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俺は三咲に図書室で会った人のこと、それがきっかけで委員長に対する気持ちを自覚したことを話した。俺が打った長い文章を三咲は黙って読み終えると、ふふっと笑った。それに俺が首を傾げるとまた笑う。
「いや、ね。やっぱりかって思って」
その言葉に俺は固まる。やっぱり、ということは俺は委員長に対して独占欲だとかそういう気持ちを前から持っていて、そしてそれは周囲に丸わかりだったということか…?焦る俺に三咲が手を振って否定する。
「あっ、違う違う!木南がわかりやすかったとかそういうのじゃなくてね、……んー、木南が委員長のこと恋愛的な意味じゃなくて好きだっていうのはもうわかってたことでしょ?」
バレていたということを否定されてホッとしつつ、三咲の言葉に頷く。
「ただ、それだけじゃなさそうだなーって俺が勝手に思ってて、それが現実になったっていう話。だって木南、委員長が来るたびちょっと安心してたじゃん」
『……いや、それバレてたってことじゃ?え、てか三咲怖っ!エスパーかよ!』
含み笑いする三咲から距離を取ってみせると、大袈裟に「ちょっと!」とリアクションしてくれたので、二人して笑う。
にしても、無意識のうちから態度に出ていたと聞いて少しひやりとする。思い返せば、俺は確かに委員長に対して安心を感じていた。そもそも初めからそうだ。委員長からはDomから感じる威圧ではなく、庇護のような安心感を感じていた。
「まあ、あとは俺が木南と委員長が付き合ったらいいのにって思ってたっていうのもある。お似合いだよねー」
『なんだそれ…』
にやにや笑う三咲に、ふっと力が抜けた。俺と委員長が付き合うことは三咲にとって別におかしなことではないらしい。
「で?木南は何を悩んでるの?」
委員長が好きになっちゃったー、ってことに悩んでるわけじゃないんでしょ?と続いた言葉に苦笑する。しっかり見抜かれている。
もうここまで来たら全部話してみよう。一人でぐるぐるしていてもしょうがない。
『俺はさ、怖いんだよ』
「怖い?」
『三咲は怖くない?Domに命令されるのが』
そうだ。俺は怖がっている。体が自分を裏切る恐怖。他人に屈服することが怖い。またSubとDomに飲まれるのがとてつもなく怖い。
そう吐露すると三咲は一瞬目を瞠った。そして少し俯く。真剣に考えてくれているのだとわかった。
「んー、そうかも。うん、俺だってたぶん怖いって思ってるのかもしれない。でも、それよりも先輩のこと好きだから」
そこで言葉を切った三咲が困ったように、はにかんだように笑う。
「自分の体が支配されて、思い通りにならないって相当怖いよ。でもそれ以上に好きが勝つよね」
そう言い切った三咲が眩しくて、痛切に羨ましい。その眩しさは俺が諦めてしまったものだから。唇を噛んで俯く。そうしないと声も出ないくせに馬鹿なことを口走ってしまいそうだった。
「木南は委員長のこと好きなんでしょ?だったらきっと大丈夫だよ」
なんて、何も知らない俺が気軽に言っていいことじゃないけどねと苦い笑みを浮かべる三咲に目尻が熱くなった。馬鹿か俺は。何が羨ましいだよ、こんなにも優しいやつに。
同時にストンと自分の中で折り合いがついた気がした。
俺がSubであること。それはもう逃れようがない事実だ。認めたくないけどそれが俺の全てで、分けようがない。Subの俺とそれ以外の俺を別に考えなくてもいいのかもしれない。俺は委員長が好き。それだけでいいんじゃないか。
顔をあげると、三咲が眉をあげて、ん?と俺を促す。それに、なんでもないと静かに首を横に振った。
「で?いつ告白するの?俺ダブルデートしたい」
カラカラとグラスの氷を鳴らしながら三咲がわくわくした顔で言う。それに思わず笑ってしまった。
『男ばっかでダブルデートかよ』
「何言ってんの。俺たち4人揃ったらイケメン×4だよ?目の保養の提供だよ」
『なんだよそれ!というか告白も何もするって決まってないし。そもそもしたところで付き合えるかもわかんないだろ』
「……ん?」
『だから、告白はするかもしんないけど、そもそも付き合えるとか決まってないし』
「あ、そう……」
三咲が何か言いたげな微妙な顔をするので、俺も首を傾げる。
「うん、まあ応援してるよ!頑張ってね!」
すぐにいつもの調子に戻った三咲に、俺も追求することはせず。あとはひたすらノロケの聞き役に徹した。
「いや、ね。やっぱりかって思って」
その言葉に俺は固まる。やっぱり、ということは俺は委員長に対して独占欲だとかそういう気持ちを前から持っていて、そしてそれは周囲に丸わかりだったということか…?焦る俺に三咲が手を振って否定する。
「あっ、違う違う!木南がわかりやすかったとかそういうのじゃなくてね、……んー、木南が委員長のこと恋愛的な意味じゃなくて好きだっていうのはもうわかってたことでしょ?」
バレていたということを否定されてホッとしつつ、三咲の言葉に頷く。
「ただ、それだけじゃなさそうだなーって俺が勝手に思ってて、それが現実になったっていう話。だって木南、委員長が来るたびちょっと安心してたじゃん」
『……いや、それバレてたってことじゃ?え、てか三咲怖っ!エスパーかよ!』
含み笑いする三咲から距離を取ってみせると、大袈裟に「ちょっと!」とリアクションしてくれたので、二人して笑う。
にしても、無意識のうちから態度に出ていたと聞いて少しひやりとする。思い返せば、俺は確かに委員長に対して安心を感じていた。そもそも初めからそうだ。委員長からはDomから感じる威圧ではなく、庇護のような安心感を感じていた。
「まあ、あとは俺が木南と委員長が付き合ったらいいのにって思ってたっていうのもある。お似合いだよねー」
『なんだそれ…』
にやにや笑う三咲に、ふっと力が抜けた。俺と委員長が付き合うことは三咲にとって別におかしなことではないらしい。
「で?木南は何を悩んでるの?」
委員長が好きになっちゃったー、ってことに悩んでるわけじゃないんでしょ?と続いた言葉に苦笑する。しっかり見抜かれている。
もうここまで来たら全部話してみよう。一人でぐるぐるしていてもしょうがない。
『俺はさ、怖いんだよ』
「怖い?」
『三咲は怖くない?Domに命令されるのが』
そうだ。俺は怖がっている。体が自分を裏切る恐怖。他人に屈服することが怖い。またSubとDomに飲まれるのがとてつもなく怖い。
そう吐露すると三咲は一瞬目を瞠った。そして少し俯く。真剣に考えてくれているのだとわかった。
「んー、そうかも。うん、俺だってたぶん怖いって思ってるのかもしれない。でも、それよりも先輩のこと好きだから」
そこで言葉を切った三咲が困ったように、はにかんだように笑う。
「自分の体が支配されて、思い通りにならないって相当怖いよ。でもそれ以上に好きが勝つよね」
そう言い切った三咲が眩しくて、痛切に羨ましい。その眩しさは俺が諦めてしまったものだから。唇を噛んで俯く。そうしないと声も出ないくせに馬鹿なことを口走ってしまいそうだった。
「木南は委員長のこと好きなんでしょ?だったらきっと大丈夫だよ」
なんて、何も知らない俺が気軽に言っていいことじゃないけどねと苦い笑みを浮かべる三咲に目尻が熱くなった。馬鹿か俺は。何が羨ましいだよ、こんなにも優しいやつに。
同時にストンと自分の中で折り合いがついた気がした。
俺がSubであること。それはもう逃れようがない事実だ。認めたくないけどそれが俺の全てで、分けようがない。Subの俺とそれ以外の俺を別に考えなくてもいいのかもしれない。俺は委員長が好き。それだけでいいんじゃないか。
顔をあげると、三咲が眉をあげて、ん?と俺を促す。それに、なんでもないと静かに首を横に振った。
「で?いつ告白するの?俺ダブルデートしたい」
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『男ばっかでダブルデートかよ』
「何言ってんの。俺たち4人揃ったらイケメン×4だよ?目の保養の提供だよ」
『なんだよそれ!というか告白も何もするって決まってないし。そもそもしたところで付き合えるかもわかんないだろ』
「……ん?」
『だから、告白はするかもしんないけど、そもそも付き合えるとか決まってないし』
「あ、そう……」
三咲が何か言いたげな微妙な顔をするので、俺も首を傾げる。
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