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<水無瀬葉月>

2☆

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「葉月……」

 腰を引っ張られ膝立ちにさせられた。足に力が入らないのに、半ば抱えられるように下半身だけを上げさせられる。捲れ上がったウサギのパーカーがシーツの上でパサリと音を立てた。
 たった二本の指に翻弄されて、僕のからだらだらと精液が溢れ始める。
 ますます強く感じる場所を掻き回され濡れた恥ずかしい音が耳を打つ。

「ん――――――!!」

 駄目、駄目、気持ち良い、意識が、白く、きもちい、何か、くる、

 足が釣りそうなぐらい筋肉が張り詰める。
 腰が無意識に下がって何かわからないソレから逃げようとしてしまう。
 でも、ソレが来ないと気持ち良いのが終わらないのも判って、逃げ出したいのに逃げられない。
 とにかく早く終わりたい。
 長引けば長引くほど辛くなる。
 なぜかそう思った。

 なのに。

 ちゅぷん、と音を立てて指が引き抜かれた。

「ひい……」

 体をひっくり返されて仰向けにベッドの上に寝転がる。
 中、中がじんじんする。後ちょっとだったのに、指、欲しい――――。

「――――!! ひゃう……!?」

 僕のが硬い何かに引っ掛かれ、押しつぶされた。
 ただでさえ中がじんじんするのに、前まで甘く痺れて女の子みたいな甲高い悲鳴を揚げてしまう。

「――――――!!!」

 押し付けられていたのは、遼平さんの性器だった。
 遼平さんの、それは、熱くて、大きくて、太くて、反り返ってて、僕のお腹まで届きそうな位に長かった。

「結構入るな」

 入る!? ひょっとして、それが僕に入るの!?
 セックスって、そういう意味だったの!?

「ひっ……こあ、い……!」

 僕の体のどの辺りまで入るのか確認してから楽しそうに言われ、その長さに体が竦む。こんな深くまで入れられたら体が壊れてしまう。

「優しくする」

 唇が合わさり軽く吸われる。ちゅっと音がするだけの、意地悪が嘘みたいな優しいキスをされて、優しくしてくれるんなら、いい。そう思ってしまった。
 僕の体が壊れても、遼平さんが満足してくれるならそれだけで嬉しい。

 後ろに先端が押し当てられる。
 サイズが全然違う。
 体格差があるから当然だけど、そもそも入り口さえ通れそうにないぐらいに太かった。

 太腿をつかまれ腰を上げさせられ、
「楽にしてろ」

 そう囁かれた。

 僕が頷いたのを確認してから、ぐ、と、腰が押し付けられた。
「ぐぅ……う……う……」
 先端の、張り出して太くなってる部分が中々入ってくれない。
「はぁ、はぁ、いらい、やら」
 でも、ぐじゅぐじゅになった中に早く刺激が欲しくて、入り口がビクビクする。

「エロイ顔してるな」

 遼平さんの体が僕の方に傾く。
「ゃああ――――――!?」
 串刺しにされるみたいに、遼平さんの体重でズブズブとそれが僕の中に入って来た。

 ――――!!?

 どうして、キモチイイ!? 入り口は痛いのに、ドロドロに溶けた中が擦れて、どんどん中に入って行って、擦れて、擦れて、気持ち良いよぉ……!?

「あうぅ……は、あぁあん……あんん……」

「大丈夫か?」
 答えられない。気持ち良くて頭が蕩けて返事ができない。
 もう、深いのに。これ以上きたらこわいのに。たすけて。とめて。

 奥の奥、凄く狭くなった場所が押し開かれ、ゴリっと音がした。

「ッああああ――――!?」
「ぐ……!?」

 あまりの快感に背筋まで震えた。

「あ――――、あぐぅ……、ひぃいい……!」

 一回も触られてないのに達してしまい、遼平さんのお腹を汚す。
 パーカーで押えるのも間に合わなかった。
 絶頂の衝撃で背中に力が入って不自然に体が反る。がく、がくっと腰が震える。

「あっ、あっ、そんな、ひぃ」

 絶頂が終わらない。何度も何度も気持ちいいのが僕に襲い掛かってくる。

「へぇ?」

 精液を吐き出すそれを、遼平さんが大きな手で掴んだ。

「ひっ、ぐ――、」
 まだ収まってないそれを容赦なく扱かれて全身に鳥肌が立った。

「これも良さそうだな」
 扱きながら遼平さんが腰を揺らす。

 前を扱かれ、ゴリゴリと奥を突かれて、限界を超えた刺激に蕩けた声を上げることしかできない。
 いい。やめて。いい。中も、握られた場所も、凄く気持ち良い。気持ち良すぎて辛い。怖い。

 首筋にキスが落ちる。
 足を目一杯開かされ腰を押し付けられる。
 ただでさえ深かった先端が益々奥まで来て、背中を逸らして泣いた。

「あっ、あっ、あっ、あっ」
 遼平さんは抜かずに、奥に、もっと奥にと限界までくわえ込ませるように、何度も腰を打ち付けてきた。
 ボロボロ泣いて、遼平さんの形に押し開かれるまま耐え続ける。
 気持ち良いけど異物感がひどい。

 怖い。
 壊れる。

 苦しくて力が抜けない。
 遼平さんの形が中ではっきりとわかってしまう。それぐらいにきつく絡み付いていた内壁から、一気に性器が引き抜かれた。

「ひゃうう!?」

 あ、
 だめ、
 今の、良すぎて、意識。が。

 長いソレにお腹の奥から入り口まで擦られ余りの快楽に体が痙攣する。
 かくん、と、失神しそうになった寸前、ズンって奥まで突っ込まれ一気に覚醒させられた。

「あぁああ!?」
「まだ寝るな。これからだろ?」
「いや……! いまの、だめ……!」

 どうにか声を絞り出したのに、遼平さんはまた一気に引き抜いて奥まで叩きつけてきた。何度も繰り返され、叩き付けられるたびに甲高く裏返った悲鳴が漏れる。
「う、ゃう、ゃあ、あっ、あっ!」

 溶ける、溶ける、頭が、中が。
 また、また、出してしまう。

「ゃあああ――――――……!!」

 体が硬直し痙攣して二回目の絶頂を迎える。
 中がぎゅうぎゅうに締まりますます中の存在を感じて苦しい。

「葉月……」
 遼平さんの動きが早くなる。

「ひゃぁああ!? ま、まって、まだ、でてる、でて、ひぃ、ひい、、あっ、あっ、あっ、あっ」

 これまで以上に中を擦られ、ただでさえ大きかった遼平さんのが大きくなって、お腹の奥をごりごり抉られる。

「ひぃ、ひぃ……くるし…ぃ……!」

 遼平さんの動きがまた早くなった。
 死ぬ、死ぬ、死ぬ、溶けちゃう、擦らないで!

 中を一杯に押し広げていた大きな性器が中で跳ねた。

「――っ!!? あああああ――――!」

 低く呻いた遼平さんが、お腹の奥の奥、これ以上ないって場所まで捩じり込むみたいに埋め、熱いのを吐き出した。
 中で、脈打ちながら、一杯、出されて、

「あついい……! やあああ……!」

 お腹が、お腹の中が、熱くて、くるしい、やける、こわい、ふかい……!

 僕も真っ白になって、痙攣してのたうちながら三度目の絶頂を迎えた。



 そして――――完全に意識を失った。



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