ラブミーノイジー

せんりお

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起きたらもう昼だった。デジャヴだ。
というか今日っていつだ?間違えた。今日は何曜日……?

「やばっ、学校」

もう一度慌てて時間を確認する。スマホでももう一回。表情されているのは大遅刻決定の昼過ぎの時間と月曜日の文字。

「……灯李?」

横で寝ていた先輩が気づいてもぞもぞと見動きする。まだ眠いらしく目は閉じたままだ。かわいい。じゃなくて!

「真貴さん、遅刻です!遅刻!」

「……んー?」

「真貴さん!今日は月曜日!」

「……あー、休みだ。休み。自主休校」

スマホを突きつけると、薄く目が開いた。そしてまたすぅっと閉じていく。気の抜けた声に、俺の気も抜けた。

「いいんですか、風紀委員長さん」

「1日ぐらい大丈夫だろ」

半分寝ているような声で返される。完全に起きる気がない。諦めて布団に潜り込むとぐっと抱き込まれた。

「……体は?大丈夫か?」

「まあ無事です」

「ん、ならいい」

それだけ言うと、真貴さんは再び眠りの世界に旅立っていった。意外と朝に弱い、のだろうか。あまり見たことのなかった寝顔をしげしげと見つめる。寝ていても嫌味のように整った顔だ。気持ちよさそうな寝息に、こっちの眠気まで煽られる。
昨夜は行為を終えた後、シャワーを浴びてから寝たので体はベタベタしていないし、服も来ているのでこのまま寝入っても問題はない。真貴さんに釣られて俺も二度寝をすることにした。





結局、授業を丸ごとさぼった俺たちは真貴さんの部屋でゆっくりと1日を過ごした。何となくお互い離れがたく感じた結果だ。少し身動きすれば触れ合う距離で真貴さんを感じて過ごすのは、ひどく甘く感じた。その甘さが心地良いと思ってしまっているのだから、俺も大概この人に溺れている。

夕方には自分の部屋に戻った。名残惜しさを感じなくはなかったが、三咲に会って話がしたかった。
授業を終えて帰ってきた三咲と目があった瞬間、三咲は俺めがけて飛びついてきた。

「木南ぃぃぃ!心配したんだからね!」

「うん、ごめんな」

「次の週末は俺に付き合ってもらうからね!」

「どこでも行ってやるよ」

「言ったな!…………って、え?」

ガクガクと俺を揺すぶっていた動きが止まる。ただでさえ丸い目が真ん丸だ。三咲はそのまま固まって微動だにしなくなってしまった。予想以上の反応に堪えきれずに吹き出す。
声を出して笑う俺を三咲は声もなくパクパクも口を開いた。

「え?……は?え!?木南!声!?」

「うん、戻った」

笑ってそう言った瞬間、耳を劈く絶叫が部屋に響いた。お化けでも見たかのような叫びに反射的に目を閉じる。そっと片目を開けて伺うと、驚き顔から徐々に笑顔になる三咲が見えた。

「声!木南の声!戻ってる!まじか!おめでとう?」

「ありがとう。真貴さんのおかげで戻った。それに三咲のおかけだな。いろいろありがとう」

いろいろの部分に気持ちを込めてそう言うと、三咲は思いっきり破顔した。

「木南の声、色気が凄いね!高くはないけどすっごく通る声だ!」

「今言う感想かよ……」

さっぱりした反応にやや拍子抜けしてしまう。でもそれが三咲の良いところだ。そういや会ったばかりの頃もこんなやり取りしたっけ。懐かしさを感じて、ちょっと感傷的な気持ちになった。あの時は俺がこんな良い友人を得て、更にパートナーまで得ているなんて思ってもみなかった。

「あ、ねぇ!木島には言ったの?」

「いや、まだ。三咲にも木島にも直接言って驚かせようと思ってたから」

「いつ言うの?」

「明日かなって思ってたけど」

「今行こう!あ、呼び出せばいいのか」

「なんでそんな乗り気なんだよ」

「だって驚くのみたいもん」

待ってね、俺が呼び出すからと言って木島に電話をかけ始める三咲を若干呆れた目で眺める。

「緊急事態!」と言って呼び出された木島が息を切らしてやってきたところに話しかけて、本日2度目の絶叫をされたのはその数分後だった。
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