上 下
20 / 60
根暗編

9話

しおりを挟む
レオナルド御一行はネーラに追いついた、そしてネーラとレオナルドはお互い黙ったまま睨み合う、そして後から来たアレクサンドとミサキに視線を向けるネーラの顔に怒りが宿る
「またか!また俺を煽りに来たのか!?」
「何が?」
「あいつもこいつも自分が充実しているとでも?それをわざと見せつけているのか無神経にやっているのか、むかつく!!!」
ネーラは更なる被害妄想を重ねて怒りを増幅させる
(この男...私を見た瞬間、勃起したわ、きもっ)
ミサキはネーラを生理的嫌悪感で見つめる、それを察したネーラは股間からシミを現れた
「おい!お前!」
「なんだ!?」
「いい女を連れてるじゃねぇか!俺が勝ったらその女を貰うぜ」
「はぁ!?」
ネーラのいきなりの提案に困惑する三人もちろんミサキは絶叫しながら拒絶した、ネーラは拒絶するミサキを見て更に勃起した、イヤな気持ちであるが男の本能、性癖ではイヤではなかったのだ
「おいお前ぇ!俺とタイマンはれやぁ!」
「何?!いきなり!」
「俺がこの男とタイマンして勝負に勝ったらその女は俺が貰う!」
「はぁ!?」
ミサキが開いた口が塞がらない、アレクサンドは話の展開についていけず困惑をしている
「いい女じぇかぁ!俺この女と共に出来なかった青春を取り戻ぉぉすぅぅぅ!!!」
「絶対にイヤァァァァ!!!」
ミサキの絶叫を合図にレオナルドとネーラが戦闘を開始する、ネーラの茶色の魔弾がレオナルドに向かって放出される
「避けんじぇぁねぇ!!!」
ネーラは怒った、レオナルドのアグレッシブな動きで華麗に茶色い魔弾を避けていく、そして物凄い速さでネーラに近づき
「クサッ!」
と言いながら、顔面に思い切りパンチを繰り出す、ネーラは部様に吹き飛んだケツから茶色い汚物を撒き散らしながら建物の壁にぶつかる
「この問題児が自分の不幸と汚物を撒き散らしてんじゃねぇよ」
「貴様に何が分かる!俺の病気が!俺の不幸が!社会はクソだ!誰も優しくない、多くの一般人が理解と同情を示してくれればこんなこんな思いしなくてすんだんだ」
「はいはい、君はよく頑張ったよ」
「バカにしやがって、心の底から思ってないくせによくそんな嘘をつける」
ネーラは幼少期の頃からあまりにも被害体験がありすぎてありとあらゆるポシティブ思考が嘘に見える、ネーラが追い求めるのは純粋な乙女の優しさなのだ
「俺をこんな思いにさせた世界と一般人はクソァ!」
「クソ野郎はお前だ、二度と人前に出られないような顔にしてやる」
(クソクソクソ!俺はあの魔術師に力を与えて貰ったはずなのに!)
レオナルドが拳を上げて振ろうとした時
「待ってぇ!」
背中から女性の声がしてきた、振り向くそこには見覚えのある顔だった
「君は?」
「私はマリー、この男は私を応援してるファンなの」
「ファン?」
いきなりのマリーの登場にレオナルドは殴るのをやめた
しおりを挟む

処理中です...