バースデーソング

せんりお

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シャワーを浴びて体を拭いているとニコラが階段を上がってくる音がした。
バスルームを出るとニコラと鉢合わせする。入れ違いにシャワーを浴びるらしい。
すっと体を避けるとニコラが

「すぐ出る。待ってて」

と言い残してシャワールームに入っていった。
その表情がいつになく何て言うか…色気があって、ソファにぼすんと座り込んだ俺の心臓がばくばくと鳴っているのを感じた。



緊張をなんとか沈めようと深呼吸を繰り返しているとガチャっと扉の音が聞こえて、ニコラがバスルームから出てきた。

「え、早くない?」

「俺が待てない」

短く答えたニコラがソファに座っている俺に覆い被さる。軽く拭いただけなのだろう、髪からポタポタと雫が垂れて俺に落ちる。それが首筋にかかって、その冷たさに首を竦めるとニコラの雰囲気がぐっと重くなった。

「ニコ、んっ」

名前を呼ぶと途中で口を塞がれた。シャワーを浴びたばかりのニコラの唇は温かくて、気持ちいい。
大人しくキスを受けていると、ざらっと唇を舌でなぞられて、口を開く。すぐさま入ってきた舌は熱くて、甘くて、歯列をゆっくりとなぞられると勝手に背筋が震えた。

「んっ、ふ」

息苦しい呼吸の合間に意図せずに声が洩れて身動ぎすると、服の裾から手が入ってきて脇腹を撫で上げられる。その手は舌と同様に熱くて、手が離れたあとも感触が残るようだった。その間も唇は解放されず、ねっとりと甘いキスが呼吸を奪う。そのキスが、食べられるような激しいキスよりもニコラらしくてふふっと笑みが溢れた。それに気づいたニコラが銀糸を残して離れていく。俺に覆い被さったまま軽く首を傾けて不思議そうな顔だ。

「笑ってる」

「ん。ちょっとな」

「余裕だね」

俺にはそんな余裕ないよ、とキスをした唇をゆっくりと舐めるその表情は、普段のニコラからは想像もできないような雄の顔で。俺ははっと息を飲んだ。
ぐいっと体を起こされて、俺の手に指を絡ませる。その手をひいてニコラはベッドルームへ俺を誘導した。
そしてまた押し倒される。ベッドの上にぽすっと倒れこんだ俺は今度こそニコラを真上に見る形になった。

「…ほんとに俺がチハルを全部もらってもいい?」

到底離す気なんてなさそうな顔でそう問いかけられて俺はにやっと笑った。ニコラを挑発するように、最大限の色気を持って。

「今更何言ってんだよ。もらってくれないと訴えるぞ」

俺の返答にニコラが目を細めて口角を上げる。それがどうにも色っぽくてぞくぞくした。
近づいてきた唇を捉えて、今度は俺からも仕掛ける。ニコラの舌と自分のものを絡めて吸うと、俺の服の中を探っていたニコラの手つきが性急になった。

「ぁ、ん」

急に胸の突起を掠められて体が小さく跳ねた。自分で触れてもなんともないようなそれが、ニコラに触られると敏感になる。
そんな俺の反応を試すかのようにニコラはそこを執拗に引っ張ったり転がしたりした。

「っ、ふ、ちょ、しつっこい」

「ごめん、可愛くて」

抗議するとそんな謝罪とともに額にキスが降ってきた。

「体、ちょっと浮かしてくれる?」

言われるままに動くと服は全部取り払われて、上も下も身に纏うものはなにもなくなった。俺のモノは完全に反応していて、それがニコラに見られていることが恥ずかしくてうつ伏せになると、ニコラがふっと笑った気配がした。

「ここ、いい?」

背中を伝って下りていった指が、軽く入り込むように動く。
無言で頷くと、いつの間に出したのやら、ローションでぬるっとした感覚を纏った指がゆっくりと俺の中に侵入してきた。

「ん、ぅく」

異物感に鳥肌が立つ。俺の反応を見ながらニコラはゆっくりと指を動かし始めた。

「大丈夫?」

「っく、だいじょぶ」

押し広げるかのように動く指。深い呼吸を意識して早く慣れろと言い聞かせる。と、ずるっと急に指を抜かれて変な声が出た。

「っひ!?」

「あ、ごめん」

ニコラを若干の涙目で睨み付けると心底申し訳なさそうに謝られた。

「なんで急に抜いたの?」

「いや…あのさ、チハル普段から…後ろ使ってる?」

ニコラに真剣な目で聞かれて、俺は固まった。

「っいや、してないしてない!なんで!?」

「ん、いや、その柔らかいからさ。普段からしてるのかと…」

そう言われて俺は真っ赤になった。顔が熱い。

「あのーそれはですね…さっきお風呂で俺がほぐしたから、です」

消え入りそうな声で言うと今度はニコラが固まった。

「あ、…はい」

お互いに一瞬無言になって、その後吹き出した。ベッドの上、片方は裸で笑う二人。ほんとになにやってんだか。色気の欠片もない。

「いやなんか誤解を生んだみたいで」

「ちょっと嫉妬しかけた…気持ちは嬉しいけど今度から俺が全部やりたい」

やらせてね、と俺の耳をぞろっと舐めながら吹き込まれた。吹っ飛んだばかりの色を含んだ空気が一瞬で帰って来た。

「ん!ぁ」

そしてまた指が挿入される。今度はさっきのほぐすような動きとは違ってどこか意思を持って探る動き。
ニコラの指がより深くまで入ってきて、それが内側にくいっと曲げられた瞬間。

「っひ、あ!」

体がびくっと跳ねた。

「ん、ここだ。見つけた」

体内のしこりを指でさすってニコラはどろっと甘く笑った。

「んっぁ、やめ」

「気持ちいい?」

執拗にそこだけを擦られて押されて、じわじわと襲いくる快感が止まらない。

「も、解れただろ?いいから早く」
 
来て、と後ろを振り向くとニコラが一瞬息を飲んだ。

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