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第44話 マイケル・ジャクソン
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*運動会でのダンスの話
今でも圧倒的な人気があるというのは言うまでもないことだが、1990年代にはもう『マイケル・ジャクソン』は大ブレイクしており、中でも一番売れたとされるアルバムのタイトルにもなっている曲『スリラー』は世界中の人々を熱狂させた。
そんな中、ぼくらの学校では『スリラー』を学年全体で踊るという一大プロジェクトが行われた。5年生2学期の体育の授業はほとんどその練習にあてられ、夏休みにはプリントに描かれた絵を見ながらせっせと練習していた。
また、この頃にも例の『謎の虹色の虫』が家の周りを飛び回っていて“夏になるといるやつなんだな”と思ったりもしていた。この学校はこういう運動系の行事にわりと力を入れていたようで、先生たちはだいぶ張り切っていた。
手を横に広げる時には『真横より少し上に出した方が綺麗に見える』とか、片方の足を軸に回転する時には、『軸足に体重を掛けた方が良い』といったコツを教えてもらい、毎回ダンスのクオリティが上がって行くので楽しかった。今では踊り自体はほとんど忘れてしまったが、ダンスの基本のようなことはこのようにわりと覚えているので、やった甲斐があったのではないかと思っている。
ある練習の時、保田の真似をして手を曲げて前後に突き出す動作を思い切ってやったら、思いのほか二人とも褒められて嬉しかったのをよく覚えている。いざ本番になってみると大したミスもなく学年全体で演技を終えることができ、保護者からの評判も良かったので、いい企画だったという風に認識している。練習は大変だったけれど、学年全体で一つのことをやり遂げたという達成感は大きく、今でもこのことはいい思い出になっている。
*5年生の学際の話
仲山第一小学校では毎年、クラスで出し物をやることになっていて、クラス内で二手に分かれて出し物をやっている人と、出し物を見に行く人に分かれて行動することになっていた。見に行く時は誰かと一緒に行くのもありなのだが、ぼくは人の意見に振り回されるのが嫌だったので、一人で回ることにした。
そこで何回か出店で出会う子がいて、聞くとその子は同じ学年で長堀という名前の子だった。ぼくと同じ4年生の時に転校して来た子で、すぐに意気投合することができた。
それからは時間いっぱい一緒にいろんな店を回って、学校で発行したオモチャの通貨で店を利用できるのだが、『ポケモンが描かれたアクリルのオマケ』だとか、この日だけ景品として持って来ていいことになっていた『余っているシール』だとかをたくさん手に入れることができてかなり楽しかった。
この日があったお陰で、それからながほりとはクラスは違ったものの、廊下ですれ違う度にわりと話すようになり“もともと全く知らなかった子とこういう形で友達になれたのはすごくいいことだった”と今になっても思う。
*イボの話
小学生の時というのは、まだ体が完成していないということもあってか変な病気にかかりやすいものだが、ぼくもご多分に漏れず、そういうものを患っていた。5年生の秋ごろ左掌にイボができ、病院に行くとそれをドライアイスのような医療機器で冷却して治すという治療法を施され、後に足にできたものと合わせて3、4ヶ月通院することになった。
恐らくは通っていたスイミングスクールで移されたものだと思われるが、低温やけどのような感じになるのでこれが結構痛く、病院に行くのがかなり苦痛だった。最後は真ん中が芯のようになって抉るとポロっととれ、そこがかさぶたになって完治した。完治した時にはやっと治ったという安堵よりも“なんでこんな治療法しかないんだ”という憤りの方が大きく、二度とこんなものができてほしくないと願うばかりであった。
*ケイドロの話
小学生の定番の遊びと言えばやはり、おにごっこと言えるだろう。じゃんけんで負けた子がおにになっておいかけ、タッチされたべつの子が代わりにおにになるという基本的なルールは、もはや大半の人が知るところだろう。
おにごっこには他のルールもあって、『高おに』というおにより高い所だとタッチされないが、10秒以内に移動しなければならない遊び、『色おに』というおにが決めた色をさわるとタッチされないが、ほかの子と同じ所はさわれない遊び、『氷おに』というおににタッチされた子はこおってしまうが、ほかの子にふれられると動けるようになる遊び、『影ふみ』というタッチする代わりに影をふむ遊びなどがあった。
ぼくらの地域では『ケイドロ』という遊びが流行っていて、これは警察と泥棒の2チームに分かれて遊び、警察が鬼の役割で泥棒を逮捕して行くのだが、泥棒が牢屋で捕まっている仲間にタッチすると脱走して逃げることができるというものだった。
最終的に泥棒が全部捕まると終了という遊びなのだが、この遊びにはもう一つ面白いことがあって、それが『いろは歌で組み分けする』という所だった。
みんなで足を出して、「いろはにほへとちりぬ、るをわかよた」と誰かが歌って足をタップして行き、『ぬ』が回って来た子は盗人なので泥棒、『た』が回って来た人は探偵なので警察という具合で振り分けられていた。
探偵がみんな捕まえに行きたいからと牢屋を見張らず、逃げられてから追いかける『泥棒を見て縄をなう』ようなことがあったりもした。ドロケイという地域もあるようだが、基本的にルールは他所の学校でも同じだったようだ。
また、『かごめ歌』を使って囲まれた人の後ろに居た人が次に真ん中に入って囲まれるものや、前述の花いちもんめなど、この他にも歌を使った遊びがあったように思う。いずれにしても曲調や歌詞が覚えやすいものが多く、子供ながらに“よくできてるな”と感心したものだった。
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今でも圧倒的な人気があるというのは言うまでもないことだが、1990年代にはもう『マイケル・ジャクソン』は大ブレイクしており、中でも一番売れたとされるアルバムのタイトルにもなっている曲『スリラー』は世界中の人々を熱狂させた。
そんな中、ぼくらの学校では『スリラー』を学年全体で踊るという一大プロジェクトが行われた。5年生2学期の体育の授業はほとんどその練習にあてられ、夏休みにはプリントに描かれた絵を見ながらせっせと練習していた。
また、この頃にも例の『謎の虹色の虫』が家の周りを飛び回っていて“夏になるといるやつなんだな”と思ったりもしていた。この学校はこういう運動系の行事にわりと力を入れていたようで、先生たちはだいぶ張り切っていた。
手を横に広げる時には『真横より少し上に出した方が綺麗に見える』とか、片方の足を軸に回転する時には、『軸足に体重を掛けた方が良い』といったコツを教えてもらい、毎回ダンスのクオリティが上がって行くので楽しかった。今では踊り自体はほとんど忘れてしまったが、ダンスの基本のようなことはこのようにわりと覚えているので、やった甲斐があったのではないかと思っている。
ある練習の時、保田の真似をして手を曲げて前後に突き出す動作を思い切ってやったら、思いのほか二人とも褒められて嬉しかったのをよく覚えている。いざ本番になってみると大したミスもなく学年全体で演技を終えることができ、保護者からの評判も良かったので、いい企画だったという風に認識している。練習は大変だったけれど、学年全体で一つのことをやり遂げたという達成感は大きく、今でもこのことはいい思い出になっている。
*5年生の学際の話
仲山第一小学校では毎年、クラスで出し物をやることになっていて、クラス内で二手に分かれて出し物をやっている人と、出し物を見に行く人に分かれて行動することになっていた。見に行く時は誰かと一緒に行くのもありなのだが、ぼくは人の意見に振り回されるのが嫌だったので、一人で回ることにした。
そこで何回か出店で出会う子がいて、聞くとその子は同じ学年で長堀という名前の子だった。ぼくと同じ4年生の時に転校して来た子で、すぐに意気投合することができた。
それからは時間いっぱい一緒にいろんな店を回って、学校で発行したオモチャの通貨で店を利用できるのだが、『ポケモンが描かれたアクリルのオマケ』だとか、この日だけ景品として持って来ていいことになっていた『余っているシール』だとかをたくさん手に入れることができてかなり楽しかった。
この日があったお陰で、それからながほりとはクラスは違ったものの、廊下ですれ違う度にわりと話すようになり“もともと全く知らなかった子とこういう形で友達になれたのはすごくいいことだった”と今になっても思う。
*イボの話
小学生の時というのは、まだ体が完成していないということもあってか変な病気にかかりやすいものだが、ぼくもご多分に漏れず、そういうものを患っていた。5年生の秋ごろ左掌にイボができ、病院に行くとそれをドライアイスのような医療機器で冷却して治すという治療法を施され、後に足にできたものと合わせて3、4ヶ月通院することになった。
恐らくは通っていたスイミングスクールで移されたものだと思われるが、低温やけどのような感じになるのでこれが結構痛く、病院に行くのがかなり苦痛だった。最後は真ん中が芯のようになって抉るとポロっととれ、そこがかさぶたになって完治した。完治した時にはやっと治ったという安堵よりも“なんでこんな治療法しかないんだ”という憤りの方が大きく、二度とこんなものができてほしくないと願うばかりであった。
*ケイドロの話
小学生の定番の遊びと言えばやはり、おにごっこと言えるだろう。じゃんけんで負けた子がおにになっておいかけ、タッチされたべつの子が代わりにおにになるという基本的なルールは、もはや大半の人が知るところだろう。
おにごっこには他のルールもあって、『高おに』というおにより高い所だとタッチされないが、10秒以内に移動しなければならない遊び、『色おに』というおにが決めた色をさわるとタッチされないが、ほかの子と同じ所はさわれない遊び、『氷おに』というおににタッチされた子はこおってしまうが、ほかの子にふれられると動けるようになる遊び、『影ふみ』というタッチする代わりに影をふむ遊びなどがあった。
ぼくらの地域では『ケイドロ』という遊びが流行っていて、これは警察と泥棒の2チームに分かれて遊び、警察が鬼の役割で泥棒を逮捕して行くのだが、泥棒が牢屋で捕まっている仲間にタッチすると脱走して逃げることができるというものだった。
最終的に泥棒が全部捕まると終了という遊びなのだが、この遊びにはもう一つ面白いことがあって、それが『いろは歌で組み分けする』という所だった。
みんなで足を出して、「いろはにほへとちりぬ、るをわかよた」と誰かが歌って足をタップして行き、『ぬ』が回って来た子は盗人なので泥棒、『た』が回って来た人は探偵なので警察という具合で振り分けられていた。
探偵がみんな捕まえに行きたいからと牢屋を見張らず、逃げられてから追いかける『泥棒を見て縄をなう』ようなことがあったりもした。ドロケイという地域もあるようだが、基本的にルールは他所の学校でも同じだったようだ。
また、『かごめ歌』を使って囲まれた人の後ろに居た人が次に真ん中に入って囲まれるものや、前述の花いちもんめなど、この他にも歌を使った遊びがあったように思う。いずれにしても曲調や歌詞が覚えやすいものが多く、子供ながらに“よくできてるな”と感心したものだった。
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