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ヒロインが来ない???
元気っ子イエロー、見た目12歳ロリ『黄見きぃ』ちゃん登場!!
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「こんなの別人にもほどがあるだろ! なんでヒロインまで中身が変わってんだよ!」
「ま、まさかほかのヒロイン達も別人になってるんじゃ……!?」
「あー、悪役ウザホモ君だー」
「え」
『悪役ウザホモ』とは、ゲームの公式サイトのオレ(白神 白)の紹介文だ。今考えると結構ひどい。
「黄見きぃちゃん……」
オレを呼んだのは黄色の瞳の女子だった。
身長が150センチしか無いオレより5センチ以上低い。腰まで伸ばした黄色の髪がとても奇麗だ。金髪じゃなく、純粋な黄色。ビタミンカラーというべきなのかな? 同じ色の煌めく瞳が見てるだけで元気をくれる。
「ひょっとしてヒロインちゃんたちを虐めにきたの? ひどい事しちゃダメだよ。きぃ、悲しくなっちゃう……」
眉根を下げ、小首を傾げて悲しげに笑う。
その仕草はゲームのきぃちゃんと同じものだった。
「よかった、きぃちゃんはきぃちゃんだったんだな!」
あろうことか、速人君がきぃちゃんに抱き着いていきそうになった。
「ダメだ! それをやっちゃうと、悪役ルートまっしぐらだってば!!」
止めるのが間に合わない!
青ざめるオレの前できぃちゃんが動いた。
「おらぁ!!」
地を震わすような勇ましい怒声を上げ、抱き着いた速人君を抱え上げる。そのまま後ろに身を逸らし、小柄な体から繰り出されたとは思えない見事なバックドロップを決めた。頭頂から床に叩きつけられた速人君が動かなくなる。
「いきなり抱き着くなんて良い度胸してんなぁ。チンポ潰されてぇのかぁ?」
今度は背中に跨り足をそれぞれ小脇に挟んで見事な逆エビ固めを繰り出す。
「ぎゃー、ギブギブギブ、ロープロープ!」
速人君が死に物狂いで床を叩く。
「あ、貴方様にはどのような前世が……」
巻き込まれたら殺される。オレはあっさりと速人君を見捨て、廊下の遠くから恐る恐る切り出した。
「ダイナマイト井関(いせき)って聞いたことある? こう見えても女子プロレスラーだったんだよ。チャンピオンベルトを持ってたこともあるんだぜ」
「こう見えてって……目の前に居るのは小柄で華奢な女の子ですけど……そろそろ速人君を許してやってください」
きぃちゃんことダイナマイト井関さんは動かなくなった速人君から降りると、オレの肩に片手を回した。
「あたしはガチレズだし、男と付き合うつもりはないから、ハルチカ君には出ぇさないから安心しときな。あんたが彼氏になればいいよ」
「ガチレ……!?」
「おうよ。この容姿で安心させてタチる気満々のお嬢様をネコにしてやるのが楽しいんだよ」
「タチる? ネコ?」
どういう意味?
「てめええ余計な知識を白に入れんな! つかマジかよおお、きぃちゃんまでゴリラ女になっちまうなんて」
「じゃあなー」
嘆く速人君を他所に、ダイナマイト井関さんはひらひらと手とスカートを揺らしつつ去っていく。
「こんなのってアリか……? 俺が愛してた可愛いヒロイン達のイメージが崩れていく……」
「ミドリちゃんと葵ちゃんが残ってるけど、行ってみる?」
「後にすんぞ! あの二人まで男嫌いとかプロレスラーだったら心がもたねえわ!」
嘆く速人君に、体が浮き上がるんじゃないかってぐらいの勢いで腕を引っ張られ、男子校舎の自分の教室へと戻ってきたのだった。
「あれ? ハルチカ君は?」
ハルチカ君の姿はどこにもなかった。
近くの席の生徒に聞いても知らないと答えるばかり。
「食堂に行ったのかな?」
「弁当持ってたから違うと思うけど……」
斜め前の席の大川君が鯛の西京焼きを箸で掴んだまま教えてくれる。
弁当持ってた?
ってことは上に行ったのかな?
どうでもいい話になるけど、ここの生徒たちってお金持ちが多いせいか、お弁当も仕出し屋で買ったのばっかりだ。
オレとしては焦げた卵焼きとか、ミートボール、タコサンウインナーが美味しいと思うのに……。
なんて思っちゃうオレのごはんはパン一個だ。
昼の食事代、200円までだし。
この学校には食堂もあるけどやたらと高くて、平均2500円だから食堂にも行けない。素うどん800円だからね。普通にびっくりしたよ。
すっかり心が折れて机に突っ伏してる速人君を他所に、一人で6階に上がる。
何も考えずにドアを開いた次の瞬間、目の前に広がった光景に時間が止まった。
保険のセクシー先生が机に座り、椅子に座るハルチカ君に腕を伸ばしていたんだ!!!!!
胸のボタンが開いてるからブラまで見えてるぞ!!!!!!!
ナマブラ!!!!!!生まれて初めて見た!!!!
しまった、イベントの真っ最中だったのか!
ドアを開いたと同時にドアを閉める。
――――あれ? でも、保険の先生って攻略対象だったっけ?
ハーレムエンドって『桃崎モモ』『黄見きぃ』『緑川みどり』『蒼井葵』の四人だけじゃなかったのかな?
ま、いっか。ハルチカ君のハーレム要因は一人でも多い方がいい。
邪魔して悪かったな。
さっさと踵を返して教室から逃げる、と。
ドアが開いた音と同時に腕を引っ張られた。
「ま、まさかほかのヒロイン達も別人になってるんじゃ……!?」
「あー、悪役ウザホモ君だー」
「え」
『悪役ウザホモ』とは、ゲームの公式サイトのオレ(白神 白)の紹介文だ。今考えると結構ひどい。
「黄見きぃちゃん……」
オレを呼んだのは黄色の瞳の女子だった。
身長が150センチしか無いオレより5センチ以上低い。腰まで伸ばした黄色の髪がとても奇麗だ。金髪じゃなく、純粋な黄色。ビタミンカラーというべきなのかな? 同じ色の煌めく瞳が見てるだけで元気をくれる。
「ひょっとしてヒロインちゃんたちを虐めにきたの? ひどい事しちゃダメだよ。きぃ、悲しくなっちゃう……」
眉根を下げ、小首を傾げて悲しげに笑う。
その仕草はゲームのきぃちゃんと同じものだった。
「よかった、きぃちゃんはきぃちゃんだったんだな!」
あろうことか、速人君がきぃちゃんに抱き着いていきそうになった。
「ダメだ! それをやっちゃうと、悪役ルートまっしぐらだってば!!」
止めるのが間に合わない!
青ざめるオレの前できぃちゃんが動いた。
「おらぁ!!」
地を震わすような勇ましい怒声を上げ、抱き着いた速人君を抱え上げる。そのまま後ろに身を逸らし、小柄な体から繰り出されたとは思えない見事なバックドロップを決めた。頭頂から床に叩きつけられた速人君が動かなくなる。
「いきなり抱き着くなんて良い度胸してんなぁ。チンポ潰されてぇのかぁ?」
今度は背中に跨り足をそれぞれ小脇に挟んで見事な逆エビ固めを繰り出す。
「ぎゃー、ギブギブギブ、ロープロープ!」
速人君が死に物狂いで床を叩く。
「あ、貴方様にはどのような前世が……」
巻き込まれたら殺される。オレはあっさりと速人君を見捨て、廊下の遠くから恐る恐る切り出した。
「ダイナマイト井関(いせき)って聞いたことある? こう見えても女子プロレスラーだったんだよ。チャンピオンベルトを持ってたこともあるんだぜ」
「こう見えてって……目の前に居るのは小柄で華奢な女の子ですけど……そろそろ速人君を許してやってください」
きぃちゃんことダイナマイト井関さんは動かなくなった速人君から降りると、オレの肩に片手を回した。
「あたしはガチレズだし、男と付き合うつもりはないから、ハルチカ君には出ぇさないから安心しときな。あんたが彼氏になればいいよ」
「ガチレ……!?」
「おうよ。この容姿で安心させてタチる気満々のお嬢様をネコにしてやるのが楽しいんだよ」
「タチる? ネコ?」
どういう意味?
「てめええ余計な知識を白に入れんな! つかマジかよおお、きぃちゃんまでゴリラ女になっちまうなんて」
「じゃあなー」
嘆く速人君を他所に、ダイナマイト井関さんはひらひらと手とスカートを揺らしつつ去っていく。
「こんなのってアリか……? 俺が愛してた可愛いヒロイン達のイメージが崩れていく……」
「ミドリちゃんと葵ちゃんが残ってるけど、行ってみる?」
「後にすんぞ! あの二人まで男嫌いとかプロレスラーだったら心がもたねえわ!」
嘆く速人君に、体が浮き上がるんじゃないかってぐらいの勢いで腕を引っ張られ、男子校舎の自分の教室へと戻ってきたのだった。
「あれ? ハルチカ君は?」
ハルチカ君の姿はどこにもなかった。
近くの席の生徒に聞いても知らないと答えるばかり。
「食堂に行ったのかな?」
「弁当持ってたから違うと思うけど……」
斜め前の席の大川君が鯛の西京焼きを箸で掴んだまま教えてくれる。
弁当持ってた?
ってことは上に行ったのかな?
どうでもいい話になるけど、ここの生徒たちってお金持ちが多いせいか、お弁当も仕出し屋で買ったのばっかりだ。
オレとしては焦げた卵焼きとか、ミートボール、タコサンウインナーが美味しいと思うのに……。
なんて思っちゃうオレのごはんはパン一個だ。
昼の食事代、200円までだし。
この学校には食堂もあるけどやたらと高くて、平均2500円だから食堂にも行けない。素うどん800円だからね。普通にびっくりしたよ。
すっかり心が折れて机に突っ伏してる速人君を他所に、一人で6階に上がる。
何も考えずにドアを開いた次の瞬間、目の前に広がった光景に時間が止まった。
保険のセクシー先生が机に座り、椅子に座るハルチカ君に腕を伸ばしていたんだ!!!!!
胸のボタンが開いてるからブラまで見えてるぞ!!!!!!!
ナマブラ!!!!!!生まれて初めて見た!!!!
しまった、イベントの真っ最中だったのか!
ドアを開いたと同時にドアを閉める。
――――あれ? でも、保険の先生って攻略対象だったっけ?
ハーレムエンドって『桃崎モモ』『黄見きぃ』『緑川みどり』『蒼井葵』の四人だけじゃなかったのかな?
ま、いっか。ハルチカ君のハーレム要因は一人でも多い方がいい。
邪魔して悪かったな。
さっさと踵を返して教室から逃げる、と。
ドアが開いた音と同時に腕を引っ張られた。
応援ありがとうございます!
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殴られるときの音がパクリってなってる
こちらもう更新されないのでしょうか(T_T)続きがとても気になったので残念ですが、、
これからどうなっていくのか楽しみです!