40 / 44
39
しおりを挟む
起きたらもう昼だった。デジャヴだ。
というか今日っていつだ?間違えた。今日は何曜日……?
「やばっ、学校」
もう一度慌てて時間を確認する。スマホでももう一回。表情されているのは大遅刻決定の昼過ぎの時間と月曜日の文字。
「……灯李?」
横で寝ていた先輩が気づいてもぞもぞと見動きする。まだ眠いらしく目は閉じたままだ。かわいい。じゃなくて!
「真貴さん、遅刻です!遅刻!」
「……んー?」
「真貴さん!今日は月曜日!」
「……あー、休みだ。休み。自主休校」
スマホを突きつけると、薄く目が開いた。そしてまたすぅっと閉じていく。気の抜けた声に、俺の気も抜けた。
「いいんですか、風紀委員長さん」
「1日ぐらい大丈夫だろ」
半分寝ているような声で返される。完全に起きる気がない。諦めて布団に潜り込むとぐっと抱き込まれた。
「……体は?大丈夫か?」
「まあ無事です」
「ん、ならいい」
それだけ言うと、真貴さんは再び眠りの世界に旅立っていった。意外と朝に弱い、のだろうか。あまり見たことのなかった寝顔をしげしげと見つめる。寝ていても嫌味のように整った顔だ。気持ちよさそうな寝息に、こっちの眠気まで煽られる。
昨夜は行為を終えた後、シャワーを浴びてから寝たので体はベタベタしていないし、服も来ているのでこのまま寝入っても問題はない。真貴さんに釣られて俺も二度寝をすることにした。
結局、授業を丸ごとさぼった俺たちは真貴さんの部屋でゆっくりと1日を過ごした。何となくお互い離れがたく感じた結果だ。少し身動きすれば触れ合う距離で真貴さんを感じて過ごすのは、ひどく甘く感じた。その甘さが心地良いと思ってしまっているのだから、俺も大概この人に溺れている。
夕方には自分の部屋に戻った。名残惜しさを感じなくはなかったが、三咲に会って話がしたかった。
授業を終えて帰ってきた三咲と目があった瞬間、三咲は俺めがけて飛びついてきた。
「木南ぃぃぃ!心配したんだからね!」
「うん、ごめんな」
「次の週末は俺に付き合ってもらうからね!」
「どこでも行ってやるよ」
「言ったな!…………って、え?」
ガクガクと俺を揺すぶっていた動きが止まる。ただでさえ丸い目が真ん丸だ。三咲はそのまま固まって微動だにしなくなってしまった。予想以上の反応に堪えきれずに吹き出す。
声を出して笑う俺を三咲は声もなくパクパクも口を開いた。
「え?……は?え!?木南!声!?」
「うん、戻った」
笑ってそう言った瞬間、耳を劈く絶叫が部屋に響いた。お化けでも見たかのような叫びに反射的に目を閉じる。そっと片目を開けて伺うと、驚き顔から徐々に笑顔になる三咲が見えた。
「声!木南の声!戻ってる!まじか!おめでとう?」
「ありがとう。真貴さんのおかげで戻った。それに三咲のおかけだな。いろいろありがとう」
いろいろの部分に気持ちを込めてそう言うと、三咲は思いっきり破顔した。
「木南の声、色気が凄いね!高くはないけどすっごく通る声だ!」
「今言う感想かよ……」
さっぱりした反応にやや拍子抜けしてしまう。でもそれが三咲の良いところだ。そういや会ったばかりの頃もこんなやり取りしたっけ。懐かしさを感じて、ちょっと感傷的な気持ちになった。あの時は俺がこんな良い友人を得て、更にパートナーまで得ているなんて思ってもみなかった。
「あ、ねぇ!木島には言ったの?」
「いや、まだ。三咲にも木島にも直接言って驚かせようと思ってたから」
「いつ言うの?」
「明日かなって思ってたけど」
「今行こう!あ、呼び出せばいいのか」
「なんでそんな乗り気なんだよ」
「だって驚くのみたいもん」
待ってね、俺が呼び出すからと言って木島に電話をかけ始める三咲を若干呆れた目で眺める。
「緊急事態!」と言って呼び出された木島が息を切らしてやってきたところに話しかけて、本日2度目の絶叫をされたのはその数分後だった。
というか今日っていつだ?間違えた。今日は何曜日……?
「やばっ、学校」
もう一度慌てて時間を確認する。スマホでももう一回。表情されているのは大遅刻決定の昼過ぎの時間と月曜日の文字。
「……灯李?」
横で寝ていた先輩が気づいてもぞもぞと見動きする。まだ眠いらしく目は閉じたままだ。かわいい。じゃなくて!
「真貴さん、遅刻です!遅刻!」
「……んー?」
「真貴さん!今日は月曜日!」
「……あー、休みだ。休み。自主休校」
スマホを突きつけると、薄く目が開いた。そしてまたすぅっと閉じていく。気の抜けた声に、俺の気も抜けた。
「いいんですか、風紀委員長さん」
「1日ぐらい大丈夫だろ」
半分寝ているような声で返される。完全に起きる気がない。諦めて布団に潜り込むとぐっと抱き込まれた。
「……体は?大丈夫か?」
「まあ無事です」
「ん、ならいい」
それだけ言うと、真貴さんは再び眠りの世界に旅立っていった。意外と朝に弱い、のだろうか。あまり見たことのなかった寝顔をしげしげと見つめる。寝ていても嫌味のように整った顔だ。気持ちよさそうな寝息に、こっちの眠気まで煽られる。
昨夜は行為を終えた後、シャワーを浴びてから寝たので体はベタベタしていないし、服も来ているのでこのまま寝入っても問題はない。真貴さんに釣られて俺も二度寝をすることにした。
結局、授業を丸ごとさぼった俺たちは真貴さんの部屋でゆっくりと1日を過ごした。何となくお互い離れがたく感じた結果だ。少し身動きすれば触れ合う距離で真貴さんを感じて過ごすのは、ひどく甘く感じた。その甘さが心地良いと思ってしまっているのだから、俺も大概この人に溺れている。
夕方には自分の部屋に戻った。名残惜しさを感じなくはなかったが、三咲に会って話がしたかった。
授業を終えて帰ってきた三咲と目があった瞬間、三咲は俺めがけて飛びついてきた。
「木南ぃぃぃ!心配したんだからね!」
「うん、ごめんな」
「次の週末は俺に付き合ってもらうからね!」
「どこでも行ってやるよ」
「言ったな!…………って、え?」
ガクガクと俺を揺すぶっていた動きが止まる。ただでさえ丸い目が真ん丸だ。三咲はそのまま固まって微動だにしなくなってしまった。予想以上の反応に堪えきれずに吹き出す。
声を出して笑う俺を三咲は声もなくパクパクも口を開いた。
「え?……は?え!?木南!声!?」
「うん、戻った」
笑ってそう言った瞬間、耳を劈く絶叫が部屋に響いた。お化けでも見たかのような叫びに反射的に目を閉じる。そっと片目を開けて伺うと、驚き顔から徐々に笑顔になる三咲が見えた。
「声!木南の声!戻ってる!まじか!おめでとう?」
「ありがとう。真貴さんのおかげで戻った。それに三咲のおかけだな。いろいろありがとう」
いろいろの部分に気持ちを込めてそう言うと、三咲は思いっきり破顔した。
「木南の声、色気が凄いね!高くはないけどすっごく通る声だ!」
「今言う感想かよ……」
さっぱりした反応にやや拍子抜けしてしまう。でもそれが三咲の良いところだ。そういや会ったばかりの頃もこんなやり取りしたっけ。懐かしさを感じて、ちょっと感傷的な気持ちになった。あの時は俺がこんな良い友人を得て、更にパートナーまで得ているなんて思ってもみなかった。
「あ、ねぇ!木島には言ったの?」
「いや、まだ。三咲にも木島にも直接言って驚かせようと思ってたから」
「いつ言うの?」
「明日かなって思ってたけど」
「今行こう!あ、呼び出せばいいのか」
「なんでそんな乗り気なんだよ」
「だって驚くのみたいもん」
待ってね、俺が呼び出すからと言って木島に電話をかけ始める三咲を若干呆れた目で眺める。
「緊急事態!」と言って呼び出された木島が息を切らしてやってきたところに話しかけて、本日2度目の絶叫をされたのはその数分後だった。
34
あなたにおすすめの小説
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
待てって言われたから…
ゆあ
BL
Dom/Subユニバースの設定をお借りしてます。
//今日は久しぶりに津川とprayする日だ。久しぶりのcomandに気持ち良くなっていたのに。急に電話がかかってきた。終わるまでstayしててと言われて、30分ほど待っている間に雪人はトイレに行きたくなっていた。行かせてと言おうと思ったのだが、会社に戻るからそれまでstayと言われて…
がっつり小スカです。
投稿不定期です🙇表紙は自筆です。
華奢な上司(sub)×がっしりめな後輩(dom)
世界で一番優しいKNEELをあなたに
珈琲きの子
BL
グレアの圧力の中セーフワードも使えない状態で体を弄ばれる。初めてパートナー契約したDomから卑劣な洗礼を受け、ダイナミクス恐怖症になったSubの一希は、自分のダイナミクスを隠し、Usualとして生きていた。
Usualとして恋をして、Usualとして恋人と愛し合う。
抑制剤を服用しながらだったが、Usualである恋人の省吾と過ごす時間は何物にも代えがたいものだった。
しかし、ある日ある男から「久しぶりに会わないか」と電話がかかってくる。その男は一希の初めてのパートナーでありSubとしての喜びを教えた男だった。
※Dom/Subユニバース独自設定有り
※やんわりモブレ有り
※Usual✕Sub
※ダイナミクスの変異あり
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
【完結】君の声しか聴こえない
二久アカミ
BL
伊山理央(24)はネット配信などを主にしている音楽配信コンポーザー。
引きこもりがちな理央だが、ある日、頼まれたライブにギタリストとして出演した後、トラブルに巻き込まれ、気づけばラブホテルで男と二人で眠っていた。
一緒にいた男は人気バンドAVのボーカル安達朋也。二人はとあることからその後も交流を持ち、お互いの音楽性と人間性、そしてDom/subという第二の性で惹かれ合い、次第に距離を詰めていく……。
引きこもりコンプレックス持ちで人に接するのが苦手な天才が、自分とは全く別の光のような存在とともに自分を認めていくBLです。
※2022年6月 Kindleに移行しました。
隠れSubは大好きなDomに跪きたい
みー
BL
ある日ハイランクDomの榊千鶴に告白してきたのは、Subを怖がらせているという噂のあの子でー。
更新がずいぶん遅れてしまいました。全話加筆修正いたしましたので、また読んでいただけると嬉しいです。
愛されSubは尽くしたい
リミル
BL
【Dom/Subユニバース】
玩具メーカーの取締役開発部長Dom(37)×元子役の大学生Sub(20)
かつて天才子役として名を馳せていた天使 汐は、収録中にSub drop(サブドロップ)に陥り、生死の境をさまよう。
不安定になっていた汐を救ったのは、スーツ姿の男だった。
素性や名前も知らない。でも、優しく撫でて「いい子」だと言ってくれた記憶は残っている。
父親の紹介で、自身の欲求を満たしてくれるDomを頼るものの、誰も彼も汐をひたすらに甘やかしてくる。こんなにも尽くしたい気持ちがあるのに。
ある夜、通っているサロンで不正にCommand(コマンド)を使われ、心身ともにダメージを負った汐を助けたのは、年上の男だ。
それは偶然にも15年前、瀕死の汐を救った相手──深見 誠吾だった。
運命的な出会いに、「恋人にもパートナーにもなって欲しい」と求めるも、深見にきっぱりと断られてしまい──!?
一筋縄ではいかない17才差の、再会から始まるラブ!
Illust » 41x様
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる