異世界侍(A different world samurai )

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エピソード9

11話

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2人は出会う、死神の隙をついて更なる階層に行く、慎重に足を踏み入れるとサウンドトラップがなった
「何々!?」
「この床か!?」
「早く聖域を探すんだ!」
そのサウンドトラップは綺麗な音がする、2人は大きなステップで走りサウンドトラップをなるべく鳴らなさいように走る、聖域を直ぐに見つけた、安心しながら休憩すると今度は青い死神が2人の前を通る
「今度は色違いの死神か」
「上の階層と何が違うんだ?」
能力はなんなのか、どうやって検証するのかいろいろ考える、そして再び通りすぎる青い死神に石ころを投げてみる、青い死神は素早い斬撃で石ころを切り裂く、その斬撃は衝撃波を放つ、その衝撃波は岩壁を崩す、凄まじい威力に2人は度肝を抜いた
「絶対に見つかってはいけない」
「ああ」
動きも早いし、音がなる床、衝撃波を放つ技、問題は音が鳴る床だ、だが問題ない、キャロルは石ころを遠くに投げた、落ちた同時に聖域から投げた方向から反対に飛び出る、辺り全体に綺麗な音が鳴り響く、キャロルはバックバックから筒状の煙幕弾を取り出し青い死神に投げる、青い死神は煙幕を衝撃波で掻き消し音が鳴る方向に視線を向ける、見つかる前に2人は聖域に素早く飛び込んだ、途中で気づいた事あってサウンドトラップが鳴らない床と鳴るがある事に気づいた、キャロルは色が違う床に違和感を覚えた、綺麗な床に石を投げると音が鳴り、岩のような床には石を投げると落下音が鳴るだけで綺麗な音はしない、青い死神達が複数集まってきた、数分すると元の位置に戻っていく
「あの綺麗な床を拭くと鳴るみたいだ」
「できるだけ避けて通りたいね」
迷路のように入り組んでいる綺麗な床と青い死神を綺麗に躱しながら2人は進む
「待てっ!」
「どうした?!」
キャロルが武道家を止める、キャロルはバックバックに入ってる鉤縄を取り出し、思い切り投げ飛ばす、かぎ爪は深く突き刺さり、紐をくくりつけてジップラインを作る
「まさか、正気か!?」
「ああ、そのまさかだ」
キャロルは助走をつけて、落ちたら命のない深淵の闇の上を渡る
(大丈夫だ、怖くない...怖くない...)
そう思いつつ下をチラ見すると、恐怖心によって手首に動揺が行き紐から手を滑らしそうになった、武道家は思わず声を出して心配すると青い死神にバレるから手を無理矢理押さえた
(キャロル殿、大丈夫だろうか?俺も...俺も...渡るのか?無理無理こんなん)
武道家は深淵の穴の上をジップラインで渡り切る事に怖気ついている、そんなキャロルを見て見惚れている
(あと少し...あとちょっと)
キャロルは見事に渡り切った、幸いな事に青い死神にバレる事になかった
(次はお前の番だ、覚悟を決めろ)
武道家怖くて動けない
(どうした?何をしている、恐怖を乗り越える事でしか行けない事だってある)
武道家は中々覚悟を決められない、時間だけが過ぎていくと青い死神のランプが持っている光が見えた、武道家はそれに気付いて、ジップラインを無我夢中で渡る、キャロルは注意をそらすために、弓矢を構えて、青い死神が気づかないよう矢を撃つ、武道家が下を見つける、恐怖によって身体が凍って動けなくなった
(何をしておる!さっきまで進んでたじゃないか!)
ジップラインの糸が緩くなり、そして切れる
「うわぁぁぁぁぁ!!!!」
「!!??」
キャロルは思わず声を出しそうになった、だが武道家は大きな声を上げながらなんとか持ち堪える、キャロルは下を見ると武道家は地道に登り続けている
(下を見るな!下を見るな)
そう思いつつ下を見てしまうのが人の業
「ひぃ!」
深淵の暗闇の穴と高所恐怖症の併合によって更なる恐怖がました
「はぁはぁはぁ」
武道家の心拍数が跳ね上がる、さっきの絶叫で青い死神が武道家の正体に気付く、キャロルはそれを察して武道家を守るように矢を撃つ
「早く登れ!」
青い死神が武道家に目掛けて浮遊する、そして振るう鎌は衝撃波を放つ、その瞬間に矢を撃ち衝撃波の射線をずらし武道家を守る
「くぅぅぅ」
衝撃波の凄まじい風が武道家を激しく揺らす
「早く登れ!」
(あと少し!)
そう思った瞬間に糸が切れそうなになる、だがキャロルは視野が広く、用意周到でバックバックから取り出した紐を地面に置いてあった、岩に紐を括り付け武道家に垂れ流す
「これに掴まれ!」
武道家はもう一つの紐に飛び移る、青い死神が浮遊しながら武道家に近寄ってくる
(矢は後、9本、あいつを守れるのか)
極限の集中力で矢を構える、青い死神が鎌を振るう瞬間に矢を射出する
(あと4本、早く登れやぁ!)
そして、矢が残り2本になると武道家が登り切る、凄い汗の量だ
「はぁはぁはぁ」
「おい!休んでる場合じゃない!聖域まで走り切るぞ!」
「はぁいぃ」
息切れを堪えながら青い死神からの追跡を逃れる、途中から三つの通路に分かれている場所に辿り着く、そして、煙幕を張ってどこ通路に逃げたか撹乱するためだ、聖域はないが岩壁の隙間で2人は休憩する、青い死神が異常な速度で浮遊しながら捜索している、奴がどこに去って行くと、2人は通路を進み始める、まるで迷路のような通路に次の階層を行く階段が中々見つけられずにいた、青い死神を躱しながらなんとか通路を見つける
「次はどんな仕掛けが、どんな死神が待ち構えている...」
「うぅ...」
「どうした?」
「俺はここの神殿の試練をクリアできるのだろうか...」
「お前は危険ながらもあの高さのジップラインを乗り越えた、俺もそうだが、俺たちならクリア出来る、どんな事があっても弱腰になるな」
「あぁ、すまん」
キャロルは励ましながらも叱責もした、更なる階層に足を進める2人、すると何か不気味な呻き声がする
「次はなんだ?どんな死神が待ち受けている」
あそこに聖域がある、2人はそこで様子見ながら休憩する、ここの階層にはどんな罠があるのか、あの不気味な鳴き声、呻き声、死神以外何かいるのか、この聖域にいる限り見つからない、だがもう少し検証したいことがある、それは聖域の中から音を鳴らしてバレないのか、聞こえないのか、それを検証してみたい
「なあ、この聖域の中から拍手したり、あぁぁあぁぁぁと喋って欲しい、聖域の外から音が聴こえるか確かめたい」
「あぁ」
「よし、出るから喋ってくれ」
「あぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ」
そして、拍手をして音をだす、キャロルは死神がいないうちに聖域の外に出る
「聴こえない」
聖域に入ると
「聴こえる、なるほど」
「どうだった?」
「あぁ、ここの聖域にいると外から見えない聴こえない、勿論、お前の姿も見えない、完全にこの聖域の性能理解した」
キャロルはバックバックから爆竹を取り出した、それを聖域の前に投げる
「確かめたい事がもう一つある、さっき不気味な呻き声なんのか、どんな生き物なのかこの目で見たい」
「なるほど」
大きな爆音は聖域の中から聴こえる、数秒すると地面が揺れる振動がした、するとトカゲのような怪物が2人がいる聖域に前に通り過ぎた、ヨダレを垂れ流しながら獲物を見つけるように這いずり回る、トカゲはキャロルが投げた爆竹を餌だとおもい飲み込む、それは青い死神より素早く動き回る、見つかった瞬間、丸呑みは確定だろう、ここの階層は狭く迷宮みたいに入り組んでる、もし出会ってしまったらゲームオーバーだ、キャロルと武道家はじっくり戦略を練るのであった
「何かいい案ないか?」
キャロルが武道家に聞いてみる、武道家は考え込むが中々案がでない、そして地面が揺れ始め再びトカゲが這いずり通る
「なあ、あのトカゲは死神と違って知能が低そうだ、だったら、罠にハメて倒す事は出来るんじゃないか?」
武道家が案を出す
「では、どうやってハメる?」
キャロルが聞いてみる
「バックに入ってる爆竹は後いくつあるんだ?」
「すぅぅ、後、7個ぐらいか」
「そんななに持ってるんだ、ここに来る前は何個ぐらい持って来たんだ?」
「うーん、30個ぐらいかな」
「多いな」
「エスタン王国の優秀な職人のお陰さ」
「何個か3~4つ貸してくれないか?」
「何をするつもりだ?」
「まあ見てて」
武道家が慎重になりながら聖域を出る、迷わないように印をつけながら前に進む
「ここの岩壁に隙間がある、そして崖...よし」
武道家は糸で爆竹に結ぶ、そして崖から吊るすと素早く岩壁の隙間に入り込んだ、パチパチと煙を出しながら音を出す爆竹、すると段々と地面が揺れ始めた
(き!!来た!落ち着けっ!落ち着け、上手くいくから!)
近づくたびに振動が大きくなる、不気味な鳴き声を発しながら爆竹の鳴る方へ這いずり回るトカゲは見事に崖に釣りされてあった罠に引っかかり落ちていった
「案外、単純にかかるもんなんだな」
武道家はそのまま印をつけた通りに歩いて行きキャロルのいる聖域に戻るのであった
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