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17 基地長とシグルド?
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シグさんと外に出てすぐに騎馬の一団が到着した。
「おう、シグルド!留守番ご苦労さん」
いかつい貫禄のあるおじさんが声をかけてくる。シグルドって…誰だ?
不思議に思っていると何故かシグさんが口を開いた。
「お疲れ様です、カデナ基地長」
え、え?シグさんってもしかして本当はシグルドさん…!?
心の中で思わず叫んだ。するとシグさんがぶっと吹き出した。そのまま肩を震わせている。どうやらこれは笑っているようだ。
『おまえほんとに、くくっ』
念話でも笑っている。え?私なんかしたっけ?
『くくっ、さっきから念話が繋がりっぱなしなんだよ。全部聞こえてるぞ。基地長をいかついとか、俺をシグだと思ってたこととか』
そう言ってまたくくっと笑った。
え、嘘だ!なんで!?
『念話は一回一回繋げたり切ったりっていう意識が欲しいんだよ。お前はそれがないから常に繋がってるんだよ』
私はその新事実に驚愕して目を見開いた。
『なんで言ってくれなかったの!!!』
シグさんがうおっと声を出した。
『お前叫ぶなよ!念話は声のようすとか全部反映されるんだぞ!』
『シグさんのせいです!!!』
頭の中で言い争っているため突然黙り込んだシグさんにカデナ基地長は不思議そうだ。
「おい、シグルド?どうした?」
「あ、いえ。なんでもありません」
そうか?とまだ訝しげながらも受け入れた基地長は視線を私に動かした。
「シグルド、その猫はなんだ?」
「拾ったんです。リツカです」
「拾った?お前の猫か?」
「はい、そうですが」
基地長が心底驚いたという表情になる。
「なんだお前にも小動物を愛でる感情があるんだな」
「…俺をなんだと思ってるんですか」
シグさんが眉を寄せて顔をしかめた。
と、基地長が手を伸ばしてきた。
「リツカ、だっけか?ほーらおいでー」
ごつい手が私に伸びてくる。
…ちょっと猫なで声なのが不気味なんだけどな…しょうがない。
「にゃーん」
返事をしてそのまま抱かれてあげる。嬉しそうな表情をしていて私も嬉しくなった。猫好きなのかなー。なんか近所のおっちゃんみたいだ。大きな手でわしわしと頭を撫でられる。ちょ、強い強い!首もげる!力加減の調節っ…!
「くっ」
とシグさんがまたもや吹き出した。
『お前なぁ!駄々漏れなんだよ!』
あっ、またやっちゃった!これほんとに意識しないとだめだ。このままだと考えていることが全部シグさんにばれてしまう。
でもその前に…このままだと死んじゃう!と身を捩ってカデナ基地長の腕から抜け出した。
少し残念そうな表情をしているカデナ基地長。
『そんな顔してもだめです。力加減を勉強してからにしてくれないと命に危険が及びます』
あえて念話を使ってみるとまたシグさんが必死に笑いを堪えている。あれ、これちょっと面白いかも。
でもこれはわざとだとわかったのかすごい目で睨まれた。
「さてシグルド。中に入って報告会だ」
「はい」
カデナ基地長は後ろの部下たちに合図してシグさんと並んで歩きだした。私は置いていかれないように慌ててシグさんに向かってジャンプした。シグさんがタイミングよく腕を伸ばしてくれたのでそこに一旦飛び乗ってそこから肩に飛び移った。
「おぉ。すごいな」
カデナ基地長が感心している。うん、今のは私もすごいと思った。シグさんとの息がぴったりだ。こんなことやったことなかったけど、シグさんならなんとかしてくれるって思ったんだよね。
『やるな』
シグさんもそう思ったらしく念話で話しかけてきた。
『シグさんのタイミングばっちり!あ、…シグルドさん?』
『ふっ、シグでいいぞ』
そうやっているうちにいつのまにかいつもの部屋の前だった。
あ、また道覚えるの忘れた!今度は迷子にならないようにしようと思ったのに!
ふっと笑ったような声がすぐ側から聞こえてはっとする。
あ、もしかしてまた念話繋げたままだった…?
『ばーか』
シグさんから言われて私は完全に沈黙した。
「おう、シグルド!留守番ご苦労さん」
いかつい貫禄のあるおじさんが声をかけてくる。シグルドって…誰だ?
不思議に思っていると何故かシグさんが口を開いた。
「お疲れ様です、カデナ基地長」
え、え?シグさんってもしかして本当はシグルドさん…!?
心の中で思わず叫んだ。するとシグさんがぶっと吹き出した。そのまま肩を震わせている。どうやらこれは笑っているようだ。
『おまえほんとに、くくっ』
念話でも笑っている。え?私なんかしたっけ?
『くくっ、さっきから念話が繋がりっぱなしなんだよ。全部聞こえてるぞ。基地長をいかついとか、俺をシグだと思ってたこととか』
そう言ってまたくくっと笑った。
え、嘘だ!なんで!?
『念話は一回一回繋げたり切ったりっていう意識が欲しいんだよ。お前はそれがないから常に繋がってるんだよ』
私はその新事実に驚愕して目を見開いた。
『なんで言ってくれなかったの!!!』
シグさんがうおっと声を出した。
『お前叫ぶなよ!念話は声のようすとか全部反映されるんだぞ!』
『シグさんのせいです!!!』
頭の中で言い争っているため突然黙り込んだシグさんにカデナ基地長は不思議そうだ。
「おい、シグルド?どうした?」
「あ、いえ。なんでもありません」
そうか?とまだ訝しげながらも受け入れた基地長は視線を私に動かした。
「シグルド、その猫はなんだ?」
「拾ったんです。リツカです」
「拾った?お前の猫か?」
「はい、そうですが」
基地長が心底驚いたという表情になる。
「なんだお前にも小動物を愛でる感情があるんだな」
「…俺をなんだと思ってるんですか」
シグさんが眉を寄せて顔をしかめた。
と、基地長が手を伸ばしてきた。
「リツカ、だっけか?ほーらおいでー」
ごつい手が私に伸びてくる。
…ちょっと猫なで声なのが不気味なんだけどな…しょうがない。
「にゃーん」
返事をしてそのまま抱かれてあげる。嬉しそうな表情をしていて私も嬉しくなった。猫好きなのかなー。なんか近所のおっちゃんみたいだ。大きな手でわしわしと頭を撫でられる。ちょ、強い強い!首もげる!力加減の調節っ…!
「くっ」
とシグさんがまたもや吹き出した。
『お前なぁ!駄々漏れなんだよ!』
あっ、またやっちゃった!これほんとに意識しないとだめだ。このままだと考えていることが全部シグさんにばれてしまう。
でもその前に…このままだと死んじゃう!と身を捩ってカデナ基地長の腕から抜け出した。
少し残念そうな表情をしているカデナ基地長。
『そんな顔してもだめです。力加減を勉強してからにしてくれないと命に危険が及びます』
あえて念話を使ってみるとまたシグさんが必死に笑いを堪えている。あれ、これちょっと面白いかも。
でもこれはわざとだとわかったのかすごい目で睨まれた。
「さてシグルド。中に入って報告会だ」
「はい」
カデナ基地長は後ろの部下たちに合図してシグさんと並んで歩きだした。私は置いていかれないように慌ててシグさんに向かってジャンプした。シグさんがタイミングよく腕を伸ばしてくれたのでそこに一旦飛び乗ってそこから肩に飛び移った。
「おぉ。すごいな」
カデナ基地長が感心している。うん、今のは私もすごいと思った。シグさんとの息がぴったりだ。こんなことやったことなかったけど、シグさんならなんとかしてくれるって思ったんだよね。
『やるな』
シグさんもそう思ったらしく念話で話しかけてきた。
『シグさんのタイミングばっちり!あ、…シグルドさん?』
『ふっ、シグでいいぞ』
そうやっているうちにいつのまにかいつもの部屋の前だった。
あ、また道覚えるの忘れた!今度は迷子にならないようにしようと思ったのに!
ふっと笑ったような声がすぐ側から聞こえてはっとする。
あ、もしかしてまた念話繋げたままだった…?
『ばーか』
シグさんから言われて私は完全に沈黙した。
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