異世界侍(A different world samurai )

エピソード9

8話

3人は頬張るように食事をする
「上手い！上手いぞぉぉ！翔太ぁ！」
「俺の名を呼ばなくていいぃぃ！あっつっ！はふぅ」
「美味しいわ」
肉を齧ると口の中が一瞬で美味しさに包まれた、噛みやすく柔らかい、出汁が野菜に染み込んで旨さがすごい
(ああ、達也にも食べさせてあげたかったな、裕也にも)
腹を満たした3人は冒険者と別れ、再び村に戻る、そしてルータス村長の豪邸の前に立つ、大きな門を翔太とゼオがこじ開ける、大きな風水が綺麗に流れる、そして大きな館に足を踏み込む、番犬が鎖繋がれて吠えている、近づくと一瞬で腕を噛みちぎりそうだ、護衛らしき村人達がこちらにやって来た、3人は身構えて迫り来る村人達をなんとか蹴散らして前に進む、暗い長い廊下を進むと、大きな広場に着いた、それは大きな石がある、禍々しく光る石だ、翔太はその光る石に見覚えがあった、そうだ、あれはルータス村長が達也に飲み込ませた石だ
「村人がおかしくなった理由って」
「あの石だ、村長がアルカディアに唆されて村人達に埋め込んだんだ」
「そうだ、御名答だ」
背後から、ルータス村長の声がした
「この石は世界を救う秘宝だ」
「世界を救う秘宝だ！？自分の都合のいい奴隷を作る負の副産物だろうが」
(あの石、アルカディアが錬金術で作った魔石、あれを副作用を応用すれば)
レーナが考える
「まあいい、お前を倒し、矮小な野望をここで砕く」
ルータス村長は筋骨隆々な肉体で3人を威圧する、先に仕掛けたのはルータスだった、ルータスの剛腕の空を切るが物凄い風圧だ、3人はその風圧で身体が浮いた、そして標準はレーナに向ける、瞬時に反応して氷のバリアを貼るが剛腕の力では氷は砕かられた
「え！？」
レーナの腹に思い切りフックを喰らわした
「かはぁ！」
「レーナ！」
レーナは思い切り吹き飛んだ、吹き飛んだレーナをゼオは受け止める
「おおっと！」
ゼオは安全な場所にレーナを横にする、ルータスの重く早い剛腕が翔太を襲う
「うおぉぉぉぉ！！！」
「ふん！はぁ！ふん！」
翔太はその剛腕を激しく凌ぐ、翔太は胸元にある暗器を取り出し、ルータスの動きを遅らせるために撒菱代わりに暗器をばら撒く、撒菱代わりの暗器が一つルータスの足の裏を捉えた、そのコンマ寸秒、翔太の素早い袈裟斬りが一閃する、だが袈裟斬りはルータスを切り裂く事はなかった、なんと真剣白羽取りで翔太の袈裟斬りを受け止めた
「ちぃ！」
翔太は素早く距離をとる、ゼオが背後から発勁を打とうと急接近する、渾身の発勁を打つがルータスの手にひらで受け止められてしまう
「なんだと！？」
そのままゼオの拳を掴み投げ飛ばす
「うぉ！」
そのまま受け身とり態勢を立て直す、巨体には似合わない素早いタックルにゼオは吹き飛ぶ
「むう！」
翔太はその隙をついて刀を突き刺すが見事に受け止められてしまう、物凄い前蹴りが翔太の腹に直撃する
「ぐほっ！」
さっき食べたダッチオープンを吐きそうだ、翔太は今には吐きそうなものを堪えようと我慢してるが、そんな暇はない、ルータスの容赦ない第二波の攻撃がやってくる、翔太は皮一枚でギリギリ躱す
「クソが！さっき食ったばかりだぞ！身体に栄養はまだ吸ってない！」
翔太はキレた、ルータスの目では捉えられない素早い斬撃を胸に切り裂く
「！？」
そして上からゼオの踵落とし決まる
「セイヤァ！」
「ぐぉぉぉぉ！」
そして、翔太の放つ牙突がルータスの腹を貫く、次に横に切り裂く
「チェリアァァ！」
大量の血飛沫が舞う、ルータスはお腹を押さえながら立っている
「ぐぉぉぉぉぉ！！！」
物凄い咆哮あげながらルータスの身体が変化する、肩から触手が生え脊髄が伸びた、それは怪物のような見た目だ、素早い触手が翔太とゼオに襲いかかる、2人はなんとかギリギリ躱しゼオは呼吸を整えて発勁の態勢をとる、足を踏み込み渾身の発勁を繰り出す、その発勁はルータスの胸にあたりに当たるが伸縮する脊髄によって上体を逸らし威力を下げる、ルータスの強烈な右の蹴りがゼオを襲う、が、強烈な蹴りはゼオの手の平で受け止める、なんかがおかしい、なんと手の平から流血している、ルータスが履いている靴裏から暗器が飛び出していた、手のひらが貫通していた、ゼオは素早く距離を取った瞬間、翔太が斬りにかかるが伸縮する脊髄で上手く上半身が躱し斬撃が当たらない、触手が腕を掴み思い切り翔太を投げ飛ばす、受け身取りながら刀を構える、ルータスは悍ましいヘドロを吐き出しを翔太とゼオに浴びせそうと飛ばしてくる、2人は本能的に危険だと感じて全力で避ける、その吐き出した悍ましいヘドロは地面を溶かす
「あの汚い唾、一撃必殺じゃないか」
「さあ、どうやって毒息を掻い潜る」
ルータスは縦横無尽にヘドロを撒き散らす、ゼオは横になってるレーナを担ぎ上げ更に安全な場所へ避難させた、翔太は全力で撒き散らすヘドロを躱しながら脊髄を両断する機会を狙ってる、ルータスは上から氷の矢が降り注ぐ、氷の矢は頭部にあたりコンマ数秒、動きが止まる、翔太とゼオはその隙を逃さない、素早い居合で翔太は脊髄を切り裂き、ゼオは前足蹴りで頭部を蹴り刺す、そしてルータスは倒れた
「レーナ、目が覚めていたのか」
「あなた達がいつまで立っても終わらないから、隙を作るチャンスを伺ってたわ」
レーナは大きな光る魔石を見つめる
「この魔の鉱石が村人狂わせたのね」
「この石を壊せば達也は救われるのか...」
「待って、この石を錬金術をしてみたい」
「何を言ってるんだ、お前は」
「なんとなくだけど、壊すだけではおかしくなった村人や達也を救う事はできないわ」
「お前がそういうなら、ゼオ、この石を隠れ家に持って行こう」
3人は巨大な禍々しい光る鉱石を持ち運ぶ、レーナはその鉱石をかけらを、秘境エルドラルドで手に入れた幸運の水をその鉱石に垂らした
「レーナ、それは大事な水じゃないのか？」
「わからないわ、でも、私の直感がいうの」
幸運の水をかけた鉱石は禍々しさが消えた、するとその鉱石は美しく輝き出し始めた
「ねぇ、これを達也に飲み込ませようよ」
「おい、正気かよ！？」
翔太はレーナから輝かしい鉱石、魔石を受け取り、一か八かで達也の胸に輝く鉱石を置く、すると鉱石が達也の胸に入り、身体が発光する、達也は呻き声をあげて何かを嘔吐しようと悶絶する、そして達也は飲み込まれた禍々しい鉱石を吐き出した
「はぁはぁ、気分が悪い...」
「達也、大丈夫か？」
翔太が背中を撫でる
「俺は、あいつに何かを飲み込まされてそして、いつのまにか気を失って...」
「心配すんな、事は終わった」
「そうか、まあ一件落着ならそれでいい」
「ねぇ、禍々しい鉱石を秘境エルドラルドに持ち運ばない？」
「何をする気だ！？しかしその水、どこで手に入れたんだ」
「翔太、レーナはエリーゼの心を救うために錬金素材を集めてるんだ」
「秘境エルドラルドには幸運の水があってね、そこで資料を調べて自分なりに解釈してどんな傷も癒すハーブティーを錬金術で作ろうとね」
難しい話は分からないが、とりあえず、この禍々しい鉱石を魔女が守ってる湖に投げ落とす、そして、その鉱石は輝きを取り戻し村人達に与えればい救う事ができるだろう、そう聞くと生き残った村人が希望の光を目に宿す
「本当にその特別な水をその鉱石に混ぜれば、正気に戻るのね」
「ああ、そうみたい、達也がそうだし」
「なるほど、話の流れは察しがついた」
「まあ、達也だけ救い、村人だけほっとくのも生き残った村人から批判を受けるだろうし、あともう一踏ん張り頑張りますか～」
達也が重い腰を上げる
「お前、助けてもらって何偉そうなんだよ」
目的は決まった、巨大な禍々しい鉱石を秘境エルドラルドにある幸運の水がある湖に持って行き、どんな原理か分からないが、副作用によって魔力を帯びた鉱石の効果を消す力があるようだ、翔太と達也は持っている刀で均等に切り裂く、そして再び4人になった翔太御一行はレーナが採取したと言う、秘境エルドラルドに均等に切った禍々しい鉱石を持っていく事になった