神は眷属からの溺愛に気付かない

グランラババー

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二章・管理人

知識の宮殿

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「ラント様が急務で取り掛からなければならないことは二つです。まずは魔物の侵攻から人々を守ること、次が魂の管理です。」

「なるほど。ちなみに、魔物の侵攻を僕が直接やるのはダメ?」

「そうですね。多分ですが、前代の神はそうなさっていたでしょう。ですが、私はそれは悪手だと思えます。あくまで、大量の魔物が侵攻する原因を作ったのは人類です。彼らの負債は、彼ら自身が支払うべきです。」

 こいつ、意外と辛辣だな。まあ、僕もその考えには異論がない。

「なるほどね。もし、そこで僕が直接的な関与をすると、簡単に言えば、神頼みの人間がばかりになって進歩がなくなるってこと?」

 例えば、飢饉が起きたとしても、どうせ神が助けてくれるっていう考え方が人類たちに根付くってことだね。
 進歩しない人類の誕生だね。

「分かってくれますか!!やはり、新たなる神はラント様で正解でした!!」

 打って変わって、急に上機嫌になった世界樹。
 どうしたのか。もしや、前代の神はそんなことも分からなかったのだろうか?
 もしそうならば、前代の神はかなりのマヌケさんと言うことになりそうだ。

「分かった。魔物の侵攻はある組織をバックアップする形で、何とかするよ。あと、魂の管理だけど、君に任せることはできる?」

「ご理解感謝申し上げます。また、魂の管理でしたら、以前から前代の神が消えラント様が誕生するまでの間も行っていましたので、可能でございます。」

「そう。良い感じだね。」

 魂の管理とか、訳わからんからな。
 最近になって、自分や眷属の魂を認識し始めたばかりなのに、その他大勢の魂を管理するなんて無理だろ。

「ただ、、」

「ん?ただ?」

「魂の管理は完全なる神の領域です。私は神との繋がりがありますが、所詮は下界の存在。神の領域に足を踏み入れるには、ラント様から権限の譲渡をされる必要があります。」

 権限の譲渡。あれかな?僕が目覚めた初日に集めた神の力だけの塊、あれを譲渡すれば良いのかな?

 それならば、話が早い。さっさと神の力を譲渡して、魂の管理という、面倒くさそうな役目から解放されよう。
 まあ、その役目を一度たりとも果たしたことがないんだけどね。

「あ、あれ?そんなにあっさり譲渡しますか?もっと渋るものでは?」

「いや、そんなことより、さっさと面倒な役目から解放されたい。ってことで、失礼するよ。」

 そう言って、僕は世界樹に触れる。
 そして、僕の中にある神の力、もっと具体的には僕が気絶した時に見たザ神様から問答無用で渡されたキラキラした力を少しだけ渡す。
 
「っん、、」 

 エッチな声が聞こえたんだけど。
 なに?力の譲渡ってそういう側面があるとかじゃないよね?

「も、申し訳ございません。力の譲渡には、種族や意思により子作りと同意になることがあるのです。ですが、今回は純粋な力の譲渡のため子作りの側面は含まれません。」

 マジかい。
 ヤルことやらなくても、子供ができるんだ。流石ファンタジーだ。

「あ、そのぐらいで譲渡は大丈夫です。」

 譲渡完了と言われ、どれぐらいの力を渡したのかを確認してみる。
 
 すっくな。ちょびっとしか譲渡できてないじゃん。

「あの、もう少しいらないの?」

「い、いえ!それ以上お力を頂いてしまうと、私が爆発四散してしまいます。」

 予想外にギリギリまで力の譲渡をしていたようだ。
 神以外のものに神の力を渡すときは気をつけないと。うっかり爆破させちゃうとか、洒落にならんし。いや、トラウマになるね。

「あ、そうでした。最後の疑問にお答えしてませんでしたね。知識の習得は、世界樹である私と各地に精霊がいた時までの情報なら、神の力の一つである知識の宮殿を覗くことでできますよ。」

 知識の宮殿ね。しっかりと覚えておかなければ、忘れそうだ。
 
「その知識の宮殿に世界樹と精霊が各地にいた時っていうか制約がつくのはどうして?」

 まあ、疑問に思わない訳ないよね。神であるなら万能であっても良いはずなのに、知識面で制限を受けるのはいかがかと思うよ。

「理由は、知識の宮殿に蓄えられる知識は、各地にいる精霊が記録した情報を統合したものであるからですね。もちろん、ラント様が魔法で世界各地を監視するという方法もありますよ。」

 いや、そんな世界の人間を管理するようなことはしないよ。面倒臭いし、僕は異世界を見て回りたいからね、人間不信だけど。
 見て回りたいのに、家にいながら世界の全てが分かってしまっては味気ないが過ぎる。
 
 世界樹が「やります?」と言いながら首を傾げる。お前の中の僕はそんな嫌なやつなのかよ!とツッコミたいね。

「いや、面倒臭いし。やらんわ。じゃなくて、知識の宮殿だよ。それはのアクセス方法を教えて欲しいんだけど?」

 努力をせずに知識を得るのはなんかムズムズするが、金のためには致し方ない。
 いつか、僕の知識を全て製本すると言う課題を自分に貸すことで、そのムズムズを相殺することにする。
 
 僕は家で一人ぼっちだったから、友達はインターネットっていうのは言うまでもないけど、本も好きなんだよ。
 人と関わって感情を育むことができなかったから、本を読んで感情を学んだね。
 良い思い出だ、いや嘘。嫌な思い出だ。

「そうですね、、、。あっ、以前気絶した時に神っぽいやつと会いませんでした?」

「あれ?それ言ったっけ?よく知ってるね。」

 あの経験は夢だと思ってるから、特に気にしてなかった。

「そう!それですよ!!その時に神としての力を託されたはずです!で、その時にラント様が引き込まれた空間が知識の宮殿ですよ。」

 悲報、あれは夢ではなかったようである。
 ッチ、やっぱあの時夢だと思って考えることを諦めなければ良かった。

「あの真っ白で何にもない空間が知識の宮殿?」

「まあ、宮殿の内部は創造者に任されるのですが。知識の宮殿は創造主の力が絶対ですから、あの強引な前代の神なら、そうゆう無茶な方法を取るの思いました。」

 この世界樹さん、前代の神をめちゃくちゃ嫌ってるね。
 意外だ。仲良かったのかと思ってた。
 ちなみに、世界樹に前代の神との関係を聞いたりはしない。地雷になりそう、いや、確実に地雷だから。

「じゃあ、僕はあの真っ白の空間に入り込めば良いの?」

「いえ、その真っ白の空間はあくま前代の神の宮殿ですから。ラント様が思うがままの知識の宮殿を神の力を使って創造してもらえれば、完了ですよ。」 

 あら、意外とあっさりだね。
 まあ、楽であることに越したことはないんだけどね。
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