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16 散歩
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翌日、私は昨日と同じくシグさんの肩に乗って仕事場へ同行した。
昨日大泣きしてしまったので少し気恥ずかしさもあったけど、シグさんがいつも通りだから助かった。
廊下を歩きながらシグさんと念話で会話する。
『この中って歩き回ってもいいですか?』
『いいけど、地図見せてやるからある程度頭に入れてからいけよ。ここは海に近いから万一に備えて造りが複雑なんだ』
『?』
『海が近いと、他の国の侵略があったときにやられる可能性が高いからな』
なるほど。この世界は海が国境だ。敵はもちろん海からやってくる。っていうかこの世界にも戦争はあるのか。
あれ?この世界は空を飛べたりはしないのかな。
『空って飛べないんですか?』
『飛べないこともないが魔力消費が激しいからな。っていうかお前敬語使わなくていいぞ』
そんな会話をしているうちに部屋につく。私を机の上に下ろしてシグさんはさりげなく地図を広げてくれた。
朝議が行われている間私は地図を眺める。ちょっとこれ大分複雑だ…さすがに全部覚えるのは無理だな。まあなんとか帰ってくればいいし、大丈夫か。
気づけば部屋がざわざわしている。朝議が終わったようだ。
「おう、リツカ」
「おはよう」
と皆挨拶してくれるので可愛くにゃーんと挨拶を返して、机から飛び降りた。
「お、どこいくんだ?」
「なー(散歩だよ!)」
足元をすり抜けて扉に向かう。重そうな扉は閉まっていて、私では開けることが出来なさそうだ。
「にゃー」
扉の前に座って近くの人を見上げる。
開けてって伝わってくれないかなー。
「隊長、なんかリツカが訴えてくるんですけど」
「ああ、開けてやってくれ」
「え、いいんですか?」
「そいつなら勝手に帰ってくる。な?」
その通り!とでも言うように元気よくにゃ!と鳴いた。猫に呼び掛けたシグさんと返事をした私に周りの人が目を丸くしている。
『あんまり遠くへいくなよ。ほんとに迷子になるからな』
『はーい』
念話でシグさんに注意を受けた。
扉の近くにいた人が開けてくれたのでお礼を言って私は外に出た。
『昼前には帰ってこいよ』
シグさんの声が追いかけてくるのに返事をして私は歩きだした。
結局、昼前までずっと歩き回っていたものの、迷子になって帰れなかった私はシグさんに見つけ出してもらった。
シグさんにはぶつぶつ文句を言われた。
「言ったろ?複雑だって。お前なら帰ってこれるとか言った俺が馬鹿だった」
私は返す言葉もなく私を抱えて歩くシグさんの腕のなかで縮こまっていた。
「もうすぐ基地長が帰ってくる。このまま迎えに出る」
そう言ってシグさんは外へと向かった。
昨日大泣きしてしまったので少し気恥ずかしさもあったけど、シグさんがいつも通りだから助かった。
廊下を歩きながらシグさんと念話で会話する。
『この中って歩き回ってもいいですか?』
『いいけど、地図見せてやるからある程度頭に入れてからいけよ。ここは海に近いから万一に備えて造りが複雑なんだ』
『?』
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なるほど。この世界は海が国境だ。敵はもちろん海からやってくる。っていうかこの世界にも戦争はあるのか。
あれ?この世界は空を飛べたりはしないのかな。
『空って飛べないんですか?』
『飛べないこともないが魔力消費が激しいからな。っていうかお前敬語使わなくていいぞ』
そんな会話をしているうちに部屋につく。私を机の上に下ろしてシグさんはさりげなく地図を広げてくれた。
朝議が行われている間私は地図を眺める。ちょっとこれ大分複雑だ…さすがに全部覚えるのは無理だな。まあなんとか帰ってくればいいし、大丈夫か。
気づけば部屋がざわざわしている。朝議が終わったようだ。
「おう、リツカ」
「おはよう」
と皆挨拶してくれるので可愛くにゃーんと挨拶を返して、机から飛び降りた。
「お、どこいくんだ?」
「なー(散歩だよ!)」
足元をすり抜けて扉に向かう。重そうな扉は閉まっていて、私では開けることが出来なさそうだ。
「にゃー」
扉の前に座って近くの人を見上げる。
開けてって伝わってくれないかなー。
「隊長、なんかリツカが訴えてくるんですけど」
「ああ、開けてやってくれ」
「え、いいんですか?」
「そいつなら勝手に帰ってくる。な?」
その通り!とでも言うように元気よくにゃ!と鳴いた。猫に呼び掛けたシグさんと返事をした私に周りの人が目を丸くしている。
『あんまり遠くへいくなよ。ほんとに迷子になるからな』
『はーい』
念話でシグさんに注意を受けた。
扉の近くにいた人が開けてくれたのでお礼を言って私は外に出た。
『昼前には帰ってこいよ』
シグさんの声が追いかけてくるのに返事をして私は歩きだした。
結局、昼前までずっと歩き回っていたものの、迷子になって帰れなかった私はシグさんに見つけ出してもらった。
シグさんにはぶつぶつ文句を言われた。
「言ったろ?複雑だって。お前なら帰ってこれるとか言った俺が馬鹿だった」
私は返す言葉もなく私を抱えて歩くシグさんの腕のなかで縮こまっていた。
「もうすぐ基地長が帰ってくる。このまま迎えに出る」
そう言ってシグさんは外へと向かった。
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