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どちらを向いても人が多い。その上死ぬほど暑い。でも気分はわくわくしている。
三咲の提案によりダブルデートが決行され、俺と委員長、三咲、結城先輩はテーマパークに来ていた。国内で最も有名だと言ってもいいだろうここは、夏休みも終わりの時期と重なりとても混み合っている。子供連れやカップル、女子のグループ……その中に男4人の団体は非常に目立つ。まあその視線のほとんどは委員長と結城先輩のせいだ。なにせ高身長。その上そこらじゃちょっと見ないイケメンとくれば放って置かれることはない。さっきから何回ナンパされたことか。いい加減うんざんりしてきた。
『すっげえ目立ってんだけど』
三咲に文句を言うも涼しい顔でかわされる。というかむしろ楽しんでいる。
『このイケメン俺のなんだよって言えるの最高じゃない?』とご満悦だ。さすがSub。世間的にはDomのほうが独占欲が強いと思われがちだが、実はそうでもない。SubだってDomに執着するのだ。が、今日の三咲はテンションが高すぎる。呆れた顔を作ってみせると、くふくふと笑いながら結城先輩の腕に絡みに行ったのを見て苦笑する。すると委員長の手がぽんと頭に乗った。同じように苦笑している委員長に俺は同意を示すように、くるりと目玉を一回転してみせた。まあ、楽しいし、いいんだけどな。目立ち過ぎるだけで……。
「ちょっとどっか入って冷たいモンでも食べようぜ」
結城先輩の提案で俺たちはレストランに入った。ずっとアトラクションを回っていたので、涼しい室内にほっと息をつく。
「灯李何にする?」
聞かれて、少し考えてからアイスが乗ったソーダを指さす。冷たくてすっきりしたものが飲みたい気分だ。委員長は頷くと結城先輩と一緒に注文カウンターに向かっていった。俺と三咲は席取りという名目で先に座っていることになった。つくづく出来た人たちだ。謎の目線で感心していると三咲がにやにや笑いながら肘で小突いてくる。
「灯李、だって。ふふ、いつから名前呼びなの?」
『言われると思った。ほんのこの前だよ。まだ慣れない』
どんな顔をしていいかわからず、渋い顔を作ると三咲が更ににやにや笑う。
「ふ~ん?木南も名前で呼んでんの?」
『まあ一応』
と言っても俺が名前を呼ぶことなんてほぼない。声が出ないから呼びかけたりしないし。文面でだけだ。真貴さんと呼ぶのにいまだに違和感があるというか、慣れなくて、内心ではまだ委員長と呼んでしまっている。
「そーいや、もしかしてこれ初デートだったりする?だとしたらすごい申し訳ないんだけど」
『いや初デートではないかな』
「ん?曖昧な感じだね」
『本屋さんに一緒に行ったり買い物に行ったりはした。これデート判定入る?』
「うーん、二人がデートだと思えばデートなのでデートです」
『あ、委員長の部屋には行ってる』
「それは世間ではおうちデートと呼ばれるのでデートです。……委員長の部屋ってどんなの?」
『きれいだったけど、ところどころ大ざっぱが見える。あと本がめっちゃある。あと、ソファがでかい』
「ふーん、ぅわっ!?」
三咲が何か言いかけたところで、戻ってきた結城先輩が三咲の頬に冷たいグラスを触れさせたので言葉が途切れる。それを見て笑っていると、委員長が隣に腰を下ろした。差し出してくれたグラスを受け取る。『ありがとう』と口を動かすとふっと笑ってくれた。こういうとき委員長はお金を受け取ってくれない、というのは先日学んだのでありがたく受け取っておく。三咲たちも自然にそうしているので、これはもう年上と付き合うなら当たり前のことなのだろうか。
「次なに乗る~?木南は絶叫系乗りに行く?俺も行こっかな」
『苦手なんだったらやめとけって』
「う~、乗りたいんだけどなぁ」
「無理すんな、諦めろ。藤堂と木南は絶叫系行ってきたらどうだ?後でどっかで合流したらいい」
「ん、じゃあ灯李、行くか」
ここで俺たちは一旦、二手に分かれる流れになった。三咲はジェットコースターなど絶叫系が苦手らしい。俺とは真逆だ。俺はむしろ何回でも乗れるタイプだ。
『真貴さんは絶叫系、平気なんですか?』
「無限に乗れるな。お前は?」
『大好きです』
顔を見合わせてにやっと笑う。ならば遠慮はいらない。園内イチの絶叫アトラクションに向かうため地図を広げようとすると、くいっと腕を引かれた。
「こっちだ」
どうやら委員長は場所を覚えているらしい。
『ここ、よく来るんですか?』
「いや、数回来たことがあるくらいだな。前に来たのも何年前だか」
『でも、さっきから思ってましたけど場所覚えてますよね』
「最初は地図見てたぞ?何回か見てたらだいたい頭に入った」
さっすが学園のトップ……狭い園内マップなんか敵じゃないらしい。俺は方向音痴を発揮してさっきから現在地も定まらないと言うのに。地図を睨みながら歩いていると、また腕を引かれる。違う方向に進もうとしていたらしい。苦笑した委員長がちょっと考えてから、するっと指を絡めてきた。そのまま手を繋いで歩く。男同士のそれは、当然目立って、こちらに向く視線が一気に増えた。そうっと委員長を伺うと、平然とした顔で歩いている。好奇の目は気にならないらしい。俺の視線を感じたようで、目を合わせてふっと微笑んでくれる。思わず赤面してしまって、それにも笑われる。仕返しに繋がれた手をにぎにぎしていると、ギューッと結構な力で握り返された。それに笑うと委員長も声に出して笑っている。そんなことをしていると周りの視線なんか気にならなくなった。どうやら俺は浮かれているらしい。いかにもというようなデートに、気持ちが浮ついている。でも、楽しいからいいか。
閉園まで目一杯遊んだあと、三咲と結城先輩とは別れて、俺と委員長は寮に帰る。帰り道、なんとなく名残惜しくなって、隣を歩く委員長に手を伸ばしてみた。ぱち、と一つ目を瞬いてから委員長はその手を掴んで、また指を絡めてくれる。それに嬉しくなって、隣を跳ねるように歩いた。
『また行きましょうね』
「ん。行こうな」
ふわっと心も跳ねる。また、が楽しみで仕方がなかった。
三咲の提案によりダブルデートが決行され、俺と委員長、三咲、結城先輩はテーマパークに来ていた。国内で最も有名だと言ってもいいだろうここは、夏休みも終わりの時期と重なりとても混み合っている。子供連れやカップル、女子のグループ……その中に男4人の団体は非常に目立つ。まあその視線のほとんどは委員長と結城先輩のせいだ。なにせ高身長。その上そこらじゃちょっと見ないイケメンとくれば放って置かれることはない。さっきから何回ナンパされたことか。いい加減うんざんりしてきた。
『すっげえ目立ってんだけど』
三咲に文句を言うも涼しい顔でかわされる。というかむしろ楽しんでいる。
『このイケメン俺のなんだよって言えるの最高じゃない?』とご満悦だ。さすがSub。世間的にはDomのほうが独占欲が強いと思われがちだが、実はそうでもない。SubだってDomに執着するのだ。が、今日の三咲はテンションが高すぎる。呆れた顔を作ってみせると、くふくふと笑いながら結城先輩の腕に絡みに行ったのを見て苦笑する。すると委員長の手がぽんと頭に乗った。同じように苦笑している委員長に俺は同意を示すように、くるりと目玉を一回転してみせた。まあ、楽しいし、いいんだけどな。目立ち過ぎるだけで……。
「ちょっとどっか入って冷たいモンでも食べようぜ」
結城先輩の提案で俺たちはレストランに入った。ずっとアトラクションを回っていたので、涼しい室内にほっと息をつく。
「灯李何にする?」
聞かれて、少し考えてからアイスが乗ったソーダを指さす。冷たくてすっきりしたものが飲みたい気分だ。委員長は頷くと結城先輩と一緒に注文カウンターに向かっていった。俺と三咲は席取りという名目で先に座っていることになった。つくづく出来た人たちだ。謎の目線で感心していると三咲がにやにや笑いながら肘で小突いてくる。
「灯李、だって。ふふ、いつから名前呼びなの?」
『言われると思った。ほんのこの前だよ。まだ慣れない』
どんな顔をしていいかわからず、渋い顔を作ると三咲が更ににやにや笑う。
「ふ~ん?木南も名前で呼んでんの?」
『まあ一応』
と言っても俺が名前を呼ぶことなんてほぼない。声が出ないから呼びかけたりしないし。文面でだけだ。真貴さんと呼ぶのにいまだに違和感があるというか、慣れなくて、内心ではまだ委員長と呼んでしまっている。
「そーいや、もしかしてこれ初デートだったりする?だとしたらすごい申し訳ないんだけど」
『いや初デートではないかな』
「ん?曖昧な感じだね」
『本屋さんに一緒に行ったり買い物に行ったりはした。これデート判定入る?』
「うーん、二人がデートだと思えばデートなのでデートです」
『あ、委員長の部屋には行ってる』
「それは世間ではおうちデートと呼ばれるのでデートです。……委員長の部屋ってどんなの?」
『きれいだったけど、ところどころ大ざっぱが見える。あと本がめっちゃある。あと、ソファがでかい』
「ふーん、ぅわっ!?」
三咲が何か言いかけたところで、戻ってきた結城先輩が三咲の頬に冷たいグラスを触れさせたので言葉が途切れる。それを見て笑っていると、委員長が隣に腰を下ろした。差し出してくれたグラスを受け取る。『ありがとう』と口を動かすとふっと笑ってくれた。こういうとき委員長はお金を受け取ってくれない、というのは先日学んだのでありがたく受け取っておく。三咲たちも自然にそうしているので、これはもう年上と付き合うなら当たり前のことなのだろうか。
「次なに乗る~?木南は絶叫系乗りに行く?俺も行こっかな」
『苦手なんだったらやめとけって』
「う~、乗りたいんだけどなぁ」
「無理すんな、諦めろ。藤堂と木南は絶叫系行ってきたらどうだ?後でどっかで合流したらいい」
「ん、じゃあ灯李、行くか」
ここで俺たちは一旦、二手に分かれる流れになった。三咲はジェットコースターなど絶叫系が苦手らしい。俺とは真逆だ。俺はむしろ何回でも乗れるタイプだ。
『真貴さんは絶叫系、平気なんですか?』
「無限に乗れるな。お前は?」
『大好きです』
顔を見合わせてにやっと笑う。ならば遠慮はいらない。園内イチの絶叫アトラクションに向かうため地図を広げようとすると、くいっと腕を引かれた。
「こっちだ」
どうやら委員長は場所を覚えているらしい。
『ここ、よく来るんですか?』
「いや、数回来たことがあるくらいだな。前に来たのも何年前だか」
『でも、さっきから思ってましたけど場所覚えてますよね』
「最初は地図見てたぞ?何回か見てたらだいたい頭に入った」
さっすが学園のトップ……狭い園内マップなんか敵じゃないらしい。俺は方向音痴を発揮してさっきから現在地も定まらないと言うのに。地図を睨みながら歩いていると、また腕を引かれる。違う方向に進もうとしていたらしい。苦笑した委員長がちょっと考えてから、するっと指を絡めてきた。そのまま手を繋いで歩く。男同士のそれは、当然目立って、こちらに向く視線が一気に増えた。そうっと委員長を伺うと、平然とした顔で歩いている。好奇の目は気にならないらしい。俺の視線を感じたようで、目を合わせてふっと微笑んでくれる。思わず赤面してしまって、それにも笑われる。仕返しに繋がれた手をにぎにぎしていると、ギューッと結構な力で握り返された。それに笑うと委員長も声に出して笑っている。そんなことをしていると周りの視線なんか気にならなくなった。どうやら俺は浮かれているらしい。いかにもというようなデートに、気持ちが浮ついている。でも、楽しいからいいか。
閉園まで目一杯遊んだあと、三咲と結城先輩とは別れて、俺と委員長は寮に帰る。帰り道、なんとなく名残惜しくなって、隣を歩く委員長に手を伸ばしてみた。ぱち、と一つ目を瞬いてから委員長はその手を掴んで、また指を絡めてくれる。それに嬉しくなって、隣を跳ねるように歩いた。
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