余命一週間を言い渡された伯爵令嬢の最期~貴方は最期まで私を愛してはくれませんでした~

流雲青人

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1巻

1-1

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   始まりの日


 全身に走る激しい痛み。
 今まで感じたことがないほどの激痛に、私は膝から崩れ落ちた。
 そんな私に気づいて、顔を真っ青にした侍女が駆け寄ってきた。

「ステラ様っ⁉」

 その声はひどく震えていて、あぁ、また迷惑をかけてしまった……と思った。
 今朝、起きた時に感じた体の痛みと、違和感。
 いつもなら薬を服用すると次第に落ち着くのに、今日に限っては治まらなかった。嫌な予感を覚えた私は、すぐに検査を受けることにした。


 検査が終わり、主治医の先生は険しい顔つきで検査結果に目を通す。
 けれど、その表情は一気に悲しみに溢れたものへと変わった。

「ステラ様。今回の検査なのですが、あまり良く……いえ。かなり悪い結果が出てしまいました。ですので、その……」

 心の準備はいいか。先生はそう尋ねたいのだと悟り、私は頷いた。
 先生は私の反応を見て、こらえるように診断結果が記載された用紙をぐっと握りしめた。

「病気が急激に進行している状態です。今朝の痛みもそれが原因でしょう」

 そして続けられた言葉は……あまりにも衝撃的なものだった。

「ステラ様。貴方の命はもってあと一週間でしょう。……どうか残りの人生を悔いのないようにお過ごしください」

 先生の言葉に私は、呆然とし、一気に頭の中が真っ白になった。
 でも……分かっていたことではあった。
 近い未来、私を待っているのは死であるということは。想像していたよりもはるかに、その時が訪れるのが早かっただけ。
 そう思えば、余命一週間という宣告を受け入れられそうだ。
 そして、私は決めたのだ。
 もうためらっている時間はないのだと。
 残り少ない時間を、無駄にしてはいけない。
 心残りがないように生きよう……と。


   ◇□◇


 外見、性格、才能、地位、富。
 三拍子どころか四拍子も五拍子もそろった少女の名は、ステラという。
 外見――光沢のある手入れの行き届いたミルクティーベージュの髪。星のような黄色の瞳が映える、雪のように透き通った肌。そして、誰もが見入る美しく整った顔立ち。性格――柔軟な思考と、分け隔てなく他人に接する優しい心。



 多くの人が彼女に惹かれ、両親も聞き分けのいい利口な子だとステラを褒めた。
 才能――勉強、運動、楽器となんでもそつなくこなし、学園には首席で入学を果たした。
 地位――リリーエント伯爵家の長女として生を受け、その家名に恥じない淑女に成長した。公爵家の子息と婚約しており、将来は周囲に憧れられる貴婦人になるだろう。
 富――食事にも衣服にも不自由なく毎日を生きている。
 誰もがステラを『完璧』だと称えた。すべてを兼ね備えた素晴らしい存在だと口をそろえて言った。
 しかしステラには、家族以外は知らない、知られてはいけない大きな秘密があった。
 それはステラが難病を患っている、ということだ。


   ◇□◇


 伯爵邸に戻ると五つ下で十一歳になる弟、ルイがステラの部屋を訪れた。そして、ステラの顔を覗きこんだ。

「姉様、いつもより顔色が悪いよ。体調が悪いんじゃない?」

 その表情には不安と心配の色が浮かんでいる。そんなルイの心情を察し、ステラは言葉を紡いでいく。

「心配してくれてありがとうございます、ルイ。けれど私は平――」
「嘘だっ! だって姉様、明らかに元気ないじゃないか! 最近、食事もろくに取っていないことぐらい知ってる!」

 ルイの瞳に涙がにじむ。
 確かにここのところ、ステラの食事量は極端に減っていた。そして、それを隠すように自分の部屋で過ごすことも多くなっていた。
 ステラがこの病と診断されたのは、十二歳の時。
 原因は不明。
 診断を下した主治医は、この病は治療が難しいと言った。
 だから彼は幼かったステラとその両親に丁寧に、しかしはっきり説明した。ステラが長くは生きられないこと、専門医ならば治療できるがそれには莫大な費用がかかること、そして彼自身にできるのは、数年延命することだけであるというこくな現実を……
 両親は医師の話を聞き、延命治療を受けるようにステラに言った。
 なにせ、その時にはステラと公爵家の子息の婚約は決まっていたのだ。二人の結婚によって、伯爵家に大きな利益がもたらされることになっていた。
 両親は、ここで絶対にステラを失うわけにはいかなかった。さらに、彼らはステラに病のことを口外しないよう固く命じた。もし長く生きられないと知られてしまえば、病弱な女など価値はないと、婚約を解消されてしまうかもしれない。ステラの命よりも家の利益を優先する両親に、ステラは逆らうことができなかった。
 そうしてステラはすぐに延命のための治療を受けることになった。少しでも進行を遅らせるため、伯爵家を離れて治療を受ける日々を過ごし、結婚適齢期となった十五歳の秋、ようやく屋敷に帰ってこられた。それが数カ月前のことだ。
 ステラは読みかけの本を閉じると、ゆっくり腰を上げる。
 そして扉の前に佇むルイのもとへ向かうと、腰を折って目線を合わせ、ニコリと微笑んだ。

「……うん、嘘。本当はかなり体調が悪いんです」
「なのに五日後のパーティーに出席するつもりなの? しかもあの男と?」
「まだ分かりませんけどね。彼、断ると思いますし」

 あの男。
 怒りを含んだ、棘のある声でルイが口にしたそれが、ステラの婚約者である公爵家の嫡男、クラウスのことを指しているのは明白だった。
 ルイの言葉にステラが答えると、ルイは声を荒らげた。

「姉様、あの男のどこがそんなにいいの⁉ あいつはあの平民の女性ばかり気にして、婚約者である姉様のことはいつも放ったらかし。まったく大切にしてくれないじゃないか。どっちが本当の婚約者なのか分からない!」
「……確かに、本当に困った人ですよ」
「だったら……!」
「でも……大切な人なんです。私にとって彼はね」

 クラウスとは、幼い頃に両親に連れられていったパーティーで出会った。
 両親から「紹介したい人がいる」と言われ、向かった先にいたのがクラウスだった。
 その時のことを、ステラは今でも鮮明に覚えている。
 たどたどしい挨拶あいさつをするクラウス。
 ほんのりと頬を染めて、目が合う度に恥ずかしそうに視線を逸らす姿は本当に愛らしかった。
 初めてもらった誕生日プレゼントの指輪は、治療中も手放すことなく、大切に保管していた。
 本当はサイズを直して、結婚指輪をもらうその日まで身につけているつもりだった。
 しかし、治療から戻ってきて、三年ぶりにクラウスに会った時、クラウスに『彼女が誤解するからあの指輪はするな』と強く言われ、ステラは従うしかなかった。
 ステラに与えられた指輪と酷似した指輪を身につける彼女――クラウスの愛する平民の少女、ヒナの姿を見た時は、胸が張り裂けそうだった。
 ステラはクラウスを大切に思っていた。恋愛感情はないけれど、婚約者である彼の存在を支えに、つらい治療を耐えてきたのだ。彼に他に愛する人がいたとしても、大事に思う気持ちに変わりはない。
 同時に、自分にはもうクラウスの隣に並ぶ資格がないと思っていた。
 たとえ自分ではなくても、ステラはクラウスが幸せであればなんでも良かった。
 だから、ステラは何度も身を引こうと思った。
 だが、できなかった。
 許されなかったのだ。
 ステラの両親は笑って『気にすることはない』と口をそろえて言った。
 しかし、伯爵家のために、命を、体を、すべてを捧げろと両親の視線は語っており、自分は所詮しょせん操り人形……駒でしかないのだとステラは察した。
 病のことは家族以外には打ち明けてはいけない、とことあるごとに念を押されていた。
 伯爵家に絶大な利をもたらす、公爵家嫡男との婚約だ。公爵家との縁を望む両親は、ステラの病が公になるのをなんとしてでも避けようとし、ルイの名前を出してステラを脅した。
 クラウスもまた、婚約を一方的に破棄することはできなかった。クラウスの両親がステラを大変気に入っており、申し出たとしても拒否されるのが目に見えていた。幼い頃とは打って変わって不仲になった二人の婚約は、こうして今も続いていた。



「はぁ……相手がアレクシア殿下なら僕も心から応援できたのに」

 ボソリとルイが呟いた言葉に、ステラは首を傾げる。

「ルイ。今、なにか言いましたか?」
「ううん! なんでもないよ⁉ そ、それよりももしかしてどこかに出かけるところだった? 馬車の手配を姉様がしているって聞いたけれど」

 ルイは慌てて話題を変える。
 ステラは不審がることなく、返答する。

「ええ。私、今からクラウスのところへ行ってきますね」
「今度のパーティーのお誘いにでも行くの?」
「正しくは違うお誘い……ですかね」

 ステラの言葉にルイは不思議そうに目を瞬かせた。
 しかし、なんとなくだが嫌な予感を覚えた。ずっと姉の背中を見て生きてきたからこそ、感じ取ってしまった。
 ステラから醸し出される、まるで今にも消えてしまいそうな……もろくて危うい雰囲気に。

「姉様っ!」
「どうかしましたか?」
「あ、えっと……。その、今日の夜は星がとても綺麗に見えるんだって! 良かったら一緒に見ない?」

 本当は今日星が綺麗に見えるかなんて知らない。つまり、咄嗟とっさに出た嘘だった。
 勤勉で真面目。それでいて誠実なルイだが、ステラの前では特にその傾向が強かった。だから嘘なんてステラに一度もついたことがなかった。それほどルイは焦っていたのだ。
 敬愛する姉が、なにか約束をして繋ぎ止めておかないと消えてしまいそうだったから――

「分かりました。では、今日の夜、一緒に星を見ましょうか」
「う、うん! 約束ね」
「はい。約束です」

 二人はそう言うと指切りをした。


   ◇□◇


 ステラは馬車に乗り、クラウスのもとへおもむいた。こうして公爵邸に足を運ぶのは、三ヶ月ぶりのことだった。
 そのため、公爵夫妻はステラの訪問を大いに喜びつつも、「いつでも来ていいと言っているのに」と寂しさをにじませて言った。
 公爵夫妻は知らないのだ。
 ステラとクラウスの間にあるのはただの【婚約者】という肩書だけで、まったく愛はないということを。
 そして、クラウスがヒナという平民の少女を愛しているということを。
 公爵夫妻の中では、ステラとクラウスは仲睦まじかった昔のままの姿が描かれている。



 ステラはクラウスの従者であるアルスの案内のもと、公爵家のわた廊下ろうかを歩いていく。
 このわた廊下ろうかの先に、別邸があるのだ。

「アルスは別邸に入ったことはありますか?」
「はい。ただ、クラウス様が勉強に集中したいからと立ち入りを禁じられているので、お呼びがあった時だけです。……それがどうかされましたか?」
「いえ、ただなんとなく気になってしまって」

 別邸は、クラウスが両親に「勉強に集中したい」と頼みこんで建ててもらったと聞いた。
 しかし、クラウスは別邸で勉強に勤しんでいるわけではない。
 そこで恋人のヒナと密会しているのである。
 婚約者がいるにもかかわらず、別の女性と会っているなんて知られたら大問題。だからクラウスは別邸への立ち入りを禁じているのだ。

「クラウス様。ステラ様をお連れしました」
「……ステラの立ち入りを許可する」

 別邸の茶色の扉の奥から聞こえてきた声は、不機嫌そのものだった。とても来訪した婚約者に向けるものではない。
 感づいたアルスは、表情を少し強ばらせた。一方ステラは、笑みを崩すことはなかった。

「アルス。案内、ありがとうございました」

 アルスをねぎらったステラは、一人で別邸の中へと進んだ。



 別邸の中は、甘い香りが充満していた。
 香かなにかだろうか。やけに甘ったるい香りは、気分が悪くなりそうなほどに強烈なものだった。
 出迎えたクラウスは歩き出す。ステラは追いていかれないようにと後を追う。
 そして客間の前でクラウスは足を止めると、不機嫌な声と表情で言った。

「手短に済ませろ。お前に割く時間なんてないからな」

 部屋に入ると、そこにはすでに先客がいた。
 クラウスはその先客――ヒナの隣に腰を下ろす。
 二人は不満げな表情でステラを見つめてきた。
 二人の時間を邪魔するなと言わんばかりに。
 一方のステラはこの光景に覚えがあった。
 ――前に一度来た時と同じ状況ですね。
 ステラは前に一度この別邸を訪れたことがあった。
 それは療養から戻ってきたばかり、約一年前のことだ。
 どうしてもクラウスと話がしたくて、誤解を解きたくて、ステラは必死な思いで別邸を訪れた。
 けれど、そこでステラを待っていたのは残酷な現実だった。
 クラウスの心には、もうステラはいなかったのだ。
 別邸を建てた本当の理由は、密会をするためだと知らされた。
 そして「俺達の時間を邪魔するな」と追い返されてしまった。
 だからだろう。釘を刺したにもかかわらず現れたステラに、クラウスは怒りを露わにした。

「……俺とヒナの時間を邪魔するなと言っただろう。なぜ来た?」
「お話があって参りました」
「はぁ? 話ぃ? クラウス、こいつの話なんて聞かなくていいですよぉ。私との時間のほうが大切でしょう?」

 丸い瞳をうるうると揺らして、ヒナは上目遣いでクラウスを見た。
 小動物のような小柄な体。
 可愛らしい顔立ち。
 ソプラノの甘い声。
 肩口までの内巻きの金髪とルビーのような赤い瞳。
 微笑む姿はまるで太陽のように眩しくて、ステラとはなにもかもが正反対の少女である。
 まるでステラに見せつけるかのようにクラウスの腕に抱きつき、擦り寄るヒナ。
 そしてそんなヒナの頬に手を添え、耳元でなにかをささやくクラウス。
 ステラは困ったように微笑む。
 クラウスと、少しでも昔のような関係に戻りたかった。疎まれていたため諦めていたが、一緒にしてみたいことがあった。
 だからステラは最後の悪あがきをしに来たのだ。
 ――残りの一週間くらい、悔いをなくせるよう、私の好きなようにしてもいいでしょ?

「クラウス、貴方の一週間を私にいただけませんか?」
「断る」
「そうそう! お断りよ! というかアンタ、私からクラウスを取る気なの⁉」
「取るもなにも、そもそも彼は私の婚約者ですよ」
「た、確かにそうだけど……!」

 怯むヒナ。これ以上口を挟むことはなさそうなのでステラは続ける。
 断られるのは想定内だ。
 だからステラは切り札を用意してきた。

「もしこの願いを聞き入れてくださるのなら……一週間後、お父様にクラウスとの婚約を解消してもらえるようお話ししようと思います」

 ステラの言葉にクラウスとヒナは目を見開いた。


 あまりにも分かりやすく反応を示す二人に、ステラは笑いを噛み殺した。
 ヒナは瞳を輝かせながら、クラウスに言う。

「こんなの飲むしかないよ! ね、クラウス!」

 しかし、クラウスは疑いの目をステラに向けた。

「なにが目的だ?」
「目的は最初に言った通りです。貴方の一週間が欲しいのです」
「なぜ俺の一週間が欲しい?」
「婚約を解消するのです。最後の一週間ぐらい、貴方との時間を楽しみたいと思うのはおかしなことですか?」

 ステラの言葉に、クラウスはどうしたものかと頭を悩ませた。
 公爵と夫人がステラを気に入っている以上、クラウスがどう頼みこんでも婚約は解消させてもらえない。ステラから願い出てくれるのなら、クラウスにとって願ってもないことだった。婚約解消はほぼ確実に実現できると言っても過言ではないだろう。
 一週間我慢すれば晴れて自由の身。
 そうすれば愛するヒナと堂々と恋人として過ごすことができる。

「分かった。その条件、飲もうじゃないか」
「それは良かったです。では早速ですが、明日からヒナさんとの密会は御遠慮ください」
「「は?」」

 ステラの言葉に見事に二人の声が重なった。

「ヒナと会うことがなぜ駄目なんだ⁉」
「クラウスの一週間をいただくと言いましたよね? その一週間の予定の中にクラウスがヒナさんと過ごす時間などありません」
「アンタ、いい加減に……!」

 身を乗り出すヒナをクラウスが止める。

「待て、ヒナ。一週間我慢すればいいだけの話だ。ここはステラの指示に従うぞ」
「クラウスは私と一週間会えなくていいの⁉」
「俺だって辛いさ。だが、ステラとの婚約を破棄した後のことを考えるんだ。……絶対に幸せな未来がそこにはある。だから一週間の辛抱だ。分かったか?」
「……クラウスがそう言うなら」

 優しくヒナの頭を撫でるクラウス。
 まるで永遠の別れを惜しむような彼らの姿に胸が痛くなる。クラウスの優しさを一身に受けるヒナが羨ましい。
 ――本当に永遠の別れになるのは私のほうだというのに……
 けれど、そんな感情は表に出さないようにしまいこみ、ステラは微笑みながら告げた。

「では、明日からよろしくお願いします」


   ◇□◇


 その夜、ステラはバルコニーでルイと共に美しい星空を満喫していた。

「ルイの言っていた通り、今日はとても星が綺麗ですね」
「うん! とても綺麗だね」

 まだ少し肌寒い春の季節。
 冷たい風がふわりと吹き、ステラは体を震わせた。
 そんなステラを見て、ルイは慌てて肩掛けを持ってきて、ステラの肩にそっとかけた。

「ありがとうございます、ルイ」
「まだまだ肌寒い日が続きそうだね。姉様、体調は大丈夫? 無理だけはしないでね」
「ルイは心配性ですね。私は平気ですよ」

 ステラはそう言うと、メイドが用意してくれた紅茶を口に運ぶ。
 そしてゴクリ、と少しためらい気味に飲みこんだ。
 淹れたての紅茶が冷えた体を温めてくれた。

「それで……どうだったの?」
「クラウスとの件ですか?」
「うん、なにかのお誘いに行ったんだよね」
「承諾していただけましたよ」
「え、本当に⁉ あの男が姉様の提案に素直に頷くなんて」

 ルイは目を丸くして声を上げた。
 ステラはシーと口元に指を立てる。ルイは慌てて口を塞ぐが、もう遅く、ステラはクスクスと笑った。
 それにしても、ルイの中でクラウスはとんでもない男として認識されているようだ。確かに頑固な男ではある。


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