子は気持ち悪いものを嫌う。そして叫ぶ』
イヤイヤ止めてと言いながら、隠した指の隙間から覗いているのも有りですが、やっぱりレディなら、『キャ――ッ!』と甲高い声で絶叫するのがベスト。女性らしさ、というものです。
遅まきながら、あたしも「きゃ!」と叫んでおきました。
「もう止めてよ、愛里ちゃん」
「そうよ。よしなさいよ」
女の子たちは本当に止めて欲しいようで、怖さに飽きたのでしょう、流石です。
最近の子供は順応が早いというか、あたしはダメですね。簡単に発見できるものだから、つい夢中になっていたのです。
「それより、ほら、気持ち悪いのなら、あそこ知ってる? 愛里ちゃん」
とお友だちが指差す場所は、公園から見下ろすとある普通のお家。カーテンが閉まっている二階の事でしょうか。
「あそこ? あそこがどうしたの」
「やっぱり知らないいんだ」
自慢そうに友だち同士で頷いています。
「あの二階には、ムカデなんかより全然気持ち悪いフランケンシュタインが住んでいるのよ」
気持ち悪いフランケンシュタイン?
「なにそれ」
「悪魔みたいな顔をしているね」
「違うわ、凶悪犯よ」
「そうね悪い事をしてそうね」
「化け物だと思う」
話しから相当悪い顔をした人です。
「今はほら。カーテンが閉まっているでしょ。あたしたちに見られたくないものだから、部屋で恐ろしい事をやっているのよ」
「子供を誘拐していると思う。あたしたちみたいな女の子を捕まえて、あの部屋にあるクローゼットの中に閉じ込めているのよ」
「そうそう、見た事ある。クローゼットの中には透明なケースがあって、あそこにはいやらしい人形がたくさんあるのよ。きっとその奥には、監禁された小学生が夜な夜な酷い事をされているんだわ」
「へえーっ!!」
あたしは関心しました。
3人が覗き見をしていたとは。双眼鏡でウオッチングしていたのですね。
「おもてなし~。おもてなし~。おっおっおっおっ、おもてなしぃ~♪」
クッキーの材料を買ってお家に帰る途中。
山の上公園といって、小さな山の上にあるのですが、そこから「きゃ――っ!!」と小さな女の子の悲鳴が聞こえました。
悲鳴といっても好きなアイドルに向かって黄色い声を上げるアレじゃなく、驚いたみたいな、怖いものに反応した叫びです。
何かあったとしか思えず、胸騒ぎがしました。
《下校中は危ないおじさんに注意する事》ホームルームで聞いた先生の言葉が蘇ります。
危ないおじさん……。
変なおじさんはTVで見たことがありますが、危ないおじさんは知りません。
どう危ないのでしょう、混ぜると危険な洗剤みたいとか? まさかドラクエのモンスター風に突然現れて襲ってきたりはしないはず。
その時、先生に質問したかったのですが、クラスの皆んなが深く頷いているので、あたしも分かったフリしてうんうん頷いていたのでした。
今がその危ない状態みたい。
助けを求めたくても、誰もいないし。仕方がない、あたしが助けなきゃ!
急いで階段を上り、公園に入ると誰もいません。静かで、冬の冷たい風が落ち葉を転がしているだけでした。
おかしい。聞き間違えかと思ったのですが、諦めず注意を凝らすと、立入禁止の雑木林の奥で、黒い塊がサッと動きました。
「ああっ!」
あたしは、その場に立ち止まり、息をするのも忘れ、黒い塊が見えなくなった大木を監視していたのですが、雑木林は沈黙しています。
一瞬だったのでよく分かりませんが、あの木の影に何かがいるのは確かです。
悪い予感。でも同じくらいワクワクもしていて、まだ見ぬ危ないおじさまがどう危ないのか? 猛毒のマムシみたいに危ないのか? 快心の一撃を食らわしてくるのか? 巨大な斧を振り回す、超危ないおじさまだったりして、などと妄想を膨らませながら、あたしは慎重にフェンスに近寄り、跨(また)いで雑木林に入りました。
静かです。昼なのに木の葉が多いから薄暗くジメジメしていて、この公園はお友だちとたまに遊ぶのですが、こんな良い場所があったとは知りませんでした。
ドキドキしながらそろそろ進むと、
「超キモっ!」
「「きゃっきゃっ!」」
数人の楽しそうな子供の声がするじゃないですか。
首をひねりながら大木の裏手に回ると、同じクラスの女子仲良し三人組がいました。他には誰もいません。もちろん危ないおじさまも。
斧がずば――ん! 首がすこ――ん! 流血ぶしゃ――っ! 惨劇を期待したわけではありませんが、テンションが落ちてしまったあたしは「みんな……どうしたの?」と、どう見ても安全な状況を、一応訊ねてみました。
「あっ。愛里ちゃん! 見てよこれー」
指差したのは、うねうねと動く虫でした。
「ムカデよ。気持ち悪いでしょ~」
ムカデ……。
叫んだ原因はムカデさん。
石をはぐったら居ただけの話し。ジメジメした場所だと見かけることがありますね。
「本当だ。気持ち悪いね~」
全然気持ち悪くありませんが、一応そう言っておきます。
「……でもね皆んな。これ、ムカデじゃないよ」
女の子たちはきょとんとして、眼をぱちぱちさせました。
あらあら、衝撃の事実だったみたいです。
「ヤスデだよ。似ているけど、ヤスデは噛んだりしないから安全よ」
「はぁ……? ど、どっちでもいいじゃない、もーっ! 結局気持ち悪いじゃない」
「よくないよ。ヤスデはひとつの体節に二つづつの足が生えてて、ムカデは一つづつだから、全然違うよ」
物知らずのお友だちは、本当にどうでもいいってお顔をして、「えーっ! きもーい♪」と喜んでいます。
ダメですねー。うやむやはいけません。しっかりと虫の知識を授けてあげようと思い、ポケットからお財布を取り出しました。
「「「きゃあああぁぁぁっ――――!!」」」
開けただけでお友だち大絶叫。
公園の下から聞いたのはコレの声だったわけですね。やれやれと、あたしは両手でお耳を塞ぎました。
「なな、なんでこんなの持ってるのっ!」
露骨に嫌な顔をされてますが、うそうそ、あたしにはお見通しです。楽しんでいるんでしょ。
女の子は嫌な物が好きという不思議な生き物。いやいやと言いながらそれほど嫌がってなく、むしろ喜んでいるのです。
「これ、ムカデのおもちゃだから、安心して。噛むことないよ。それでほら、良く見て。全然違うでしょ」
這うヤスデさんにムカデさんを近付け比較しましたが、お友だちはきゃーきゃー騒いで見てくれません。
しかしまあ、危険な生き物で興奮するのは分かります。もしムカデだと触れると危険だし、たくさんのお脚は魅力的ですもん。あたしも好きです。大好物です。
いやだな、いやだな、と思いつつ、怖さの極みを体感してみたい。おしっこ漏れちゃうくらい怖がってみたい。そんな事をいつも考えている、みんなと同じ普通の小学三年生なのです。
だけど、無邪気に喜んではちょっとどうかと。きゃーきゃー騒いで良いのはお化け屋敷くらいですよ、ほんと。
「これ、パパに買ってもらったんだもん。大切なんだから」
これは本物を忠実に再現した出来。ゴム製の複数の短脚がふるふる動くのが、より気持ち悪さをUPさせていて、製作者さまのムカデ愛が伝わってきます。欲しと言われても譲るわけにはゆきません。
「よくこんな気持ち悪いの持ち歩けるわね」
「ほんと、どうしちゃったの?」
学校にも持ってゆきたいですが、お勉強道具以外は持ち込み禁止なので、仕方なくお財布に入れて連れて歩くしかできません。
ふとある事に気付きました。
「ちょっと愛里ちゃん、どうしたの?」
地面の石をひっ繰り返すと、大きなミミズがもぞもぞ動き、隣の石だとダンゴ虫とゲジゲジがいました。
やっぱり……。
この場所、薄暗く、じめじめ。生物が活動するには好条件。
「ちょっと、ちょっと。愛里ちゃん」
お友だち言葉を無視して、次々に石を裏返したら、出るわ出るわ、名前も知らない小さな虫たちが。
「きゃっ! もうーっ……」
女の子たちの悲鳴は小さくなりました。慣れたのでしょう。
あ――――っ! そうでした!
日本にはルールがあるのでした。立派なレディならではのお約束。
『女子は気持ち悪いものを嫌う。そして叫ぶ』
イヤイヤ止めてと言いながら、隠した指の隙間から覗いているのも有りですが、やっぱりレディなら、『キャ――ッ!』と甲高い声で絶叫するのがベスト。女性らしさ、というものです。
遅まきながら、あたしも「きゃ!」と叫んでおきました。
「もう止めてよ、愛里ちゃん」
「そうよ。よしなさいよ」
女の子たちは本当に止めて欲しいようで、怖さに飽きたのでしょう、流石です。
最近の子供は順応が早いというか、あたしはダメですね。簡単に発見できるものだから、つい夢中になっていたのです。
「それより、ほら、気持ち悪いのなら、あそこ知ってる? 愛里ちゃん」
とお友だちが指差す場所は、公園から見下ろすとある普通のお家。カーテンが閉まっている二階の事でしょうか。
「あそこ? あそこがどうしたの」
「やっぱり知らないいんだ」
自慢そうに友だち同士で頷いています。
「あの二階には、ムカデなんかより全然気持ち悪いフランケンシュタインが住んでいるのよ」
気持ち悪いフランケンシュタイン?
「なにそれ」
「悪魔みたいな顔をしているね」
「違うわ、凶悪犯よ」
「そうね悪い事をしてそうね」
「化け物だと思う」
話しから相当悪い顔をした人です。
「今はほら。カーテンが閉まっているでしょ。あたしたちに見られたくないものだから、部屋で恐ろしい事をやっているのよ」
「子供を誘拐していると思う。あたしたちみたいな女の子を捕まえて、あの部屋にあるクローゼットの中に閉じ込めているのよ」
「そうそう、見た事ある。クローゼットの中には透明なケースがあって、あそこにはいやらしい人形がたくさんあるのよ。きっとその奥には、監禁された小学生が夜な夜な酷い事をされているんだわ」
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