君が見た春を

稲佐オサム

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第二幕:大学編 ― 揺れる心、交差する道 ―

5章 新しい世界、新しい孤独

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大学に進学した中谷澪は、東京の片隅にある文学部の一室で、静かな生活を送っていた。

あの日、佐久間ハルキに告白されたけれど、恋人になるわけでもなく、遠くへ離れたわけでもない。
ただ、お互いの道を歩き出しただけ。

澪は今も、本と向き合う時間が好きだった。
だけど、大学という大きな世界の中で、自分の居場所を見つけるのは容易ではなかった。

そんな中、文学サークルでひときわ目立つ男子がいた。
――城ヶ崎レイ。

高校時代の冷静な相談役は、今も変わらず落ち着いていて、澪にとって唯一の「知っている顔」だった。

「久しぶりだね、中谷さん」

その声に、澪の心が少しだけ解けた。
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