一目ぼれした小3美少女が、ゲテモノ好き変態思考者だと、僕はまだ知らない

草笛あたる(乱暴)

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☆山柿部屋 その1

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 さて。
 初めて女の子を自分の部屋に入れる事となるわけだ。
 フィギュアと幼女写真集は施錠付きのクローゼットの中だから、見られてヤバイものは何一つないはず。
 ドアに掛かるタグを一瞬どうしょうかと考えたが、《勉強中につき立ち入り禁止》とした。

「へえ。意外と綺麗に片付いているものなのね」

 部屋に入るなり綾部さんは声を上げた。

「普通の男の子の部屋に入るのは初めてだから、ちょっと驚き。あらパソコンもあるのね」

 首のマフラーを取ってから、角に置いたカバンの上に乗せる。
 
「変なとこ見ないでくれよ。……って何をしている」 

 綾部さんは机の引き出しを開け閉めし、続いて隣の本棚に並んである本を数冊取り出して棚の奥を覗いている。

「おかしいわね。どこにも無いわ。
 男の子はベッドの隙間とかにエロ本を隠す生き物じゃないの?」

 執拗にきょろきょろしながら部屋の隅にあるベッドに腰を下ろし、綾部さんは外人みたく両手上に向けWの文字を作って見せた。
 テンプレ知識、止めてくれ。
 
「あるわけないだろ。疑うのは止めてくれないか」

 そういったシークレットアイテムも、念のため全てクローゼットの中で管理されてある。
 
「つまらないわね。まあパソコンで視聴しているから不要なのかもしれないけれど……」

 ブツブツ言って上着を脱ぎ、丁寧に畳んでマフラーと共にカバンの上に置く。
 そして、ごろりとベッドに仰向けになった。

 ブレザーのせいで分からなかったが、程よい大きさの胸をしていたりするじゃないか。
 プリーツのスカートもこんなに短かったか?
 えらく白くて細い脚が太ももまで見えている。
 うーん……目のやり場に困るんだけど。
 そんな僕を、綾部さんはじっと見つめて楽しんでいるようだ。
 意地が悪い。沈黙が苦しいんだけど。 
 僕はひとつ咳をして、とにかく大急ぎで話した。これ以上彼女のおもちゃになるのはゴメンだ。

「さあ。これで君の希望通りだ。
 僕の部屋に来たぞ。で、要件は何だ?」

「そうね……。でも……具体的な用は無いわ。
 用はこれから作るのだから」

「……」

 一瞬だけ言葉に詰まってしまった。

「……あの……言っている意味が分からないんだけど……」

「そう? ……ほんとうに?
 私……こういうの初めてなんだ。
 つい臆病になっちゃって。意外でしょ」

 綾部さんは起き上がって長い脚を組み直す。
 見ちゃいけないものが見えそうだったので視線を外した。

「あら? 表情が変わったわ。
 読み取りにくいけど。まさか、えっちな期待していたとか……?」 

「ばば、ばかなっ!」

 緊張しているだけだ。
 女子の免疫が全く無いんだから当然だろう。
 なにせ女子と一緒に帰宅するのはもちろん、この部屋に上がり込み、僕のベッドに深々と座ったりして、見えそうで見えないスカートとか反則だろう。

「そうよねえ。誰にでも優しく真面目でお勉強ができる、だけど顔だけは怖い山柿くんが、自分の部屋に連れ込んだ女子高生に淫らな行為をしょうだなんて、普通は考えられないわ」

「みみ淫らなって……」
 
 言いたい放題だ、コイツ。

「あぁでも、小学生は例外だったわね」

「……、……」

 そんなに僕を虐めて楽しいか? 
 いくら僕が我慢強いからって良い気になるなよ……。
 男が怒ると手に負えないという事を、このお嬢様に教えてやろうか?(具体的にどうすればいいか分からないが)

 するとこのタイミングで綾部さんは身体を起こし、「これ!」と胸ポケットから謝罪文が入った封筒を取り出すと、僕の思考は吹き飛んだ。

「こういうやり方は好きじゃないんだけど……」

 いよいよかっ! 
 僕はかまえた。
 綾部さんは封筒をひらひらさせながら「でもね」と続ける。

「愛里ちゃんにしたのは事実なんでしょ。
 偶然とはいえね。だったら、ほら、この今の状況」

 綾部さんは妖艶に微笑んで、再び白い脚を大きく組みかえた。

「偶然にもおあつらえ向きじゃない?」

「いいかげん、僕をおちょくって遊ぶの止めてくれないか」

「おちょくってないわ。脅しよ」

 綾部さんはニコニコしている。

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