烙印を理由に婚約破棄。その結果ステータスALL1000の魔導師になりまして

流雲青人

文字の大きさ
59 / 78
パン屋がやってきた編

57 発見!

しおりを挟む

 その後、次々に沢山のモンスターを倒していった。
 気付けば収納ボックスの中はモンスター達から手に入れたアイテムばかりになっていた。

 「いっぱい取れましたね! あの、私、役に経ちましたか?」

 「うん、 勿論だよ」

 私が頭を撫でればルカが満足気に笑う。
 ほんと、天使。癒される。

 そう思っていると

 「エデンさん! 見て下さいっ!」

 「え……?」

 ルカが突然大きな声を上げた。
 私はルカの指さす方へと視線をむける。
 するとそこにはキラキラと輝くオレンジ色の実を付けた大きな木があった。

 「この木から物凄い魔力を感じる……」

 私は一歩、また一歩とその木へと近づいていく。

 本で一度読んだことがあった。
 魔力というものは本当は自然から作り出されているのではないか……という少し難しめの本。それを読んだ時、私はまだ幼かったから本の内容のほとんどを理解する事は出来なかったけどあの本が大好きだったっけ。

 大樹に実るだけあってその木の実もとても大きかった。

 すると足元から小さな鳴き声が聞こえてきた。


 【 嬢ちゃん。ナイスタイミングじゃねぇかっ!】

 「リスさん!? どうしてここに?」

 どうやらこの小さな鳴き声はユウさんと森に入った時に会ったリスさんの鳴き声だったみたい。

 【仲間からこの木のことを聞いてな。今から教えに行こうと思っていた所だったんだ!】

 「そうだったんだ! いろいろとありがとう。リスさん」

 【いやいや。そんな礼を言うことでもないさ】

 リスさんはそう言うと、また小さく鳴いた。

 どうやらこの大樹になる木の実がユウさんの言っていた幻の食材らしい。
 私は早速鑑定眼でその木の実について調べてみた。



_______________

 名前  幻の実

 品質  SSS

 レア度  ★★★★★

 説明  ある一定の森のしか育たない実。その事から幻の実と名づけられた。
            フルーツとしてジャムに使用するがオススメ。

_______________


 あ、名前はそのまんまなんだ。


 「エデンさん! ルカ木登り得意です! 取ってきますね!」

 「ちょっとルカ!?」

 ルカは素早い動きで大樹へと登っていってしまった。
 あの子ドラゴンだったのよね? 木登りなんてした事あるの?

 と、今はそんな場合では無かった。

 私は慌てて大樹の側へと駆け寄る。
 しかしもうルカはどんどん上へと登っていく。
 後を追ったとしても間に合わないのは明確だった。

 「エデンさん! 取れましたよー!」

 心配していたのも束の間。いつの間にか木の実の所に辿り着いていたルカが木の実を片手に手を振っていた。

 「ルカー! 嬉しいのは分かるけど、起っこちないようにしてねー!」

 「分かってまーす!」

 元気な声が返ってきて私はホッと胸を撫で下ろした。
 ドラゴンだったルカは空を飛んでいたからか高い所に耐性があるようだ。
 大きな枝の上を歩きながら、木の実を次々に下へと投げるルカ。
 私はそれをキャッチしながら次々にボックスの中へと閉まっていく。

 「ルカー! あんまり取りすぎるのは自然によくないからそれくらいでいいよー!」

 「はい!! わかりまし……フミャ!?」

 ルカが元気よく返事をしたかと思った次の瞬間、ルカが足を滑らせた。
 真っ逆さに落ちてくるルカ。
 私は慌てて落下地点に入り、落ちてくるルカを何とか受け止めた。

 危機一髪、私はルカを受け止めることが出来た。

 「エデンさん!ごめんなさいっ! ごめんなさい!」

 涙目になりながら何度も謝るルカ。

 「大丈夫だよ。けど、無理はダメ。それと……ごめんね怖い思いさせちゃって」

 私はルカの頭を優しく撫でた。
 そうすればルカの瞳からは大きな涙が零れた。
 やっぱり怖かったらしい。
 まぁ、あれだけ高い所から落ちたらそりゃあ怖くなるよね。

 私は自分の胸の中で泣きじゃくるルカの背中を優しく撫でながらルカが泣き止むのを待った。
 
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界の片隅で、穏やかに笑って暮らしたい

木の葉
ファンタジー
『異世界で幸せに』を新たに加筆、修正をしました。 下界に魔力を充満させるために500年ごとに送られる転生者たち。 キャロルはマッド、リオに守られながらも一生懸命に生きていきます。 家族の温かさ、仲間の素晴らしさ、転生者としての苦悩を描いた物語。 隠された謎、迫りくる試練、そして出会う人々との交流が、異世界生活を鮮やかに彩っていきます。 一部、残酷な表現もありますのでR15にしてあります。 ハッピーエンドです。 最終話まで書きあげましたので、順次更新していきます。

婚約破棄で追放されて、幸せな日々を過ごす。……え? 私が世界に一人しか居ない水の聖女? あ、今更泣きつかれても、知りませんけど?

向原 行人
ファンタジー
第三王子が趣味で行っている冒険のパーティに所属するマッパー兼食事係の私、アニエスは突然パーティを追放されてしまった。 というのも、新しい食事係の少女をスカウトしたそうで、水魔法しか使えない私とは違い、複数の魔法が使えるのだとか。 私も、好きでもない王子から勝手に婚約者呼ばわりされていたし、追放されたのはありがたいかも。 だけど私が唯一使える水魔法が、実は「飲むと数時間の間、能力を倍増する」効果が得られる神水だったらしく、その効果を失った王子のパーティは、一気に転落していく。 戻ってきて欲しいって言われても、既にモフモフ妖狐や、新しい仲間たちと幸せな日々を過ごしてますから。 ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる

国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。 持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。 これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。

【完結】特別な力で国を守っていた〈防国姫〉の私、愚王と愚妹に王宮追放されたのでスパダリ従者と旅に出ます。一方で愚王と愚妹は破滅する模様

ともボン
ファンタジー
◎第17回ファンタジー小説大賞に応募しています。投票していただけると嬉しいです 【あらすじ】  カスケード王国には魔力水晶石と呼ばれる特殊な鉱物が国中に存在しており、その魔力水晶石に特別な魔力を流すことで〈魔素〉による疫病などを防いでいた特別な聖女がいた。  聖女の名前はアメリア・フィンドラル。  国民から〈防国姫〉と呼ばれて尊敬されていた、フィンドラル男爵家の長女としてこの世に生を受けた凛々しい女性だった。 「アメリア・フィンドラル、ちょうどいい機会だからここでお前との婚約を破棄する! いいか、これは現国王である僕ことアントン・カスケードがずっと前から決めていたことだ! だから異議は認めない!」  そんなアメリアは婚約者だった若き国王――アントン・カスケードに公衆の面前で一方的に婚約破棄されてしまう。  婚約破棄された理由は、アメリアの妹であったミーシャの策略だった。  ミーシャはアメリアと同じ〈防国姫〉になれる特別な魔力を発現させたことで、アントンを口説き落としてアメリアとの婚約を破棄させてしまう。  そしてミーシャに骨抜きにされたアントンは、アメリアに王宮からの追放処分を言い渡した。  これにはアメリアもすっかり呆れ、無駄な言い訳をせずに大人しく王宮から出て行った。  やがてアメリアは天才騎士と呼ばれていたリヒト・ジークウォルトを連れて〈放浪医師〉となることを決意する。 〈防国姫〉の任を解かれても、国民たちを守るために自分が持つ医術の知識を活かそうと考えたのだ。  一方、本物の知識と実力を持っていたアメリアを王宮から追放したことで、主核の魔力水晶石が致命的な誤作動を起こしてカスケード王国は未曽有の大災害に陥ってしまう。  普通の女性ならば「私と婚約破棄して王宮から追放した報いよ。ざまあ」と喜ぶだろう。  だが、誰よりも優しい心と気高い信念を持っていたアメリアは違った。  カスケード王国全土を襲った未曽有の大災害を鎮めるべく、すべての原因だったミーシャとアントンのいる王宮に、アメリアはリヒトを始めとして旅先で出会った弟子の少女や伝説の魔獣フェンリルと向かう。  些細な恨みよりも、〈防国姫〉と呼ばれた聖女の力で国を救うために――。

【本編完結】ただの平凡令嬢なので、姉に婚約者を取られました。

138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「誰にも出来ないような事は求めないから、せめて人並みになってくれ」  お父様にそう言われ、平凡になるためにたゆまぬ努力をしたつもりです。  賢者様が使ったとされる神級魔法を会得し、復活した魔王をかつての勇者様のように倒し、領民に慕われた名領主のように領地を治めました。  誰にも出来ないような事は、私には出来ません。私に出来るのは、誰かがやれる事を平凡に努めてきただけ。  そんな平凡な私だから、非凡な姉に婚約者を奪われてしまうのは、仕方がない事なのです。  諦めきれない私は、せめて平凡なりに仕返しをしてみようと思います。

婚約者を奪った妹と縁を切り、辺境領を継いだら勇者一行がついてきました

藤原遊
ファンタジー
婚約発表の場で、妹に婚約者を奪われた。 家族にも教会にも見放され、聖女である私・エリシアは “不要” と切り捨てられる。 その“褒賞”として押しつけられたのは―― 魔物と瘴気に覆われた、滅びかけの辺境領だった。 けれど私は、絶望しなかった。 むしろ、生まれて初めて「自由」になれたのだ。 そして、予想外の出来事が起きる。 ――かつて共に魔王を倒した“勇者一行”が、次々と押しかけてきた。 「君をひとりで行かせるわけがない」 そう言って微笑む勇者レオン。 村を守るため剣を抜く騎士。 魔導具を抱えて駆けつける天才魔法使い。 物陰から見守る斥候は、相変わらず不器用で優しい。 彼らと力を合わせ、私は土地を浄化し、村を癒し、辺境の地に息を吹き返す。 気づけば、魔物巣窟は制圧され、泉は澄み渡り、鉱山もダンジョンも豊かに開き―― いつの間にか領地は、“どの国よりも最強の地”になっていた。 もう、誰にも振り回されない。 ここが私の新しい居場所。 そして、隣には――かつての仲間たちがいる。 捨てられた聖女が、仲間と共に辺境を立て直す。 これは、そんな私の第二の人生の物語。

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

薄幸ヒロインが倍返しの指輪を手に入れました

佐崎咲
ファンタジー
義母と義妹に虐げられてきた伯爵家の長女スフィーナ。 ある日、亡くなった実母の遺品である指輪を見つけた。 それからというもの、義母にお茶をぶちまけられたら、今度は倍量のスープが義母に浴びせられる。 義妹に食事をとられると、義妹は強い空腹を感じ食べても満足できなくなる、というような倍返しが起きた。 指輪が入れられていた木箱には、実母が書いた紙きれが共に入っていた。 どうやら母は異世界から転移してきたものらしい。 異世界でも強く生きていけるようにと、女神の加護が宿った指輪を賜ったというのだ。 かくしてスフィーナは義母と義妹に意図せず倍返ししつつ、やがて母の死の真相と、父の長い間をかけた企みを知っていく。 (※黒幕については推理的な要素はありませんと小声で言っておきます)

処理中です...