3 / 7
3.最強の盗賊は成長する
しおりを挟む
「ああ、ギルハートちゃん可愛いわ。ママの子に生まれてきてくれてありがとね。ああ、もうほんと可愛い。絹みたいに柔らかい銀色の髪に、切れ長の大きなおめめ、お肌もスベスベで世が許すならママがギルハートちゃんと結婚したい」
「なあ、母さん。飯の時くらい静かに食べさせてくれ。それと食べてるときは髪とかほっぺを撫でないでくれ。せっかく母さんが作ってくれた美味しいシチューが食べづらい」
「お母さんの作ってくれたシチューを美味しいって言ってくれたの! 頑張る! お母さんお料理これからも頑張ってギルハートちゃんにまた美味しいって言ってもらえるようにするね」
「だから、抱き付かないでくれ。食べづらい。父さんからもなんか言ってくれよ」
「こんな美女二人と家族が出来るなんて父さん幸せだ~」
「あら、私なんてギルハートちゃんに比べたら全然よ。ギルちゃんは街でも有名な美人さんだもんね。ちょっと男らしすぎるところもあるけど私はそんなところも大好きよ」
「はぁ、もう好きにしてくれ」
俺は快適に食事できる環境を諦めて、しきりにスキンシップを取ってくる母親とそんな俺らをみてデレデレと表情を緩める父親を尻目にもくもくと食事を進めながら、このフォルネウス家に転生してからの14年の歳月をなんとなく振り返った。
転生してからの数年、まず驚いたのは自分の身体だ。さっき父さんも言っていたように今世での俺は男ではなく女だった。
確かに転生する以上、そういった可能性も考えられるが普通は同じ性別に生まれることを予想するだろう。
それがまさかこんな結果になるとは。自分が女だと気づいたときは赤子ながらかなり動揺した。夜泣きってレベルじゃないくらい騒いだものだ。
だが、まあ人間は慣れる生き物だ。女として生活するうちにある程度のことには順応した。まあ未だに風呂とトイレとスカートには抵抗は残るが。
そして俺が女になったことと同等以上に衝撃を受けたことがもう一つある。
それは、この世界が俺の生きていた世界の300年後であるということだ。
聖炎の瞳は使用者を転生させるアイテムとういうことは知っていたがまさか未来に転生することになるとは夢にも思わなかった。
300年前に一つの大事件が起きたこと以外、この300年の間で世界の情勢が大きく変わったかというと一部を除いてそうでもなかった。王族は相変わらず富を貪っているし、スラムだってまだある。ただ一つ気になる点があるとすれば……
「お食事中にすいません。お客様がいらしております」
俺がシチューの最後の一口を喉に流し込み、この世界の考察をしているときメイドのアウラが現れた。
「あら? この時間に誰かしら。ギルハートちゃん心当たりある?」
「ああ、きっと俺の客だ」
「おいギルハート。父さんいつも言ってるだろ。女の子は俺なんて言っちゃいけませんって。せめて優しい口調で『ボク』って言ってくれ。それなら父さん許せるから。むしろ父さん大好きだから」
「うるさい」
俺は気持ち悪い笑みを浮かべる父にそう言って、食器を片付け、玄関口に向かった。
なお父さんは俺に『うるさい』と言われて恍惚の表情を浮かべてる。まあ、父さんは生粋のドMだからしょうがない。なんたってMが転じて魔術師なのに身体強化魔法を極めて戦士以上の肉弾戦が出来る殴り魔術師になった程の人だからな。
おかげでうちは『騎士(ナイト)』の称号を与えられた準貴族となり、メイド付きのそこそこ大きな屋敷で暮らすこともできている。
俺はそんな父さんを尻目に玄関のドアに手を掛けゆっくりと扉を開く。
すると
「ギルちゃーん♪ 大好きぃ!!」
金髪巨乳のお嬢様がそう言って俺に抱き着いてきた。
「なあ、母さん。飯の時くらい静かに食べさせてくれ。それと食べてるときは髪とかほっぺを撫でないでくれ。せっかく母さんが作ってくれた美味しいシチューが食べづらい」
「お母さんの作ってくれたシチューを美味しいって言ってくれたの! 頑張る! お母さんお料理これからも頑張ってギルハートちゃんにまた美味しいって言ってもらえるようにするね」
「だから、抱き付かないでくれ。食べづらい。父さんからもなんか言ってくれよ」
「こんな美女二人と家族が出来るなんて父さん幸せだ~」
「あら、私なんてギルハートちゃんに比べたら全然よ。ギルちゃんは街でも有名な美人さんだもんね。ちょっと男らしすぎるところもあるけど私はそんなところも大好きよ」
「はぁ、もう好きにしてくれ」
俺は快適に食事できる環境を諦めて、しきりにスキンシップを取ってくる母親とそんな俺らをみてデレデレと表情を緩める父親を尻目にもくもくと食事を進めながら、このフォルネウス家に転生してからの14年の歳月をなんとなく振り返った。
転生してからの数年、まず驚いたのは自分の身体だ。さっき父さんも言っていたように今世での俺は男ではなく女だった。
確かに転生する以上、そういった可能性も考えられるが普通は同じ性別に生まれることを予想するだろう。
それがまさかこんな結果になるとは。自分が女だと気づいたときは赤子ながらかなり動揺した。夜泣きってレベルじゃないくらい騒いだものだ。
だが、まあ人間は慣れる生き物だ。女として生活するうちにある程度のことには順応した。まあ未だに風呂とトイレとスカートには抵抗は残るが。
そして俺が女になったことと同等以上に衝撃を受けたことがもう一つある。
それは、この世界が俺の生きていた世界の300年後であるということだ。
聖炎の瞳は使用者を転生させるアイテムとういうことは知っていたがまさか未来に転生することになるとは夢にも思わなかった。
300年前に一つの大事件が起きたこと以外、この300年の間で世界の情勢が大きく変わったかというと一部を除いてそうでもなかった。王族は相変わらず富を貪っているし、スラムだってまだある。ただ一つ気になる点があるとすれば……
「お食事中にすいません。お客様がいらしております」
俺がシチューの最後の一口を喉に流し込み、この世界の考察をしているときメイドのアウラが現れた。
「あら? この時間に誰かしら。ギルハートちゃん心当たりある?」
「ああ、きっと俺の客だ」
「おいギルハート。父さんいつも言ってるだろ。女の子は俺なんて言っちゃいけませんって。せめて優しい口調で『ボク』って言ってくれ。それなら父さん許せるから。むしろ父さん大好きだから」
「うるさい」
俺は気持ち悪い笑みを浮かべる父にそう言って、食器を片付け、玄関口に向かった。
なお父さんは俺に『うるさい』と言われて恍惚の表情を浮かべてる。まあ、父さんは生粋のドMだからしょうがない。なんたってMが転じて魔術師なのに身体強化魔法を極めて戦士以上の肉弾戦が出来る殴り魔術師になった程の人だからな。
おかげでうちは『騎士(ナイト)』の称号を与えられた準貴族となり、メイド付きのそこそこ大きな屋敷で暮らすこともできている。
俺はそんな父さんを尻目に玄関のドアに手を掛けゆっくりと扉を開く。
すると
「ギルちゃーん♪ 大好きぃ!!」
金髪巨乳のお嬢様がそう言って俺に抱き着いてきた。
0
あなたにおすすめの小説
聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした
藤原遊
ファンタジー
この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると
土地を蝕む邪気となって現れる。
それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。
派手な奇跡は起こらない。
けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。
――その役目を、誰一人として理解しないまま。
奇跡が少なくなった。
役に立たない聖女はいらない。
そう言われ、私は静かに国を追放された。
もう、祈る理由はない。
邪気を生み出す原因に目を向けず、
後始末だけを押し付ける国を守る理由も。
聖女がいなくなった国で、
少しずつ異変が起こり始める。
けれど彼らは、最後まで気づかなかった。
私がなぜ祈らなくなったのかを。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
異世界転生してしまった。どうせ死ぬのに。
あんど もあ
ファンタジー
好きな人と結婚して初めてのクリスマスに事故で亡くなった私。異世界に転生したけど、どうせ死ぬなら幸せになんてなりたくない。そう思って生きてきたのだけど……。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで
六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。
乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。
ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。
有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。
前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる