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哀れな物語
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それから僕は、元々持っていた魔力を駆使して人を殺す術(スベ)を身に付けた。
いや、身に付けただけではなく、実際に人を殺した。
何人も何人も、抵抗するやつもしないやつも、老いも若きも、男も女も、それが人間であれば誰でも。
“人狩りの悪魔”
いつしかそれが僕の通り名になった。
僕はその名前をよく知っている。
だって、"わたし"が読んでいた本に出てきた悪者だから。
なるほど、あの時の彼にはこんな過去があったんだ。
これなら悪の道に進むのも頷ける。
この物語の主人公はどんなやつだったか。
確か、何をやってもダメダメで気弱な、だけど優しい心を持っている少年だった。
そうそう、思い出した。
この少年の親友が家族を殺されて、その仇を討つために旅に出るのに着いていくんだ。
もちろん、親友の家族を殺したのは僕。
だから、彼らは僕を殺すため旅に出るわけだけど、その中で少年達はある真実を知ることになる。
なんと、僕と少年は血の繋がった兄弟だったんだ。
だから許す。
そう、だから彼は僕を許すんだ。
血の繋がった兄弟だから。
家族だから。
親友も、僕を許す。
親友の親が僕を森に捨て、伯父が僕の母や兄弟を殺したうちの一人だったから。
そして、許されたことで僕は毒気が抜け改心する。
少年は村には戻らず僕と親友と三人で新しい町で一緒に暮らしてめでたしめでたし、だ。
そんな馬鹿な。
こんな不自然な話が罷り通ってたまるか。
本当に、物語の中の僕や親友、登場する全ての人々、というかこの物語が可哀想でならない。
どんな理由があれ、悪は許されてはいけないんだ。
その行為は、必ず誰かを傷つける。
そもそも僕は許されることを望んでいないし、僕だってどんなやつであろうと人間は許さない。
それに、僕の家族は母や兄弟だけ。
血の繋がりなんて、とても希薄で最も下らないものだと知っているから。
「た、助けてくれ!!アンタ人間だろ!?なんでッ、魔物なんかに手を貸すんだ!!」
本当に、人間は自分勝手で愚かしい生き物だ。
一緒に僕を殺しに来た仲間の死体がゴロゴロと転がる中、恥も外聞もなく命乞いをしたかと思えば、魔物に対して侮蔑の言葉を投げ掛ける。
自分が高等な生物であると信じて疑わないその姿は、本当に醜い。
「人間は、魔物が生きるのに邪魔で危険な存在だ。人間なんかいない方が、平和なんだよ。」
最後の方は、聞こえていたかはわからない。
ただ、ゴトリ、と首の落ちる音がむなしく響いた。
いや、身に付けただけではなく、実際に人を殺した。
何人も何人も、抵抗するやつもしないやつも、老いも若きも、男も女も、それが人間であれば誰でも。
“人狩りの悪魔”
いつしかそれが僕の通り名になった。
僕はその名前をよく知っている。
だって、"わたし"が読んでいた本に出てきた悪者だから。
なるほど、あの時の彼にはこんな過去があったんだ。
これなら悪の道に進むのも頷ける。
この物語の主人公はどんなやつだったか。
確か、何をやってもダメダメで気弱な、だけど優しい心を持っている少年だった。
そうそう、思い出した。
この少年の親友が家族を殺されて、その仇を討つために旅に出るのに着いていくんだ。
もちろん、親友の家族を殺したのは僕。
だから、彼らは僕を殺すため旅に出るわけだけど、その中で少年達はある真実を知ることになる。
なんと、僕と少年は血の繋がった兄弟だったんだ。
だから許す。
そう、だから彼は僕を許すんだ。
血の繋がった兄弟だから。
家族だから。
親友も、僕を許す。
親友の親が僕を森に捨て、伯父が僕の母や兄弟を殺したうちの一人だったから。
そして、許されたことで僕は毒気が抜け改心する。
少年は村には戻らず僕と親友と三人で新しい町で一緒に暮らしてめでたしめでたし、だ。
そんな馬鹿な。
こんな不自然な話が罷り通ってたまるか。
本当に、物語の中の僕や親友、登場する全ての人々、というかこの物語が可哀想でならない。
どんな理由があれ、悪は許されてはいけないんだ。
その行為は、必ず誰かを傷つける。
そもそも僕は許されることを望んでいないし、僕だってどんなやつであろうと人間は許さない。
それに、僕の家族は母や兄弟だけ。
血の繋がりなんて、とても希薄で最も下らないものだと知っているから。
「た、助けてくれ!!アンタ人間だろ!?なんでッ、魔物なんかに手を貸すんだ!!」
本当に、人間は自分勝手で愚かしい生き物だ。
一緒に僕を殺しに来た仲間の死体がゴロゴロと転がる中、恥も外聞もなく命乞いをしたかと思えば、魔物に対して侮蔑の言葉を投げ掛ける。
自分が高等な生物であると信じて疑わないその姿は、本当に醜い。
「人間は、魔物が生きるのに邪魔で危険な存在だ。人間なんかいない方が、平和なんだよ。」
最後の方は、聞こえていたかはわからない。
ただ、ゴトリ、と首の落ちる音がむなしく響いた。
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