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ヒロインが来ない???
淫乱ピンク、パンチラ巨乳ヒロイン『桃崎モモ』ちゃん、登場!
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☆☆☆
「オレ、決意しました!」
ハルチカ君がトイレに立った隙に、前の席の速人君にそう宣言する。
「んが」
「オレが持つゲームの知識をフル活用して、ハーレムエンドにしてあげようと思います!」
やる気のない返事にも負けずに拳を振り上げた。
このゲームにはいくつものエンドがある。
そのうちの一つに、全員を恋人にしちゃうハーレムエンドがあるのだ!
「えーあいつに四人も独り占めさせんのぉ。もったいねえ~」
「もったいなくない。それぐらいの幸せがあっていいんだ。だから速人君も協力してよ」
「協力ぐらいしてやるけどよぉ。ハーレムエンドって難しいぜ? お前クリアできたことあんのか?」
「うん! 一回しかプレイしてないんだけど、そのエンドがハーレムエンドだった」
「マジか。すげえな」
「誰か一人を特別扱いするのが嫌で全員回ってたらハーレムエンドになっただけだけどね」
初めてのプレイでハーレムエンドにできたんだから、二回目のプレイでできないはずない――――ん、だけど。
「おかしい。ほんとおかしい。誰も来ない」
とうとうお昼休みまで葵ちゃんもモモちゃんも現れなかった。
居ても立ってもいられなくなり、お昼休みにパンを買いに行くついでに、女子の校舎へと潜入することにした。
もちろん一人で行くのは怖いので速人君にも付いてきて貰う。
確か、モモちゃんのクラスは1年A組だったはず……。
「おー、やっぱ女子の校舎は匂いから違うな」
「大声で変なこと言うのやめろよ。ただでさえ注目されてんだから」
廊下を歩いているだけなのに、おとなしそうなお嬢様達に遠巻きにひそひそされてる。
女子高に潜入してしまったかのような罪悪感にオレの足は自然と早歩きになった。
「――あ、居た!」
教室に行くまでも無く途中で見つけてしまった。
ピンクの長い髪をなびかせたモモちゃんの後姿を…………って、アレ? な、なびかせて無いぞ。
ぴっちりとまとめられた髪が後ろで小さなお団子になってる。
といっても、高校生の女の子がする可愛い感じのお団子じゃなく、年を取った人がするお団子といいますか、簡単に説明するならサザエさんのフネさんのような髪型だ。
「も、モモちゃんだよね、アレ?」
「ちちち違うだろ、だってスカートも長すぎるしよ。パンチラ担当おっぱいモモちゃんがあんなはずねーって」
速人君まで動揺している。
言われてみれば、スカートの丈が膝ぐらいまである。
でも、ピンク色の髪に染める人なんか居ないだろう。
この人がモモちゃんだとしか思えない。
「も、桃崎モモさん……?」
恐る恐る呼びかける。分厚い眼鏡をした女の子が振り返った。
ま、間違いなくモモちゃんだ!
でも全然感じが違うぞ! 巨乳だけどサイズが一つ上の制服を購入したのか、だぼだぼで太ってるみたいに見えるし、前髪まで全部後ろにまとめちゃってる! そもそも原作のももちゃんは眼鏡なんかしてなかったし……!!!
「何か?」
冷たい声にぴしゃりと撃たれる。
「あ、あの、今朝、包帯をした男子生徒とぶつかりそうになりませんでしたか?」
「なってないわ」
あっさりと否定された。
「ヤタガラス ハルチカという名前に聞き覚えはございませんか……?」
「ないわ。ワタシ、男に興味ないの」
指先で押し上げた眼鏡がキラリと光り、モモちゃんの瞳を隠してしまう。
「男なんて汗臭いわクソは垂れるわ、そばに寄りたくも無い。それ以上近寄らないで」
突然の暴言に頭の中が真っ白になった。
「女だって便所ぐらい行くだろ! つか何なんだよお前! 淫乱モモちゃんはどうなっちまったんだ」
オレより早く再起動した速人君が怒鳴る。
「淫乱モモ? あぁ。あなた達も前世の記憶があるのね。なら、教えてあげるわ。私の前世の名前は田中悦子。38歳の銀行員だったの」
「さ、38!? ババアじゃねぇか!」
「支店長への昇進が決定したと同時に、出世をねたんだ同期の男に夜道で刺されて殺されたわ。今回の人生では誰よりも出世して男どもを蹴落として見せる。そういう事情だから男が大嫌いなの。二度と話しかけないで頂戴」
「じゃあハルチカはどうすんだよ!」
速人君が一歩詰め寄ると、モモちゃんこと悦子さんは左右の眉毛がくっついちゃうんじゃないかってぐらいに強く眉間に皺を寄せた。
「寄らないで。臭い」
「く、臭くねーよ!」
それ以上話を続けるつもりも無くなったみたいで、踵を返して廊下を去って行ってしまった。
「臭く…………無いよな?」
速人君が恐る恐る口を開く。
「うん。大丈夫だよ」
「すっげー傷ついた……俺、普通に泣きそう……」
震える両手で顔を覆って肩を震わせる。
「平然と人を殴った速人君を一言で凹ませるなんて……。言葉の暴力って怖い……!!!」
「オレ、決意しました!」
ハルチカ君がトイレに立った隙に、前の席の速人君にそう宣言する。
「んが」
「オレが持つゲームの知識をフル活用して、ハーレムエンドにしてあげようと思います!」
やる気のない返事にも負けずに拳を振り上げた。
このゲームにはいくつものエンドがある。
そのうちの一つに、全員を恋人にしちゃうハーレムエンドがあるのだ!
「えーあいつに四人も独り占めさせんのぉ。もったいねえ~」
「もったいなくない。それぐらいの幸せがあっていいんだ。だから速人君も協力してよ」
「協力ぐらいしてやるけどよぉ。ハーレムエンドって難しいぜ? お前クリアできたことあんのか?」
「うん! 一回しかプレイしてないんだけど、そのエンドがハーレムエンドだった」
「マジか。すげえな」
「誰か一人を特別扱いするのが嫌で全員回ってたらハーレムエンドになっただけだけどね」
初めてのプレイでハーレムエンドにできたんだから、二回目のプレイでできないはずない――――ん、だけど。
「おかしい。ほんとおかしい。誰も来ない」
とうとうお昼休みまで葵ちゃんもモモちゃんも現れなかった。
居ても立ってもいられなくなり、お昼休みにパンを買いに行くついでに、女子の校舎へと潜入することにした。
もちろん一人で行くのは怖いので速人君にも付いてきて貰う。
確か、モモちゃんのクラスは1年A組だったはず……。
「おー、やっぱ女子の校舎は匂いから違うな」
「大声で変なこと言うのやめろよ。ただでさえ注目されてんだから」
廊下を歩いているだけなのに、おとなしそうなお嬢様達に遠巻きにひそひそされてる。
女子高に潜入してしまったかのような罪悪感にオレの足は自然と早歩きになった。
「――あ、居た!」
教室に行くまでも無く途中で見つけてしまった。
ピンクの長い髪をなびかせたモモちゃんの後姿を…………って、アレ? な、なびかせて無いぞ。
ぴっちりとまとめられた髪が後ろで小さなお団子になってる。
といっても、高校生の女の子がする可愛い感じのお団子じゃなく、年を取った人がするお団子といいますか、簡単に説明するならサザエさんのフネさんのような髪型だ。
「も、モモちゃんだよね、アレ?」
「ちちち違うだろ、だってスカートも長すぎるしよ。パンチラ担当おっぱいモモちゃんがあんなはずねーって」
速人君まで動揺している。
言われてみれば、スカートの丈が膝ぐらいまである。
でも、ピンク色の髪に染める人なんか居ないだろう。
この人がモモちゃんだとしか思えない。
「も、桃崎モモさん……?」
恐る恐る呼びかける。分厚い眼鏡をした女の子が振り返った。
ま、間違いなくモモちゃんだ!
でも全然感じが違うぞ! 巨乳だけどサイズが一つ上の制服を購入したのか、だぼだぼで太ってるみたいに見えるし、前髪まで全部後ろにまとめちゃってる! そもそも原作のももちゃんは眼鏡なんかしてなかったし……!!!
「何か?」
冷たい声にぴしゃりと撃たれる。
「あ、あの、今朝、包帯をした男子生徒とぶつかりそうになりませんでしたか?」
「なってないわ」
あっさりと否定された。
「ヤタガラス ハルチカという名前に聞き覚えはございませんか……?」
「ないわ。ワタシ、男に興味ないの」
指先で押し上げた眼鏡がキラリと光り、モモちゃんの瞳を隠してしまう。
「男なんて汗臭いわクソは垂れるわ、そばに寄りたくも無い。それ以上近寄らないで」
突然の暴言に頭の中が真っ白になった。
「女だって便所ぐらい行くだろ! つか何なんだよお前! 淫乱モモちゃんはどうなっちまったんだ」
オレより早く再起動した速人君が怒鳴る。
「淫乱モモ? あぁ。あなた達も前世の記憶があるのね。なら、教えてあげるわ。私の前世の名前は田中悦子。38歳の銀行員だったの」
「さ、38!? ババアじゃねぇか!」
「支店長への昇進が決定したと同時に、出世をねたんだ同期の男に夜道で刺されて殺されたわ。今回の人生では誰よりも出世して男どもを蹴落として見せる。そういう事情だから男が大嫌いなの。二度と話しかけないで頂戴」
「じゃあハルチカはどうすんだよ!」
速人君が一歩詰め寄ると、モモちゃんこと悦子さんは左右の眉毛がくっついちゃうんじゃないかってぐらいに強く眉間に皺を寄せた。
「寄らないで。臭い」
「く、臭くねーよ!」
それ以上話を続けるつもりも無くなったみたいで、踵を返して廊下を去って行ってしまった。
「臭く…………無いよな?」
速人君が恐る恐る口を開く。
「うん。大丈夫だよ」
「すっげー傷ついた……俺、普通に泣きそう……」
震える両手で顔を覆って肩を震わせる。
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