不埒な魔術師がわたしに執着する件について~後ろ向きなわたしが異世界でみんなから溺愛されるお話

めるの

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欄外編

127 崩崩れたジェンガ 3

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王宮を出てから1か月が経った。もうずっと長い時間が経った気がする。書類上はもう夫婦だと言われたが、式を挙げたわけでもなく、親しい人から祝いの言葉ももらったわけでもない。

居を移しただけで結婚したという実感が湧かないのは、そのせいかもしれない。




セイと暮らす屋敷は、ゼレノイ家の本邸ではなく少し離れた位置にある別邸だ。しばらく夫婦水入らずで過ごしたいというセイの希望を受け、かつての当主が妾の別宅として建てた屋敷を譲り受けたそうだ。

わたしに用意された部屋は、最上階のいちばん奥。真っ白な壁紙に大きめのベッド、革張りの重厚なソファー、簡素な木の机と椅子、そして背の高い書棚。読書好きだったアナスタシアに倣い用意されたのだろう。すでに数多くの書籍が並んでいた。

はっきり言うと、かつて記憶を覗いた、アナスタシアの私室とよく似ていた。

トイレ・浴室完備なのは王宮と一緒で、部屋から出なくても不便はないようになっている。すべての窓に鉄格子が嵌められているのが気にはなるけど、防犯上の理由なのだろうと深くは気にしなかった。

セイから貰いアナスタシアがが大事にしていた本は、書棚の片隅に片づけられた。ドレスは備え付けのクロゼットにしまわれ、空になったトランクは書棚の上に置かれた。王宮を去る際に、餞別として贈られた数々の宝飾品は、大きなジュエリーボックスに収まった。

アレクから個人的に贈られたサファイヤのブレスレットは、こっそりと小さな箱に入れて机の引き出しにしまった。なんとなく…もうつける機会はないだろうし、セイが見たら嫌がると思ったから。

箱の中には、イヤーカフも入っている。

別れの間際に、ルーから渡されたものだ。艶々としたオニキスがはめ込まれ、裏側は細かい文字でびっしりと何かが刻まれている。セイと対で持っている通信用の魔道具と少し似ているので、同じような機能があるのかもしれないと思った。試しに魔力を少しだけ流したら、ふわりと光って消えた。

いつもルーが左耳に嵌めているイヤーカフの片割れ。一目で誰のものか解るそれを、目に触れないようブレスレットと一緒にしまいこんた。



夫婦で過ごす主寝室は、互いの私室から行き来できるよう扉で繋がっている。半円形になった出窓には鉄格子なんて無粋なものはなく、月明かりの夜には庭の木々がよく見えた。部屋の中心には広々とした天蓋付きのベッド。3~4人程度なら、ゆうに寝れそうなほどの大きさだ。

セイは、宰相補佐として連日忙しいばかりか、最近では新しい政策立案にも関わっているらしい。いつも帰りは遅く、わたしがひとりで夕食を食べ終えた後に帰宅する。きっと疲れているだろうに、そんな素振りはかけらも見せない。

そして自分が夕食を摂る時間もそこそこに、主寝室にわたしを連れていくのだ。






「ひゃうっ…」

押し倒されるような姿勢で首筋を舐められ、たまらず声を漏らした。からだのあちこちを舐めまわされながら、はだけて露わになった胸をぐにぐにと揉みしだかれる。

セイはもどかしげに首元のタイを緩め、床に放り投げた。そのままわたしの両脚が閉じられないよう自身の脚を割り入れる。下着をつけていない下半身は丸見えで、羞恥のあまりじんわりと濡れてくる。

「奉仕」と称する彼の行為は徐々にエスカレートしていき、挿入するまで執拗に愛撫されるのが日課になっていた。

「気持ちよさそうですね…もっと気持ちよくなった顔を見せてください…」

耳朶を甘噛みされ、低く響く声で囁かれると、それだけで感じてしまう。さらに冷たい指先で胸の先端を擦ったり抓ったりするからたまらない。

一方のセイは、少しだけ肌が上気しているものの、冷静な表情を崩していない。しかし下履きの中はすでに硬く立ち上がっており、少なからず興奮していることを伝えてくれた。

眼鏡の奥で目を細めながら、セイは満足げに口の端を上げる。

ぐずぐずになった割れ目を一定速度で撫でられ、秘芽を指で刺激される。不意に乳首をと秘芽を同時に摘ままれ、電気が走ったような快感が走った。

「ああっ、あっ…」

ぴんっと足を引き攣らせて絶頂する。開発され尽くしたこのからだは、挿入されなくても容易にイケるように躾けられてしまった。わたしの痴態を見て満足したのか、ゆっくりとセイは明かりを落とした。

枕元のランプだけがオレンジ色に灯る。

額に、頬に、首筋に、胸元に。いくつものキスが与えられた。指を2本、3本とナカに入れられて、感じる部分を何度も刺激される。あまりの快感に目を閉じようとすると、それを妨げるように胸の先端をかりりと噛まれた。条件反射で目を開けると、セイはぎらぎらした目で私を見つめた。

「目は、閉じないでください。いま、あなたが誰に抱かれているか、誰の手で乱れているのかを、きちんと見ていてください。」

そう言うと、セイは自身の昂ぶりをゆっくりわたしの中に埋め込んだ。



「んああっ…、あんっ…んんっ…」

規則正しい律動が続く。中を突かれるたびに、あられもない嬌声が漏れる。考えることを放棄したわたしは、されるがまま、与えられる行為に溺れていた。

この別邸に来てからは、性的行為以外はほとんど何もしていない。引きこもりで体力が落ちたせいか疲れやすくなり、ほとんど部屋から出なくなった。ひたすらセイの帰りを待ち、力尽きるまで抱きつぶされる。その繰り返し。




『主人公は、自身を愛してくれる人と結婚して、幸せに暮らしました。』

多くの物語は、そうやって終わる。それを当たり前のように思っていたけれど。




…これが、セイとアナスタシアが望んだ『幸せな結末』なんだろうか? 
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