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3.最強の盗賊は成長する
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「ああ、ギルハートちゃん可愛いわ。ママの子に生まれてきてくれてありがとね。ああ、もうほんと可愛い。絹みたいに柔らかい銀色の髪に、切れ長の大きなおめめ、お肌もスベスベで世が許すならママがギルハートちゃんと結婚したい」
「なあ、母さん。飯の時くらい静かに食べさせてくれ。それと食べてるときは髪とかほっぺを撫でないでくれ。せっかく母さんが作ってくれた美味しいシチューが食べづらい」
「お母さんの作ってくれたシチューを美味しいって言ってくれたの! 頑張る! お母さんお料理これからも頑張ってギルハートちゃんにまた美味しいって言ってもらえるようにするね」
「だから、抱き付かないでくれ。食べづらい。父さんからもなんか言ってくれよ」
「こんな美女二人と家族が出来るなんて父さん幸せだ~」
「あら、私なんてギルハートちゃんに比べたら全然よ。ギルちゃんは街でも有名な美人さんだもんね。ちょっと男らしすぎるところもあるけど私はそんなところも大好きよ」
「はぁ、もう好きにしてくれ」
俺は快適に食事できる環境を諦めて、しきりにスキンシップを取ってくる母親とそんな俺らをみてデレデレと表情を緩める父親を尻目にもくもくと食事を進めながら、このフォルネウス家に転生してからの14年の歳月をなんとなく振り返った。
転生してからの数年、まず驚いたのは自分の身体だ。さっき父さんも言っていたように今世での俺は男ではなく女だった。
確かに転生する以上、そういった可能性も考えられるが普通は同じ性別に生まれることを予想するだろう。
それがまさかこんな結果になるとは。自分が女だと気づいたときは赤子ながらかなり動揺した。夜泣きってレベルじゃないくらい騒いだものだ。
だが、まあ人間は慣れる生き物だ。女として生活するうちにある程度のことには順応した。まあ未だに風呂とトイレとスカートには抵抗は残るが。
そして俺が女になったことと同等以上に衝撃を受けたことがもう一つある。
それは、この世界が俺の生きていた世界の300年後であるということだ。
聖炎の瞳は使用者を転生させるアイテムとういうことは知っていたがまさか未来に転生することになるとは夢にも思わなかった。
300年前に一つの大事件が起きたこと以外、この300年の間で世界の情勢が大きく変わったかというと一部を除いてそうでもなかった。王族は相変わらず富を貪っているし、スラムだってまだある。ただ一つ気になる点があるとすれば……
「お食事中にすいません。お客様がいらしております」
俺がシチューの最後の一口を喉に流し込み、この世界の考察をしているときメイドのアウラが現れた。
「あら? この時間に誰かしら。ギルハートちゃん心当たりある?」
「ああ、きっと俺の客だ」
「おいギルハート。父さんいつも言ってるだろ。女の子は俺なんて言っちゃいけませんって。せめて優しい口調で『ボク』って言ってくれ。それなら父さん許せるから。むしろ父さん大好きだから」
「うるさい」
俺は気持ち悪い笑みを浮かべる父にそう言って、食器を片付け、玄関口に向かった。
なお父さんは俺に『うるさい』と言われて恍惚の表情を浮かべてる。まあ、父さんは生粋のドMだからしょうがない。なんたってMが転じて魔術師なのに身体強化魔法を極めて戦士以上の肉弾戦が出来る殴り魔術師になった程の人だからな。
おかげでうちは『騎士(ナイト)』の称号を与えられた準貴族となり、メイド付きのそこそこ大きな屋敷で暮らすこともできている。
俺はそんな父さんを尻目に玄関のドアに手を掛けゆっくりと扉を開く。
すると
「ギルちゃーん♪ 大好きぃ!!」
金髪巨乳のお嬢様がそう言って俺に抱き着いてきた。
「なあ、母さん。飯の時くらい静かに食べさせてくれ。それと食べてるときは髪とかほっぺを撫でないでくれ。せっかく母さんが作ってくれた美味しいシチューが食べづらい」
「お母さんの作ってくれたシチューを美味しいって言ってくれたの! 頑張る! お母さんお料理これからも頑張ってギルハートちゃんにまた美味しいって言ってもらえるようにするね」
「だから、抱き付かないでくれ。食べづらい。父さんからもなんか言ってくれよ」
「こんな美女二人と家族が出来るなんて父さん幸せだ~」
「あら、私なんてギルハートちゃんに比べたら全然よ。ギルちゃんは街でも有名な美人さんだもんね。ちょっと男らしすぎるところもあるけど私はそんなところも大好きよ」
「はぁ、もう好きにしてくれ」
俺は快適に食事できる環境を諦めて、しきりにスキンシップを取ってくる母親とそんな俺らをみてデレデレと表情を緩める父親を尻目にもくもくと食事を進めながら、このフォルネウス家に転生してからの14年の歳月をなんとなく振り返った。
転生してからの数年、まず驚いたのは自分の身体だ。さっき父さんも言っていたように今世での俺は男ではなく女だった。
確かに転生する以上、そういった可能性も考えられるが普通は同じ性別に生まれることを予想するだろう。
それがまさかこんな結果になるとは。自分が女だと気づいたときは赤子ながらかなり動揺した。夜泣きってレベルじゃないくらい騒いだものだ。
だが、まあ人間は慣れる生き物だ。女として生活するうちにある程度のことには順応した。まあ未だに風呂とトイレとスカートには抵抗は残るが。
そして俺が女になったことと同等以上に衝撃を受けたことがもう一つある。
それは、この世界が俺の生きていた世界の300年後であるということだ。
聖炎の瞳は使用者を転生させるアイテムとういうことは知っていたがまさか未来に転生することになるとは夢にも思わなかった。
300年前に一つの大事件が起きたこと以外、この300年の間で世界の情勢が大きく変わったかというと一部を除いてそうでもなかった。王族は相変わらず富を貪っているし、スラムだってまだある。ただ一つ気になる点があるとすれば……
「お食事中にすいません。お客様がいらしております」
俺がシチューの最後の一口を喉に流し込み、この世界の考察をしているときメイドのアウラが現れた。
「あら? この時間に誰かしら。ギルハートちゃん心当たりある?」
「ああ、きっと俺の客だ」
「おいギルハート。父さんいつも言ってるだろ。女の子は俺なんて言っちゃいけませんって。せめて優しい口調で『ボク』って言ってくれ。それなら父さん許せるから。むしろ父さん大好きだから」
「うるさい」
俺は気持ち悪い笑みを浮かべる父にそう言って、食器を片付け、玄関口に向かった。
なお父さんは俺に『うるさい』と言われて恍惚の表情を浮かべてる。まあ、父さんは生粋のドMだからしょうがない。なんたってMが転じて魔術師なのに身体強化魔法を極めて戦士以上の肉弾戦が出来る殴り魔術師になった程の人だからな。
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俺はそんな父さんを尻目に玄関のドアに手を掛けゆっくりと扉を開く。
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