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冒険編

5話

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そして、ミサキは旅立つ準備をする、そして旅立つ前にあの家族が一家で御礼をしにきた
「あなたはあの時の」
あの臭かった男の奥さんが食料と資金をくれた
「ありがとうね」
街を出ると大きな声でミサキを呼ぶ声がした、その声には聞き覚えがあった
「レオナルド!」
「水臭いぞミサキ!伝説の僧侶を探す旅を一人で出るんなて」
「そうね、正義感でじっとしていられなかった」
ミサキはレオナルドが一人で来たことに驚いた
「アレクサンドはどうした?」
「あいつはまだ療養中だ」
「そう」
そしてミサキはレオナルドを仲間にして冒険をするようになった、ミサキは伝説の僧侶についてレオナルドに話した、レオナルドは伝説の僧侶について興味深くミサキの話を聞き
「どんな病気も治す魔術師、だから僧侶と言われている」
「なんか闇深そうな奴だな」
「なんで?どんな病気も治すんだろ?だったら悪い奴が薬と病気を使って自作自演で金儲けする連中に狙われるってことだろ」
「あーありえるかも」
二人は途切れることのない会話をやって時間と道を進む
「ちょっと待って...ここからなんか雲息が怪しい」
「ああ、何故ここだけどんよりとした空気が流れている」
「空気が重い...」
正義感が強い二人はほっとけなかった、草木を切り裂きながら最奥部に行くと、凄く大きな広場についた
「なんか邪悪な魔力を感じるぞ」
「ああ」
縛られた遺体にはいろんな装飾や儀式で使った蝋燭や紋章などある、レオナルドはゆっくりと近づき触ってみると背後から恐ろしい視線を感じた、そして直感で背後からの攻撃を躱して武器を取り出す
「貴様ぁ!陵辱するだけでは飽き足らず何が目的ダァ!」
「なんだ?コイツ、幽霊か?」
「分からない!ただ言える事は恐ろしい女って事ね」
レオナルドとミサキはその女から発する凄まじい憎悪に怯んだ
「貴様は誰の差し金でここに来た!私にはもう何も無い!それなのにまだここに奪い、何を望む!」
「落ち着けって言っても無理そうね」
「私の娘を返せェェェ!!!」
その怒号に合図に湾曲した剣、あれは曲剣で二人に襲いかかる、その振り下ろした曲剣は大地をも切り裂く、容赦無く無慈悲に切り裂く曲剣は二人かがりでも必死に凌ぐ程だった、そしてミサキの胸元に一太刀の斬撃が皮膚を抉る
「ミサキ!」
ミサキは酷く負傷した手で血を止める、トドメを刺そうと憎悪に満ちた女は強靭な一振りをおろす、そしてレオナルドはミサキの前に割って入って強靭な一振りを防ぐ
「レオナルド!」
「後は俺に任せろ!」
ミサキはレオナルド庇っている間に距離を取り、傷の手当てをする、憎悪の女はミサキに向かって攻撃しようとしつこく狙うがレオナルドが阻止する、憎悪の女は瞬間移動を繰り返しレオナルドを困惑させながら隙を突いて斬撃を繰り出すが見切る、そしてレオナルドの回転回し蹴りで憎悪の女の頬に蹴り飛ばし左手に持っていた曲剣が何処かに飛んだ
「落ち着け!こんな憎しみを抱き続けても問題解決にならないぞ!」
「黙れぇ!信じぬぞ!偽善者!そうやって何もかも奪ってきたんだぁ!」
(やはり無力するしかな)
レオナルドがニヤッと笑い力を込めた、容赦無く憎悪の女の顔面に跳び膝蹴りを打ち込んだ、そして身体を回転させながら転倒して右手に持っていた曲剣も手放した
「ミサキ!俺はコイツに止め刺す、これ以上憎悪を撒き散らさないために殺める」
憎悪の女をヘッドロックして拘束首を折ろうと力を入れる、そしてぎこちない音がなって憎悪の女は息絶えた、レオナルドは横に並べてそのまま見下ろす
「これでこの地域も呪いで霧が晴れただろう」
「レオナルド、これを見て!」
「これは?手紙?後書きか?」

ああ愛しのルイラ、どうしてあなたは神に見放されたのでしょうか、私の娘が一体何を犯したというのか、何度もいろんな薬やお祓いを試してみたが容体は良くならない、一体誰が呪いをかけている、私は人間不信で優しくしてくれる医師や善意で接してくれる者に当たってしまった、全てを失った私は呪うことで全てを浄化しようとした、みんな私と同じ思いをすればいい

「この女は自分の娘を病気で亡くしたんだ」
「だからと言って不幸を撒き散らし言い訳がない」

レオナルドとミサキは黙祷を捧げてこの場所を去った
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