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本編
112 どうしようもない王様1【閑話】
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一見無邪気で、でも、どうしようもないうちの王様は、ときどき突飛な願いを口にする。今夜も部屋に入ってわたしの姿を見るなり、躊躇なく自分の欲望を口にした。
「ねーえ、今日は新しい方法で縛ってみたいなあ、いいでしょう?」
見るとその手にはなにやら包みを持っている。中身は推して知るべし。
可愛らしいお願いに見せかけて鬼畜な提案をしてくる相手を、わたしはうろんげに見つめた。
「・・・痛くしなければ、いいよ。」
返事を聞いて、目の前の相手──つまりアレクは心底うれしそうな顔をした。
(しょうがない、なあ)
正直あまり気乗りがしないけれども、拒否するという選択肢はわたしにはない。なぜならば、アレクのどSな性癖がふつうであることを態度で証明しなくてはいけないからだ。
アレクはさすがに一国の王として多忙な身の上のため、日中後宮を訪れることはほとんどない。しかもこの数日は、わたしをキリル公国まで迎えに来てくれたツケで滞っていた謁見や書類の採決などを大量にこなしており、明らかにオーバーワーク気味だ。
だけど極力夜には予定を入れないようにしてくれ、ほとんど毎日夜は一緒に過ごす。わたしは夕方近くになると身を清められ、ほかに住人のいない後宮で王の訪れを待つのが日課になりつつある。
『女性を嬲りたい』という自分の性癖を気に病んでいたアレクは、受け入れてもらった途端、箍が外れたように行為を求めるようになった。今までがまんしてたんだろうなあと思うとちょっと同情する。
そんなわけで、けっこうな頻度で縛られたり、薬を試されたり、めちゃくちゃ露出が高い衣装を着せられたりしている(恥ずかしがる様子を観察したいんだそうだ)。
そのたびに興奮するアレクを見ると、精神、体力共に翌日の公務に支障がないか心配になる。そのことを婉曲に尋ねたところ、性欲を満たすと同時に溜まった魔力解消にもなるという理由で、むしろ周りから推奨されていると言われた。顔から火が出そうになった。
側近であるセイはもちろん知っているわけで・・・うん、考えたくない。
前回は効果が持続する媚薬を試したいと言われ、それを飲んだアレクに一晩中からだを貪られる羽目になった。何度もイカされ、大量に吐精されて疲労困憊のところを後ろから執拗に突き上げる鬼畜ぶりには言葉もない。
確かに効果は持続したが、あれはすでに媚薬じゃなくて発情剤だと思う。
彼が特に好んでいるのは「縛る」ことだ。身動きできない姿を見ると興奮するらしい。あと胸が好きで乳房を強調するように縛り上げたときは殊更に喜んだ。
それ以外にも鎖で手首だけを拘束したり、柔らかな練絹で全身を亀甲縛りのようにされたりと色んな方法で縛られた。
そのため今さら新しい縛り方を試したいと言われたくらいでは動じないのだ。
「はいはい、わかりました。ご主人さま」
半ばやけになって返事をしたら、アレクは頬を染めてこちらをじっとりと見た。
「ご主人さまって・・・」
「あれ、メイドさんってそんな風に呼ばないの?」
ご主人さま呼びはメイドさんの基本では?と、不思議に思って尋ねると、アレクはふるふると首を横に振った。
「いいや、皆からは陛下と呼ばれるから、そんなふうに呼ばれたことないよ。なんだかすごくいいね、その響き・・・」
何やらうっとりとした顔で、アレクは思案し始めた。わたしは一抹の不安を感じて次の科白を固唾を飲んで見守るばかりだ。
しばらくして、アレクは無邪気な、否、空恐ろしくすら見える極上の笑みを浮かべた。
****
「え・・・こんなの、やだあっ」
固い木の椅子に座らされ、後ろ手に縛られたわたしは、情けない声で抗議した。
両足は、閉じられないように広げられて椅子の足に左右で固定された状態だ。かろうじて薄く透き通るような夜着をひっかけてはいるが、胸もアソコも丸見えの状態。無理やり拘束されている屈辱感が半端ない。
椅子の前に膝立ちになったアレクは、身を乗り出してわたしの左胸をじゅるりと吸いながら、もう片方の手で右胸をぎゅむぎゅむと弄んでいる。
「ごめんごめん、こんなのいやだよね」
そう言いながら、隠せないほどの喜色を浮かべてわたしが嫌がる様を観察する。
「こっちもさみしいよね。」
美しい指で花芯をぬるぬると上下に擦りながら、舌で秘部全体を愛撫するように舐めはじめた。
「あっ・・ひゃあっんっ!」
気持ちいい。でも気持ちよすぎて、つらい。ざらざらとした舌の刺激がぞくぞくする。一定のリズムで撫でられる花芯への刺激と相まって、これだけでイッてしまいそうだ。
こんな格好で、さすがにイきたくはない。
やめてほしくて涙目でアレクを睨むと、期待の眼差しでわたしを見る。
「ほら、さっき教えたとおりに『おねがいします、ご主人さま』って、かわいくおねだりしてみて?」
わたしがメイドさんをイメージした一言は、アレクにとっては性奴隷をイメージしたらしい。『主人に逆らえない性奴隷』という設定は、大層彼のお気に召したようだ。
わたしは、恥ずかしさに真っ赤になりながら、願いを口にした。
「ねーえ、今日は新しい方法で縛ってみたいなあ、いいでしょう?」
見るとその手にはなにやら包みを持っている。中身は推して知るべし。
可愛らしいお願いに見せかけて鬼畜な提案をしてくる相手を、わたしはうろんげに見つめた。
「・・・痛くしなければ、いいよ。」
返事を聞いて、目の前の相手──つまりアレクは心底うれしそうな顔をした。
(しょうがない、なあ)
正直あまり気乗りがしないけれども、拒否するという選択肢はわたしにはない。なぜならば、アレクのどSな性癖がふつうであることを態度で証明しなくてはいけないからだ。
アレクはさすがに一国の王として多忙な身の上のため、日中後宮を訪れることはほとんどない。しかもこの数日は、わたしをキリル公国まで迎えに来てくれたツケで滞っていた謁見や書類の採決などを大量にこなしており、明らかにオーバーワーク気味だ。
だけど極力夜には予定を入れないようにしてくれ、ほとんど毎日夜は一緒に過ごす。わたしは夕方近くになると身を清められ、ほかに住人のいない後宮で王の訪れを待つのが日課になりつつある。
『女性を嬲りたい』という自分の性癖を気に病んでいたアレクは、受け入れてもらった途端、箍が外れたように行為を求めるようになった。今までがまんしてたんだろうなあと思うとちょっと同情する。
そんなわけで、けっこうな頻度で縛られたり、薬を試されたり、めちゃくちゃ露出が高い衣装を着せられたりしている(恥ずかしがる様子を観察したいんだそうだ)。
そのたびに興奮するアレクを見ると、精神、体力共に翌日の公務に支障がないか心配になる。そのことを婉曲に尋ねたところ、性欲を満たすと同時に溜まった魔力解消にもなるという理由で、むしろ周りから推奨されていると言われた。顔から火が出そうになった。
側近であるセイはもちろん知っているわけで・・・うん、考えたくない。
前回は効果が持続する媚薬を試したいと言われ、それを飲んだアレクに一晩中からだを貪られる羽目になった。何度もイカされ、大量に吐精されて疲労困憊のところを後ろから執拗に突き上げる鬼畜ぶりには言葉もない。
確かに効果は持続したが、あれはすでに媚薬じゃなくて発情剤だと思う。
彼が特に好んでいるのは「縛る」ことだ。身動きできない姿を見ると興奮するらしい。あと胸が好きで乳房を強調するように縛り上げたときは殊更に喜んだ。
それ以外にも鎖で手首だけを拘束したり、柔らかな練絹で全身を亀甲縛りのようにされたりと色んな方法で縛られた。
そのため今さら新しい縛り方を試したいと言われたくらいでは動じないのだ。
「はいはい、わかりました。ご主人さま」
半ばやけになって返事をしたら、アレクは頬を染めてこちらをじっとりと見た。
「ご主人さまって・・・」
「あれ、メイドさんってそんな風に呼ばないの?」
ご主人さま呼びはメイドさんの基本では?と、不思議に思って尋ねると、アレクはふるふると首を横に振った。
「いいや、皆からは陛下と呼ばれるから、そんなふうに呼ばれたことないよ。なんだかすごくいいね、その響き・・・」
何やらうっとりとした顔で、アレクは思案し始めた。わたしは一抹の不安を感じて次の科白を固唾を飲んで見守るばかりだ。
しばらくして、アレクは無邪気な、否、空恐ろしくすら見える極上の笑みを浮かべた。
****
「え・・・こんなの、やだあっ」
固い木の椅子に座らされ、後ろ手に縛られたわたしは、情けない声で抗議した。
両足は、閉じられないように広げられて椅子の足に左右で固定された状態だ。かろうじて薄く透き通るような夜着をひっかけてはいるが、胸もアソコも丸見えの状態。無理やり拘束されている屈辱感が半端ない。
椅子の前に膝立ちになったアレクは、身を乗り出してわたしの左胸をじゅるりと吸いながら、もう片方の手で右胸をぎゅむぎゅむと弄んでいる。
「ごめんごめん、こんなのいやだよね」
そう言いながら、隠せないほどの喜色を浮かべてわたしが嫌がる様を観察する。
「こっちもさみしいよね。」
美しい指で花芯をぬるぬると上下に擦りながら、舌で秘部全体を愛撫するように舐めはじめた。
「あっ・・ひゃあっんっ!」
気持ちいい。でも気持ちよすぎて、つらい。ざらざらとした舌の刺激がぞくぞくする。一定のリズムで撫でられる花芯への刺激と相まって、これだけでイッてしまいそうだ。
こんな格好で、さすがにイきたくはない。
やめてほしくて涙目でアレクを睨むと、期待の眼差しでわたしを見る。
「ほら、さっき教えたとおりに『おねがいします、ご主人さま』って、かわいくおねだりしてみて?」
わたしがメイドさんをイメージした一言は、アレクにとっては性奴隷をイメージしたらしい。『主人に逆らえない性奴隷』という設定は、大層彼のお気に召したようだ。
わたしは、恥ずかしさに真っ赤になりながら、願いを口にした。
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